◆29/08/03 荷物が無い

 「スペインに行きたい」

 そう思い始めたのはもう5年くらい前だろうか。WGP が好きでスペイン GP に憧れ、セリエA全盛時代からスペインサッカーを崇拝し、どちらか一方を観る旅に行きたいと常々思っていた。しかし、諸々の事情からなかなか行く事は叶わなかった国、それがスペインだった(一度行こうとしたらツアーキャンセルで行けなかったんだが(苦笑))。今回、自分の休みの日程とリーグの開幕日程が合わせられそうで、しかもリーグが変則で日曜・水曜で行われる様子だったので、その他の都合を付けて渡欧に踏み切った。目的は、Real Madrid と Atletico de Madrid それぞれのホームゲームを見ることと、CIRCUITO de Jerez に若井伸之の墓参りをすること。

○Tokyo 発 London 行 BA006 便

 新横浜から始発の「こだま」に乗り、東京駅で NEX に乗り換えて成田空港へ。到着すると、BA のチェックインカウンターには既に長蛇の列ができていた。航空券を受け取ってチェックインカウンターに並び、40分くらいでチェックイン完了。

 係員「本日は満席を予定していますので、通路側も窓側も既に埋まっております。

旅慣れた人であれば、おそらくこの時点で後に起こる出来事を予測できたのであろう・・・。チェックインの後、とりあえずのお金を両替する。日本で両替するのは一番レートが悪いとは聞いていたが、現地でゴタゴタ慌てるよりもマシだろうと思って、200ユーロくらいを両替。ユーロのピン札は、なんとなくオモチャのようである。 初の海外は関西からの出発だったので、成田から出国するのは初めて。出国審査を通ったときは新鮮な気持ちだった。初めての長時間飛行ってことで、緊張感をもって搭乗。

 『狭っ・・・

聞いてはいたが、国内便と変わらないサイズ。唯一違うのは、ヘッドレストのサイドが可動式で若干厚めなくらい(だから、寄りかかれる)。繁忙期の時期のフェリーと似たようなもんだと考えることにした。

上空に到達すると、早速食事が出てきた。2種類選べて片方は生姜焼き+ライス。これでジャポニカ種白米ともしばしお別れである。食事にはワインもつくし、ビールも飲めるし、エコノミーといっても国際線は素晴らしい。食事しながら、お隣さん(女性)と少しお話をすると、イタリアに半年ばっかし語学留学するんだそうで。

女性「私は、サッカーには全然興味無いんですけど、サッカー好きの知り合いがね、『練習場に通って、若い有望な選手捕まえて来い』なんて言うんですよ。(笑)

まぁ、目的を間違えないように・・・。(^^;

 食事後、日本時間ではまだ昼だけど、現地時間は夜明け前なのでとりあえず寝ることにした(今回は飛行機に乗ったら現地時間に併せこむようにする作戦)。エコノミーでも寝ようと思えば意外と眠れるもんだ。2時間ごとに目を覚ましたりしながら、なんとか午前9時(現地)くらいまで眠ることに成功。睡眠時間は多分4時間くらいだけど・・・。あとはひたすら起きて映画を見たりガイドブック読むしか、することがない。窓の外も見えないが、見えたところで北極海とシベリアの大地が見えるくらいだからなあ・・・(トイレ待ちのときに見た)。


そんなこんなで、ひたすら退屈なフライトも終わりに近づくと再び食事。大して腹は減ってなかったが(座ってるだけだから当然だ)、出てくるものはとりあえず食べる(笑)。まぁ、ちょうど昼時だし、時差調整にも役に立つだろう。食事を終えて、ほどなくロンドンはヒースロー空港に到着。ここから、今度はマドリッド便に乗り継ぎをせねばならない。「Flight Connection」と書いてある看板に従って進み、循環バスに乗ってターミナル2に移動する。乗り継ぎに時間があったので空港内にあるパブを探してみた。本場のパブでエールでも飲んで待とうと思ったのだが、このときは見つからずに断念。こんな事をしてるくらいだから、もちろん、この後に訪れるハプニングについては全く想像していなかった。この時点までは・・・。


○London 発 Madrid 行 IB3175 便

 およそ国際線とは思えない(っても EU はほぼ一つの国みたいなもんだけど)ターミナルから、イベリア航空の飛行機に乗り込む。キャビン・アテンダントも「Hola!」と挨拶してくれて、いよいよスペインに近づいてきたのを実感。座席について機内誌を取り出すと、うっすらと濡れている。これは・・・。確認すると、エチケット袋に無色無臭の液体(おそらく水)が入っていて、それで濡れていた。んなもん、機体清掃のときにチェックしといてくれよぉ。こういうところでも、スペインに近づいてきたのを実感。

成田から乗ってきた BA ヒースローの待合室 狭い

 延々と長いタキシングとウィエティングの後、マドリッドに向かって離陸。上空についたら、今度はサンドイッチが出てきた。袋には「Sandwitch Time」と書いてある。確かに、スペイン時間だと軽くつまむ時間だけれど、それにしてもこれは多くないか? とか思いながら全部食べる。結構美味。


ロンドン郊外上空 IB のサンドイッチ


○Madrid Barajas 国際空港

 2時間足らずのフライトで飛行機はマドリッド郊外のバラハス国際空港上空に。おお、下に見えるはハラマ・サーキットではないか! あそこでカピがコースアウトして、哲っちゃんがゴールラインを走り抜けてチャンピオンになったんだよなー。という感動とともに夕焼けのバラハスに降り立ち、バスで到着ロビーへ。パスポートコントロールを(あっさり)抜けて、手荷物カウンターで荷物を待つ。が・・・出てこない。まさか、これがあのロスト・バゲージって奴ですか?(大汗)
周りに居るのは、成田から同じ便で来た日本人が多い。どうやら、まとめて忘れられたようだ。最多人数の一団だったフェリス女学院のスペイン語研修一行に付く、現地ガイドの河田さんから声がかかる。

 河田「これから交渉するんですけど、よかったら一緒に。

渡りに船とは、まさにこの事。クレームタグを持って一緒にイベリア航空のカウンターへ行く。河田さんが流暢なスペイン語で交渉すると、答えが帰ってきた。

 河田「彼女達のは次の 22:00 の便で到着するそうですけど、あなたのは明日の午前になるそうです。

おいおい、なんで俺だけ明日なんだよ? どうなってんだよ IB! まぁ、理由はともかく、今は手続きを進めるしかない。英語も通じたが現地語のほうが良いだろうと、河田さんに通訳してもらいながら、滞在先住所や荷物の特徴、目印などを教える。このとき、会社の名詞をタグに突っ込んでおいたのを思い出した。日本語のサイドが表だが、会社のロゴが入っているのだ。見せたらカウンターの人も認識してくれた。流石はグローバル・カンパニー。勤務先の大きさを実感した瞬間だった。(苦笑)

 念のため次の便まで待ってみたけれど、やはり出てこなかったので諦めてホテルに向かうことにした。これ以上トラブルがあったら笑い話にもならないので、用心してタクシーを選択。フェリスの御一行に別れを告げて、周囲の様子を確認しながらタクシー乗り場に移動する。出口から出てくる日本人は、ほぼ間違いなくパスポート持ってるから、狙われてます。注意しましょう。タクシー乗り場に行くと日本の空港以上に雑多にタクシーが待っていた。最前列が出るのを待っていたら直後の1台が手招きして呼ぶので、そちらに乗車。車はVWだった。マドリッドのタクシーは、カラーは白地に赤線のカラーに統一されているが車種はばらばらで、スペインメーカーのセアトからメルセデスや日産(プリメーラ)まで様々な種類のタクシーが走っていた。

 乗ったタクシーの運ちゃんは陽気に話し掛けてくる。

 運ちゃん「スペインは観光かい? セニョール。
 自分  「フットボールだよ。レアル・マドリー。」
 運ちゃん「おー、ベッカム?
 自分  「no, no. やっぱラウルでしょ!」

 その後も運ちゃんはスペイン語で喋ってくるので、全く応答できず。途中に新しいシウダッ・ディポルティーバの近くを通ったらしく運ちゃんは「デポルティーバ、デポルティーバ」と連呼していたが、その頃はこちらは助手席でスピードに固まっていた。いくらなんでも 160km/h で走るのは勘弁だぜ、セニョール。どうやら環状線の北側を回って市内に入り、フロリダ地区にあるホテルに到着。メーターは 27Euro だったが、いろいろ加算されて 33Euro。30Euro 以上は払うつもりが無かったが、面倒なのでそのまま支払った。なんとかホテルにチェックイン。部屋を空けると、シングルで頼んだのにツイン。そういや、フロントで何かゴタゴタやってたけど、まさか部屋も確保されてなかったんか・・・? ともかく、滞在中は「ツインルームのシングル使用」という、TV 朝日における大泉洋クラスの待遇で過ごせる(それよりも荷物がなぁ・・・)。一息ついて、そんなに空腹でもなかったので近所の BAR でトルティージャを肴にセルベッサ(スペイン語でビール)を飲んで夕食に。明日のためにさっさと寝ることにした。もちろん、着替えは明日到着するので下着1枚である。夏場の旅行で本当に助かった。

 ・・・スペインまで来て、何やってんだかなぁ。