'98 World Grand Prix 〜Round 12 カタルーニャ〜

 ヨーロッパラウンドは最終戦となるカタルーニャ。混沌としたチャンピオン争いの行方を見届けようと、多くの観客が集まりました。
 コースはF1も開かれるカタルーニャサーキット。ストレートと、大きなカーブを組み合わせたレイアウトを持つ、コース幅の広いサーキットです。

・GP125 〜大混戦〜
 フロントローはロカテッリ、眞子、東、坂田。今回復帰した上田は14番手スタートです。序盤は東がバイク1台分抜け出し、トップを快走します。中盤にかけてははロカテッリ、ジャンサンティ、アルツァモラなどと順位を入れ替えながら、レースが進んでいきます。
 先頭が様子を見ているうちに後方から集団が追いつき、10台以上の集団で終盤に突入します。いたる所でバトルが展開される状態を引きずってそのままファイナルラップへ。結局、最終コーナーまで誰が勝つか解らないレースを制したのは眞子でした。2位はジャンサンティ、3位が東という結果になりました。ランキングトップの坂田は9位、復帰の上田は6位に終わっています。
 気になるチャンピオンシップポイントです。今回の結果で、
 1 坂田    205 pts.
 2 眞子    172 pts.
 3 メランドリ 166 pts.
となっています。

・GP250 〜序盤がすべて〜
 フロントローはカピロッシ、ロッシ、ルッキ、宇川。アプリリアのフロントロー独占を止めています。原田は2列目5番手。宮崎、青木もセカンドローからのスタートです。沼田は12番手、辻村は14番手からそれぞれスタートです。
 序盤、トップを快走したのは原田。しかし、怪我の影響か、集団は突き放したものの、ロッシを振り切ることができずに、先頭を明け渡してしまいます。
 ロッシ、原田が1・2体制を固めて淡々とラップを重ねる中、一人後方にいたカピロッシも着々と順位を上げてきます。原田とのチャンピオン争いを考えると、カピロッシもこれ以上離されるわけには行きません。青木、ジャックと NSR 勢を着実に抜き去ります。こうして3位まで順位を上げましたが、原田が前半で築いたリードは大きく、結局3位のままフィニッシュ。形こそ毎度のアプリリア1・2・3独占ですが、原田にとっては嬉しい、カピロッシにとっては悔しい結果になりました。
 今回の結果で、チャンピオンシップポイントは次のようになりました。
 1 原田    200 pts.
 2 カピロッシ 184 pts.
 3 ロッシ   151 pts.

・GP500 〜ルールがあるからスポーツ〜
 フロントローはクリビーレ、ビアッジ、バロス、ドゥーハン。地元のクリビーレが好調です。日本勢は青木が今期最高の5番手、岡田が6番手、ノリックが9番手スタートです。
 最初の波瀾はスタート直後に起きました。1コーナー進入で藤原克明が行き場を失って転倒。バイルとクリビーレを巻き込むクラッシュとなりました(地元の英雄を巻き込んだため、克明はその後、スペインでは悪役で報道されたようです)。
 このクラッシュが思わぬところに影響します。この事故処理中の1コーナーで追い越し等の“レース”をしてしまったビアッジとバロスにペナルティのピットストップが出ました。事故処理中の1コーナーは黄旗が振られており、ルールでは追い越し禁止です。それを破ったために、ピットストップのペナルティが架せられたのです。それまで、2台で激しいトップ争いを展開していただけに、勿体無いことになりました。
 ところが、ビアッジが驚くべき行動に出ます。ピット指示を無視してそのまま走りつづけたのです。当然、黒旗失格です。が、なんとビアッジはその後も走り続けてしまいます。まるで審判に抗議をしているかのようでした。
 この騒然とした雰囲気の中継の中でも、レースは淡々と進んでいきます。この裁定でトップに立ったドゥーハンは、既にコース上のいないはずの“ゴーストライダー”ビアッジを先行させつつ、後ろの岡田との距離を計りながら、着々と周回を消化。結局、終わってみればドゥーハンの優勝という形で、不可解なレースは終わりました。2位は岡田、3位はノリックと、日本勢には嬉しい結果ですが、なんかタナボタみたいな結果で釈然としませんでした。なお、ペナルティを受け入れたバロスは7位でフィニッシュしています。
 裁定に関しては、いろいろご意見があるかと思います。が、黄旗無視は死亡事故にも繋がる重大なルール違反です。程度問題もあると思いますが、エスケープゾーンで救助活動が行われている状況での追越し行為では、あの位のペナルティも致し方ないでしょう。あまつさえ黒旗までも無視して走りつづけるとは言語道断。ビアッジは残りの3戦、出場停止になっても仕方ないでしょう。
 このレースを終えて、チャンピオンシップポイントは次のようになりました。
 1 ドゥーハン 210 pts.
 2 ビアッジ  189 pts.
 3 クリビーレ 182 pts.
このクラスも、まだまだどう転ぶかわかりませんね。

・WGP ニュース
 FIM 発表によると、来年からWGP日本ラウンドは茂木と鈴鹿で交互開催になるようです。個人的には、鈴鹿は二輪向で茂木は四輪向だと思っているので、ちょっと残念です。住まいから近くなるのはいいんですけどね。

 次回はオーストラリアGP、フィリップアイランドです。ドゥーハンのホームGPとなる一戦、強さを見せつけて終わるのでしょうか。また、GP250 には今年の全日本チャンピオン、中野真矢のスポット参戦が予定されています。WGP250 を席捲するアプリリア勢、特に原田哲也を相手にどこまで戦えるか、注目です。

当コーナーで取り上げてほしいテーマなど、ご要望は下記までメールにてお寄せください。
e-mail : nakamu@qb3.so-net.or.jp


Index  Home