エッセイ 5

  カルスト草原のかたつむりは、今

 
  春をよぶカルスト草原・秋吉台の「山焼き」が、来る2月20日(日)に予定されています。広大な草原に火が放たれる、一大イベントです。昔から刈り草利用のために、地域の人々とのかかわりの中で形成され、維持されてきた人為的な草原です。

  春、台上一面が萌黄色の若芽でおおわれると、待ちかまえていた生きものたちが、次々と活動を始めます。草原にすむかたつむりたちも、その仲間です。秋吉台にはキュウシュウシロマイマイをはじめ、コハクオナジマイマイ、コベソマイマイ、ウスカワマイマイ、ナミギセルなど何種類かの陸貝がすんでいます。このかたつむりたちは、一体どのような草原での生活を送っているのでしょうか。

  台上全体が、火の海と化する山焼きの時は、すべてが焼き尽くされるという試練が、毎年やってくるのです。山焼きの終わった台上を歩くと、おびただしい数の死殻が見られます。現在調査中ですが、台上のかたつむりたちは、山焼きの熱をうまく避け、この熱によって死ぬものは、ほとんどいないようです。あらためて、火力の強さと同時に、「台上のかたつむりたちの生命力」に驚きと不思議さを抱かずにはおられません。

  また、今年も″火の試練″がやってきます。
 

春霞にけむる秋吉台(4月)

山焼き後のカルスト(3月)

待望の春到来、活動開始!(5月)

山焼き跡に見られる死殻(3月)