◆99/07/07 1対1

 0勝2敗1分。これが現実である。日本代表は、栄誉ある南米選手権への招待を受けながら、さしたる準備もせずに臨み、案の定惨敗した。良いところもなく。

 完敗した原因として、日本の選手が1対1を必要以上に避ける傾向を指摘する声がある。たしかに、敵が一人前に居ると、ボールを大事にする余り、すぐにバックパスしてしまう傾向は見うけられた。このため、前線にボールが供給されず、攻撃できない。逆に、攻撃に移る場面で1対1を作られてボールを奪われるシーンも数多くあった。

 常に数的優位を保つのは日本の基本戦術である。これを否定する気はない。が、同時にサッカーの基本は1対1でもある。極論ではあるが、全てにおいて1対1の局面を作り出せるなら、その1対1でフィールドプレイヤー10人全員が勝てば、圧倒的に有利、数的優位など必要ない。その上で、数的優位な状況を作り出す戦術を取って始めて、日本は世界と対等に闘えるのである。

 1対1での攻めのメンタリティーと実際の強さが課題であることは、昨年のワールドカップでも選手達が味わったはずだ。それが1年たっても改善されていない。監督が誰であれ、これでは勝てないだろう。1対1で負けない、常にボールを前へ進める意志を全員が持たなければ、また同じ事の繰り返しである。2002年まで残された時間は、あと3年。それまでに、選手の意識を改革し、1対1で負けない選手による究極の組織プレーを作り上げねばならない。

 フィリップ・トルシエに、それが出来る自信と能力はあるのだろうか? 完全に破壊したA代表を再建するだけの能力が。