'99 World Grand Prix 〜Round 03 スペイン〜

はじめに
F1-Hyper News をご覧の皆様、ご無沙汰しておりまして申し訳ありません(初めての方、はじめまして)。シーズンも始まったのに観戦記がアップされずに不思議に思われた方もおられるかと思います。実は諸事情により引越しをしまして、3月から観戦記を書ける状況になかったのです。今ではとりあえず落ち付きましたので、これからまたよろしくお付き合い頂ければ幸いです。

 ということで、今回はWGPコンチネンタルサーカスの幕開けになる第3戦スペインGPをお送りします。

・GP125 
 昨年まで日本勢がフロントローを独占していた予選ですが、今年はちと様子が違いまして、カタカナの名前が目立ちます。上田や坂田もなかなか調子が上がらない中、東が1、2戦を連勝して一人気を吐いてます。その東が予選1番手を獲得。好調を維持しているようです。日本勢では大きく離れて上田が9番手、坂田が13番手に。契約遅延の影響が響いているようですが、早く調子を取り戻して欲しいところです。
 序盤は東、アルツァモラ、チェッキネロの3台が逃げ、これに2台が追い付き、5台のダンゴ状態でレースが進みます。地元のアルツァモラが抜いたりするたびに凄い歓声が上がります。流石スペイン。
 中盤にもう1台が追い付き、トップグループは6台に。それから程なくの11周目にレースが動きます。1コーナー突っ込みで東は先頭に立つと、逃げはじめます。ちょっと早い仕掛けに他のマシンも付いてきて、東も降りきれないと察知したのか、それとも本当に降りきれないのか、差が開くことがありません。その後、東は後続に抜かれたりもしながら2〜3位をキープ。そしてレースは6台のトップ集団のまま、終盤に突入します。
 残り2周、東が再びスパートを見せ、後続を一気に離します。若干の余裕を持ってファイナルラップに突入。これを追うのがアルツァモラ。地元の声援を受けて東を懸命に追います。最終コーナーでインをついたアルツァモラは一旦逆転。しかし最終コーナーからゴールラインまでが長いヘレスは、ここからの加速が勝負。あえてイン側を開けて脱出重視のラインを取った東は作戦通りに最後の加速でアルツァモラを再び抜き去り、見事3連勝を飾りました。アルツァモラはチェッキネロにも抜かれて3位に終りました。

・GP250
 ポールを取ったのはルーキーのゼッケン 56 巨摩・・・じゃなかった中野真矢。新人らしからぬ走りは原田のデビューシーズンを彷彿とさせます。これにカピロッシ、ロッシと続きます。宇川は5番手スタート、徳留が14番手スタートです。
 序盤はロッシ、中野、宇川、カピのオーダーで進行します。ところが9周目で中野が失速。マシントラブルでリタイアとなってしまいました。これでロッシ、宇川、少し離れてカピのオーダーに。ここまで来たら宇川の初優勝に期待したくなります。
 宇川は中盤にロッシを捕らえると、後ろからプレッシャーを掛けつづけます。後ろに付かれるのを嫌ったのか、ロッシは宇川を簡単に前に出します。これで立場が逆転し、今度は宇川がプレッシャーを受ける羽目に。宇川の全開ペースを掴んだロッシは再び前に出ると、再び宇川を引き離します。宇川、今回も2位止まりか?
 かくしてロッシは宇川に5秒近くの大差をつけて優勝。宇川は結局また2位に終ってしまいました。初優勝はまたお預けになってしまいましたが、こういうレースを続けていればいつか勝てるでしょうし、このポイントはチャンピオン争いに有利に働くでしょう。頑張れ、宇川。

・GP500
 予選初日にドゥーハンが転倒し、3箇所を骨折する(うち1箇所は膝の皿)という重症を追ってしまうアクシデントが発生。命に別状はないものの、今期のチャンピオン獲得は早くも難しい状況です。
 という王者不在の予選を制したのは地元のクリビーレ。ドゥーハンがいても、ここでの彼は止められなかったでしょう。2番手は青木宣篤。やっと RGV-γに乗れてきたか。3番手はケニー・ロバーツ。“Jr.”の呼称を返上し、今期2勝。はやくも父親に似た風格が出てきたと評判です。日本勢ではノリックが9番手、原田が11番手、岡田が14番手となっています。
 序盤は宣篤、バロスと上位陣が相次ぎ転倒。宣篤の転倒はロバーツとの接触で、この影響でロバーツも順位を下げています。その一方で、クリビーレが地元の声援を受けて、先行したコシンスキーをパス。ヘレスに大歓声が沸きます。そのクリビーレに追いすがるのはビアッジ。今期から乗り換えたYZR を操り、クリビーレに追従します。この2台に付いていけるマシンは他になく、この段階でマッチレースの様相を呈してきました。
 ビアッジは時折ストレートで並びかけたりするものの、クリビーレをパスすることはせず(できず)、淡々と周回を重ねます。一方、3位争いはラコーニ、岡田、ジベルノー、ノリックの4台。中継的にはこちらのほうが面白いため、よくこちらに切り替わります。
 結局、トップの2台は一度も順位を入れ替えることなく、フィニッシュ。クリビーレが地元3連覇を達成しました。一方、面白かったのは3位グループ。途中でラコーニが脱落し、ノリック、ジベルノー、岡田の順でファイナルラップに突入。ところが再びフィニッシュラインに来たとき、順位はジベルノー、岡田、ノリックの順に。終ってみれば地元勢に持っていかれる格好になりました。
 他の日本勢では、12位に治親が入っています。原田はまたリタイアだったようで、ルーキー・オブ・ザ・イヤーが早くも危なくなってきています。

 ここまで3戦見ていて思うのが、メーカー事の性能差が少なくなったということです。昨年、GP250 はアプリリアカップと揶揄され、GP500 は NSR の独壇場となっていました。それが、今期は GP250 がここまで勝利マシンが全て違いますし、GP500 もγが2勝しています。YZR500 もなかなか良さそうですし、今後が楽しみですね。

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