◆98/08/29 国際経験を得る方法

 W杯以前から言われていたことだが、日本人選手には国際経験が少ない。これを解決する方法はないのだろうか?

 問題は大別すると、二つある。一つは、選手の移籍の問題。かの地、欧州ではボスマン判決後、各国の代表クラスの選手がイタリアやスペインの世界トップリーグでプレイするようになった。また、南米の代表クラスの選手も欧州でプレイしている。彼らは、自分が育った土地とまったく異なる環境で結果を出すことを要求される。こういった環境に身を置くことで、強靭な精神力を養っているのである。しかし、日本の選手には、そういった過酷な条件でプレイするチャンスは少ない。
 もう一つは、チームとして国際試合が少ないこと。島国という地理的条件も去ることながら、近隣に韓国、中国しか互角に戦える相手がいないことが大きい。しかもその2カ国もW杯出場なしか、出ると負けである。世界の強国と肩を並べるための練習相手としては、少々物足りない。それは向こうも同じ考えだろう。

 前者については、中田のように欧州でプレイする選手も出てきたし、安永や永井のように2部リーグへ短期移籍する選手、または森山のように1ランク下の国のリーグに移籍する選手も出てきている。イタリアやスペインの一流リーグでなくても、実力に応じたリーグでプレイすることは何ら問題ないし、環境面でのハンディはなんら変わりないのだから、よい経験にもなる。こういった流れはこれからも続くだろうし、次第に当たり前になっていくだろう。

 問題は後者である。代表の場合、国内リーグのスケジュールもあるし、通常はそもそもチームすら頻繁に組めない状態なのだから(しかも、海外移籍の流れが進めば、これはもっと顕著になる)、W杯前の時期ならともかく、日頃代表試合を多数組むというのはそもそも無理なのである。これは、各年代の代表だって一緒だ。

 ではどうすればいいのか? 実は、解決手段は存在するのだ。現在 AFC が行っているアジアクラブ選手権とアジアカップウィナーズカップがそれだ。これに、クラブ単位で積極的に参加し、代表クラスから若手まで、国際経験を積ませるのだ。この大会の代表になるクラブなら、有望な若手も育っている。彼らに国際経験を積ませるには、格好の舞台だ。

 たしかに、現状のままでは問題もある。まず第一に、参加チームのレベルの差が大きい。サッカー後進地域アジアの中でもさらに後進の国の代表では、失礼ながらJクラブの相手になるとは思えない代表もある。これらの国とホーム&アウェーで戦う意義はないだろう。また、大会自体の盛り上がりに欠けるという点もある。客が少ないのだ。客が少なければ、当然収入も減る。赤字を出して海外遠征までやるほど、各クラブはお人よしではない(まぁ、つまらない試合が多いからなのだろうが・・・)。

 しかし、これらの問題は、大会システムの変更で、ある程度改善することができるのでないだろうか。たとえば、東アジア、西アジア、東南アジアで地区選抜を行い、そこでの勝者がホーム&アウェーで試合を行うようにすれば、むやみに遠隔地に行かなくてもいいし、コスト節約もできる。

 こういった働きかけを行うなどして、AFCタイトルの権威を向上させることを、JFAにはお願いしたい。そういう行動では、日本のみならず、アジアのレベルアップにもつながるのだから。