新刊紹介 (2004年5月5日掲載)


奥山俊宏
『内部告発の力――公益通報者保護法は何を守るのか』現代人文社


◎定価: 本体1900円+ 税◎四六判◎上製◎272頁

朝日新聞社会部記者の奥山俊宏氏が著した本書は、三菱自工、東電、エンロン、ワールドコムなどの内部告発の実例と教訓の渾身のレポートです。アメリカの内部告発者保護制度の仕組みと取り組み、イギリスの公益開示法の成立事情と運用事例などについても詳しく紹介しています。日本の公益通報者保護法案の詳細解説も付されています。これは内部告発をする側にとっても、される側にとっても必読の書です。

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<目次>

まえがき

第1部 事件の発覚は内部告発
1 三菱自動車工業クレーム隠し事件―長年の悪習、見破る方法、電話で指南
隠蔽の始まり/PとHの二重管理/官辺対応マニュアル/内告者の電話/Aシフト
監査着手/ロッカー室で/とにかく乗り切ってくれ/不整合の追及
うまいウソはないか/シュレッダー/徹夜明けの洗顔/切り札/東芝への依頼
救急車/信頼喪失と罰金刑

2 社会保険事務局と健保組合幹部の癒着事件―「打ち首」の宣告
7枚の便箋/まるで創業者のように/「ペナルティー」の宣告/けんか両成敗?
「もっと早く知らせるべきだった」/大臣に三通の手紙/官と民の癒着
ご高配、ご厚情/本人聴取のない内部調査/新聞社への手紙
厚労省に埋もれていた二通の手紙/感謝と非難/新聞とテレビで報道/悔しさやまず

3 東京電力原子力発電所ひび割れ隠し事件―カリフォルニアから届いたデータシート
エアメール/申告調査委員会/解雇満二年その日に/3本か6本か/21年遅れ
GEに直接確認へ/提出差し止め/押し問答/真夏の夜の記者会見
過信と独善/なぜ2年もかかったのか/5年半ぶりの来日

4 映画『インサイダー』になった米タバコ事件―和解金30兆円に貢献した元副社長
心を揺さぶる戦い/研究開発部門トップとして/口止めをふりきって
自由になった日/教育者として

5 ペンタゴン・ペーパーズ事件―呼びかけ続けるエルズバーグ博士
身柄拘束/国家機密との出合い/核抑止/幻滅/勝利の選択肢は?
収監を恐れず/盗聴と不法侵入/日本に持ち込まれた核/リスクを取ろう
元外交官の投稿/タイムリーな漏洩を

6 アメリカのヒーローになった3人―パーソンズ・オブ・ジ・イヤー2002
◎エンロン事件◎
恐ろしい反応/自由市場と競争/ラプトルとヘッジ/匿名の手紙
会長への直訴/検討された解雇のリスク/本格調査の必要なし
信用失墜と株価急落/忠誠の定義とは
◎ワールドコム事件◎
自白/合併による拡大/統治の不備を突いて/内部監査を続行する
一筋の救いがあった/職を失うリスク
◎FBIの失態◎
本部と支局/捜査は妨害された/ことなかれ主義/史上初の快挙
◎国家の敵と闘った彼女たち◎
称賛の声が続々と/タイム誌の年末恒例

第2部 内部告発者保護の制度と思想
7 アメリカの政府による内部告発者保護―仕組みの模索と進化
◎ホイッスルブロワー保護法◎
特別顧問局からの招待状/大統領に直属した独立機関/どのような情報開示も
OSCの調査/強制調査権を背景に/和解と提訴、救済措置/情報分析のプロとは
国境パトロールの欠陥/安全な内部告発窓口/空母カタパルトに溶接不良
連邦巡回区控訴裁判所/セキュリティ・クリアランス/低い認知度
少ないスタッフ/さらなる改正を求めて
◎職業安全衛生法から企業会計改革法まで◎
プログラム/労災防止から投資家保護へ/パッチワーク
労働省OSHAの調査/仮命令が最終命令になるまで/海軍造船所の鉛漏出
企業会計分野の新たな任務
◎不正請求防止法、内部告発者への報償金◎
キイタム訴訟/3倍返しの3割/提訴した人の保護/長期化
南北戦争を教訓に/航空産業/法律事務所/骨抜き狙う業者/1兆円の回収

8 アメリカの社会による内部告発者保護―歴史と取り組み      
◎非営利組織を窓口に組織内から◎     
パトリオットミサイル/匿名の情報源/FBI内部調査第二課長の告発
ホイッスルブロワーセンター/法的保護だけでなく
◎それは次第に学び取られてきたもの◎    
公民権運動の中から/利己と利他の違い/公務改革法の制定
チャレンジャーの悲劇/Oリングの欠陥/意思決定過程の欠陥
ポストチャレンジャー法律革命/先人の実績で

9 イギリスの公益開示法―日本がお手本にしようとした微妙なバランス
◎役員五人に送った手紙◎
図書館の夕方/雇用主への告発/65歳までの給与を補償/労働者の権利と会社の利益
◎激論が理解を深めた◎
みじめな一匹狼?/事故を教訓に/説得された保守党/ブレア政権が後押し
◎保護される公益開示とは◎
なにを開示すべきか/だれに開示すべきか/どう保護されるのか
◎新聞に載った首相への公開状◎
年明けの投書/戒告処分/「投書は不合理とは言えない」/公益開示法、3年間の運用
◎広がる内部告発ポリシー◎
3年半ぶりの復職/「自分に満足」/オープンな職場へ/当局が行政指導に/労働者への信頼示す
◎できるだけ早く相談を◎
10年に3500件/企業の研修で講師役/デン弁護士

10 日本は公益通報者保護法案へ―何を守るのか、何が議論されたのか
◎七〇年代に現れ、定着へ◎
初めて見出しに/反戦自衛官に「収容所列島」/ロッキード事件
調査報道の起爆剤、推進剤に/労働者、民衆の側から/低調だった80年代、90年代
◎統治、法令順守、リスク管理◎
食品メーカーで/財界団体も呼びかけて/行政機関でも/全国初の条例制定
不祥事の続発で
◎立法化への論議◎
労働関連個別法/児童虐待、談合/公務員倫理法への議論/腐敗対策アクションプラン
国会で問題提起が続々/内閣府国民生活局の音頭で/英国公益開示法を参考に
◎公益通報者保護法案の姿◎
より狭く厳しく/公益通報者保護法案の骨格/なにを公益通報するのか
だれに公益通報するのか/反対解釈を許さず/どう適用されるのか
「しっかり運用していく」
◎社会の意識は変わるか◎
逆転勝訴/公益通報支援センター/社会の理解を/潮流は変わったか
英米からのアドバイス

資料◎公益通報者保護法案

あとがき


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