snail5.gif (1130 バイト)    山口県のかたつむり1

 山口県には陸産・淡水産の貝類が、およそ130〜150種いるとされています。日本全体では、およそ1000種いると言われていますので、けっして多い方ではありません。秋吉台などの石灰岩地帯があるにもかかわらず、貧弱な貝類相となっています。四国などでは、一つの県だけでゆうに150種を越えるところもあります。
 山口県にゆかりのあるかたつむりは、およそ30種類います。そのうちのいくつかを紹介します。
 
タキカワオオベソマイマイ 
 現在の下関市吉見に住んでいた滝川昇平が、明治29年〜33年ころ、吉見一帯で採集したかたつむりを、わが国の有名な貝類研究家平瀬与一郎に送っていました。その中に混じっていたのがこの標本でした。殻の臍孔が大きく開いて、オオベソマイマイの特徴をもっています。県内では、各地に棲息しています。殻色は茶褐色で、サイズは直径約14mm、殻高約7.5mmです。
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 ※肖像写真は、萩市郷土博物館発行(1990)「かたつむりの不思議」より引用

カワモトギセル
 カワモトギセルは、本県岩国市城山を模式産地とするキセルガイの一種です。1914年(大正3)に、河本卓介は県立岩国中学に在学中、城山でこの標本を採集しました。命名、正式な記載は、発見から30年も経ってからでした。その後、県内の各地から確認されていますが、個体数は多くありません。島根県西部・山口・大分県に分布しています。殻色はクリーム色で、蜂の子のようにずんぐりしています。殻径約4.5mm、殻高約19mmです。
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 ※肖像写真は、藤原廣治氏所蔵のものを複写(「かたつむりの不思議」掲載)

 

タダムシオイガイ・ミシマヒメベッコウガイ
 見島は、山口県萩市の沖合約45kmの日本海に浮かぶ孤島です。島の東側にある日崎という岬の山頂に、わずかに原生林が残されています。1955年(昭和30)、この原生林の中で多田武一は、ムシオイガイとベッコウマイマイを採集しました。その両方とも新種であることがわかり、一つは発見者の名をとってタダムシオイガイ、もう一つは発見された島の名をとってミシマヒメベッコウガイと命名されました。どちらも殻径が5mmほどで、微小貝と言われています。
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タダムシオイガイ

ミシマヒメベッコウガイ

在りし日の多田武一

 ※肖像写真は、萩市郷土博物館発行(1988)「多田武一氏寄贈貝類資料目録」の中より引用

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見島宇津方面より日崎を望む(左本土側)

日崎原生林の先端部(鞍部より登る)

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