'98 World Grand Prix 〜Round 7 ドイツ ザクセンリンク〜

 長いインターバルを前にした最後のレース。今年のドイツGPは、近年では初めてザクセンリンクで行われます。ホッケンハイムでもニュルブルクリンクでもないサーキットは、どんな戦いを演出してくれるのでしょうか。八耐を控え、そちらに参戦するライダーの調子にも注目です。
 ザクセンリンクサーキットは、かなり小さ目のサーキットで、コース幅も狭く、ストレートもほとんどありません。なんとなく、筑波をちょっとスケールアップしたような感じです。

・GP125 〜サバイバル〜
 ポールポジションはメランドリ。今回はかなり調子良く、2番手の坂田に1秒も差を付ける好タイムをマークしています。以下、ジャンサンティ、宇井と、ここまでがフロントロー。眞子が6位、徳留が7位とセカンドローに。菊池と東は振るわず後方からのスタート。追い上げに期待です。
 メランドリは坂田も舌を巻く調子のよさを見せ付け、序盤からトップをひた走ります。それを眞子、宇井らが追うという展開で、レースは進んでいきます。一方、後方では転倒が相次ぎ、初めてのコースの難しさを浮き彫りにしました。
 好調に飛ばすメランドリを、眞子がファステスト・ラップを記録しながら追い上げます。そして、中盤には二人の一騎打ちの形に移行しました。まるで GP500 を見ているかのようなドッグファイトをしながらラップを重ねる2台。そして、その後ろでは坂田が着実に順位を上げ、3位まで順位を上げていました。
 終盤に差し掛かるころ、坂田がじわりと追い上げ、残り10周の段階で遂に先頭の2台に追いつきます。坂田はこの時点でファステストラップを記録するペース、対して、先頭の2台は序盤のペースが災いしたのか、タイムを挙げことができません。残り8周で眞子を抜いた坂田は、その前のメランドリにも襲い掛かります。そしてメランドリもパス。これは名手坂田の狙い通りのパターンか、そう思われました。
 ところが、やはりレースはチェッカーが振られるまで解りません。まず、坂田を不運が襲います。なんと残り3周で転倒。コースには復帰したものの、大きく順位を落としてしまいました。さらに、不運はメランドリにも襲いかかります。ファイナルラップのS字でハイサイド転倒! 後続の眞子をかなり引き離していただけに本当に悔やまれる転倒でした。
 結局、しぶとく走りつづけた眞子が優勝。今期2勝目を挙げました。2位はヴァンサン、3位にはロカテッリが入りました。転倒した坂田とメランドリはそれぞれ7位と13位に終わっています。

・GP250 〜HONDA NSR の憂鬱〜
 今年大幅にモデルチェンジを施したものの、思うように結果が出ない HONDA NSR。今回もフロントローを Aprilia に独占され、およそ HONDA らしからぬ成績が続いています。優勝も日本GPの加藤のみ。そろそろよい結果が欲しいところです。
 その予選1番手は Aprilia のエース原田。5年ぶりのチャンピオン目指してひた走ります。2番手にカピロッシ、3番手にポルト、4番手にロッシと、Aprilia 勢が続きます。ホンダ勢トップは5番手ペルジーニ。宇川は6番手、治親は9番手スタートです。
 ポールからスタートした原田はホールショットも決め、カピロッシ、ロッシを引き連れて Aprilia ワークスの1,2,3体制を敷きます。今シーズン何度も見られた光景です。宇川とペルジーニの HONDA 勢が後ろに近づきますが、1コーナーで2台が絡んで転倒。さらには治親もマシントラブルでピットに戻ってしまいました。運にまで見放されたか、NSR。HONDA も頭が痛いことでしょう。
 こうして、レースは Aprilia 3台がリード。その中でもさらに原田がリードを築いていきます。こうなると、恐いのは Aprilia 特有のマシントラブル。無事に走りきれるのでしょうか。
 原田が先へ先へと逃げるのに対し、ロッシとカピロッシは付いていけません。そこに TSR-HONDA に乗るマクウィリアムズが追いつき、3台での2位争いを展開します。ワークス NSR に代わっての代理戦争というところでしょうか。そして中盤以降、マクウィリアムズは2位に立つと、そのままアプリリア2台を押え続けます。はたして、ワークス勢を押えて表彰台に立つことができるのか、こちらのほうに俄然注目が集まります。
 先頭を走る原田は終始安定したペースでラップを重ね、結局ノートラブルでポール・トゥ・フィニッシュ。チャンピオンに向けて確実に後続に差を広げました。そして注目の2位争いは、マクウィリアムズが、これまた逃げ切ってフィニッシュ。プライベーターがワークス Aprilia の一角を崩しました。3位にはロッシ。カピロッシは届かず4位でした。
 それにしても強い、Aprilia。一方、今回は最悪のノーポイントに終わった NSR 。ライバルが強くないとレースは面白くありません。早く復活してほしいものです。

・GP500 〜KR3、いまだ熟成中〜
 前回やっと止まった HONDA の連勝記録。YZR も徐々にポテンシャルを上げてきて、中断を前にいい結果で終わりたいところです。
 ポールを取ったのは、ビアッジ。まぁ、これは順当でした。驚いたのは2番手にロバーツ Jr. の KR3。ドゥーハンよりも速いタイムをたたき出しました。ツイスティなザクセンリンクとの相性が功を奏したのでしょうか。決勝が期待できます。以下、3番手にドゥーハン、4番手にラコーニの YZR と続きます。ノリックは8番手、宣篤は12番手、難波が急遽出場で13番手スタートです。
 好スタートからドゥーハンが抜け出し、ここ最近見なかった先行逃げ切りパターンを狙います。しかし、逃げ切ることができずに、ビアッジとバロスに追われます。その後ろには YZR 勢とロバーツ Jr. の KR3。なかなか GP500 らしからぬ混戦の展開です。序盤の位置取りが終わる頃には、先頭集団はドゥーハン、バロス、ビアッジ、クラファー、ロバーツ Jr. の5台にまず絞られました。
 ところが、中盤に入ってドゥーハンが本気を出します。トップに立つとそのまま逃げはじめました。それに対して、クラファーも集団を抜け出し追い上げを計りますが、その直後に転倒。これでドゥーハンと後続の差は大きく広がりました。
 ドゥーハンは後続との差を保ったまま、着実にラップを重ねます。それになんとか離されないように、ビアッジだけが追います。ビアッジは、粘り強く徐々に差を縮めますが、ドゥーハンも完璧なペース配分で差を詰めさせず、3秒差を保ちます。結局そのままフィニッシュし、今期4勝目を挙げました。2位はビアッジ。3位にクリビーレと、今回はまた NSR の表彰台独占です。途中健闘したロバーツ Jr. は6位に終わりましたが、途中、ジベルノーのワークス NSR-V と互角に闘うシーンも見せ、徐々に戦闘力が上がっていることを証明しました。Marlboro が愛想を尽かす前にぜひとも結果を出してもらいたいものです。

 次回はしばらく空いて 8/23。Round 10 チェコ GP です。残り5戦に向けて、この長いインターバルをどう過ごすかで、かなり大きく違ってくると思います。光の見えてきた YZR と、いまだ調子の出ない RGV-γ、NSR250には巻き返しを計ってほしいですね。

余談:
 今年の夏、私はバイクで長崎方面を回る予定で、ここのところ地図とにらめっこして、ルートを検討しています(九州出身なのに、長崎方面はあまり知らないもので・・・)。地図を見ていろいろ考えてると、楽しいですよね。皆さんは、この夏どこかに行かれますか?

当コーナーで取り上げてほしいテーマなど、ご要望は下記までメールにてお寄せください。
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