エッセイ21 

  1週間にバケツ2杯分の除去作業


  山口県JR小郡駅南に広がる水田地帯。1週間前に苗が植え付けられ、次第に色が
 濃くなり始めています。しかし、近寄って見ると、ここあしこと苗がなくなっているのに気 
 がつきます。農作業中の人に尋ねると、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が食害し、対
 応にほとほと困っていると言われます。作業の手を休め、バケツいっぱいに集められた
 ジャンボタニシを見せられました。「植え付けて1週間になるが、これでバケツ2杯目」と
 いうことでした。

  上流の本川から取水する用水路を通じて、最初に野外での生息が拡大した地域か
 ら、この付近の水田に拡大したらしいのです。自治体への陳情も行ったが、わずか作
 業のジュース代ほどの補償しかないとのこと。強力な殺虫剤を散布すれば、ジャンボ
 タニシだけでなく、有用な小動物までも死に追いやってしまう。数年前には、散布した
 殺虫剤が下流の川に流出し、ヤマトシジミの漁業補償問題まで起きています。繁殖力
 の強いジャンボタニシ、各地の農業試験場でも駆除方法を研究していると聞きますが
 妙案がないようです。

  米作は、今や休耕政策や米価の値下がりで、苦しい上にジャンボタニシにまで悩まさ
 れ大変な状態です。この日農作業中の数人を見かけましたが、どの人の手にもビニル
 袋やバケツがありました。これまでのところ(2001年6月現在)、山口県内の生息地は
  山口市、小郡町、熊毛町です。

一帯の水田すべてに拡大

水田の畦や草茎にも産卵

産卵されて間もない卵塊

水田中の個体を採取除去

おびただしい数のジャンボタニシ

カニに食べられる卵塊