エッセイ 9

 かたつむりを捕食するもの

 

 かたつむりの大部分は、植物の若葉や朽ち木などの植物質を主食としていますが、一部には(タワラガイ、オカヒタチオビガイなど)、肉食性のものもいます。それではかたつむりを食べるもの、「食物連鎖(しょくもつれんさ)」でかたつむりの上位に位置するものは何でしょう。もちろん肉食性の動物です。

 以前、カルスト草原・秋吉台に行ったとき、石灰岩の割れ目でキュウシュウシロマイマイが、ヒルの仲間に襲われている場面を見かけました。(写真1) また、オサムシ科の昆虫にマイマイカブリという種類がいます。この昆虫は名前からわかるように、かたつむり(マイマイ)を好んで食べます。細い首を殻の中に突っ込み、口から消化液を出して食べるのです。(写真2)

 林でかたつむりを探していると、殻の一部が壊れている殻を見かけることがあります。これは木の枝や上っていた草から落下して、破損したものとは異なります。それは殻の壊れ方を見ればわかります。実は鳥やけものによってかじられ、中の軟体が食べられたものなのです。(写真3)鳥の中には鋭い嘴で殻をつつき割るもの、殻を口にくわえて石などに叩き付けるものなどがいます。また、けものとしてはイタチやタヌキをはじめ、夜中に林を徘徊する小形のほ乳動物たちです。かたつむりにとって殻を壊されては、それこそ手も足も出ないのです。

 最近知ったことですが、ヘビの仲間にかたつむりを専門に食べる仲間がいるそうです。ヘビの中でも最も種類が多いのは、ナミヘビ科Colubridae に属するものですが、この中にセタカヘビ属Pareas という仲間がいます。このヘビは毒はもっていませんが、かたつむりを専食し、「そのために下顎に長い歯をもち、下顎をかたつむりの殻に突っ込んで、中身を引きずり出すように捕食する」(朝日百科『動物たちの地球5 両生類・爬虫類』、1994、朝日新聞社、より)そうです。日本でも八重山諸島(石垣島、西表島)に生息するイワサキセダカヘビは、かたつむりを専食します。前掲『動物たちの地球』によると、ナミヘビ科の中にナメクジクイ属Duberria という仲間がいるそうですが、ナメクジを専食するのでしょうか。こうしてみると、かたつむりの外敵も、いろいろあるものです。

写真1 ヒルの仲間に襲われる

写真2 マイマイカブリに食べられる