第9回 「エンジン考察」

 皆様、あけましておめでとうございます。今年も、モータースポーツを楽しんでいきましょう。

 最初に、前回の解説で、Aprilia や CASIVA について読者の方からいくつかご 指摘を頂きましたので、ご紹介しておきます。

 まず、Aprilia ですが、'90 年代前から GP 参戦しており、当初は数多のフレームコンストラクターの一つだったそうです(日本だと TSR とか、OVER なんかが有名ですね)。コンストラクターとしての初優勝は1987年のサンマリノGP。ロリス・レジアーニの手によるものです。ちなみに、このエピソードは漫画「バリバリ伝説」(しげの秀一)の中でも語られています。その後、Aprilia は純粋自家製のレーサー作りの着手。Aprilia AF1 を経て、現在の最強マシン RS250 を作り上げました。
 また、CASIVA に関しては、そのグループ参加に収めた DUCATI が WSB でレース活動を継続しているそうです。たしかに、DUCATI 916のカウリングは、カジバ・リサーチ・センター(CRC)設計でしたし、CASIVA C591とも酷似してましたからね。でも、個人的にはこれは DUCATI がレースやってると思いたいです。(^^)
 ご指摘下さった小森さん、荒木さん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

 では今回のQ&Aです。

Q:WGP のバイクのエンジンは2ストロークばかりですが、なぜ?
A:
 2ストロークは、4ストロークに比べて、同一排気量・同一気筒数での比出力が倍と大きいという特性があります。このため、2ストロークエンジンが出力の面で有利になります。また、バルブやカムなどの動弁系機構を持たないため、エンジン自体を軽くできるという利点も持っています。ちなみに、どのくらい出力が出るかというと、'98 シーズンの NSR500 で約 200馬力。F1と同じ排気量3リッターだと1200馬力出している計算になります。こういう点から、WGPのレースバイクでは2ストロークエンジンが主流になっています。
 では4ストロークが無かったかというと、その昔、日本メーカーが台頭するまでは4ストロークが主流でした。また、かつてHONDA が GP 復帰したときに採用した方式も4ストロークでした。これが、かの有名な楕円ピストンエンジンを生み出した NR プロジェクトなのですが、結果が出なかったためによりコンペティティブな2ストロークエンジンを使った NS に切り替え、現在の NSR に至っています。
 有利な点ばかりに見える2ストロークエンジンですが、4ストロークエンジンに比べて燃焼の制御が難しいため、排気清浄性には劣っています。このため、地球環境への影響を考慮して、近年ではレーシングエンジンも4ストローク化が検討されはじめたようです。

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