◆98/07/02 我々は進んでいるのか?

 今回の結果を見て、ふと思ったことがある。

 「はたして、ドーハからの課題は解決されたのか?」

 W杯本大会に出場できたのだから、進歩はしているのだろう。しかし、4年前に提言された課題は、はたして解決できたのだろうか?

 前回、米国大会のチームは、それまでの日本代表とは違い、洗練された戦術を持ってはいた。が、結果は予選敗退。そこから、次の課題が浮き彫りになったはずだった。

 1.選手層の薄さ
  怪我で抜けた都並の穴を埋める人材が見つからなかった。結果として、左サイド
 の攻めはあきらめざるを得なかった。

 2.一人のゲームメーカー(ラモス)に頼ったゲーム展開
  ラモスが潰されれば、チームが機能しなくなる。1-2 で敗れたイラン戦が典型例。

 3.フリーキッカーの不在
  フリーキックを決められる選手がいなかった。このため、セットプレーは間接的
 に狙うしかなかった。

 では、はたして今回の代表では解決されていたのだろうか?

 まず1は、概ね解決されていたと思われる。中田、井原、山口といった軸となる選手は別にして、替わりの役割を担える選手は概ねそろっていたし、例え軸が欠けても、戦術さえ工夫すれば、それなりに機能するチームにはなっていた気がする。中田がいないゲームも経験したし、井原の代役は斎藤ができる。山口の替わりは服部がいる。これも、Jリーグがもたらした効果だろう。

 次に2、これは、一人には頼らないものの、特定の人間、今回代表で言えば名波と中田がゲームメークをしていることには変わりはなかった。ボールの展開は必ずこの二人を経由して展開される。本大会に至っては、中田に集まることがより顕著になった。これでは昔から進歩していない。軸になる選手を数多く経由するのは仕方ないが、彼らを経由しない攻撃パターン(例えば速攻など)を作ることも必要なのではなかろうか? それができていれば、最終予選で韓国に二人を潰されて負けることなどなかったかもしれない。とにかく、どこからでも展開可能な中盤、守備ラインを作ることが必要だろう。相変わらず問題は解決されていない(解決方向には行きつつあるが)。

 そして3、これは相変わらずだった。確かに、フリーキックの精度を期待できる選手は多くなった。しかし、彼らにゴールを期待できるだけの精度を誇っているかというと、そうでもない。確かに、名波や中田のフリーキックはすばらしい。しかし、ゴール前からならどこでも決められるかというと、そうではない。壁に当たることもしばしばあった。ゴールを予感できるフリーキッカーは、悲しいかな、いない。

 こうして見ると、進歩はしているものの、速度は思ったより遅いように思える。今大会でも、多くの課題を突き付けられた。強さ、スピード、そして大きさ。お家芸とすべきパスにも課題は多い。ゴール前での崩しのパターンの少なさ。そして、なんといってもストライカー不足。この先4年、はたして、日本はいくつの課題を解決できるのだろう? すべてを解決しない限り、決勝トーナメントは見えない気がするが、それは望めるのだろうか? 杞憂に終わることを望まずにはいられない。