◆98/09/13 慢心

 日本代表が負けた。U-16 アジアユース選手権で、U-16 日本代表は最終戦に引き分けてしまい、予選リーグ3位、決勝トーナメントに進出することなく終わってしまった。これで、この世代での世界への扉は2度連続して開かなかった。

負けたことを選手にどうこう言うつもりはない。彼らには、まだ今後のサッカー人生のほうが、輝かしいものだろう。そこで世界に出て、存分に輝けばいい。ここで問題にしたいのは、若年層の指導方法である。いままでの結果から、現状のシステムに慢心していたのではないだろうか?

日本のユース世代はアジア最高レベルと言われて久しい。技術レベルではもっと前から韓国すら一目置く存在だった。その実力が開花したのは、東京で行われた U-17 世界ユース選手権だろう、中田、財前、船越などのタレントをそろえた U-17 代表は、地元開催の利も活かしてベスト 8 という快挙を成し遂げた。それ以降、ユース年代は世界への扉を次々とこじ開けることに成功する。これは、日本が地道に努力してきたユース年代での人材発掘育成システムが生み出した一つの結果だろう。そしてこれは先のワールドカップ初出場という形で一つの結実を見る。

ところが、この結果は「日本はユース年代ではアジアで敵無し」という慢心を生んでしまったのではないだろうか? 少なくとも、私はそうだった。しかし、まさか協会の強化担当までそんな気持ちを持っていたのではあるまいか? この憂える兆候は、前回の U-16 選手権で既に見うけられる。市川(清水)がいた先の U-16 代表も世界への扉をこじ開けるに至らなかったのだから。そして今回も・・・。

基本的な方向性が間違っているとは思わない。しかし、現実には、またアジアの中に留まらざるを得ない状況となっている。これで、U-19 までもワールドユースを逃したら、もう我々は慢心していることになるのだろう。何が足りないのか、早急に検証をしなければ、再び世界への扉は閉ざされてしまうかもしれない。杞憂であることを祈るが・・・。