私の手もとにある昭和51年の診療報酬点数表には、理学療法としては(1)電気療法・
ジアテルミー療法・超短波治療 ・ 低周波療法、マイクロレーダー、超音波療法(2) 長波
治療・紫外線治療・熱気浴 の(1)(2)があって、同一部位の治療では両者を併用しても
1回として7 点を算定すること、となっている。
昭和59年 ( この年健保本人の1割負担はじまる) には、理学療法の(ニ)消炎鎮痛を目
的とする理学療法として(1)マッサージ等の手技による療法 (2)器具等による療法 に区
分され、ジアテルミーは(2)に入り、(1)(2)はとに30点、併施した場合は35点となった。
和60年項目が整理され、理学療法(ニ)の(1)(2)は、理学療法 (5)のイ、ロになった。
昭和63年の改定で、初めて皮膚科光線療法という名称が登場した。そして皮膚科光線療
法は、15分以上行った場合に、消炎鎮痛を目的とする理学療法に準じて算定する、とされ
た。
平成 2 年消炎鎮痛処置と皮膚科光線療法は理学療法料の項目からはずされ、それ
ぞれ独立して整形外科と皮膚科の処置料に編入されて、いずれも35点となった。そして
甲表でも、基本診療料に含まれていたのが廃止されて、請求できることになった。
平成 4年消炎鎮痛処置は35点(イ)手技 と(ロ)器具等による療法を併施した場合は
40点、皮膚科光線療法は45点になった。また運動療法を理学療法料と名称変更して、
新しい皮膚科リハビリテーション料の項に入れた。なお甲乙2表が一本化された。
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このように平成4 年以降、保険診療では理学療法の用語が従来の広義な用法から、
リハビリテーションを意味する狭義の使用になった。因みに、理学療法士及び作業療法
士法は法律第137 号として昭和40年に制定されている。
勿論ジアテルミー等の電気治療は理学療法であるが、保険診療では物理療法に区分さ
れた点について、理解の統一を図る必要がある。 昭和63年、電気外科(高周波電気凝固
あるいは外科的ジアテルミー)は、鼻腔粘膜焼灼術として保険診療に採用されたが、内科
的ジアテルミー(超短波治療とマイクロ波照射)については、理学療法の名称変更と
皮膚科・整形外科処置への編入が行われた平成 2年以降、ことに厳しい現状である。
たとえ低い点数設定であっても、内科的ジアテルミーを、耳鼻咽喉科物理療法として、わが
科の処置料項目に採用して貰うよう、高周波電気治療研究会として、例えば、滲出性中耳
炎や習慣性アンギーナの治験を地方部会で報告するなど、全会員が大いに努力すべきで
あると思う。
なお付記すべき事項として、平成 2 年高度先進医療から「電磁波温熱療法」が、保険
診療の放射線治療料の項に導入された。そして(ロ)深在性の悪性腫瘍には100 メガヘル
ツ以下の高出力の機器を用いること、とされた。わが国では、近年ハイパーサーミアの研究
が著しく進んだが、ハイパーサーミア(悪性腫瘍に対する電磁波温熱療法)はジアテルミ
ーと同質の治療法なので、高周波電気治療に関する私どもの啓蒙努力に心強い援護と
して期待し得る分野である。
[文献]
志井田守:耳鼻咽喉科保険診療における高周波関連点数表に関する私の見解.日耳鼻
医連かがみ.52:48-50,1989
2)志井田守:滲出性中耳炎の物理療法.日本医事新報.No.3560:139,1992
3)志井田守:ジアテルミーに関する理解のために.高電研会誌.No.15:2-3,1993