◆03/09/03 3大クラブ制覇

 昨日見損ねたレイナ・ソフィア芸術センターを見ればとりあえずマドリッド市内はあらかた見終わるので、試合までの午後をどうしようか考えていたところ、半日ツアーがあるのを思い出した。ツアーデスクがホテルにあったので催行時間と戻る時間を聞いたら、人数は既に揃って催行は決まっているし、参加しても試合までには余裕で戻れるということなので、午後はトレド半日観光に決定。その前に午前中は残りの観光スポットへ。

○Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofi'a

 10:00 の開館前にセンター前の広場に到着。時間になって入館すると、ここも撮影禁止でカメラを預けなければならないらしい。クロークに荷物を預けて、モギリまで進む。ここは2階と4階が常設展示で、2階にピカソやゴヤの作品が主に収められている。4Fは現代芸術が中心なので、時間がない人は2階だけ見れば十分だろう。自分は時間があったので、4階と、1Fでやっていた服飾関係の展示も見てきたけど。
 ここでの必見はやはり「ゲルニカ」。ピカソが描いた戦争抗議画としてよく知られている作品で、現在は痛みが激しく国外持ち出し厳禁となっているらしい。つまり、ここでしか見れない絵だ(最近、ニューヨークの国連本部ビルらしいところの映像で観たが、あれはレプリカ)。なるほど、警備員も3人張り付いていて国宝級の警備体制。かなり大きい絵で、なんともいえない迫力が伝わってくる。が、訴えかける悲惨さという点では、広島・長崎の資料館には負けるなぁ・・・。もちろん、比較するのは間違いなんだけど。なんにせよ、圧倒されました。

国立ソフィア王妃芸術センター

 1時間ちょっとかけて見た後、集合時間まで市北部にあるマドリー関係のスポットをいくつか回ってくることにした。

○Ciudad Deportiva

 ここ数年のマドリー金満政策の種がこの練習場。ここを売却し郊外の練習場に移転することによって、マドリーはそれまでの借金をチャラにしたばかりか、ある程度の資金を金庫に残すことに成功した(もっとも、その資金も尽きてまた赤字に転落したらしいけど)。そんなわけで、ここに練習を見に行くのも今年で最後と言われている。  練習場は駅から歩いて5分もかからないところに。立派な門構えで、すぐそこには1軍の練習場と思しきスタンドつきのピッチが見えたが、門から先は入場料を払わないと入れない。

 係員「今日は練習やってないよ。
 自分「中を見たいんだけど。
 係員「じゃ、2 Euro

 おいおい、建物見るのに 2 Euro かよ。マリノスでやっても相当な収入になるな(苦笑)。渋々払って入場すると、スタンドの近くではソシオらしい初老のおっさんたちが群れなして前日の試合らしい事を語り合ってて、良い雰囲気。とはいえ、無人のピッチを眺めても仕方ないので、とりあえず敷地の奥へ。すると、奥にある別のピッチでは3軍(ユース)が練習をしていた。トップに居るのは凄い人間ばかりだけど、頑張れよ、未来の El Blanco。

練習場入口 今年まで ユースの練習風景 一軍のピッチ

 適当に1軍ピッチの周りを徘徊し、次なる目的地はマドリーのペーニャが営んでいる BAR へ。

○Marisqueria Tani's-Taberna

 途中、Santiago Berunabe'u 裏の AREA REAL MADRID に寄って(この時点でもう RONALD #9 が並んでいた。ちくしょう)、そこからタクシーで Cuatro caminos 駅まで移動。周囲を探し回ること15分で到着した。時間もないのでビールとボカディージョを頼んで、日本から来たことを告げるとここでも大層な歓迎を受けた。レストランの奥にある、これまた貴重な写真やら記事やらポスターやらを見せてもらった。

レストランの中 店主と

 交流もそこそこにボカディージョを平らげ、ホテルに戻ってトレド観光へ。

○Tredo

 ガイドの大森さん曰く「Toredo は日本で言う京都にあたる都市」で、マドリッドに遷都するまでのスペインの首都だった街である。三方を川に囲まれ、もう一方は崖と城壁で守った、いわゆる城塞都市。マドリッドに来て時間が無ければ Toredo に行け、と言われるくらいのベーシックな観光ポイントらしい。街ごとが世界遺産に指定されていて、修復する場合には元通りの外観で修正しなければならないし、窓も明け足してはいけないんだとか。でも、街ごと世界遺産という所は世界各地にあるけれど、トレドはまだ制限が緩いそうで、部屋の内装は自由に変えていいし外装修復にも素材変更(プラスチック等)は認められているんだとか。一方、例えばベネチアは内装すら変更不可。世界遺産に住むのも一苦労である。
 参加者は自分を合わせて5人。ホテルからマイクロバスに乗ること約1時間でトレドの町に到着した(寝てていいので楽ちん)。最初は高台に案内されて、Toredo の全景を見る。丘というか、中州の中に強引に立てた城の街って感じである。この場所も何度か取ったり取られたりの陣取り合戦が繰り広げられたらしいが、どうやって攻めたんだろうね・・・。日本のお城も山城から平城へと移るにつれて、要塞機能から権力の象徴へと変貌していったわけだが、ここと、マドリッドの王宮もおそらく似たような関係なんだろうなぁ。

トレド全景

 バスを降りていよいよ街の中へ。その前に、大森さん曰く。

大森「バスは別の出入り口に行きますから、戻ってきても乗れません。はぐれないように。

でも、その前にこんな事も言っていた。

大森「この街は城塞都市ですから、敵が侵入しても方向感覚を失うような作りになってます。

・・・はぐれたら帰れないかもなぁ。(汗)

 バスを降りて、狭い路地を通ってまずはカテドラルを見学。「日本でいえば京都」と言うだけあって、文化財も国宝級が揃い、もちろん宝物室は撮影禁止。素晴らしい宝物やら、美しいステンドグラスやら、さすがスペインキリスト教会の総本山(ってぇことは、自分の母校の系列教会の頭でもあるわけだな・・・)。また、教会に飾ってある絵とか彫刻とかについても、大森さんからいろいろと教えてもらった。自分で観ると判らないことばかりで、ガイド付きの見学もなかなか良いものだと思った。

路地からカテドラルを望む カテドラル全景 さすが総本山

 カテドラルから町の中を通って、次はサント・トメ教会へ。ここには、画家エル・グレコの最高傑作作品と言われる「オルガス伯爵の埋葬」が展示されている。スペイン内戦時代はグルグル巻きに当然ながら門外不出でここでしか観れないし、おまけに素晴らしい画なもんだから、見学者が多くてミサができなかったことも過去にはあったとか(現在は、展示室と礼拝堂が区切ってあるので、そんな心配は無いらしい)。ちなみに作者のエル・グレコってのはスペイン語で「あのギリシャ人」って意味で、本名はドメニコ・テオトコプーロスとかいうらしい。この人、名前を覚えてもらうために懸命だったようで、書いた絵には自筆のサインを必ず入れていたそうなんだけど、結局数百年経っても「あのギリシャ人」としか呼ばれていない。不憫である。

 最後に、トレドを囲むタホ川に古くから渡る二つの石橋の一つ(現在はもっと多くの橋がある)を渡って街の外へ。そこからバスに乗ってマドリッドへ戻る。短い滞在だったが、十分に堪能できた。ガイドの大森さんに感謝である。高速の出口にはサッカーの練習場らしき芝を見つけて、「こんな小さそうな街にもチームがあるんだなー」と思い、後で確認したら 2 部 B に Toredo ってチームがあった。スペインサッカー恐るべし。

町を囲む川と谷 幸福も、厄災も、橋を通って・・・

○三度 Bicente Cardelo'n

 Toredo から帰ってくるときにスタジアム横をバスで通ったので様子を見ると、もう出店が出ていた。ホテルに戻って支度をし、(もちろん)地下鉄でスタジアムへ出発。

 アトレティのサポーターはレプリカの着用率が高い。センテナリオの記念シャツも結構見かけるが、一番人気はフェルナンド・トーレスの 9。続いてシメオネの 14 か。スタジアムの周りをうろちょろしていたら、「リー・チュン・ソー!」と声をかけられる。アジア人の区別がつかないのだろう、ソシエダの李天秀の名前を言われることが多かった。実際、現地での李への注目度は高く、テレビや新聞で多く取り上げられていたし、ソシエダの2トップの一人として試合にも出ていた。が、間違われてそのままにしては置けないので「俺はハポネス(日本人)だよ。」と言っておいた。ちなみにスペインでは城や西沢はとっくに忘れられていて、一番有名なのはやっぱり中田。スタジアムで日本人を見れば「ナカータ!」と声をかけてくる。だから、「ナカムラ!」と坊ちゃんの売り込みも忘れずにやっておいた。

 地元のサポーターに習い、スタジアムの向かいにある BAR でビールを飲んでから中へ。やっぱり、30 分前になってもスタンドはまだガラガラだ。次第に埋まってきて気付いたのだが、ビセンテ・カルデロンではウルトラは SUR(南・アウェー側)の1階、ゴールの真裏に陣取るようだ。マドリーも SUR 1階だったし、そういう慣習なのだろうか。もっとも、ホームもアウェーも無くサイドスタンド1Fはアトレティのサポーターで一杯。バックスタンドも1Fは一杯で、2階は6割くらいの入り。メインスタンドは8割くらいかな(観衆は 45,000 と発表)。そういえば、周囲でも全く見かけなかったアルバセテのサポーターはスタジアムでも全く見かけなかったが、どこに居たんだろう?

カウンター形式の場外売店 スペインにもギャルサポは居る アトレティのG裏

 試合はアトレティが終始押し気味に進め、アルバセテはカウンターを狙う、よくある構図。が、どちらもミスでなかなか攻撃が繋がっていかない。アトレティも面子が大きく変わったと聞いていたが、ならば 2 節ではまだまだ連携も少ないんだろう。注目のエース、トーレス君はというと、彼に良い形でボールが渡らないので、ちょっと可哀想。数日後の代表戦で見せたようなドリブルでの突破力もあれば、攻め上がった左にムサンパ(前期までマラガ)に良いサイドチェンジを通すなどの視野の広さもあるけれど、早めに彼に預けて2列目が上がったり、スペインちっくな縦のワンツーなどは少なかった。まぁ、もう一方のFWは新加入したブラジル人みたいなので、もう少し試合をこなせば変わってくるかもしれない。前半は双方ぱっとしない展開で0−0で後半へ。

 ハーフタイムにはCMが色々と流れ、こちらは日本のスタジアムっぽかった。センテナリオを意識した年間チケットCMが流れていたが、場内で受けていたなぁ。

 後半始まって間もなく、ゴール前でトーレスが倒されてFKを得る。蹴るのは10番の Jorge。こいつも22歳と随分若い。このフリーキックがアルバセテの壁の横を抜けてゴール(帰ってテレビを見たら凄い曲がり方だった)。その後もアトレティが優勢に試合を進めて、追加点は無かったけれども1−0で今期初勝利で場内大満足。シメオネはフル出場し、ベンチのハビ・モレノは出場せず。時間も遅かったので今回は長居せずに人波に紛れて駅へ。地下鉄でホテルまで帰った。