『ボー・ジェスト』 原題Beau Geste (26年)

監督 ハーバート・ブレノン
原作 パーシヴァル・クリストファー・レン

兄弟愛を描いた古式ゆかしい外人部隊物の冒険映画。実はファンタジーでもなんでもないのに冒頭で消える死体と突如炎上する要塞を見せミステリーを提示し神秘性を強調するあたり素晴らしい出だし。そこから回想に入り3兄弟の微笑ましい子供時代を見せることで、すっかり興味を持たされます。子供時代が終わるとついにロナルド・コールマンの登場です。

主役のマイケル・”ボー”・ジェストにロナルド・コールマン、ちょっと悪役にウィリアム・パウエル、脇役にヴィクター・マクラグレンとトーキー以降も人気を継続させたスターが出ているので、声がないことに違和感を持ってしまいます。コールマンやパウエルがなぜ喋らない!しかしそれよりもトーキーのスターがサイレント臭い映像のなかにいることが不自然です。26年の映画なのでカメラはもっと動きがあっても良さそうなのですが・・・。
ロナルド・コールマンは大学生くらいの年齢の役ですが(!)、もちろんコールマン髭を蓄えていてダンディーでアダルトな紳士です。おばさん役のアリス・ジョイスと恋を語ってもおかしくない・・・と思ったらコールマンとジョイスの年齢差は1歳でしたか。
1930年代の軽妙洒脱な伊達男ウィリアム・パウエルは本作では卑怯者の小悪党を演じています。役柄は全然違うのにイメージ的にはまったくトーキー時代と変わりません。

マイケル、ディグビー、ジョンのジェスト3兄弟が外人部隊に入るあたりから私の興味は薄れだします・・・。これは個人的な好みの問題ですが、軍隊嫌いです。多少お気楽な3兄弟にもあまり気分が良くありません。しかし、要塞で反乱を未然に防いだところに、砂漠の民が群をなして襲ってくる展開で俄然心が弾みます。死体の扱いが印象的で、歌と笑い声(もちろん声は聞こえないけど)の使い方も良いです。

せっかくの神秘を暴いてしまってから終盤がだれますが、とても楽しい映画でした。

鑑賞方法
新宿TUTAYAでビデオレンタル

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『独立守備隊』 原題Beau Ideal (31年)

『ボー・ジェスト』の続編です。ハーバート・ブレノン監督、ウィリアム・ルバロン製作、J・ロイ・ハントのカメラは同じ。パラマウントからRKOへと会社が移ってます。そしてトーキー。

末っ子ジョン・ジェストがイギリスに帰った後、軍法会議にかけられてアフリカで投獄され、幼馴染のアメリカ人オーティスがイソベルの望みをかなえようとジョンを助けに行く話。ジョンは前作から引き続きラルフ・フォーブス。ジョンの恋人イソベル役はロレッタ・ヤングに変わってます。

砂漠の井戸(?)の牢獄から子供時代の回想へ入っていくあたり前作と同様で、続編ならではの整合性かとは思うものの、前作にあったミステリアスな魅力もなくあまり冴えません。砂漠の厳しい進軍に耐えかねて暴動が起きても苛酷な進軍という感じがしないし、ずいぶん短絡的な感じがしてしまいます。とはいえ終盤のフランス外人部隊対アラビア人の戦いはなかなか迫力でサイレント時代の名監督の面目躍如でしょうか。全体的にトーキー的には垢抜けてない印象ではありました。

クレジットトップはラルフ・フォーブスですが、囚われの身なので活躍はあまりなく、主役と呼べそうなオーティスは演じたレスター・ヴェイルがあまりに脇役向け俳優で、ロレッタ・ヤングも最初の頃にちょっとしか出ないし、華にかけました。

鑑賞方法
米版DVD。Alpha。