PGPi スキャンプロジェクト

PGP 5.0i には、一風変わった物語があります。どこかの段階で違法に合衆国から輸出されていた、これまでのバージョンの PGP とは違い、 PGP 5.0i は完全に合法なのです。

問題の本質は、合衆国の輸出規制が暗号化ソフトウェアを軍需品に分類している点にありました。従って、 PGP 合衆国から持ち出すには、政府の認可が必要だったのです。しかし、輸出規制が関わる範囲は、電子形態のソフトウェア(例えば、ディスクの中やInternetを通じた輸出)に限られています。一方、 PGP 5.0i は、本に印刷されたソースコード(実際には、12冊 - 6,000 ページ以上でした)からコンパイルされています。これらの書籍は、合衆国輸出規制に沿って輸出され、ページをスキャンし、 OCR によってソースコードを電子形態としました。

これは、簡単な仕事ではありませんでした。欧州中の70名以上の人々が、1000時間以上にわたって作業したことで、 PGP 5.0i のリリースが可能になりました。でも、この作業にはそれだけの価値があったのです。 PGP 5.0i は、合衆国外での使用が、完全に合法な初めてのバージョンです。なぜなら、電子的な形態のソースコードは一切輸出されていないからです。

1997年に、最初に PGP 5.0i をリリースしてから、新しいバージョンの PGP がいくつかリリースされてきました。その都度、印刷された本からプログラムをスキャンし、 OCR 処理してきたのです。しかし、技術の進歩と、 PGP 5.5 から導入されたよりよい校正ユーティリティのおかげで、これらの作業は PGP 5.0i の時よりも短時間で達成されました。 Teun Nijssen がこの辺りのことを説明してくれています

PGP 5.5 以降で用いた OCR ユーティリティは、その他の輸出規制されたソフトウェアの公開にも頼もしい働きをしました。 詳しくは、 www.cryptoscan.org を見てください。

最新の国際版リリースは、バージョン 6.5.1i です。これは、スイスの cnlab によって、スキャンと OCR が行われました。

1999年、合衆国政府は暗号化ソフトウェアの輸出規制を解除しました。この結果、これ以降のバージョンの PGP では、スキャンとOCR処理は不要になるでしょう。


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