公益通報者保護法案が5月25日、与党の賛成で衆院を通過しました。5月19日の衆議院内閣委員会には日本経団連、日本弁護士連合会、国民生活審議会、公益通報支援センターの代表が参考人として出席し、それぞれの立場から意見を述べました。ここでは公益通報支援センターの阪口徳雄弁護士の意見を紹介します。
(2004年6月3日掲載)


衆議院内閣委員会参考人意見陳述における阪口徳雄氏の意見
(『日本消費経済新聞』2004年5月31日号より)

<法案全体の問題点について>

 弁護士で、公益通報者にボランティアでアドパイスをする公益通報支援センターの事務局長を務める阪口徳雄氏は、「同法案ができた時点でアドバイスをやめようと思っている。なぜならこの法案は難しすぎて判らない。誤ってアドバイスをした結果、弁護士過誤で訴えられる。ボランテイアで支援するには限界を超えている」と率直に感想を語った。

 同センターは1昨年10月、大阪の弁護士を中心に無料で公益通報者の相談に応じる団体として発足。これまでに220から230件の通報があったが、同法で保護される行政機関への通報は『規制権限を有する行政機関』と規定されており、多岐にわたる内容をどこに通報すればいいのか弁護士でも分からない。

(相談件数の最も多い)補助金や助成金の仕組みは複雑で、弁護士は業法に詳しくないのが一般的である。1件1件勉強しようとした場合、時間がかかり、ボランティアで対応できる限界を超えている。また、この法案では外部通報した場合、保護要件に該当するかどうかその手続きが問われることになるので、外部通報についてのアドバイスが出来ない。使いにくく、犯罪を告発するのに何故これほどの足かせをはめるのか市民の常識に反する」と指摘。

 (1)『規制権限を有する』をはずし行政機関とする。(2) 外部通報の保護要件5つのほかに「その他外部通報をする相当の理由がある場合」を加える――の2点の修正を求めた。

<乱用の危惧について>

 公益通報支援センターの阪口氏は、「元々、真実でない証拠のないものは相手にされない。まさに会社を思い、社会を思う人の通報を守るのが同法の本来の目的で、真面目に通報通報しようしている人が通報しやすくなる法律にすべき。会社に対する不満があれば乱用なのか。私はそうは思わない。重要なのは通報が真実かどうかで、たとえ会社に不満を持っていようが真実ならば、是正することが社会のためになる」と話した。



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