| 『寄生虫館物語』(亀谷 亨、文藝春秋)〜可愛く奇妙な虫たちの暮らし〜。私たちヒトをはじめ、ほとんど の動物の体に寄生し、巧みに生活する動物、寄生虫たち。タイトルにひかれて読み始めた一冊。あまりのお もしろさ、というか意表をつく生態に引き込まれて一気に読破してしまいました。さらには、「目黒寄生虫館」の HPまで拝見したのです。思えば小学生のころ、当時実施されていた学校の検便採取の時、便の中に多数の 小さな白い線虫のような生き物が動いていたのを思い出します。検査後、きまって駆除用の飲み薬をいただ きました。私だけでなく、ほとんどの友だちがそうでした。誰もが寄生虫を持っていたのです。 HP「かたつむりの館」を開設してから、何度かかたつむりと病気、特に寄生虫に関わる質問を受けてきま した。このページでは、かたつむり(陸産貝)に限定せず、「貝と寄生」について紹介してみたいと思います。 |
アナジャコに寄生するマゴコロガイ、カリガネエガイに寄生するカクレガニの仲間 貝の中で寄生生活をすることで知られているものに、アカヒトデの体表に外部寄生するアカヒトデヤドリ ニナStilifr ovoideus 、ウニの仲間のヨツアナカシパンに着くカシパンヤドリニナCuspeulima peronellicola 、 二枚貝のカリガネエガイBarbatia (Savignyarca) virescens の殻に外部寄生するクチキレガイの仲間などが います。 先日、近くの山口湾の潮干帯に、寄生貝を観察に出かけました。岩の割れ目に、いくつも群れて固く着い ているカリガネエガイをはがし、固着部に寄生する殻長数ミリのクチキレガイの仲間を見つけようとしたので す。何個体もはがして観察するのですが、なかなか見いだせず、結局2個体を観察しただけでした。 ところが、貝をはがす際に殻が壊れて、中から赤色の体液(ヘモグロビンを含んでいるのでしょうか?)が したたり落ちるので、気になり殻の中を開いて見たのです。すると、中に小さなカニが入っているのです。外 套膜の間に1個体います。偶然かと思い、10個体ばかり開いてみました。すると8個にカニが入っていまし た。帰宅して調べてみると、カクレガニ科のピンノ類ということがわかりました。アサリなど二枚貝に多く寄生 しているそうです。 ほかの動物に寄生する貝、また貝の中に寄生する動物。あらためて生態の巧みさを知らされた思いでし た。 ※ ミズヒキゴカイに寄生するトウガタガイの仲間、アナジャコに寄生するマゴコロガイの写真は、中村康博 さん(宇部市)のご好意によります。 参考図書 寄生虫館物語、亀谷 亨、文藝春秋 貝の博物誌、波部忠重、保育社 決定版生物大図鑑貝類、奥谷喬司編、世界文化社
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カリガネエガイに寄生するカクレガニ科のピンノ類 |