08/12/27

今年の更新はこれが最後です。クリスマスにはパブリックドメインのクリスマス映画『Beyond Tomorrow』(40年)を見ようと思ったのですが、果たせず。またの機会に見てみます。そんなこんなで最近の興味はファンタジー映画、サイレント映画、冒険映画の3つです。来年はもっと映画を見るお金と時間と機会が欲しい。

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さて来年の米版DVD発売情報。

Warner Bros. Romance Classics Collection
と言わずトロイ・ドナヒュー・コレクションと素直に呼べばよいのに。収録作は
『二十歳の火遊び』(61年、デルマー・デイヴィス監督)
『スーザンの恋』(61年、デルマー・デイヴィス監督)
『恋愛専科』(62年、デルマー・デイヴィス監督)
『パーム・スプリングの週末』(63年、ノーマン・タウログ監督)
お目当ては『スーザンの恋』とタイ・ハーディン目当てに『パーム・スプリングの週末』。

Sidney Poitier Collection
収録作は
『暴力波止場』(57年、マーティン・リット監督)
『黒い牙』(57年、リチャード・ブルックス監督)
『いつか見た青い空』(65年、ガイ・グリーン監督)
『12月の熱い涙』(72年、シドニー・ポワチエ監督)
お目当てはシドニー・ポワチエではなくロック・ハドソンの『黒い牙』。単品での発売はない模様。残念。

『銀の杯』(54年、ヴィクター・サヴィル監督)
『追憶』(57年、マイケル・カーティス監督)
9月になくなったばかりのポール・ニューマン出演作が何作か単品で発売。それこそBOXにすればよいものを。でもお目当ては『銀の杯』はヴァージニア・メイヨの史劇だし、『追憶』はヘレン・モーガンに扮したアン・ブライス。アンは歌う女優なのにヘレン・モーガンの歌声とはタイプが違うせいか吹き替えなんだそうで、見る前から残念がっています。

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続いては最近発売されたB級映画もしくはトラッシュ映画の日本版DVD情報。最近のこの手合いのDVD発売ラッシュは凄いですね。

『紀元前百万年』(40年、ハル・ローチ監督)
『恐竜100万年』のオリジナル版がDVD発売されてしまいました。デビュー直後のヴィクター・マチュア主演作。以前から見たかった作品なので早めに買いたい。1500円。

『最後の海底巨獣』(60年、アーヴィン・ショーテス・イヤワース・Jr監督)
評判の良くない恐竜+原始人映画ですが故に見たくなるものです。1500円。

『大怪獣出現』(57年、アーノルド・レイヴェン監督)
米版DVDをわざわざ買って見たのに(10月24日参照)日本版が発売されてしまいました。1000円。
尚、米MGM版に併録されている『恐怖の火星探険』(エドワード・L・カーン監督)も日本版DVDが1000円くらいで2種類ほど発売されています。

『原子人間』(55年、ヴァル・ゲスト監督)
英ハマー・プロのSF映画。20世紀フォックスからのDVD発売なので3990円。

『月世界征服』(50年、アーヴィング・ピシェル監督)
ジョージ・パル製作のSF映画。発売は8月なので最近ではありませんが。1500円。

『燃える大陸』(51年、サム・ニューフィールド監督)
コマ撮り恐竜がチャチと評判ですが、やはり見てみたいものです。最低映画の監督サム・ニューフィールド作品なので過度な期待は出来ません。1500円。

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そして今年見た映画(再鑑賞とサイレント映画を除く)のなかで特に良かったもの。

『放射能X』(54年、ゴードン・ダグラス監督)10月13日参照。
『Girls Dormitory』(36年、アーヴィング・カミングス監督)10月2日参照。
『呪われた城』(46年、ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督)9月28日参照。
『幸福の森』(48年、ヘンリー・コスター監督)9月9日参照。
『アパッチの怒り』(53年)7月29日参照。
『愛する時と死する時』(58年、ダグラス・サーク監督)6月22日参照。
『Kismet』(55年、ヴィンセント・ミネリ監督)5月6日参照。
『深夜の歌声』(48年、ジーン・ネグレスコ監督)4月6日参照。
『ステラ・ダラス』(37年、キング・ヴィダー監督)4月4日参照。
『街の野獣』(50年、ジュールス・ダッシン監督)3月23日参照。
『The Three Stooges Meet Hercules』(62年、エドワード・バーンズ監督)3月15日参照。
『襲われた幌馬車』(56年、デルマー・デイヴィス監督)3月9日参照。
『悪魔の往く町』(47年、エドマンド・グールディング監督)3月1日参照。
『不死身の保安官』(59年、ラオール・ウォルシュ監督)2月25日参照。
『イット・ケイム・フロム・アウター・スペース』(53年、ジャック・アーノルド監督)2月23日参照。
『Black Angel』(46年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)2月19日参照。
『焔の女』(41年、ルネ・クレール監督)2月7日参照。
『裸のジャングル』(66年、コーネル・ワイルド監督)1月22日参照。
『鉄腕ゴライアス 蛮族の恐怖』(59年、カルロ・カンポガリアーニ監督)1月17日参照。
『白銀に踊る』(61年、ゲザ・フォン・ツイフラ監督)1月16日参照。
『悪魔と寵児』(47年、アルベルト・カヴァルカンティ監督)1月14日参照。


08/12/24

『スタア誕生』(37年、ウィリアム・A・ウェルマン監督)

サイレント時代のスター、ジャネット・ゲイナー主演のトーキーかつ初期三色方式テクニカラー作品。ジャネットはテクニカラーに間に合ったのですね。無名の少女(?)がスタアになる過程で、スタアであった夫が凋落するお話はサイレント時代のスタアたちの末路に重なります。それを思うとジャネット・ゲイナーは随分と幸運に恵まれた人だったのだと思えます。
ジャネットとお婆さん(メイ・ロブソン)の別れの場面が素晴らしい。雪に埋もれた駅で夜中にお別れするこの場面は、暗くて二人の顔が見えません。感動的です。また終盤、フレドリック・マーチが入水自殺する直前の窓に映る夕焼けの異様な美しさに圧倒されました。
さて、ジャネット・ゲイナー、嫌いな女優じゃないけれど、やはりテクニカラーに輝く女優ではないと思います。彼女の声は見た目に相応しい声だし演技も良いです。ただし、ウェイトレスになて気取る場面は気恥ずかしい。フレドリック・マーチも良いですね。最初の頃の酔っ払い演技は楽しく、自殺直前の演技も素晴らしかった。
ジョージ・キューカー監督、ジュディ・ガーランド主演版は随分前に見たきりで大分忘れました。そんなわけでリメイク版との比較は出来きません。

日本版DVDで鑑賞。
PD Classicの380円DVD。画質は良。


08/12/23

『恐怖の振子』(61年、ロジャー・コーマン監督)

ロジャー・コーマン監督作もぼちぼち見ています。『アッシャー家の惨劇』と同じく見た目は立派な低予算ホラーの傑作。こちらのが怖いです。ずっしとした振り子の怖さは幽霊やCGではない重さと質感のある恐ろしさ。そしてなによりバーバラ・スティールの眼が恐ろしい。
ヴィンセント・プライスを甚振る主人公は『お茶と同情』や『南太平洋』のジョン・カー。『アッシャー家の惨劇』のマーク・ダモン(現在はプロデューサーとして活躍)のほうがましです。

米版DVDで鑑賞。
12月10日参照。


08/12/22

『戦ふ隊商/激斗の河』(31年、オットー・ブローワー、デヴィッド・バートン監督)

最近サイレント映画好きなのでその延長線上にあると思しきトーキー映画も見ます。サイレント映画『幌馬車』のフッテージを利用して、尚且つその出演者(タリー・マーシャル、アーネスト・トレンス)が役も同じままで出てくるという事ですが、『幌馬車』はまだ見てません。
若くてピカピカのゲイリー・クーパー(30歳くらい)は細くて長くとびきりの二枚目で、ニタニタ笑うとぶん殴りたくなる気恥ずかしさです。
フランス娘リリー・ダミアとゲイリー・クーパーの喧嘩しながらの恋模様はわりと楽しめました。

日本版DVDで鑑賞。
PD Classicの380円DVD。画質は並。


08/12/21

『The Giant Behemoth』(59年、ユージン・ローリー監督、イギリス)

『原子怪獣現る』のユージン・ローリー監督、『キング・コング』のウィリス・H・オブライエン特撮による由緒正しき怪獣映画。
イギリス映画的に淡白でSF的に理性的ではあるものの、あまり盛り上がりません。地味です。イギリス本土に上陸した怪獣もイマイチ魅力にかけます。怪獣のクローズアップの多様はいただけないのですが、同じくオブライエンの『黒い蠍』もクローズアップが多かったし、彼の力量が衰えていたと思ってよいでしょうか。


米版DVDで鑑賞。
Warner Home Video。リージョン未確認。画質良好。


08/12/20

『レオパルドマン 豹男』(43年、ジャック・ターナー監督)

ヴァル・リュートン+ジャック・ターナーのRKOホラー。と言いつつホラーというわけでもないのですが好感触。66分の短さが素敵です。犠牲者達が襲われるまでにわりと時間を割いているのでますますかわいそう。最初の犠牲者が黒豹に出会う衝撃と襲われた際の見せない演出の残酷さが際立って恐ろしい。カスタネットの音がうるさかった。

米版DVDで鑑賞。
”Val Lewton Horror Collection”
Warner。リージョン1。画質良好。マーティン・スコセッシのドキュメンタリーが付いてないほう。収録作は以下。
『キャット・ピープル』(42年、ジャック・ターナー監督)
『キャット・ピープルの呪い』(44年、ロバート・ワイズ監督)
『ブードゥリアン/私はゾンビと歩いた!』(43年、ジャック・ターナー監督)
『死体を売る男』(45年、ロバート・ワイズ監督)
『吸血鬼ボボラカ』(45年、マーク・ロブソン監督)
『恐怖の精神病院』(46年、マーク・ロブソン監督)
『レオパルドマン 豹男』(43年、ジャック・ターナー監督)
『The Ghost Ship』(43年、マーク・ロブソン監督)
『The 7th Victim』(43年、マーク・ロブソン監督)
『Shadows in The Dark:The Val Lewton Legacy』(ドキュメンタリー)


08/12/19

凄い物が届きました。

DVD-BOX”Murnau, Borzage and Fox”!!

米版。FOX。リージョン未確認。画質未確認。
F・W・ムルナウ監督とフランク・ボーゼージ監督のFOX作品を収録した脅威のDVD-BOX!

収録作は
ムルナウ
『サンライズ』(27年)
『都会の女』(30年)

ボーゼージ
サイレント
『なまけ者』(25年)
『第七天国』(27年)
『街の天使』(28年)
『幸運の星』(29年)
『河』(29年、復元版)
トーキー
『巴里見るべし』(29年)
『リリオム』(30年)
『我が心の歌』(30年)
『バッド・ガール』(31年)
『ヤング・アメリカ』(32年)
『ほほえみの街』(32年)

特典は映像物が上記の『河』の他にムルナウ、ボーゼージのドキュメンタリー。まだDVDを再生してないので他にもまだあるかも。
紙物はムルナウ、ボーゼージ作品のスチルも満載な豪華な冊子と、ムルナウの失われた映画『四人の悪魔』(28年)の詳細で豪華な冊子の2冊。

『都会の女』はサイレント版です。

箱はLD-BOXかと思うほどにでかくて威圧感があり、ちょっと収納に困るかも・・・。だいたい縦33センチ×横30センチ×厚さ7センチくらい。重い。カポッと上下に開けると中にはDVDを収納するアルバム状の物が。実際にDVDが入るところはポケット状になっていて留め具がないのでずれる、動くで傷つきやすそう。実際2枚ほど傷ついてました。普通のBOXにして欲しかったなあ。

そして関税取られました。郵便局の配達員さんに関税700円その場で払って受け取り。

最近サイレント映画に夢中です。あえて感想はここに書きませんが、サイレント映画初心者なので初歩と思しき作品から見ています。そんなわけでこのBOXはとっても嬉しい。私のお目当てはチャールズ・ファレル出演作です。ボーゼージの『リリオム』とラングの『リリオム』(『回転木馬』製作50周年記念版DVDに収録)を見比べられるのも嬉しい。


08/12/11

『ヴィナスの接吻』(48年、ウィリアム・A・セイター監督)

思ったよりもドタバタしたコメディ、ミュージカル、ファンタジー!ミュージカルとしての魅力に欠けるし、ドタバタしすぎるし最初はどうなることかと思ったけど楽しめました。ファンタジー映画としての幻想性にも欠けるけど・・・。
しかし美女エヴァ・ガードナーが女神を演じるという素晴らしさは、それだけで充分に魅力なのです。女神だけど『奥様は魔女』(ルネ・クレール監督)のヴェリニカ・レイクの系譜かも。全裸で泡風呂の中に隠れたりとセクシーないたずらっこ。エヴァの歌は吹き替え。
主演はロバート・ウォーカーが暗さを纏わず多少神経質な感じで奮闘していました。イヴ・アーデンが場をさらう。

米版DVDで鑑賞。
Republic Pictures。リージョン未確認。画質良好。


08/12/10

『アッシャー家の惨劇』(60年、ロジャー・コーマン監督)

AIPの低予算ホラーにもかかわらず非常に見栄えのする、豪華に見えるセットに驚き。終盤の炎上場面で低予算を露呈するけれどたいしたものですね。主要人物3人と幽霊役の端役が数人だけで俳優の数の少ないこと。

米版DVDで鑑賞。
MGM。リージョン1。画質良好。英語字幕なし。『アッシャー家の惨劇』、『恐怖の振子』を収録。


08/12/10

『Fear in the Night』(47年、マックスウェル・シェーン監督)

コーネル・ウーリッチ原作の低予算B級フィルムノワール。でもあんまり面白くないです。特殊効果の安っぽさが気になります。催眠術に掛かって人を殺したと思い込んだ男、という無理のあるお話ならばもっと暗いイメージと悪夢のように旋回する語り口が欲しいところ。
56年に同監督が『悪夢の殺人者』としてリメイクしてるそうです。

米版DVDで鑑賞。
11月30日参照。


08/12/09

『吸血鬼サーカス団』(71年、ロバート・ヤング監督)

非日常的風景のサーカスが吸血鬼という設定そのものが魅力的なので、わりと楽しめましたがサーカスの出し物自体はしょぼかった。いつの時代か知らないけれど、時代物なのでこんなしょぼい内容のサーカスでも許されるかな・・・。
冒頭で殺されちゃう吸血鬼の伯爵がおかまチックで嫌だなあ。吸血鬼映画で吸血鬼を演じる男優の顔に満足したことがほとんどないんですけど、これはいったいどういうことなのか。クリストファー・リーだって顔に関しては不満ですね。アラン・ドロンとかマルク・ポレルとかファビオ・テスティくらいかっこよくないと。
ヒロインのリン・フレデリックの美少女っぷりは良いですね。あんまり活躍しないけど。ダースベイダーの人の素顔(デヴィッド・プラウズ)を見れたのはちょっと珍しげ。

日本版DVDで鑑賞。
ウエストブリッジ。画質良。英Carltonのマスターっぽいけどスタンダードで収録。500円。


08/12/09

『The Giant Claw』(57年、フレッド・F・シアーズ監督)

巨大生物に縁の深い女優マーラ・コーディ(『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』、『黒い蠍』)がヒロインというだけでも面白さが保証されている。本作で彼女が襲われるのは超巨大な鳥です。
なかなか楽しい映画だったのですけど、IMDbでの評価は現在2.7と低いにもほどがある。確かについに現れた巨大鳥の造型には思わずずっこけます。しかし、『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』のフレッド・F・シアーズ監督、サム・カッツマン製作とはいえハリーハウゼンの特撮ではないのだし、しょうがないじゃない。

米版DVDで鑑賞。
"SAM KATZMAN ICONS OF HORROR COLLECTION"
コロンビア。リージョン未確認、画質良好。2枚のDVDにサム・カッツマン製作のSF/ホラーを4本収録。収録作品は
『The Giant Claw』(57年、フレッド・F・シアーズ監督)
『Creature With the Atom Brain』(55年、エドワード・L・カーン監督)
『Zonbies of Mora Tau』(57年、エドワード・L・カーン監督)
『The Werwolf』(56年、フレッド・F・シアーズ監督)


08/12/08

『The Capture』(50年、ジョン・スタージェス監督)

テレサ・ライトをヒロインに暗い過去持つ男が追われるお話はライトの夫であったニーブン・ブッシュによる、というのは『追跡』も同様なのですが、本作は『追跡』ほどには成功していません。話運びが良くないのはニーブン・ブッシュのせいだとしても、雰囲気がそれほど暗くなく迫力に欠け小粒なのはジョン・スタージェスのせい。この監督は何見てもイマイチですね。
主役のルー・エアーズも不似合いです。『ジョニー・ベリンダ』とか『暗い鏡』そしてなにより『素晴らしき休日』が好きな俳優なのですけど、本作にはぜんぜん合いません。おっさんすぎる、細すぎる、明るすぎる、インテリすぎる。ロバート・ミッチャムとかアラン・ラッドだったらもうちょっとましだったのでしょうけど。外に置いたドラム缶で風呂に入ってテレサ・ライトの気を引くバカ騒ぎのシーンの滑稽なこと。

米版DVDで鑑賞。
11月30日参照。


2008年11月30日

まずDVDの話題から。
米Mill Creek Entertainmentの”50MoviePack Dark Crimes”を購入しました。
収録作は以下。

『Baby Face Morgan』(42年、アーサー・ドレイフュス監督)
『The Capture』(50年、ジョン・スタージェス監督)
『Cause for Alarm!』(51年、テイ・ガーネット監督)
『The Chase』(46年、アーヴィング・リップリー監督)
『都会の牙』(50年、ルドルフ・マテ監督)
『Devil's Party』(38年、Ray McCarey監督)
『Fear in the Night』(47年、マックスウェル・シェーン監督)
『ガス燈』(40年、ソロルド・ディキソン監督)
『たそがれの恋』(45年、アンソニー・マン監督)
『Guest in the House』(44年、ジョン・ブラーム監督)
『Half a Sinner』(40年、Al Christie監督)
『The Hoodlum』(51年、Max Nosseck監督)
『The Inner Circle』(46年、Philip Ford監督)
『Inner Sanctum』(48年、ルー・ランダース監督)
『The Last Mile』(32年、サミュエル・ビショフ監督)
『A Life at Stake』(54年、ポール・ギルフォイル監督)
『The Limping Man』(53年、サイ・エンドフィールド監督)
『血に笑ふ男』(37年、ローランド・V・リー監督)
『Man Who Cheated Himself』(50年、フェリックス・E・フェイスト監督)
『The Mandarin Mystery』(36年、Ralph Staub監督)
『The Mystery of Mr. Wong』(39年、ウィリアム・ナイ監督)
『裸のキッス』(64年、サミュエル・フラー監督)
『Parole, Inc.』(48年、Alfred Zeisler監督)
『The Pay-Off』(30年、ローウェル・シャーマン監督)
『The Phantom Fiend』(32年、モーリス・エルヴィ監督)
『Please Murder Me』(56年、ピーター・ゴッドフリー監督)
『Prison Shadows』(36年、Robert F. Hill監督)
『赤い家』(47年、デルマー・デイヴィス監督)
『The Scar』(48年、スティーヴ・シークリー監督)
『Shoot to Kill』(47年、ウィリアム・バーク監督)
『Sinners in Paradise』(38年、ジェームズ・ホエール監督)
『The Sleeping Tiger』(54年、ジョセフ・ロージー監督)
『狂った栄光』(40年、テイ・ガーネット監督)
『Strange Illusion』(45年、エドガー・G・ウルマー監督)
『Strange Woman』(46年、エドガー・G・ウルマー監督)
『呪いの血』(46年、ルイス・マイルストン監督)
『Sucker Money』(33年、ドロシー・ダヴェンポート監督)
『Ten Minutes to Live』(32年、オスカー・ミショウ監督)
『Things Happen at Night』(47年、フランシス・シール監督)
『Trapped』(49年、リチャード・フライシャー監督)
『Whistle Stop』(46年、レオニード・モギー監督)
『The Woman Condemned』(34年、ドロシー・ダヴェンポート監督)
『Woman in the Shadows』(34年、フィル・ロッセン監督)
『Woman on the Run』(50年、ノーマン・フォスター監督)
『The Wrong Road』(37年、ジェームズ・クルーズ監督)
『Flowers from a Stranger』(49年、Paul Nickell監督、テレビドラマ)
『The Man Who Had Influence』(50年、 フランクリン・J・シャフナー監督、テレビドラマ)
『Plan for Escape』(52年、Paul Nickell監督、テレビドラマ)
『There Was a Crooked Man』(50年、Paul Nickell監督、テレビドラマ)
『Two Sharp Knives』(49年、 フランクリン・J・シャフナー監督、テレビドラマ)

今年の1月に購入したHollywood Legends 50 Movie Packもまだぜんぜん見終わってないのですが・・・。
とりあえず、私の見ていない映画でDVDも持っていないものでのお目当ての作品は『The Capture』、『Cause for Alarm!』、『Fear in the Night』、『たそがれの恋』、『Guest in the House』、『The Hoodlum』、『The Phantom Fiend』、『The Sleeping Tiger』、『Trapped』、『Woman on the Run』。


『Woman on the Run』(50年、ノーマン・フォスター監督)
IMDbで高評価(今現在7.4)なので、興味を持ちましたが、なかなか面白いですね。ヒッチコックタイプのサスペンス映画。
犬の散歩中にギャング殺人事件を目撃してしまったフランク。彼は警察を呼んだあと姿をくらましてしまう。フランクの不仲な妻エリノアは警察の手を借りず彼を探そうとする。そこに特ダネを求める新聞記者が現れエリノアに協力しようとする・・・というお話。
フランクが姿をくらました動悸、エリノアが警察の手を借りたがらない理由が弱いですが、行方知れずの男を捜す妻という設定は面白いですね。ヒロインが警察の目を潜り抜ける様子が楽しいです。やたらとふてぶてしくて、タフで頭の切れるヒロインを演じたのは赤毛のアン・シェリダン。台詞も楽しい。警部にアンへの尾行をまかれるなと忠告された婦警が「あんな真っ赤な髪の女を見失うはずないじゃない」と言ったり(でもまかれる)。
クライマックスのジェットコースターの場面が魅力です。同監督の『恐怖への旅』の面白さはてっきりオーソン・ウェルズによるものと思い込んでましたが、そうではないようです。


08/11/?

『Borderline』(50年、ウィリアム・A・セイター監督)

クレア・トレヴァーとフレッド・マクマレイ主演のコメディ風ハードボイルド。これがまったく刺激に欠ける映画で、お粗末さまでした。『晴れて今宵は』が楽しいウィリアム・セイター監督作品・・・。
役に対していささか老け気味のクレア・トレヴァーですが、本作の見所といえば彼女だけですね。踊り子になってレイモンド・バーを誘惑しようとするとこはあからさまに滑稽だし、やることなすこと調子っぱずれだしで、良いとこなしのような気もしますが・・・。

米版DVDで鑑賞。
Hollywood Legends 50 Movie Pack(1月30日、2月3日、2月4日の続き)


08/11/?

『A Blueprint for Murder』(53年、アンドリュー・L・ストーン監督)

ジョセフ・コットンがその兄と姪を毒殺されたのではないかと、兄の後妻のジーン・ピータースに疑惑を向けるサスペンス映画。よくある題材だけに新鮮味がないぶん、色々がんばって欲しいところですが、白けた印象でした。せっかく美女ジーン・ピータースの悪女物だというのに残念です。
終盤になると甥が殺されないで済むように、ジョセフ・コットンがジーン・ピータースに毒薬を飲ませて殺すべきか思い悩むという陰鬱な展開に。ナレーションを多用するのが邪魔。真実を暴く段階もあまり盛り上がらずに終わってしまいました。

米版DVDで鑑賞。
FOX。リージョン1。画質良好。『A Blueprint for Murder』と『Man in the Attic』を収録。


08/11/?

『The Chase』(46年、アーサー・リップリー監督)

コーネル・ウーリッチ原作のフィルムノワール。変な映画であった。時系列がなんだかわけわかんないなと思っていたら、それなりの理由があったけど、やはり間の抜けた感は否めません。それはともかくとして、私の見たのは4分短い82分バージョン。主人公がキューバへ行ってはめられる際のナイフを買った云々の場面がないのはもともとなのか、4分の欠落に含まれるのか。主人公とヒロインがいつのまにか場面が代わると恋人同士というのも解せず、編集のまずい映画なのかも。主人公の記憶の欠落をやはりコーネル・ウーリッチ原作の『Black Angel』のような悪夢的に演出できていればもっと楽しめたものを。
追われる主人公を演じたのはロバート・カミングス。『逃走迷路』『ダイヤルMを廻せ!』があるにしてもどちらかといえばロマンティックコメディの野暮ったい俳優だと思う彼の登場場面は、ずいぶんと間が抜けている。ファムファタールはフランス映画界の大女優ミシェル・モルガン。個人的にはけっして好みの女優ではないし、役のせいもあって憂鬱そうにしてますが、海辺に佇む姿はファムファタール的魅惑を放ってはいました。
運転手付きの車の後部座席に秘密の(?)アクセルが付いていて、運転手にかまわずスティーブ・コクランが車を暴走させる場面が2回。装置として小賢しいし最初の暴走(運転手はロバート・カミングス)が迫力ないので馬鹿にしてたら、2度目の暴走(運転手はピーター・ローレ)はなかなか。

米版DVDで鑑賞。
Classic Film Noir, Vol. 2収録。10月11日参照。


08/11/?

『コンスタンチン大帝』(61年、リオネロ・デ・フェリーチェ監督、イタリア)

イタリアに出稼ぎしたコーネル・ワイルド主演の史劇。これといって特徴がないけれど、破綻もなくいたってまともなのでイタリア産史劇としての面白みに欠けるかも。戦場場面に迫力がないのは不満。キリスト教を保護したローマ皇帝コンスタンチンのお話なので、やはり勝利の啓示の場面をもっと印象的にして欲しいところです。監督は脚本家出身の人なのか・・・。ワイルド自身の監督だったら良かったのにね。
コーネル・ワイルドはわりと史劇的雰囲気にあって悪くないです。クリスティーネ・カウフマンがキリスト教徒の薄幸の美少女というキャラクター。『ポンペイ最後の日』でもそんな役を演じてなかったっけ?
コーネル・ワイルドのイギリス出稼ぎ映画で監督もした『剣豪ランスロット』はいつかそのうち見てみたい。

米版DVDで鑑賞。
Tgg Direct。画質は良くないがワイドで収録。


08/10/25

『Stranger on Horseback』(55年、ジャック・ターナー監督)

66分のB級西部劇。しかし主演はジョエル・マクリーに、監督はジャック・ターナー!アンスコカラーだし、随分と殺風景な街並みだしと低予算らしさを感じさせますが、なにせ短いので話がさっさと進むこと。そして地味ながらも山椒のようにピリリとしたアクション。良いですね。ターナーの映画としては上位のものではないと思いますが、それでもなかなか面白いです。
本作のアクションは騙まし討ちがメインになっているような気がします。ジョエル・マクリーの役が判事なので尚のこと騙まし討ちが効いてくるのです。


米版DVDで鑑賞。
VCI。画質は並みの下。英語字幕なし。


08/10/25

『青いガーディニア』(53年、フリッツ・ラング監督)

フリッツ・ラングのサスペンス映画ですが、正直なところイマイチな印象。ラングじゃなかったらそうは思わなかったかもしれませんが、ラングとしてはイマイチです。といってもラングはイマイチな映画をけっこう監督している気がしますが・・・『外套と短剣』とか『扉の影の秘密』とか。
犯人があまりにもわかりやすいです。事件が起こる前からわかってしまうの。ヒロイン自身が殺人を犯したかどうか苦悶し、犯人として報道されることに苦悶し、というところでサスペンスが生まれているので、犯人探しの映画ではないにしても、やはりもうちょっとねえ。
主演はアン・バクスターとリチャード・コンテ。どちらも苦手な俳優ですので、尚更好感が持てません。アン・バクスターの同僚兼ルームメイトをジェフ・ドネルとアン・サザーンが扮しなかなか楽しい。他にはスーパーマン俳優のジョージリーヴスが刑事役で出てたり、ナット・キング・コールが出てきて一曲歌ったり、エド・ウッドの恋人ドロレス・フラーがエキストラで出ているのを発見したり。


米版DVDで鑑賞。
Image Entertainment。画質良。英語字幕なし。


08/10/24

『大怪獣出現』(57年、アーノルド・レイヴェン監督)

わりと地味な印象の、しかし充分に面白い怪獣映画。怪獣がはじめて海上に現れる場面に思わず興奮します。怪獣映画って面白い!お目当てはヒロインを演じたオードリー・ダルトンだったのですが、つい怪獣に夢中になりますね。サスペンスもなかなか盛り上げてくれます。怪獣の犠牲者の死体がいかにも作り物な人形なのが不自然で可笑しいけど。
でもってオードリー・ダルトンというと『豪傑カサノバ』での登場シーンが可憐な美しさで忘れがたいのですが、このころには随分と地味になったなあ。
最初のころに殺されちゃう海兵隊がジョディ・マクリーでした。その名のとおりジョエル・マクリーとフランセス・ディの息子。やたらとジョエル・マクリーに似ているので、わかりやすい。


米版DVDで鑑賞。
MGM。画質良好。『大怪獣出現』と『恐怖の火星探険』(エドワード・L・カーン監督)を収録。英語字幕なし。


08/10/23

『Son of Monte Cristo』(40年、ローランド・V・リー監督)

ルイス・ヘイワードお得意の変装ものチャンバラ映画。岩窟王の息子という設定は特に意味がないし、全体的にちまちまして、迫力にも欠けますが、それでも尚この手の映画は楽しめますね。『海賊キッド』のローランド・V・リー監督。102分なのでそんなに長いわけでもないですが、90分位だったら良かったかも。
ルイス・ヘイワードの他にも俳優陣は充実してます。ヒロインはジョーン・ベネットで、そんじょそこらのお姫様女優とは一線を画すふてぶてしさです。悪の親分はジョージ・サンダース。ジョーン・ベネットの侍従頭みたいなのがフローレンス・ベイツ。


米版DVDで鑑賞。
Alpha。オールリージョン。画質は並みの下。英語字幕なし。


08/10/22

『Sinners in Paradise』(38年、ジェームズ・ホエール監督)

飛行機墜落事故で乗客全員が助かった(!)が、中国近くの孤島に漂着して・・・というお気楽なお話。孤島に住むジョン・ボールズと一緒に島のサバイバルな生活に慣れていく描写がちょっと楽しめるかな。65分なので気楽に見れるのが取り柄。
戦前の二枚目俳優ジョン・ボールズはこのころはけっこう中年太り気味。ボールズも出てるホエール監督作『フランケンシュタイン』と『フランケンシュタインの花嫁』のDVDも買ったので、そのうち見てみます。


米版DVDで鑑賞。
Alpha。オールリージョン。画質は並みの下。英語字幕なし。


08/10/20 『女バイキングと大海獣』(57年、ロジャー・コーマン監督)

ロジャー・コーマンのバイキング映画。IMDbでは2.2という低い評価ですが、そこまで酷いという訳でもない様な。わりと楽しめました。わりと、です。つまらなくても66分なので腹も立たないし。海に出たまま戻ってこない男たちを捜して女バイキング達が旅に出るお話。何故か一人だけいる身長の低い男バイキングが女だけの旅にくっついて行くのですが、この人の役回りがわりと好きです。
大海獣が出てくるのはほんのちょっとなので物足りないですが、水面をすべるような動きはわりと良い感じがします。まあ手袋型怪獣だし、何より酷いのは超大根演技のバイキングのリーダーにメチャクチャあっさり退治されてしまうの。
いじめっこキャラに『抜き射ち二挺拳銃』のスーザン・キャボット。


08/10/21 『恐怖の獣人』(58年、ロジャー・コーマン監督)

ロジャー・コーマンの原始人映画。IMDbでは2.4の評価なので『女バイキングと大海獣』よりも面白いことになっちゃうじゃないですか。本作はよりいっそうばかばかしく、面白みも感じません。トカゲ恐竜、ストップモーションアニメの恐竜、着ぐるみ恐竜が出てきますが、すべて流用と思われます。こちらも66分。まあ腹は立ちません。
主演は『ナポレオン・ソロ』(見てない)のロバート・ヴォーン。


米版DVDで鑑賞。
Lions Gate。『女バイキングと大海獣』、『恐怖の獣人』を収録。画質は並み。英語字幕なし。


08/10/?

『Whistle Stop』(49年、レオニード・モギー監督)

『格子なき牢獄』(見てない)や『明日では遅すぎる』(見てない)のレオニード・モギーがハリウッドで監督したB級フィルムノワール。主演は落ち目とはいえジョージ・ラフトとスターになる前のエヴァ・ガードナー。ヴィクター・マクラグレンにフローレンス・ベイツと脇役も充実。おまけにカメラはラッセル・メティ。
田舎町では収まらないエヴァ・ガードナーが、とはいえ田舎に戻ってうだつのあがらないジョージ・ラフトと町の顔役みたいなトム・コンウェイと三角関係を繰り広げる。前半は割と退屈なメロドラマ、残り30分くらいでようやくフィルムノワールへと変貌し楽しめます。
エヴァの初主演作。最初の頃は何故か似合わない衣装が多いのが気になりますが、中盤あたりから似合う衣装になってとりあえず一安心。スターになる前とはいえすでにファムタールのオーラを発揮しています。ナイトガウン姿の美しさも印象的ですが、それ以上に土砂降りの雨に打たれるエヴァは素晴らしかった。
ジョージ・ラフトはあんまり目立たなくて、終盤でヴィクター・マクラグレンの存在感が際立ちます。中盤まではユーモラスすぎて作品から浮いた感じのマクラグレンでしたが、トム・コンウェイを絞め殺すあたりは怪物のよう。その末路もなかなか強烈です。
DVDの画質が悪いのが残念。それでもところどころラッセル・メティのカメラの魅力を感じることはできました。

米版DVDで鑑賞。
Classic Film Noir, Vol. 2収録。10月11日参照。


08/10/13

『皆殺しの用心棒』(69年、ニック・ハワード監督、イタリア)

なんとでたらめな映画ですか。あまりのバカバカしさに呆れ果てた。善悪がないのは仕方がないにしても、お話が良くわからないので困ってしまった。行き当たりばったり。
主人公が眼鏡をかけたガンマン、しかもマントの裏に予備の眼鏡がずらりと並ぶという設定が、何かの伏線でもなんでもないというのもバカバカしい。まあ『七人のあばれ者』のリチャード・ハリソンの眼鏡姿を見られただけで良しとしておきます。
リチャード・ハリソンは『豪勇ペルシウスの大反逆』を見たい。


日本版DVDで鑑賞。
エスピーオー。画質良。


08/10/13

『放射能X』(54年、ゴードン・ダグラス監督)

素晴らしい。最高に面白い。私は思わず途中から正座をして見てしまいました。ワーナーの作品だけあってなかなか大掛かりで、予算だけみても最近見たB級SF映画とは格が違いますね。それ以上にキビキビした演出、素早い展開に圧倒されました。主役不在ですがそれすらもお構い無しの面白さです。
『遊星からの物体X』で退治されるエイリアンを演じたジェームス・アーネスがここでは退治する側のFBIを演じてます。そういえば最近見た『渡るべき多くの河』にも出てましたね。やたらとでっかい人。『三十四丁目の奇蹟』のサンタクロースことエドマンド・グゥインがアリ専門の博士役。よたよたとして足元おぼつかなくてユーモラス。冷たく乾いた印象の本作に温かみを与えていました。その娘でやっぱり博士のジョーン・ウェルドンに恋愛話を設けない点も良かった。


日本版DVDで鑑賞。
ワーナー・ホーム・ビデオ。画質良好。


08/10/12

『純愛の誓い』(42年、アナトール・リトヴァク監督)

婦人部隊のジョーン・フォンティーンが脱走兵のタイロン・パワーと恋に落ちるメロドラマ。『武器よさらば』みたいな反戦映画ではなくて、むしろ戦意高揚映画であった。
アーサー・C・ミラーのカメラの素晴らしさ、軍服姿のジョーン・フォンティーンの美しさと存在感で思わず良い映画かもと勘違いしそうになるけれど、あんまり面白い映画ではないと思う。フォンティーンとパワーがなんで恋に落ちるのかよくわからないのはしょうがないとしても。
二人が初めて出会う場面では暗闇の中なのでお互いの顔が良くわからない状況で、魅力的でした。フォンティーンとパワーをほとんどシルエットにしながらも魅力的に撮るカメラ、遠くの爆撃を眺める演出。中盤で二人が休暇に出かけると面白さが減ります。
『レベッカ』『断崖』に出た後で油の乗っているジョーン・フォンティーンは、清純派にもかかわらず大物っぷりを見せてくれて満足。軍服姿も美しいです。

米版DVDで鑑賞。
”Tyrone Power Matinee Idol Collection”
8月23日参照。


08/10/11

『Too Late for Tears』(49年、バイロン・ハスキン監督)

なかなか評判が良い作品なのですが、個人的にはイマイチな印象。全体的に安っぽいです。セットの安さかなあ。なんだかテレビドラマでも見ている気分。おまけにDVDの画質が悪いので、ますます安く見える。『宇宙戦争』や『黒い絨氈』のバイロン・ハスキン監督作なのでちょっと期待しすぎました。
ファムファタールを演じるはリザベス・スコット。変わり身の早い悪女っぷりも安っぽく演じます。同時代にヴェロニカ・レイク、エラ・レインズ、ローレン・バコールと同タイプとしてパラマウントから売り出されながら彼女達が演じることがなかった悪女を演じるように変遷した女優ですが、いまいち魅力に欠けるリザベス・スコット。ギスギスして品のない悪女ぶりにはやはり落胆してしまいます。キャリアからみて、この頃はまだB級女優というわけでもないはずなのですが、どうみてもただのB級女優。映画評論家の山田宏一氏がその著書『ビデオラマ』で褒める『虐殺の街』(ウィリアム・ディターレ監督)を見れば印象が変わるかな?

米版DVDで鑑賞。
Classic Film Noir 9 Movie
DVD情報は3月20日参照。


08/10/11

『ニューヨーク港』(49年、ラズロ・ベネディク監督)
B級SFの次はB級フィルムノワール。セミ・ドキュメンタリーらしくナレーションが邪魔です。主役不在。主役かと思ったスコット・ブラディは途中で死んじゃうのでそのぶん興味が薄れる。悪役はスターになる前の細いユル・ブリンナーが爬虫類的気味の悪さ。
スコット・ブラディが敵のアジトに潜入捜査するあたりが多少面白いかね。


『The Big Bluff』(55年、W・リー・ワイルダー監督)
ビリー・ワイルダーの実兄にして最低映画の監督W・リー・ワイルダーのサスペンス映画。これも主役不在。誰が主役かわからない映画は楽しめないなあ。見た目は健康そうだけど余命いくばくもない大金持ちのマーサ・ヴィッカースが金目当てのジゴロ、ジョン・ブロムフィールドと結婚して命を狙われるお話。彼の企てにコンパニオンのイブ・ミラーが気がつくあたりから多少楽しめる。最後のプロットツイストは悪くないです。最低映画監督W・リー・ワイルダーにしてはまともな部類と言うと褒めすぎですね。
マーサ・ヴィッカースは『三つ数えろ』でローレン・バコールの妹を演じた女優。ジョン・ブロムフィールドは『半魚人の逆襲』で半魚人に殺されちゃう男優。いかにも肉体派のブロムフィールドがその愛人とキスすると画面が歪む効果がバカバカしい。だからW・リー・ワイルダーは最低映画の監督と言うのだ。彼が製作したアンソニー・マン初期監督作もいつか見てみよう。

米版DVDで鑑賞。
Classic Film Noir, Vol. 2
St. Clair Vision。リージョンオール。パブリックドメインになっているフィルムノワール9作を収録した3枚組みDVD。
『Jigsaw』(49年、フレッチャー・マークル監督)
『Whistle Stop』(49年、レオニード・モギー監督)
『夜歩く男』(48年、アルフレッド・ワーカー監督)
『The Chase』(46年、アーサー・リップリー監督)
『The Big Bluff』(55年、W・リー・ワイルダー監督)
『アリバイなき男』(52年、フィル・カールソン監督)
『ニューヨーク港』(49年、ラズロ・ベネディク監督)
『三人の狙撃者』(54年、ルイス・アレン監督)
『Buried Alive』(39年、ヴィクター・ホルペリン監督)


08/10/10

『吸血怪獣ヒルゴンの猛襲』(59年、バーナード・L・コワルスキー監督)

ロジャー・コーマン製作のSFっぽい怪物映画。ゴミ袋に吸盤のついた巨大ヒルが人を次々と襲うというバカバカしさ。でも問題は巨大ヒルの構造が良くわからないので、生きてんだか死んでんだか、何体いるんだか良くわからない点。
主役は『ヘラクレス/モンゴル帝国の逆襲』『ヘラクレス/闘神伝説』の悪役ケン・クラーク。彼の主演したイタリア産スパイ映画なんかちょっと見たい気がする。


日本版DVDで鑑賞。
WHDジャパン。画質は良くない。


08/10/10

『ロボット大襲来』(54年、シャーマン・A・ローズ監督)

先日『クロノス』を見たせいでB級SF〜ホラーの類、トラッシュ映画を見たい気分。
『標的は地球』の題でも知られる本作、目が覚めたら街が無人と化していたという冒頭の評価ばかりが高い作品ですが、それにしても割りと笑えます。同じB級SFでも個人的には『クロノス』の方が好きだなあ。
主演は『黒い蠍』のヒーローとか『大アマゾンの半魚人』の悪役とか、『めぐり逢い』でデボラ・カーの婚約者役を演じたリチャード・デニング。


日本版DVDで鑑賞。
RUNコーポレーション。画質は良。


08/10/02

『Girls Dormitory』(36年、アーヴィング・カミングス監督)

『悪魔の金』の米版DVDを注文したらば急にアメリカ時代のシモーヌ・シモンの映画が見たくなった。そしたらちゃんと家にあるじゃないですか。”Tyrone Power Matinee Idol Collection”の中では全然注目してなかった作品なのですが。
66分の小品。女学校の校長ハーバート・マーシャルに密かに恋する教師ルス・チャタートン。だがしかし生徒のシモーヌ・シモンもマーシャルに恋をしており・・・というお話。いつの時代にもそんな映画はあるもので、しかし洗練の極みのハーバート・マーシャルに恋する女学生とは。お話も気恥ずかしいし、シモンとマーシャルのラブシーンもとっても気恥ずかしいけれど、品良く初々しくて、これは思わぬ掘り出し物。
シモーヌ・シモンのアメリカ映画デビュー作。彼女は『キャット・ピープル』があるとはいえ、アメリカではフランスほどの成功を得られなかったのでしょうけど、しかしなんという愛らしさ。チンクシャのヘンテコな顔立ちと身振りの愛くるしさ。それでいてファムファタール的な魅力も放っています。この独特な存在感はアメリカではファンタジー及びホラーでないと使いづらかったのかもしれません。本作はアメリカ映画らしくハッピーエンドを迎えますが、それでもなおアメリカ映画らしくない雰囲気を漂わせていて、66分の小品であること、ハーバート・マーシャルとルス・チャタートンという名優を配したことを含めて、シモーヌ・シモンの魅力を伝えるためのお膳立てだったのでしょう。シモンが悲しみのあまり嵐の中を飛び出して森を駆け抜ける場面がその最高潮。
タイロン・パワーはシモンの従兄弟役でほんのちょっとだけ出演。

米版DVDで鑑賞。
”Tyrone Power Matinee Idol Collection”
8月23日参照。


08/10/01

『渡るべき多くの河』(55年、ロイ・ローランド監督)

西部劇というよりは西部を舞台にしたイナカッペコメディといった趣。景色は雄大というよりもだだっぴろく、しかし舞台劇的せせこましさを感じる。美女エリノア・パーカーが、アン・バクスター『彼女は二挺拳銃』やベティ・ハットン『アニーよ銃を取れ』やドリス・デイ『カラミティ・ジェーン』のように気はいいがガサツなイナカッペ娘を演じるというのが本作の変なところ。でもあんまり面白くないです。エリノアが逃げるロバート・テイラーをあの手この手で捕まえる過程も実にくだらない。終盤でインディアンに追われてからやっとアドベンチャーっぽい楽しさが出るくらい。
今度、エリノア・パーカーとロバート・テイラーの共演作『王家の谷』を再鑑賞してみよう。


米版DVDで鑑賞。
Warner Home Video。リージョン1。


08/09/28

『呪われた城』(46年、ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督)

ジョセフ・L・マンキーウィッツの長編デビュー作!丘を走って下るジーン・ティアニーの後姿から始まる冒頭から、これは!と、はっとするほど素晴らしいに違いないと感じさせるし、実際に素晴らしい映画なのでした。場所がアメリカなのがなんとなく残念なような気がするけれど、城を舞台に城主のヴィンセント・プライスと家庭教師にやってきた血縁のジーン・ティアニーがなんだかんだで結婚して不幸が続くというゴシック調のサスペンス。そんなに動きのある映画ではありませんが、しかし流れるような映像美。不気味だけど優雅。
ヴィンセント・プライスはいかにも不気味で、本作はホラーというわけでもないのだけど、ホラーというカテゴリーに入れられているのも彼ならではでしょう。悪人だけど脆さがあって、異常でという個性がよく合います。
最終的にジーン・ティアニーと結ばれるであろう『ガス燈』のジョセフ・コットン的役割のグレン・ランガンは、目をバチバチとした黒いまつげが縁取る二枚目なのですが、この人『戦慄!プルトニウム人間』(見てない)で巨人になっちゃう人なのですね。
そしてなにより、ジーン・ティアニーの美しさが光り輝きます!田舎娘として登場すると純情可憐でチャーミング。舞踏会でドレスを着て踊る姿はまさに大輪の花。若奥様になって突っ伏してなく腰の細さの愛らしさ。夫と上手くいかなくなりだすと一気に大人びた美を発揮。もともと誰よりも美しい女優ジーン・ティアニーを美しく撮り、美しく演出するということだけでも魅力的な映画です。階段でのクローズアップ!ところでゴシックサスペンスの虐げられる妻にもかかわらず、彼女はへこたれないし強さがみなぎっています。見る前は弱々しいヒロインを演じていたらちょっと嫌だなあと思っていたのですが、杞憂でした。
ジーン・ティアニーは最後に喪服を着ることになるのですが、再びマンキーウィッツと組んだ『幽霊と未亡人』ではお話に関連はないものの、喪服姿で現れるというのがなんとなく不思議。

米版DVDで鑑賞。
FOX HORROR CRASSICS VOL.2
FOX。リージョン1。画質良好。20世紀FOXのホラー(?)を3本収録のBOX。
『呪われた城』(46年、ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督)
『Dr. Renault's Secret』(42年、ハリー・ラクマン監督)
『Chandu the Magician』(32年、ウィリアム・キャメロン・メンジーズ監督)


08/09/28

『Detour』(45年、エドガー・G・ウルマー監督)

『恐怖のまわり道』とか『まわり道』のタイトルで知られる低予算B級フィルムノワールの代表的作品。67分の短さにさっさとお話が進んでいくウルマーの手際のよさに感心しながらも、限られた時間内に纏めたい為か俳優達の口調がせわしない。ちょっとでも目を離すと次のシーンに移っちゃうものだから気を抜いて見るのは不可能。何気なく現れた女が一瞬にして悪女の本性を見せる場面も実に怖い。ただ、ウルマーの最良の作品というわけでもないような気がするのは、DVDの画質が良くないせいもあるのかなあ。やはりあまりに詰め込みすぎて間がないし、回想形式をとっているからといって、主人公のナレーションがあまりにも多すぎるのが不満です。
ウルマーは音楽の使い方に優れた監督だと思うのですけど、本作でも主人公が弾くピアノやその恋人の歌など魅力的でした。
主演はPRC御用達俳優トム・ニール。バーバラ・ペイトンを巡ってフランチョット・トーンと争ってトーンを殴って大怪我させたり、妻を射殺したりとフィルムノワールを体現するスキャンダルまみれの人生が怖い。困ったちゃん眉毛としょぼくれた感じが演技やメイクもあるのだろうけど、あまりにB級的侘びしさをかもし出していました。92年にはニールの息子が本作のリメイクで主演。
ファムファタールを演じたアン・サヴェッジもまたいかにもB級女優で、安っぽくて怖い迫力の悪女っぷり。

米版DVDで鑑賞。
Classic Film Noir 9 Movie
DVD情報は3月20日参照。

Alphaとか米のパブリックドメイン系メーカーから発売されているPRCの映画でいくつか見たいのがあるんだけど、やはり画質とか音質とか、はたまた作品の評価とか思うと買うのを躊躇してしまう。


08/09/27

『クロノス』(57年、カート・ニューマン監督)

ちょっとお気に入りの監督カート・ニューマン作品なのでそのうち米版DVDを買って見ようと思っていたら日本でも発売されました。良くも悪くも低予算のB級SF映画なのですが、やはりちょっと良い感じ。やたらめったと核爆弾を使うのはどうかと思うのですが、50年代では仕方がないですね・・・『まだまだあぶない刑事』(2005年)のように核の扱いに呆けた作品は近年にも、ましてや日本にもありますが。
お話に目新しさはなく、ご都合主義な展開と、馬鹿っぽい主人公などいかにもくだらないB級SFなのですが、ずいぶんと殺風景な特撮で、巨大ロボット(?)もただのでっかい四角い箱。その殺風景さが殺伐としていてSF的魅力になっています。しかもその巨大な四角い箱がアニメで歩き出すあたりは、しょうもないと思いながらもちょっと惹かれるものがありますね。
主演は『宇宙水爆戦』のでっかい頭のエターナル星人を演じたジェフ・モロー。ヒロインは『三人の妻への手紙』で美女リンダ・ダーネルの妹を演じていたバーバラ・ローレンス。
前にも書いたけど、カート・ニューマン監督作はトニー・カーティス主演のアラビアンナイト映画『アリババの復讐』を見てみたいのです。でもそれより本当はトニー・カーティスのもう一本のアラビアンナイト映画『盗賊王子』(ルドルフ・マテ監督)が見たいのだけど・・・。


日本版DVDで鑑賞。
RUNコーポレーション。画質は良。


08/09/20

『モンタナ』(50年、レイ・エンライト監督)

荒っぽい牛飼いが穏やかな羊飼いを追い払おうとする西部劇。羊飼いのボス(?)がエロール・フリン、牛飼いのボス(!)がアレクシス・スミス。カメラはカール・フロイントのテクニカラー西部劇だぞ。76分という短さでさくさくお話が進んでいく手際のよさはラオール・ウォルシュがクレジットなしで監督している部分もあるからなのでしょうか。エロール・フリンが銃を抜くのは一回だけ。後は殴られたりで、暴力で立ち向かうという感じではないのでスッキリした西部劇ではないのですが。
しかし美女アレクシス・スミスが『サン・アントニオ』や『鉄腕ジム』での名コンビのエロール・フリンと対立しつつ恋を繰り広げるのだ。それはやっぱりユーモアがあって魅力です。赤毛に染めたアレクシスはちょっとモーリン・オハラ風だし、その激しさはむしろバーバラ・スタンウィックを思い起こさせるけど、いつにもましてどこ見てるのかわかんない瞳はまさしくアレクシス・スミスならではの魅惑!
思わずふざけんなと思うハッピーエンドはエロール・フリンとアレクシス・スミスのコンビだから笑って許せるのだと思う。

米版DVDで鑑賞。
Errol Flynn Westerns Collection
Warner Home Video。リージョンオール。エロール・フリン主演西部劇4本収録。
『ヴァジニアの血闘』(40年、マイケル・カーティス監督、ミリアム・ホプキンス共演)
『勇魂よ永遠に』(50年、ウィリアム・キーリー監督)
『サン・アントニオ』(45年、デヴィッド・バトラー監督、アレクシス・スミス共演)
『モンタナ』(50年、レイ・エンライト監督)


08/09/15

『恐怖の逢びき』(55年、フアン・アントニオ・バルデム監督、ブラジル)

ブラジルの昔の映画を見るのは初めてなのですが、私のお目当てはブラジルではなくて、イタリア映画界の美女ルチア・ボゼー!だからというわけでもないのだろうけど、イタリア映画みたいな雰囲気。場面が切り替わる処理は流れるようで、しかしあまりに繋がりすぎているのでどっきりする。ショットの強さ、カメラの美しさも素晴らしい。逢引中に人をひき殺した女と男のサスペンスは暗く物憂げでよい雰囲気です。パニックに陥った男(大学講師)が思わず落第させてしまった女学生との間に生まれるほのかな恋を予感させる感情も良いです。
ルチア・ボゼーの映画を見るのはこれでやっと3本目。イタリア映画の美女優の映画は極々一部の女優しか見る機会が少なくて残念ですね。彼女はあまんりイタリア臭さ、土や太陽の匂いがしない。土臭い『オリーブの下に平和はない』では線が細くてなんだか不似合いだったし、『愛と殺意』や本作にしても良いとこのお嬢さん風の可憐な美しさがあまりファムファタールな感じがしないのですが、終盤の壮絶な存在感は素晴らしいです。


米版DVDで鑑賞。
Criterion。リージョン1。画質良好。スペイン語音声、英語字幕。映像特典にフアン・アントニオ・バルデムのドキュメンタリー。冊子つき。


08/09/13

『Two Weeks with Love』(50年、ロイ・ローランド監督)

16だったか17歳のジェーン・パウエル(実年齢は21くらい)がコルセットを着けてないので笑いものにされて大騒ぎという、くだらなさながらもお気楽で楽しめます。ジェーン・パウエルがコルセット姿で唄う夢想シーンはあまりのくだらなさに呆れ果てるけど。
主役のジェーン・パウエルをしのいでインパクトが強いのが妹役のデビー・レイノルズ。『ザッツ・エンターテイメント』で紹介されたカールトン・カーペンターと一緒に歌う”Aba Daba Honeymoon”がやはり見どころ。猿の歌を歌う二人の顔も猿のようで可愛くて可笑しい。この後すぐ『雨に唄えば』のヒロインになるデビーだけど、その後もジェーン・パウエルと共演すると2番手になっちゃうのがもったいないですね。
ジェーンとデビーの母親役は30年代の大女優アン・ハーディングなのですが、すっかりお婆さん(でもまだ50歳を越えてない)になっていて、しかも大女優のオーラを感じることはできませんでした。
さて本作を収録したBOX"Classic Musicals From the Dream Factory, Vol. 3"にはジェーン・パウエル出演作『Nancy Goes to Rio』『Two Weeks with Love』『我が心に君深く』『艦隊は踊る』の4本が収録されていて、今頃気がついたけどもしかしてジェーン・パウエル特集だったんだろうか?でも彼女はそんな大それたミュージカル女優ではないと思うんだけど・・・。

米版DVDで鑑賞。
Classic Musicals From the Dream Factory, Vol. 3
DVD情報は4月26日参照。


08/09/12

『Man in the Attic』(53年、ヒューゴ・フレゴーネズ監督)

ヒッチコックの『下宿人』(見てない)のリメイク『謎の下宿人』(ジョン・ブラーム監督)のそのまたリメイク。『謎の下宿人』も面白かったけど、こちらもなかなか。こざっぱりしてずっと地味で、迫力も劣りますが、切り裂きジャックとヒロインにロマンスを盛り込んで哀れな雰囲気が良いです。
ヒロインはコンスタンス・スミス。なかなか美人ですが、『謎の下宿人』の業が深そうで押しが強いマール・オベロンを見てしまうと物足りない気もしますね。コンスタンス・スミスはマールと同じ曲でフレンチカンカンを踊る他、もう一つミュージカルナンバーがあって、それがほとんど(?)ストリップなの。切り裂きジャックの時代のイギリスでプリンス・オブ・ウェールズだかなんだかが見に来る様な舞台でそんなお色気が普通にあったのかなあ。
下宿人こと切り裂きジャックはジャック・パランス。こちらは『謎の下宿人』のレアード・クリーガーと比べても遜色ないです。見るからに異様でそのくせなんとなく二枚目路線もいけそうなジャック・パランスは、切り裂きジャック役でもヒロインと恋ができるのだな。パランスの醸しだす哀れさは、クリーガーの哀れさとは違うけどどちらも良いです。


米版DVDで鑑賞。
FOX。リージョン1。画質良好。『A Blueprint for Murder』と『Man in the Attic』を収録。


08/09/09

『幸福の森』(48年、ヘンリー・コスター監督)

タイロン・パワー主演のファンタジー映画。『I'll Never Forget You』が純愛路線だったのに対し、こちらはコメディ。アメリカの場面がモノクロ、アイルランドの場面は緑に染色されているというだけでも楽しい。
こりゃ面白い。アイルランドで夜中にセシル・ケラウェイの妖精をタイロン・パワーが追いかける場面なんてわくわくします。アメリカに戻ったタイロンのとこにセシル・ケラウェイが知らん顔して召使として現れたり、全体的にとぼけた可笑しさが漂います。題材がヘンリー・コスターにぴったり合って、のどかで暢気。だからこそ本作はヘンリー・コスターらしい調子の良さ、真骨頂といえると思います。素晴らしい。歌手が歌う中を乱闘する場面の可笑しさはオールドハリウッドの正攻法。50年代の半ばにはヘンリー・コスターが似合わぬ大作史劇を監督するようになるのが残念でなりません。
そしてこのとぼけた可笑しさに貢献しているのがセシル・ケラウェイでしょうね。『奥様は魔女』(42年)のヴェロニカ・レイクの父親役(つまりは魔法使い役)とか、出てるだけでなんとなく可笑しいいたずら好きのドジな妖精という風情。こうした爺もしくは婆俳優を見るのもまたファンタジーの楽しみです。非現実的役柄ではなくても『ジェニイの肖像』とかね。
タイロン・パワーは『I'll Never Forget You』ほど老けてなくてまだかっこいい部類だし、苦手な男優ですが映画の良さもあってある程度好感をもてます。ヒロインのアン・バクスターも同様に。
やっぱりアメリカ産ファンタジーっていいですね。

米版DVDで鑑賞。
8月23日参照。
モノクロ/染色版とモノクロのみ版を収録。


ファンタジー映画の米版DVD情報。
『ドリアン・グレイの肖像』(45年、アルバート・リューイン監督)
『ヴィナスの接吻』(48年、ウィリアム・A・サイター監督)
どちらも10月発売予定。


08/09/06

『Vicki』(53年、ハリー・ホーナー監督)

20世紀フォックス最初のフィルムノワールと言われる41年の『I Wake Up Screaming』(H・ブルース・ハンバーストン監督)のリメイク。オリジナルはフィルムノワールにしては明るい感じのする(ただし撮影はいかにもフィルムノワール)映画で、しかしなかなか面白かったのですが、リメイクのほうはなんとも白けた印象を持ってしまいました。
そんなわけで失望をしつつも、私のお目当ては姉妹という設定の美女ジーン・クレインと美女ジーン・ピータス。主役がジーン・クレイン、タイトルロールがピータース。どちらも大好きですがJeanneとJeanの美女対決はピータースの方がインパクトが強く尚且つファムファタールで、やはりクレインは心優しい女であり分が悪いです。演出が平坦すぎてせっかくの2大美女共演ももったいない。ピータースが(吹き替えで)唄うシーンにもがっかり。
しかし本作最大の不満は男優達ですね。一応もう一人の主役のエリオット・リードは『紳士は金髪がお好き』でジェーン・ラッセルの相手役をしていた人。50年代の20世紀フォックスってそんなに男優不足だったのかと思うほどに魅力がない。主演男優としてはオリジナルのヴィクター・マチュアのほうがずっとましですね。また刑事役のリチャード・ブーンもオリジナルのレアード・クリーガーの異様なオーラにおよびません。


米版DVDで鑑賞。
FOX。リージョン1。画質良好。


08/08/23

まずDVDの話題から。

”Tyrone Power Matinee Idol Collection”米版DVD。FOX。リージョン1。画質良好。タイロン・パワー主演作を5枚のDVDに10作品収録。収録作は
『Girls Dormitory』(36年、アーヴィング・カミングス監督、ハーバート・マーシャル主演)
『Cafe Metropole』(37年、エドワード・H・グリフィス監督、ロレッタ・ヤング共演)
『Second Honeymoon』(37年、ウォルター・ラング監督、ロレッタ・ヤング共演)
『恋は特ダネ』(37年、テイ・ガーネット監督、ロレッタ・ヤング共演)
『Daytime Wife』(39年、グレゴリー・ラトフ監督、リンダ・ダーネル共演)
『Johnny Apollo』(40年、ヘンリー・ハサウェイ監督、ドロシー・ラムーア共演)
『純愛の誓い』(42年、アナトール・リトヴァク監督、ジョーン・フォンティーン主演)
『幸福の森』(48年、ヘンリー・コスター監督、アン・バクスター共演)
『That Wonderful Urge』(48年、Robert B. Sinclair監督、ジーン・ティアニー共演)
『I'll Never Forget You』(51年、ロイ・ウォード・ベイカー監督、アン・ブライス共演)

私のお目当ては2本のファンタジー映画『I'll Never Forget You』と『幸福の森』、それからジョーン・フォンティーンのメロドラマ『純愛の誓い』。


『I'll Never Forget You』(51年、ロイ・ウォード・ベイカー監督、イギリス映画)
何度か映画化されているSFファンタジー。現代(もちろん1950年代のことね)の科学者が18世紀にタイムスリップして恋に落ちるお話。現代をモノクロ、過去をテクニカラーで描いたパートカラー作品というだけでも魅力です。
展開は非常にゆっくり。エレガントなだけではない粗野でばっちい18世紀に失望する主人公ですが、18世紀というイメージに相応しい時間の緩やかさ。動きが少ないし、タイムスリップシーンも劇的というほどでもなく、けっして華やかな作品ではありませんが、これはこれでしみじみと良いです。主人公が未来的知識をボロボロと披露してしまい、奇異な眼で見られるのが多少ハラハラさせられますが、それは同時にタイロン・パワー(老けてるなあ)ならではの馬鹿っぽさとも言えるかも。
ファンタジーならではの美女を見るお楽しみ。美女はアン・ブライス。『ミルドレッド・ピアース』で17歳にして悪女を演じたわりにファムファタール役はどうやら少ないようですが、ファンタジーのヒロイン∽ファムファタールなのでやはり本作の見どころ!これもまた動きの少ない役ではありますが、おそらくイギリスで撮影されたであろう独特なテクニカラー色彩に染まるアン・ブライスの清純可憐な美しさは魅力。(ただしDVDの画質はそれほど良くありません)
彼女は『ミルドレッド・ピアース』(45年)でオスカーノミネートされてから50年代末まで活躍しているので、長いことスターの地位を守ったのでしょう。50年代半ばのMGMにミュージカルスターとして迎え入れられたことも含めてもうちょっと注目を浴びてもよいような気がします。もう一本のファンタジー映画『彼と人魚』も見たいし、エキゾチックな容姿が活かされたであろう『成吉思汗』も見たいし、その他チャンバラ映画も見たい。


08/08/03

ぴあフィルムフェスティバル東京会場で行われたダグラス・サーク特集上映に行ってきましたのでその報告。

7/21『翼に賭ける命』(57年)

当初は『悲しみは空の彼方に』『アパッチの怒り』『いつも明日がある』の3作だけ見る予定でしたが、せっかくの機会なので『翼に賭ける命』と『愛する時と死する時』も見ることにしました。会場には上映一時間くらい前についたのですが、チケットはすでに売り切れ。キャンセル待ちで30番くらいでしたが無事入ることができました。満員でした。
私の見た事があるダグラス・サーク監督作のなかでも屈指の傑作といっていい作品ですが、テレビ画面で見てもスクリーンで見てもあまり印象は変わりませんでした。ただし、美女ドロシー・マローンはテレビ画面で見るより老けて見えた。ブロンドの髪と容貌の衰えがB級っぽさを醸し出し、しかし壮絶な存在感。もともとどちらかといえばB級作品への出演が多いのでしょうけど、『風と共に散る』でトップスターになった直後の本作は、その崩れ加減がよりいっそうの迫力をもたらしていたようです。サークは美貌の衰えだした女優を使うと凄まじい作品ができる監督なのだと思う。

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7/21『悲しみは空の彼方に』(58年)

こちらも満員。18:30から始まって終わったのが9時近く。喜びをかみ締めながら帰路に着きました。
サーク作品の中でも最も好きな映画ですが、これはテレビ画面で見たのとちょっと印象が違う。スクリーンで見たほうがあっさりというか、人間関係の希薄さが空々しく思えました。特にラナ・ターナーに関して。白人のお母さんラナと黒人のお母さんファニタ・ムーアにあると思っていた強い絆は、案外うすい・・・?本作のラナもテレビ画面で見るよりずっと老けてました。特に後半の派手ないでたちは。しかし、実生活での大スキャンダルの後だというのに大スターのオーラをびしばしはなって貫禄の存在感。黒人のお母さんとその娘のメロドラマに涙しながらもスターはやはり、ラナ・ターナーでした。
そして後半のファニタ・ムーアとスーザン・コーナーの場面でやはり何度か泣いてしまいました。会場内でもすすり泣く音があちらこちらで。一方、ラナがサンドラ・ディと口論する場面でサンドラがラナに「演技はやめて」と言う所で解せない笑い声が。個人的にはジョン・ギャヴィンがラナの”骨格"を「完璧だ」と言いながら顔に触れる場面で、大スター相手にメチャクチャ緊張してるのがわかって面白かった。それとも惚れた女に初めて触れる緊張の演技だったのかな。
最後は拍手して退席。

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7/28『愛する時と死する時』(58年)

18:30からの上映。ほぼ席は埋まってました。
これもテレビ画面で見たのとあまり印象は変わりませんでした。ただし、ジョン・ギャヴィンが廃墟となった美術館を訪れた帰り道で爆撃に合う場面は何故かわからないけれど、ジーンときてうっすら涙を浮かべてしまった。ジョン・ギャヴィンのスーパーハンサムっぷりも堪能。こんな二枚目ならライラックの香がしなきゃだよ。

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7/29『アパッチの怒り』(53年)

仕事を終えてから19:30の上映に行きました。他に用事もあり、16ミリで赤く退色していると21日の時点でアナウンスもあったのでパスしようかと思いましたが、どうも世界に唯一のプリントということらしく、日本ではもちろんこれっきりの上映なのですから見て良かった。フランスではDVDも出ているらしく、日本では無理だろうけどアメリカあたりで出してくれないかな。
サークが必ずしもメロドラマだけの監督ではないとわかっていながらも、メロドラマ的な西部劇だろうと見る前には思っていました。が、しかしロック・ハドソンとドロシー・マローンが再共演した『ガン・ファイター』(ロバート・アルドリッチ監督)の方がよほどメロドラマ的西部劇で、結局『アパッチの怒り』には特にそういう印象は持ちませんでした。フィルムフェスティバルのディレクターの人が舞台挨拶で、今日の上映(『南の誘惑』、『アパッチの怒り』)だけを見てサークってこんな感じかと思われると哀しい云々、と言ってたのであんまり面白くないのかもと思ってみたら、ぜんぜんそんなことはなくてとても楽しめました。なんにせよ変な映画ではあるのですが。
ロック・ハドソンがインディアンの役を演じるというのは『ウィンチェスター銃’73』と同じですが、こちらではさらにインディアン姿の上から騎兵隊の制服を、白人の衣装をまといます。白人の俳優がインディアンの扮装をしてさらに白人の扮装をするという面白さ。長髪をなびかせ、紺のユニフォームで、開いた胸元にはインディアンの首飾りが見え隠れするそのいでたちは実にかっこよく、白人を演じる白人俳優達とは一線を画しています。騎兵隊の制服を着たり脱いだり繰り返してセックスアピールもちょっと過度なくらい見せ付けます。
相手役のバーバラ・ラッシュはインディアンの扮装がイマイチでした。やはりインディアン役は『西部の王者』のリンダ・ダーネル(彼女もインディアンの扮装の上から白人の扮装をする)や『折れた矢』や『白い羽根』のデブラ・パジェットのような押しの強い美貌の女優じゃないとね。

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7/29『いつも明日がある』(55年)

バーバラ・スタンウィック!
というわけで、バーバラ・スタンウィックとジョーン・ベネットの2大ファムファタール女優が共演してしまう贅沢なメロドラマ。クレジットトップはバーバラ、でも主役はフレッド・マクマレイ。
メロドラマといっても大分コミカルな描写が多く、会場内でもまめに笑い声が起きてました。とくにフレッド・マクマレイの着ける花について。不倫相手のバーバラに着けてもらった花を、いちいちフレッドの息子が指摘するのが可笑しくて。フレッドの息子を演じたのは『天はすべて許し給う』(『天の許し給うすべて』)のジェーン・ワイマンの嫌な息子の人。
とっても面白かったけど、個人的には他のサーク作品に惹かれます。本作は幸福な家庭にもかかわらず行き場を失いつつある男の雨降って地固まるメロドラマ。私はやっぱりバーバラ・スタンウィック一人主演の女のメロドラマが見たいからね。
フレッドの息子と娘がバーバラを訪ねて父と別れるように対決しに行きながらも、かえってバーバラに諭される場面はバカバカしい展開なのですが、バーバラの凄みと演技に圧倒されて納得してしまう。こればっかりはサークの演出にバーバラが勝ってしまった映画なのだと思う。
ジョーン・ベネットに関してもちょっと思うところがあるのですが、『無謀な瞬間』(マックス・オフュルス)を見ていないので保留。


08/07/29

ぴあフィルムフェスティバルにて昨日は『愛する時と死する時』、今日は『アパッチの怒り』を見てきました。先週はドロシー・マローンとラナ・ターナーの美女二人、今週はジョン・ギャヴィンとロック・ハドソンのスーパーハンサム二人ですね。
あとは『いつも明日がある』を見るだけです。そんなわけで8月1日以降にまとめて感想を書きます。


08/07/21

ぴあフィルムフェスティバルにて『翼に賭ける命』と『悲しみは空の彼方に』を観てきました。
『翼に〜』は行ったらもう売り切れでキャンセル待ちで何とかはいれました。

2008年3月〜6月
2008年1月〜2月

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