エッセイ1 

 アフリカマイマイとジャンボタニシの楽園の島・ルソン島
 
 2週間のフィリピン昆虫相調査旅行(1999.11.3〜17)に同行する機会がありました。地域はルソン島の中部(マニラ市近郊のケソン州・マニラ南部のラグーナ州)からルソン島南部のビコール地方とよばれている一帯です。この時期の気象は、雨期から乾期に入り、気温も27℃前後と過ごしやすい時でした。反面、昆虫やかたつむりにとっては、やや活動が鈍る時期であるのか、予想に反して姿を見かけるチャンスが少なかったのです。

ただ、目を見張る場面があちこちにありました。その一つ目は、マニラをはじめとする都市や南部の地方でも、水田・川に限らず、町や村の隅々まで、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)とその鮮やかな紅色の卵塊が見られたことです。二つ目は、ちょっとした建物のかげやヤシの根元や幹に、アフリカマイマイの巨大な姿があったことです。ジャンボタニシもアフリカマイマイも、原産地から遠く離れた移入種です。調査で歩いたのは、ルソン島の中・南部と限られた範囲でしたが、見かけた印象からは、ルソン島はジャンボタニシとアフリカマイマイが島全土に広がり大繁殖をしているように感じられました。

そういえば、マニラ市内のレストランでバイキング料理の一品に、山盛りにされたジャンボタニシの蒸し料理がありました。周囲を見ると、おいしそうに殻の中から身を取りだして食べておられる外国人の姿がありました。「のんびり牛が放牧された水田の中で、大繁殖しているジャンボタニシでなければいいが……」と、一瞬余計なことを考えたのでした。
 
esy101.jpg (17800 バイト) esy102.jpg (33788 バイト)
マヨン火山の麓に広がるヤシ畑と水田 刈り取った稲株に産み付けられた卵塊
esy103.jpg (40112 バイト) esy104.jpg (26891 バイト)
水田のあぜ道に捨てられたジャンボタニシ 殻の長さが10cmを越えるアフリカマイマイ

                                                       

                                                     home1.gif (3055 バイト)