@KID'S HOUSE
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日常のささいなことでも日記ふうに書き綴るきっずはうすのドキュメンタリードラマです。


■温泉旅行編
 

 春一番から、浮かれ飛ぶ姿こそが、KID´Sの面々にふさわしいと思う。 熊本への一泊温泉旅行へは、少数ながらも客人の参加もあり、慰安旅行と呼ぶには、こくのありすぎる過激な楽しさだった。
イメージイラスト 雨・・・ 出発の当日、三月二十八日は、あいにくのどしゃぶりだった。雷という鳴り物入りで…「こんな豪雨だから、温泉行くの、やめようか」などと言い出す輩がいるんじゃないの、もしかして…いや、まさかね、ハハハ… などと、朝、私達わらだ夫妻で冗談を言っていると、そこに一本の電話がー
「えー、こんなすごい天気なのに、温泉行くのか?」と、驚くI氏に、私達は驚いたのよ−。やっぱり、いたのね。こういうオトボケさんが…だから、KID´Sはおもしろい。 おのおの車に乗り込んでの出発。運転してくれたA氏は「僕は、晴れ男なんですけどね、絶対このメンバーの中に雨男か雨女がいますよ」と笑っている。私が、その『雨女』であることも知らないで…
 スタッフのKは、ほんとうによく飲み、よく食べる。 ビール片手に、パーキングに寄るたびに、「やっぱ、チクワでしょう」とか「やっぱ、イカ焼きでしょう」とか言いながら、わしわし食べている。 おまけに、おやっ、食べてない、飲んでないと思ったら、助手席でイビキをかいている。 宿について、お茶を飲んで一服、ほっとするこのひととき。 娘はマスターと入浴すると言う。それじゃあと、お湯を一人で楽しみましょうとお風呂へいく。
 広い浴場には、人影がない。たっぷりの湯でゆっくり洗髪して、露天風呂に出ると、まだ少し雨が降っている。
 重くたれこめた雨空にパキッと光のひびが入り、すぐにガラガラドドンと稲妻の音が追いかける。
 風呂につかりながらの、こんな光景はいいものだ。 雨がやんで、にわかに西の空に夕暮れの淡い光がさしこんできたかと思うと、大きな虹がかかった。
 空の大画面にうつしだされる映像は、つくりものの映画ではなく、総天然色の自然が描く壮大な絵画。  映画は幾度も繰り返して見ることができるけれど、今、目の前にあるこの光景は二度と同じものを見ることができない。
 しかも、もうあの虹は姿を消そうとしている。 空の上の誰かから、プレゼントを贈温泉旅行写真1られた気分。私は、すごくラッキーだ。
 お風呂上がりのさっそくのビールが喉にしみる。マスターが、来る途中の店で買った馬刺の包みをひもとくと、嗅覚にすぐれたKID´Sの面々がわらわらと集まってきた。
 味は極上。とろける舌ざわり。早く、女性軍もお風呂から上がってこないかなあと、待ちながらも、そのあまりのおいしさに皆でぺろりとたいらげてしまった。
 夕飯の席についても、女性たちは現れず…こんなとき、男性は短気になる。 とおもったら、一番短気なのは、うちの娘であった。乾杯の前に食べ始めてしまったもの。さあ、浴衣に身を包んだ石鹸の香りの女性たちが現れると、さっきの男性軍の不機嫌もどこへやら、場は一気に華やかになった。温泉旅行写真2
 宴たけなわである。春の宵を酔いに身をまかせながら、ゆっくりと過ごすこの至福。 温泉の酒は格別に人を酔わせるものらしい。IT氏は、珍しく苦手なはずの日本酒をふくみながら、リラックスしている様子。
 T氏は、御飯を9膳も食べた。どうりで最近、大きくなったと思った。
 KP氏は、照れながらも一生懸命、物真似に励んでいる。
 F氏は、浴びるようにそこらじゅうのお酒を飲み干してゆく。 だけど、これはなんだろうと誰もわからなかったつまみを『ゆりねだよ』ととっさに答えたのには頭が下がった。酔っても料理人なのである。
 H氏は、酔いがまわりすぎて、すでに気絶。 マスターが、わるのりして「死亡推定時刻…」とかって言いながら、顔におしぼりのせてビデオをまわしていたら、娘がひょろっと近付いて、なんと「なむー」と言いながらH氏の枕元に座って手を合わせていた。とんでもない親子である。
 一方、「おてての皺としわを合わせて、しあわせー」などとさらに挑発するI氏。 みんな、でたらめに酔っているんである。
 酔ってもお湯に入るのが温泉の醍醐味である。酔い酔いモードでお湯につかって、女湯を出たところ、私は自分の目を疑った。男湯の玄関のところに、セミの抜け殻のように浴衣が落ちているんである。 酔って、浴衣がはだけるというのは理解できるが、こんなふうに脱ぎ捨ててあるというのは珍しい。
 不思議に思いながら、廊下を歩いていくと、さらに帯が落ちていて、こんな落とし物をするのはKID´Sの誰かに違いないだろうと確信した。
 後で話をきいたところ、事態は明らかとなった。それどころか、この浴衣の落としたひとは、なんと他の人のパンツをはいたというのだから、ものすごい。
 K氏は仕事が終わってからかけつけて、冷たくなったお膳を前に一人でさびしそうに御飯を食べていた。と思ったのは間違いで、次の瞬間にはもう大食らいのKを伴って、熊本の夜の街へとくりだして行ったんである。 やんちゃな男の子って、ほんとうに冒険がすきよね。 朝、青い顔をして旅館代の一万五千円を支払っているのを見たら、笑えてしまった。 だって素泊まりで、そんな金額なのよ。ちよっと気の毒で笑えてしまったの。 後できいた話だけど、旅館に戻ってきて、ちよっとKID´Sの誰かと話がしたくなって起きている人間をさがしに各部屋をまわったらしいんだけど、なんせ朝の五時のこと、さすがにおきている人はみつからなかったらしい。
 翌日は、三井グリーンランドへー 薄曇りのとにかく、寒い日だった。 わらだFAMILYは、小さい娘のためにメリーゴーランドみたいなおこちゃまパークで遊んでいたが、遠くにKPたちを発見。 KPはお化け屋敷が苦手らしい。嫌がる彼をKちゃんとF氏で拉致してそこに向かう途中らしい。私達も同乗することに。
 お化け屋敷に足を踏み入れたとたんに、F氏からぷーんとお酒の匂いが… お酒くさいお化け屋敷というのを始めて経験した私はたのしくって、いっぱい笑った。
 寒さもピークに達して、入ったアトラクションというのが、氷の世界、マイナス30度という素晴らしき世界だった。
 だって、その館から出てきたら、外の空気が暖かく感じてしまうのよ。 マスターは鼻毛が凍ったと言っていた。
 暖房中と書いた張り紙のあるドアをあけると、そこは健康ランド。夢のような暖かさ。そこで、私達の遭遇した人物というのが、きのう深夜の夜遊びを満喫したあの二人組だったのである。 二人とも若いくせに、気持ちよさそうにマッサージ機のソファに身をしずめているのだわ。
 私は、骨密度の検査をしてみることに… くるぶしのところって一番皮が薄いじゃない。その骨のところを木のトンカチみたいな機械が計五回たたいて、骨密度を測定するの。動いたら、計り直し。これがギャッって声が出てしまうくらい痛いから思わず、動いてしまうの。おかげで、計十五回もたたかれるはめになったわよ。結果は良好。骨が年齢より、十才は若いってほめられた。
 私達も一応ジェットコースターにも乗ったけど、一番盛り上がっていたのは、S姉妹とMちゃんとKねちだったんじゃないかなあ。 乗り物ざんまいしていたものね。  集合場所に行ったら、F氏がさっきのお化け屋敷のときのハイテンションのまま、遊園地のコンパニオンのきれいなおねえさんを口説いている。
 遊園地を出たところに、三部咲きの桜の木の坂が…その坂がF氏のこころを刺激したと見える。彼は坂を転がった。本人も楽しかったに違いないが、見ている私達は爆笑の嵐。負けず嫌いのH氏まで、ころころと転がった。
 何がかれらをそこまでかりたてるのかー桜か、お酒か、この開放的な空気なのかー

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