エッセイ 

  ナメクジは1匹で子どもをふやせるか?
 
  殻をもたない陸の貝、ナメクジも立派にかたつむりの仲間です。大抵のかたつむりと同じように、雌雄同体で2匹以上いないと交尾ができません。かたつむりを飼育する人は、多いと思います。でも、ナメクジを飼育する人なんて、私くらいかもしれません。ところが、飼育をしていると、いろいろなことに気がつくのです。

  写真1は、10年くらい前のことになりますが、山奥で見つけた見慣れないナメクジを、4ヶ月間飼育していました。すると、ある日突然、20個ほどの卵を産んだのです。どうせ腐るだろうと思いながらも、取っておきました。蓋のある小さなシャーレから、出入りするはずもなく、例え出たとしても、家の周囲にいるナメクジは、種類が異なります。写真に見られるジャンボが、母親(?)です。周囲の小さく見えるのが、無事育っている子どもです。

  昨年の年末にも、これと同じ事件が起きました。9月以来飼育中のチャコウラナメクジが、年末のある日、シャーレの清掃のために、中のティッシュを捨てようとしたときです。底に30個ほどの透明な卵があったのです。またもや、1匹でのことです。卵の中は、すでに小さなナメクジの幼体が、成長しつつありました。写真3がそれです。ナメクジでは、こうした1匹で受精した卵を産むことが、かなりの頻度で生じるのでしょうか。動物の中には、交尾から産卵までかなり長い期間、体内に精子を保存しているものがいます。そうして、環境などの条件が整ったときに受精するのです。私が飼育していたナメクジも、飼育前に交尾を完了していたのでしょうか。

  写真2は、正常なナメクジの交尾です。写真4は、淡いクリーム色の軟体で、触角が黒い美しいナメクジです。名前不明のコウラナメクジの一種です。ナメクジは5〜7月ころ繁殖しますが、気温の低下する冬季にも、産卵して冬を越します。ナメクジにも不思議がいっぱいです。

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1匹で20匹の子ナメクジ 正常な交尾をしているナメクジ
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1匹で受精した、卵の産卵 クリーム色をした名無しナメクジ

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