Game Review

ジョジョの奇妙なカードゲーム

スタンド・キャンセレーション


<DATA>
名称:ジョジョの奇妙なカードゲーム スタンド・キャンセレーション
分類:カードゲーム
メーカー:King's Court(同人ゲーム)
デザイナー:のーべー
プレイ可能人数:3〜10人
プレイ適正人数:4〜7人
プレイ時間:40分程度
ルールの難しさ:簡単。ルール説明は7分程度
持ち運び:軽い。
オススメ度:それなりに面白いと思うんですが・・・

<スタンドカードの例>
承太郎達を狙う、ディオに雇われたスタンド使いを表します。
プレイヤーはこのカードを出すことにより、承太郎達を苦しめようとします。
※カードのデザインは変わります。

<標的カードの例>
今回、ターゲットになったキャラクターです。
そのラウンドの得点・失点が記載されています。
ディオ様は、ヘマをしたスタンド使いを許さないのです。



<ルール>
このゲームは「ジョジョの奇妙な冒険」第3部をベースにした、トリックテイキング系のカードゲームです。(と言いつつ、ルールをこねまわしているうちに、トリックテイキング系とは呼べないシロモノになっていきましたが)
プレイヤーは悪役になり、主人公の承太郎たちを襲います。

このゲームは4ゲームで構成され、各ゲームは4ラウンドから成ります(つまり全部で16ラウンドです)。各ゲーム開始時に、各プレイヤーにはスタンドカードを5枚ずつ配ります。
各ラウンドではまず、ディーラー(毎ラウンド交代します)は、標的カードを1枚引き、今回のターゲットを決定します。
全プレイヤーはそれを見た上で、手札の中からスタンドカードを伏せて1枚出します。全員が出したら一斉にオープンします。
スタンドカードには、「スタンドパワー」と呼ばれる数値(最小0〜最大11)が書いてあり、その値を比べます。
通常は、一番小さな数値を出したプレイヤーが失点し、一番大きい数値を出したプレイヤーがその失点分を得点として獲得します。失点者が複数いた場合は、獲得者はその合計を得点とします。
その失点は標的カードに記入されており、ダイスを規定の個数振り、5か6の目が出た数が失点となります。(標的カード参照)
ただ、スタンドカードは単純に数値比較をするわけではありません。
まず、スタンドカードに同じスタンドパワーの数値があると、お互いに足を引っ張り合ってしまい、両者とも最低ランクになってしまいます。最低ランクが複数組あった場合には、その中でさらに数値により優劣を決めます。
また、スタンドカードには特殊能力があり、相手のスタンドパワーの数値を増減させることがあります。(スタンドカード参照)

1〜3ゲームのそれぞれの終了時には「TO BE CONTINUED」モードと称して、得点が最下位のプレイヤー(複数いる場合はその全員)が得点が1位のプレイヤー1人にギャンブルを挑む機会が得られます。(要するに最下位救済ルールです)
勝負は、手札の残りスタンドカードを1枚出して、特殊能力を無視した単純な数値比較で行ないます。
ここで最下位のプレイヤーの数値の方が大きければダイスを7個振り、5か6の目が出た数だけ1位のプレイヤーから得点を奪い、自分の得点に加えます。
一方、引き分けかそれ以下の場合は何も起きません。

このようにして、4ゲーム行ない、最終的に得点を一番たくさん得たプレイヤーの勝利となります。



<コメント(早くもデザイナーズノートになりつつある)>
えー、これまで私がつくってきたゲームは、プレイ適正人数が4人のもの(「ミスター味っ子」「ジャイアントロボ」)、あるいは、人数が多いとゲームがやりずらくなるもの(「聖闘士星矢」)ばかりでした。
(例外的に「時代劇3600秒」は2人〜7人までできますが)
それに対して、私は休日には6人以上で集まることが多く、それらゲームをやる機会はありません。
「多人数でできるゲームをつくろう」と考えたのは、それからでした。
逆に、少ない人数だと面白くない可能性はあります。それについては、プレイヤー数が減るカード(エンペラーとハングドマン)を除いてプレイすれば、3人でも一応ゲームになることを確認しています。

一方、ジョジョについては、これまで1対1のバトルゲームをつくろうと考えたことがありましたが、あの作品は、車田正〇作品のような単純な戦闘ではなく、毎回のように特殊な状況が発生します。
そんなわけで、ジョジョではカードゲームとしての統一バトルルールをつくることができない、という結論に達しました。(例えば、磁力でジョセフとアブドゥルを苦しめたバステト女神など、普通に考えたらバトルにはなりません(笑))
私はこれまで、どちらかというと具体的なバトルゲームをつくってきましたが、ジョジョをゲーム化するためにはそのまま適用できず、ルールを多少抽象的にする必要がある、と思いました。

そういう背景のもと、このゲームの作成に至りました。
ゲームの形態としては、昔からつくりたかったトリックテイキング系を採用。
これまでつくったことのないジャンルです。

私のこれまでのゲームデザインは、特殊なカードを多く入れ、ルールを複雑にすることにより、ゲームに味付けをするやり方でしたが、今回は違います。いらないルールをできるだけそぎ落とし、なるべく簡単にするという方針です(いずれにせよ、多人数ゲームでルールが複雑なのは望ましくありません)。
これは、新たな方向に進みたいという、どちらかというと自分に対する挑戦です。
ただ、一部、原作を多少デフォルメした部分があります(例えば「ラバーズ」「エンプレス」「クヌム神」の能力などもゲームルールに合わせて、拡大解釈しています)。これはゲーム性を高めるためという事で割り切っています。
結果的に、いつもよりも簡単で、よりゲームっぽいものになったと思います。

多少なりとも工夫したのは、全16ラウンドを4分割して、それぞれでカードを新規に配り直す事です。
これにより、1ゲーム失敗しても、「次回こそは!」と新たなチャンスを期待できることでしょう。
そして、大人数カードゲームがつくりにくい理由の1つはカード枚数が大量に必要なためですが、1ラウンドに消費する枚数が少ないことになるため、その問題もクリアできて一石二鳥でした。
得点のシステムも、タイミングによってはバランスを崩さない程度に一攫千金を狙えるようにしました。
なお、プレイヤーの獲得した得点は麻雀のようにプラスマイナスで示され、トータルは0となります。ですが「1点100円」などとギャンブルに使ってはダメですよ(笑)。
ちなみに、一人あたりポーカーチップなどを20枚所持してからゲームを始めると、とてもスムーズにゲームが進行します。

このゲームは決して、ジョジョ第3部に出てくるスタンド同士の闘いを厳密に再現したわけではなく、私のいつものデザイン様式とは異なります。
しかし、ルールは簡単でゲーム性は高く、多人数が集まった時に手軽に行なえるゲームだと思います。





  1999/08 no-be-