◆02/04/10 「合併という選択肢」

 2002 年4月7日。JFL2シーズン目を闘うアルエット熊本の初戦を伝える記事の下に、ある事実が報告されていた。

「ブレイズ熊本 トップチーム解散」

 熊本で、いや、九州でJリーグ入りを目指したのは草分け的存在だったブレイズ。外国人や元Jリーグ選手などを獲得し、おそらく誰もが、上がるとしたらここが一番手だと思っていたはずだ。しかし、JFL昇格を二度に渡って失敗してからは、なかなか良い成績を残せず、昨年はとうとう県リーグに降格してしまった。そうなってしまっては、出資母体である東亜建設の現状(民事再生中)ともあいまって、存続は難しかったのだろう。

 幸い、と言ってよいのだろうか、ユースチームとジュニアチームは運営母体も別であり、おそらく経費がトントンなのか、存続することが決まっているそうだ。ここの下部組織、実は九州では結構な強豪で名が通っていて、ユースの全国大会に出ることもしばしば。流石にJの下部組織には太刀打ちできない面も多いようだが、有望株も多いと聞く。となると、やはり、頭に浮かぶのは、アルエットとの合流、すなわち合併だ。

 合併というとだれもが思い出すのは、'98 年のあの事件だろう。自分はファンとしての当事者として、しかも同情や理解の声などほとんど頂けないマリノスサポーターとして、あの事件に「関わった」。「関わった」というのは何も特別なことではなくて、あのとき誰もが、署名なり、スタジアムでのコールなどで関わったのではないだろうか? ただ、立場が違うというだけで・・・。話がそれたが、そういう立場で関わってきたからこそ、逆に合併という選択肢を感情抜きに冷静に見つめることもできたという自負がある。あの事件で最も悪いのはサッカーに関係ない人がトップダウンの密室で決めた行為であって、決して合併という選択肢を否定してはいけないと思っている。

 だからまず、合併という行為は堂々と選択できる一つの選択肢として認識してほしい。

 その上で、現状を見てみると、合併という選択肢は悪くない選択肢だと思えないだろうか? 東亜建設は再建中でトップチームの活動再開は難しい。NTTだって巨額の赤字を出している。そして、熊本の経済状況も地場小売業が相次いで民事再生法適用になるなど、さして良いわけではない(はっきり言って悪い)。Jリーグに上がるには下部組織が必要だが、新規にチームが、それもJに直結したチームが出来るとなれば、子供の取り合いや誹謗中傷など軋轢も生じてくるだろう。一方でブレイズユースの彼らには地元でめざすべきトップチームが無い。そして、我々サッカーファンは一日でも早いJリーグクラブの誕生を望んでいる。

 もし、この二つの組織が合併し、それを期に運営組織を法人として立ち上げることができれば、Jクラブとして参加するために必要な条件である運営法人と下部組織の二つを一挙にクリアできる。県下の経済支援も一本化できるし、選手の供給サイクルも早急に立ち上がることが期待できる。仮定した条件も多いけれど、そういう形に持っていくこともできるかもしれない。

 時間が十分にあるわけではないけれど、あのときのように結論を突き付けられている状況でもない。とりうる選択肢はいくつかある状況だ。当事者はもちろん、中学や高校などの現場、協会、行政、そして何よりサポーターやファンも加えて、検討してみる価値は十分にあるのではないだろうか。

 音頭をとれるのがどこかは知らないけれど・・・。