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世界の絵本作家展*リバーウォーク北九州5階*北九州市立美術館分館
2003年12月14日(日曜日)

実は、前回、下見はしてました。というのも娘の英会話教室のレッスン50分の時間を利用して、教室の近くのリバーウォークの5階の美術館に走ったのでした。
ところが、観ても観ても、原画のオンパレードは続き、世界の作家の作品が今、まさに目の前にあるかと思うと、興奮して。。。足が進まず・・・50分では到底、観ることのできない展覧会でした。
「絵の好きな娘を連れて、もう一度出直してこよう」と胸に誓ったのですが、忙しさにかまけているうちに、最終日の14日!慌てて、娘の手をとって、ギリギリ駆け込みました。
絵本の魅力とは、一瞬にして子供の気持ちをギュッっとつかんでしまうような色使いとか、登場人物や動物の表情だとか、素っ頓狂なストーリー性などにあるのでしょうか。コドモでなくとも、つい虜になってしまう。

たとえば、アメリカの作家:バーバラ・クーニーの「空がレースにみえるとき」という絵本。空がレースにみえるとき、〜草がグズベリージャムみたいになって〜パイナップルソースのスパゲッティを食べて〜カワウソと一緒に歌う・・・少女たちの姿が描かれています。
なぜ、草がグズベリージャムになって、なぜ、パイナップルソースなのか。。。って、それは空がレースにみえる夜だから!!、、、他に理由はないのです。
バーバラ・クーニーの「空がレースにみえるとき」の絵本はもっているので、改めて原画の色彩の繊細さをかみしめました。
やはり、絵本の絵とは色も雰囲気も相違があります。
彼女の作品の「エマおばあちゃん」:::エマおばあちゃんとは、どんなおばあちゃんであるかというと・・・
木に登って降りてくることのできなくなったネコを助けるために、エマおばあちゃんは木登りが大好きなので、木に登るのです。
木登りがスキで登るのか、ネコを助けるためなのか・・・そのあたりのニュアンスがなんともね。
木には、白い花がたくさん咲いてて(きっといい香りがするのでしょう)、木の下には黄色い野の花が咲いてて、木に登るための椅子、そしておばあちゃんの靴があります。
たとえ、お月様が話し始めようが、ウサギがベッドで眠ろうが、ペンギンが氷の上で転ぼうが、ライオンが空を飛ぼうが。。。子供の視線(世界)だからナンデモアリなのが絵本の世界でしょう。

イギリスのジョン・バーニンガムという絵本作家の絵のユーモアにも、驚かされます。
カエルなのに、緑色の洋服を着て、ハンモックの上で眠っているのです。一方の足をダランとハンモックから伸ばして、手をくんで、スヤスヤとね。
広がる闇の静寂の中、草を影絵に、とっぽりと大きな大きな月が、そんなカエルの寝顔をもかもかと照らしています。:絵本「ねんころりん」
ケイト・グリーナウェイ賞に輝いたという彼の作品「ボルカ*はねなしがちょうのぼうけん(1963年作)」の挿絵も凄みがありました。
船の上には、二人の船乗り(彼らの表情、仕草が今にも絵の中で話し出しそうな様子:生きてるみたい!)、そして、船の隣りには船と同じくらいの大きさの夕日が今まさに海に沈もうとしていて。。。
その海の色ときたら、ビックリするようなピンク色なの。夕日を溶かし込んだようなね。

オーストリアの作家*リスベート・ツヴェルガーの深みのある色彩にも、心を惹かれました。登場人物たちが、一様にどこか苦悩を隠し持った表情をしているの。
「おやゆびひめ」のツバメも、スカーフをその首に巻いて、トランクケースをもって、シルクハットまでかぶってね、まるで旅人風情。
秋の足音が近づいてくる様子が、おやゆびひめのオサゲの髪やスカートやツバメのスカーフや葉が風にひるがえって、そうと一目で解るのです。

チェコの作家:ヨゼフ・パレチェックの「ちいさなよるのおんがくかい」という絵本には、動物や人が宙を舞っていて、そのブルーの色をみつめていると、あのシャガールの絵の配色と構図を思い出しました。

イギリスの絵本作家:エロール・ル・カイン:あのさくらももこさんも熱狂的な彼のファンらしいですね。彼女がイギリスの故ル・カインの自宅を取材した記事をまとめたエッセイを読んだことがあります。四角くて平坦な紙の上に、よくぞここまでの美の極限の世界を表現できるものだと。。。圧倒される思いがしました。
構図、遠近感、光と影、怖いほどの迫力、きらびやかさ・・・ものすごい引力で、彼の世界にひきずりこまれます。

日本を代表する作家として、あの五味太郎さんと佐野洋子さんの原画も堂々の展示でした。
五味太郎さんの「きんぎょがにげた」の原画を目で追いながら、8歳の娘は逃げた金魚を絵の中にみつけるゲームに夢中になっていました。彼の遊び心がつまった絵本に、遊んでもらう子供たちは、なんと多いことでしょう。
佐野洋子さんは、大人のためのエッセイなども数冊出しているだけあって、大人が読んでも、、、ドキッ、エエエッ?、ハッ!とすることの多い、たくさんの絵本を創作しています。
「おじさんのかさ」(1975年作)も、そんな彼女特有の皮肉(そこが魅力だと思う)がびっしりつまって、なんともいえない味わいがあります。
「空とぶらいおん」(1982年)も、悠々と空を飛ぶ向日葵いろのライオンが、りりしく頼もしく、少し哀しい。
「100万回生きたねこ」(1977年)の登場人物のネコの目は。。。。昔、サイン会の際に間近で瞳が合ったとき、人を射抜くような鋭い、それでいてちょっとスネテテ、神経質そうで、生きることに不器用そうで、・・・なのに無謀で大胆不敵な感じの・・・佐野洋子さんにそっくりの瞳です。グリーンではなかったけれど。。。
もちろん、佐野洋子の北九州市民会館での講演会(えええっ==と。。。18年も昔のことですか===)のときに直筆サインしてもらった「百万回生きたねこ」の絵本、今でも大切にしていますよ。愛読書です。
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