snail5.gif (1130 バイト)  夏の風物詩・ほたると貝

 夏の風物詩・ホタルを呼び戻そう、と自然環境の浄化をめざした地域づくりに取り組むところが、全国的にふえてきました。学校現場では環境教育の一環として、ゲンジボタルの養殖、幼虫の放流に取り組んでいる学校もあります。淡水性の巻き貝であるカワニナは、それと深いかかわりをもつ貝類です。

 秋から春先にかけて、水がきれいな川のほとりをよく観察すると、黒い毛虫のようなものが、貝に頭を突っ込んでいるのを見かけることがあります。黒いのは、夏の夜に、やや緑がかった黄色の光を点滅させる姿からは想像しにくいホタルの幼虫なのです。えさになっているのが巻き貝のカワニナです。

 殻の長さ約2.5cm、最大殻径約2cmです。全国各地の川や池にすみ、コケやプランクトンなどを食べています。繁殖時期は春から秋ころ。稚貝の形で生まれる卵胎生と呼ばれる繁殖方法です。殻径約1mmくらいの稚貝が一度に、2、30個誕生します。それが1ヶ月で約1cmくらいに成長するスピードには、驚かされます。

 何種類かあるホタルの中でも、その幼虫がカワニナをえさにするのは、大形のゲンジボタルです。それより小形のヘイケボタルは、やはり淡水性の卵形の巻き貝・モノアラガイを食べています。カワニナが、水のきれいな場所にすむのに対して、モノアラガイは田んぼの溝やよどんだ水にも住んでいます。ホタルの中でも幼虫が水中生活をしない、ヒメボタルと呼ばれる仲間がいます。この仲間は、陸産のかたつむりを食べます。オカチョウジガイやオカモノアラガイを食べているのです。

 山口県の中央にある石灰岩地帯・秋吉台の地下には、数多くの鍾乳洞が形成されています。その1つ秋芳洞の出口付近は、毎年ホタルの時期になると、ゲンジボタルのみごとな乱舞が見られます。この洞口付近の流れには、ひと味ちがうカワニナがすんでいます。普通のカワニナよりも、形がずんぐりしています。しかも、殻が丈夫でがっちりしています。これは洞口から流れ出る水温と水の性質によって、普通のカワニナの殻の形態が変化したものなのです。水温は1年中15℃で、石灰分を多量に含んでいるからなのです。スジマキカワニナという名前が付けられ、秋吉地方独特の形となってきたものです。
 
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殻頂部が折れているカワニナ

カワニナを食べるゲンジボタルの幼虫

殻の先も残る丈夫なスジマキカワニナ

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