患者の悩む耳鼻科の病気
Web-site へ寄せられたE-mail の分析とジアテルミー手術のため來院した症例
志井田 守(茨城県)
私は1997年5月に耳鼻咽喉科におけるジアテルミー治療の普及を目的としたホームページを開設した。その後6年を経過したので、ホームページを見て来院した症例や「何でも相談」の欄に寄せられたE-malを纏めてみたので報告する。表1にHPの一部を示す。
E-mailは耳鼻科医から、患者自身から、または患者の家族からのものがあり、医師の質問はジアテルミー治療や手術の手技に関するものである。患者側の質問は慢性かつ難治で対応に苦慮している疾患についての相談で、月に4通、一年で約50通の受信があり、私はその9割以上に応答した(表2)。質問は各地から時には海外赴任の方からもあり、一人が1通と限らず3通あるいは5通以上の場合もあった。
扁桃疾患についての相談が最多で約9割を占め、その他が鼻アレルギーや滲出性中耳炎に関する相談である(表3)。多くは治療法の選択について意見を求めたものである。ほかに治療済みの不治の状態として突発性難聴や嗅覚喪失についての相談もあった。相談の多かったのは、CFS(慢性疲労症候群)に似た訴えを持つ慢性扁桃炎、習慣性扁桃炎、扁桃膿栓症、掌蹠膿疱症の順で、滲出性中耳炎では鼓膜にチューブを挿入したくないという相談も目立った。表4に典型的なの相談例のmailを示す。この例のほかにも慢性疲労症候群類似の訴えとして、微熱・悪寒、咽頭痛・嚥下痛、リンパ節腫脹、筋肉痛・筋力低下、全身倦怠、頭痛、関節痛、うつ状態など、CFS性扁桃炎とも言えるような相談が特徴的に多かった。このような例の局所所見は病巣感染性扁桃に似ているようである(表5)。
表6に来院した手術例の一部を示す。ジアテルミー手術を希望して来院した患者は岩手県からが最も遠くS.T.35才男の扁桃膿栓症で左右各2回凝固して治癒した。mail例示のCFS性扁桃炎のT.H.14才男は神奈川県から2回来院したが、凝固の効果は一時的で結局は手術を要すると思われた。扁桃手術は近隣の各県から来院したが、2例は花粉症を持っており、レーザー焼灼をうけたが無効だったので鼻の高周波凝固も希望された。鼻アレルギーは地元からが多かったが、レーザー焼灼無効の鼻アレルギーのジアテルミーによる再手術の数例はいずれも治癒した。そのほか扁桃摘出術の後遺症として高度の慢性鼻咽腔炎のため来院された例もあった。表7まとめに示したように、埋没性の小さい扁桃が多いCFS扁桃や病巣感染性扁桃は摘出手術を適用するのがよく、凝固の好適応は単純な炎症性肥大扁桃である。
私として特に意図した点ではないが、最近Web-siteを見て来院する患者は次第に増加している。