エッセイ 10

 芽ぶき始めた草原の植物たち

 
 
  4月も半ばになり、山焼きの行われたカルスト草原・秋吉台にも、本格的な春が訪れ
 ました。2月の山焼き直後、一面黒く染められていた草原も、今は茶かっ色の地色に
 混じって、うす黄緑色が目立ってきました。足もとにはササの芽ぶきが、焼け残ったハ
  ギの根もとには若芽が勢いよく姿を現しています。ところどころの石灰岩柱の割れ目に
 は、野生モモの原種とされる木が、うす桃色の花をつけています。

  いっぽう、石灰岩柱の周囲やススキの根株には、かたつむりの死殻が数多く見られ
 ます。でも、十分な気温上昇に対し湿気が少ないのか、生貝が活動する姿は見られま
 せん。もう一雨くれば、活動が始まるのでしょうが。あたたかい春の雨が、待ち望まれ
 ます。ここあしこに、あふれんばかりの姿が見られるのも、あと数日のことでしょう。

生き物の生活の場−石灰岩柱−

ササの芽ぶき

焼け残ったハギの根株に見られる若芽

原種とされる野生モモの花