エッセイ20 

 到来、待望の冬眠からの目覚め

 

   片道1時間の通勤は、毎日の多忙さに押し流される私にとって、四季の推移に気づかせてくれる清
 涼剤のようなひとときです。3月から4月は、わずか数週間の間に、車窓から観察できる山々や道路
 際の植物 たちが、1年のうちで最も存在を誇示する時期でもあります。薄桃色のヤマザクラ、タムシ 
  バ、 コバノミ ツバツツジ、フジと、萌黄色の若葉の中に、一際目立つようになります。道端にはスミレ
  やシャガが群れをつくって咲き誇ります。
  
   4月下旬である今朝は、昨夜からの雨があがって、しっとりとすべてが濡れ、外気温こそ約10℃
  (午前6時45分測定)でしたが、湿度のたかさを肌で感じることができました。こんな日は、一雨ごとに
  長い冬眠から目覚める準備をするかたつむりたちのことが気になります。あと1週間もすれば、活動
 を始めることでしょう。

  まだ冬眠から覚めるにはちょっと寒い今朝、待ちきれないのか、沿道にあるコンクリートの壁面に、
 動き始めたかたつむりを発見しました。今年になって初めてです。場所は山口県小郡町上郷の藪台
 入口付近、もう1カ所は旭村明木の萩有料道路入口付近です。白地に黒褐色の帯のあるサンインマ
  イマイの幼貝が1個体、藁色の殻に黒い帯のあるセトウチマイマイの幼貝が2個体でした。

  いよいよ゛かたつむりシーズン゛の到来です。わき見運転で側溝に車を落とすことはあっても、人命
 にかかわる大事故だけは気をつけたいと思います。そういえば、今朝、途中で輪禍にあったタヌキの
 死骸を2個体見かけました。小型ほ乳類の輪禍には、人も動物もお互いに気をつけたいものです。

 
サンインマイマイ セトウチマイマイ
ウスカワマイマイの幼貝 キュウシュウシロマイマイの幼貝