エッセイ 8

 雌雄同体のかたつむりの産卵は?
 
 数日前、テレビのクイズ番組の中で次のような問題が出題されていました。「かたつむりは雌雄同体といって、一匹が雄・雌両方のはたらきをします。それでは交尾した後、二匹のうちどちらが産卵するでしょう」。

 回答者の意見を聞くと、「体の大きい方が栄養分もたくさん持っているので繁殖に有利だから、大きい方が産卵する」。「交尾を初めて経験した方が産卵する」。「どちらも雌雄のはたらきをするのだから、両方産卵する」。いろいろ楽しい理由付けと回答でした。

 実は、雌雄同体のかたつむりは、お互いに精子をやりとりし、交尾した両方が産卵するのです。お互いが細い管(陰茎)を相手に挿入して、精子(正確には精子の入った袋)を相手の中に置いてきます。種類によっては一方ずつが交互に精子をやりとりします。

 精子を入れる細い管は、右側(右巻きの場合)の大触角のすぐ後ろあたりにある穴(生殖孔)から挿入します。観察によると、交尾には2〜3時間ぐらいかかるのが普通です。交尾が終わって3〜4週間たつと産卵が始まります。

 移動範囲が狭く、互いに出会う機会が少ない、それに例え産卵しても親まで無事に育つ可能性の少ないかたつむりたち。より確実に、より多くの子孫を残す戦略なのでしょうか。交尾後、両方ともが産卵するという繁殖方法こそ、よりベターな方法だったのでしょう。

 今日は久しぶりの雨天です。一雨ごとに暖かくなり、かたつむりたちの活動開始の時期が、秒読み段階に入ってきました。

コベソマイマイの生殖器

セトウチマイマイの交尾