◆「ドラゴン、覚醒」

時間:2003.03.21(14:00 Kick off)
場所:鹿島国 カシマスタジアム
結果:鹿島 1−3 横浜(○)

 名古屋戦を引き分けで終えた横浜。優勝戦線に残るためには、首位鹿島に勝たねばならない。いや、首位とか優勝とか、そんなものよりもカシマでの勝利は大きく、価値がある。GWの最終日、我々は4年ぶりの異国での勝利を見るために、国境を越えた。

 GW最終日の渋滞を抜けるために、今回はバイクで入国を選択。湾岸の新木場出口近辺でK林さんのドゥカと落ち合い、一路東関道を飛ばす。出発時、横浜や千葉はあんなに暑かったのに、成田を過ぎるあたりから風が冷たくなりはじめ、利根川を超える頃にはすっかり寒くなって、メットやジャケットのベンチレーションを開けていては寒くて仕方が無い状態だった。

・・・やはりここは日本ではない

インターを抜けて鹿島国に入国。K林さんと相談して、スタジアムに行く前にGSでガソリンを入れることにしたのだが、スタジアムまでのバイパス沿いにはGSが全くなく、そのままスタジアム前まで来てしまった。まさか日本に戻らなきゃ入れられないかと思ったが、街中をジムカーナ宜しく走り抜けてやっと発見。無事にガソリン補充に成功した。

 スタジアムに到着するやいなや、ジーコ像広場前にバイクで侵入(笑 さすがに足型は踏まなかった)した後に駐輪場へ移動。像の前では査察の真っ最中であった。早速 unicef ポロシャツ姿になって査察に参加する。大量破壊兵器の証拠も、児童虐待の証拠も見受けられなかった。だが、査察は黒じゃないだけであって白でもない。開戦は必至(てゆか試合しに来てるんだから)。
 査察の様子はmalicia webに写真有り

 毎度の如く外国人専用入口から入る。中には通り一遍の売店が2点のみ。まぁこれはこれで美味いのだが、帝国人との情報交換によればホーム側には蛤カレーや鮎の塩焼き、キムチ鍋など、我々外国人には提供されない食べ物が多数存在するらしい。しかも、土産物などを買おうにも国境を越えることは堅く禁じられている。2Fにも行けないし、まったく酷い仕打ちである。

試合前に、会社の先輩でもある鹿島ファンのAさんに電話。
 わし:「もしもし、今どこですか?」
 A氏:「貴賓室を見学中だよ。手を振るよー」
発見。陛下のごとき手の振り方でした(笑)。

さて、試合は誤審から始まった。

 先制点は一見鹿島の狡猾かつ鋭いカウンターから生まれた。流し込んだ柳沢のポジションはDFラインを超えており、我々はオフサイドの誤審だと思い込んでいたが、実はボールもDFラインを超えていて、そうなるとボールより後ろにいればオフサイドにならないのだ。お手本のようなカウンターからの失点で浮き足立つ横浜。その後も劣勢の展開が続き、再び柳沢に絶妙のパスが通る。ところが・・・。

その時、スタジアムに居る誰もが目を疑った。

 あろうことか柳沢(これでも代表)は、GK榎本哲(プロ2年目)との1対1を避けて斜め後方にパスを出した。おかげでDFが間一髪でクリア。流石「ほにゃらさわ」の本領発揮。このプレイには一同大爆笑。そして、続くエウレルのシュート浮かしで落ち着きを取り戻した横浜は次第に攻勢に出る。サイドからクロスを入れる攻撃で何度か決定機を作り出すが、鹿島O30DF陣に阻まれて得点ならず、結局前半は0−1で折り返す。が、まともなFWが居れば0−3で決まっていたはずなのだから、これは感謝せねば。

反撃の口火は後半開始直後に切られた。ドゥトラから鹿島・大岩に向けて縦パス気味のクロスが入る。これに久保が、大岩の死角から割って入って胸とラップでかっさらい、着地と同時にボレーシュート。目の前で鹿島ゴールネットを「パサァ〜」と揺らした。狂喜乱舞の横浜G裏。

守備がやや甘くなった左サイドを突いて攻撃の起点を作る横浜に対して、鹿島は大型の新外国人クラウデシールを投入し、左サイドの制圧を試みる。長身で迫力のある黒人選手は不気味な存在感を放っていたが、その正体は即座に露呈した。球際の競り合いでは坂田に負けて転倒し、空中戦でも那須に負ける姿は、とても黒人系選手とは思えないフィジカルの弱さ。一同驚嘆。

 状況を打開したい鹿島は快速FW深井を準備。こいつはよく覚えている。昨年、三ツ沢で対戦した駒沢大のFWで、入団前から鹿島っぷりを発揮していた奴だ。ところが、深井投入を前に再び久保が翔んだ。相馬からボールをかっさらった遠藤が絶妙の高さでクロスを放つ。そこに久保が高い打点でヘディングを合わせる。逆転のドラゴンヘッド炸裂。青に染まったアウェーサイドが弾ける。

さらに1分後。松田がスペースにクリアしたルーズボールを奥が拾ってドリブル開始。ここから再び久保。絶妙な動きで大岩のマークを外し、そこに奥がボールを出す。GKと1対1になった久保は、どっかの13番とは違って落ち着いて左足でGKの脇を抜いて流し込む。これでハットトリック達成。再び跳ねる青の塊。

 深井と、3−1となったところでさらに平瀬がピッチに投入されたが、解決にはならない。なにせ、攻撃の指揮を執るべき小笠原は前半にカードを貰っていたため、武器である「ファウルギリギリのコンタクトプレイ」を封印せざるを得なかったのだ。そのため、接触を避けたボール回ししかできずに、横浜守備陣を破れない。中田浩二の粘りにゴールを奪われたかと思ったが、これもファールでノーゴール。エウレルがフリーを外す運にも助けられ、結局、鹿島の最後の攻めも凌ぎきって、'99 年以来4年ぶりの鹿島国での勝利をもぎ取った。ホイッスルの瞬間、カシマスタジアムは沈黙した。ただ一箇所・アウェーゴール裏を除いて。

今日のコトバ: ・小笠原は前半に1枚黄紙を受けた後、すっかり存在感が薄れてしまった。
 「カードを貰った小笠原なんて怖くないぞ!」

・突如投入された長身の黒人選手クラウデシールだが、すっかり虚弱なことが判明。
 「お前、ムルアカかぁ?」