第5回 「'97 WGP をふりかえって」

 いつの間にか世は「師走」。1997 年も終わろうとしています。こういう時期の定版といえば、いわゆる総集編ですね。WGP も TV では WOWOW が先日 GP250 に焦点をあてた総集編を放映しましたし、TVO でも 12/27 頃に放映予定ですが、この F1 Hyper News・WGP コーナーでも今回は趣向を変えて総集編をやってみたいと思います。・・・え、ネタに困ったかって? いや、そんなことではないですよ (^^;

 ところで、いきなり脱線ですが、私フジのF1総集編って結構好きでした。シブい音楽に城達也氏(故人)の名調子のナレーションが泣かせてくれましたよね。最近見てないんですけど、どういう感じなんでしょう?

 さて、脱線終わり。あらためて総集編です。WGP GP500/GP250/GP125 の各クラスで印象に残ったニュースを独断で3位までランキングしました。

○WGP GP500
1位:岡田初優勝
 インドネシアでドゥーハンを破って堂々の優勝。タイトルは決定していたとはいえ、見事でした。ファイナルラップの最終コーナー、まさに「ここしかない!」というポイントでドゥーハンをパス。日本人としては4人目、ノリック以来の、しかも海外での優勝でした。来年はドゥーハンとのチャンピオン争いを期待しちゃって、いいんですか? いいんです!((c) 川平慈英)

2位:ドゥーハン圧倒的強さでV4
 このクラスはなんつってもドゥーハン。ドゥーハンに始まりドゥーハンに終わったシーズンでしたね。落としたのはスペイン、インドネシア、オーストラリアだけという圧倒的強さで、ケニー・ロバーツも成し遂げなかった4連覇を達成しました。来シーズンこそ彼を打ち負かすライダーが現れてほしいですね。ということで、あまりにも圧倒的だったのであえて2位にしました。
(個人的には“大人”になって復帰するコシンスキーに期待。)

3位:青木兄弟 GP500 初の兄弟で表彰台
 ノブとタクマの青木兄弟もシーズンを面白くしてくれましたね。第8戦、イモラGPでは GP500 史上初の兄弟で表彰台に立つなど、二人ともGP500 参戦1年目とは思えない活躍を披露してくれました。特に宣篤は、そのイモラGPで一時ドゥーハンを従えてトップを走るシーンも見せてくれました。来シーズン、宣篤は SUZUKI へ移籍し、拓磨は HONDA で再びシーズンを闘います。兄弟対決はますます熱くなりそうですね。

○WGP GP250
1位:マッシミリアーノ・ビアッジ大混戦を制する
 今シーズンの GP250 は希に見る大混戦でした。ビアッジ、ワルドマン、原田の3人が最終戦まで息の詰まるようなレースを展開。これにカピロッシ、ジャック、宇川も絡み、1レースずつ切り取って見ても名勝負が続くシーズンとなりました。その中で、ビアッジが最後の最後で勝負強さを見せて抜け出し、結局4連続でタイトルを獲得しました。ビアッジはこの結果をひっさげて来シーズンから GP500 に参戦予定ですが、さて、どうなりますやら・・・。

2位:原田哲也アプリリアに移籍初年から大活躍
 GP デビュー以来在籍したヤマハワークスを去り、海外ワークスチームのアプリリアに移籍した原田哲也。シーズン当初は「チャンピオンを狙うのは来年から」と言っていた彼は、たしかにシーズン当初はマイナートラブルに泣かされましたが、フランスGPで優勝以来ランキングも上昇し、遂にはチャンピオン争いを展開。結果は3位に終わりましたが、来シーズンこそ2度目のチャンピオンを期待しましょう。

3位:加藤大治郎スポット参戦の日本GPで優勝
 若干二十歳にして昨年の全日本ロード GP250 チャンピオンの加藤大治郎。スポット参戦した日本GPで並みいるGPライダーを抑えて優勝しました。不慮の事故により今年の全日本ロード第1戦を欠場、大治郎にとっては事実上の開幕となった日本GPでした。ファイナルラップでの原田のマイナートラブルという“幸運”もたしかにありましたが、素晴らしい走りでした。彼は今年も全日本を連覇。近い将来、必ず WGP に行くでしょう。

次点
・オリビエ・ジャック、チャンピオン争いを大いにかき回す

○WGP GP125
1位:ヴァレンティーノ・ロッシ、若干 18 歳で初タイトル
 イタリアの新星、ヴァレンティーノ・ロッシが、こちらもまた圧倒的な速さでGP125 のタイトルを獲得しました。こちらも結構独走だったんですが、序盤は上田や坂田といった日本のベテラン勢が頑張ったりしたこともあって、GP500 ほど圧勝という感じはなかったですね。ロッシ君はウィニングラップでコスプレをしたり、面白いパフォーマンスを見せてくれました。来シーズンは GP250 にステップアップが決まっています。

2位:上田昇、最後尾からゴボウ抜きで優勝
 それは今年の日本GPで起きました。ポールポジションだった上田は、スタート前のセッティング変更に手間取り、最後尾からのスタートとなってしまいました。ところが上田は1周目で16位までジャンプアップ、レース中頃にはトップ集団に追い付きます。そして12周目についにトップへ。そのまま集団を引っ張り、見事優勝してしまいました。チーム事情も悪く、周囲も心配する中での奇跡的な勝利でした。

3位:日本人ライダー今年も大活躍
 クラス最多の7名の日本人が参戦する GP125 クラス。今年も日本勢がトップ争いに絡むいい走りを見せてくれました。上田、坂田のベテラン二人を筆頭に、眞子もトップに絡む快走を見せました。また、決勝の結果こそ残りませんでしたが、2台の YAMAHA TZ の一角をなす宇井も予選で好タイムをマークしました。ベテランの二人、特に上田には来シーズンこそチャンピオンになってもらいたいですね。


ということで、各クラス三つまで年間ニュースを取り上げてみました(かなり「日本」にかたよったランキングですね (^^;)。終わってみれば、GP250 以外は独走に近いチャンピオン争いでしたし、無難に終わったシーズンのような気もします。来シーズンは、やはり GP500 が盛り上がらないとつまらないので、ぜひとも Stop the Doohan ができるライダーが出てくることを期待しましょう。

***WGP選手名鑑***
今回は YAMAHA の GP500 レーサー編です。
YAMAHA は来期、ワークスで2名、サテライトで2名のエントリーを予定しています。が・・・ここんとこ YAMAHA は成績がパッとしないため、ライダーの印象も薄いんですよね(失礼)。ということで、とりあえずノリックとバイルの YAMAHA ワークスライダーをご紹介します。

○阿部 典史(Norifumi Abe)
・'75 年 9 月 7 日生 東京都出身
・'94 年 WGP GP500 参戦(中途)
 '97 年 WGP GP500 ランキング7位
 '97 年現在もタイトル4連続防衛中
・ノリックの愛称で親しまれる日本期待の星
 中学卒業後、アメリカでバイク修行。
 '93 年、参戦1年目にして全日本ロード GP500 チャンピオン。
 GP デビューとなった '94 日本 GP 決勝でシュワンツとドゥーハンを抑えてトップを走るも、終盤にリタイア。派手なデビューを飾るが、その走りが 目に止まって WGP レギュラー参戦
 '96 日本GPで史上3人目の日本人 GP500 優勝。
 トレードマークはロン毛。実は一度切ったが、チーム監督だったケニー・ロバーツに「なんで切ったんだ」と怒られて、再び伸ばした。

○ジャン・ミッシェル・バイル(Jean Michel Bayle)
・'69 年 4 月 1 日生 フランス出身
・'93 年 WGP GP250 参戦
 '96 年 WGP GP500 参戦
 '97 年 WGP GP500 ランキング?位(すみません、資料不足です (_o_))
 モトクロスの世界からロードレースに来たライダーです。'91 年 AMA スーパークロスチャンピオン。
 '97 年はチームロバーツから新開発の MODENAS KR3 を駆って参戦。マシンの信頼性も影響して、下位に低迷しました。


では、皆様、よいお年を。来年も熱いモータースポーツシーンが展開されることを期待しましょう。



当コーナーで取り上げてほしいテーマなど、ご要望は下記までメールにてお寄せください。
e-mail : nakamu@qb3.so-net.or.jp


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