エッセイ23 

  お寺の池にいるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)?


   先日、北海道に在住の若いお坊さん(資延哲規さん)からメールをいただきました。拝見
  してとても興味がわき、同時にメールを寄せられたお坊さんの心中を推察するにつけ、是
  非、多くの方にご紹介したいと思い、ここに掲載します。メールの要旨は次のようでした。

   「こんにちは。私は北海道の北部、上川郡に住んでいます。実は知り合いのお寺で会議
  があった折、境内の池を何気なく覗いたら、水深30センチほどの底にある落ち葉の上に、
  おびただしい数のタニシの親分みたいな生き物がどっさり動いていました。これまでに知っ
  ているタニシとは色も形もちがう。殻がとがっていない。こいつは何者?、と興味をひかれ
  ました。その池の場所は、人家から隔絶された山の頂にあり、湧水をたよりに苦労して檀
  家の方々と築いたと聞いていたので、不思議な奴がいてもおかしくはない!、と考えるよう
  になりました。会議の最中も気になっていました。とうとう、会議終了後、お寺の奥さんにビ
  ニール袋をもらい4個体ほど採集しました。うじゃうじゃいたので、もっと採集しても良かっ
  たのですが、偶然とったのが4個体。うっ、縁起悪い!、と思ったのですが、タニシというく
  らいだから4個でいいか、と親父ギャグな考えに納得し帰途につきました。帰宅して、熱帯
  魚水槽の中にはなし、よく観察しながらHPで検索した結果、あの悪者のジャンボタニシ君
  であることがわかったのです。学名はスクミリンゴガイ。あのうじゃうじゃいるのが、本当に
  ジャンボタニシなら、駆除という悲しい結末も考えなければいけないので、今回の問い合わ
  せになりました。」

   結局、メールだけの特徴では貝が特定できず、3枚の写真をお送りいただきました。その
  結果、境内の池にすむ貝は、マルタニシでもオオタニシでもなく、ジャンボタニシでもありま
  せんでした。モノアラガイという淡水性の巻き貝でした。ことのすべてが明らかとなったお坊
  さんからのメールには、次のようにありました。

   「おかげさまで、池の住人も駆除などという残虐な目にあわずにすみました。これからは、
  ありがたい真弘寺の池の貝は、水槽のコケ掃除に最高! などとデマを飛ばして、モノア
  ラガイにその生息範囲を広げてもらおうかな、などと考えています。北海道でも、水田での
  農薬の空中散布が盛んになり、用水路のタニシや小魚を見ることもほとんどなくなってしま
  いました。」

  ※ 資延哲規さんは、HP「PODOMA‐ shingonji」を開設しておられます。

境内の池に生息するモノアラガイ

モノアラガイの卵嚢

 ジャンボタニシスクミリンゴガイ(山口県・小郡町)