11/12/25

今年最後の更新。2ヶ月間まるまる映画を見ませんでした。年々見る数が減っていきます。

今年見た中で特に面白かった5本。
『The Spider Woman』(44年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)
『恐ろしき結婚』(44年、ジャック・ターナー監督)
『湖中の女』(46年、ロバート・モンゴメリー監督)
『狂恋の果て』(46年、フランク・タトル監督)
『Cobra Woman』(44年、ロバート・シオドマク監督)

『Cobra Woman』を見てしまったので、まだ見ぬ憧れの映画リストを改定しなければいけません。以下、リスト。
『雨のランチプール』(ラナ・ターナー主演、ジーン・ネグレスコ監督)
『大地は怒る』(ラナ・ターナー主演、ヴィクター・サヴィル監督)
『Gypsy Wildcat』(マリア・モンテス主演、ロイ・ウィリアム・ニール監督)
『女海賊アン』(ジーン・ピータース主演、ジャック・ターナー監督)
『南海の劫火』(デブラ・パジェット主演、デルマー・デイヴィス監督)
『Margie』(ジーン・クレイン主演、ヘンリー・キング監督)
『紳士はブルーネット娘と結婚する』(ジーン・クレイン出演、リチャード・セイル監督)
『裏街』(スーザン・ヘイワード主演、デヴィッド・ミラー監督)
『誰かが狙っている』(ドリス・ディ主演、デヴィッド・ミラー監督)
『Scarlet Angel』(ロック・ハドソン主演、シドニー・サルコウ監督)
『The Iron Glove』(ロバート・スタック主演、ウィリアム・キャッスル監督)
『海賊バラクーダ』(モーリン・オハラ主演、フランク・ボーゼージ監督)
『木によじ登る女』(ミリアム・ホプキンス主演、ジョン・G・ブリストーン監督)
『ヴァレンチノ』(エリノア・パーカー出演、ルイス・アレン監督)
『私の夫は二人いる』(ベティ・グレイブル主演、ヘンリー・C・ポッター監督)DVD所持
『ストレンジ・アフェアー・オブ・アンクル・ハリー』(エラ・レインズ出演、ロバート・シオドマク監督)DVD所持
『蜘蛛の巣』(グロリア・グレアム出演、ヴィンセント・ミネリ監督)DVD所持
『夏の嵐』(リンダ・ダーネル主演、ダグラス・サーク監督)DVD所持

『大地は怒る』はワーナーアーカイブで出たようなので、そのうち見られるでしょう。米SONYがコロンビアのマイナー作品までDVD-R化してくれているので、『The Iron Glove』なんてまず見られないだろうと思っていた作品まで、期待が持てます。ウィリアム・キャッスルのマイナー西部劇が次々DVD-R化されました。米MGMも弱小プロダクションのマイナー作品をDVD-R化してくれているので、ジョン・ペイン主演のフィルムノワールやらチャンバラやら見られるようになったのは良いことです。20世紀FOXはやっとブルーレイの発売をし始めたような感じがしますけど、個人的にはもうDVD-Rでいいのになーと思ってしまいます。


11/12/25

YouTubeで見て聞くディーバ!

森口博子
http://www.youtube.com/watch?v=-WT4TaNmidI&feature=related

85年当時の歌声
http://www.youtube.com/watch?v=1NOGo5EKrKA&feature=related


前川陽子
http://www.youtube.com/watch?v=4bOZxzjot2M&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=BnzMcQIsPH8&feature=related

放送当時の歌声
http://www.youtube.com/watch?v=BnzMcQIsPH8&feature=related
なんという洗練されたアニメーション!ジョーカーがメグに!


堀江美都子 驚異の歌声。さすがは女王。
http://www.youtube.com/watch?v=T64RG4iBgI0&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=9wfehwBRWF0&feature=related

放送当時の歌声
http://www.youtube.com/watch?v=i2F6mbFisD4&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=Jd9W-Q6PbnQ&feature=related


11/10/30

『Mr. Moto in Danger Island』(39年、Herbert I. Leeds監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作のうち7作目の作品。6作目がパブリックドメインになっている『Mr. Moto's Last Warning』。
IMDbでは現在7.0と高評価ですがあまり気乗りしなかったのは、監督がノーマン・フォスターじゃないからでしょうか。ミスター・モトの”相棒”になる水夫が煩くて。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.2"


11/10/29

『Mr. Moto's Gamble』(38年、James Tinling監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作のうち3作目の作品。DVDはBOXのvol.2に収録されています。なんでこのシリーズのDVD-BOXは順番どおりに収録してくんないのでしょうか。
ミスター・モトよりポピュラーらしい20世紀フォックスのもう一つのアジア人探偵チャーリー・チャン・シリーズからその息子と思しきキャラクターが出演してきます。ミスター・モトも珍しくアメリカでの活躍。なんか探偵教室みたいなことをしています・・・。
B級の悪女リン・バリがあまり活躍しない新聞記者のヒロインを演じています。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.2"


11/10/16

『Quantez』(57年、ハリー・ケラー監督)

南北戦争後、銀行強盗の一団がゴーストタウンにやってきて、紅一点の美女をめぐって争ったり、白人とインディアンの混血が白人憎悪のために強盗仲間を殺そうとインディアンを呼んだりする西部劇。
西部を舞台にした西部劇らしからぬ映画。これもまた50年代後半らしい作品なのかもしれません。インディアンがようやく攻めてくるのは上映時間の残り10分くらいで、いまさら西部劇っぽくなられてもな、と思います。それならそれで、もっとお話が広がるとか、空間が広がるとかしてくれればいいのですが、あまり面白くありません。
紅一点は美女ドロシー・マローン。この女が裁縫用のボディを見てはキャー!ねずみを見てはキャー!悪夢を見てはキャー!とか弱さをアピールし、恋人には粗雑に扱われてめそめそしたり、たった一日の間に男たちと次々といい仲になったり、そのくせ「私はもう恐れない。男は要らない。」といきなり自立してみたりして唖然とします。ドロシー・マローンはもちろん好きな女優だし彼女の責任ではないのですが、本作でのキャラクターは酷い。しかし、本当は誰よりもタフでありながら多情で男によろめきたがる女というのがドロシー・マローンらしいキャラクターで、それゆえに彼女は50年代後半のメロドラマのヒロインになるのですが、彼女がヒロインである以上、本作が西部劇らしからぬ映画になってしまったのも、いたしかたがないことかもしれません。赤いケープをまとって肩と胸元を露出した格好で、流れの歌手に絵を描いてもらったりするのはいかにも、ドロシー・マローンらしいイメージではありました。
主演はフレッド・マクマレーがすっかりドロシー・マローンの影に隠れて目立ちません。そしてドロシーと最終的に結ばれるのは『愛する時と死する時』『悲しみは空の彼方に』『サイコ』のジョン・ギャヴィン。本作では強盗団の一味にもかかわらずロマンティックロール過ぎて、もともと目立つ俳優ではないにしても面白みがありませんが、年上の女優の目立たない相手役というメロドラマ的男優像を体現しています。かつて(30年代頃)はフレッド・マクマレーもそういう類の男優だったのですが。ジョン・ギャヴィンがスーザン・ヘイワードの相手役をした『裏街』を見たいのでソフト化してください。

米版DVD−Rで鑑賞。
UNIVERSAL


11/10/15

『Crime Against Joe』(56年、リー・ショレム監督)

極々低予算のB級サスペンス映画。無実の画家が殺人事件に巻き込まれるが、どうやら高校時代の同級生の誰かが真犯人らしいというお話。安っぽくて面白みに欠けます。69分の極々短い映画なので、そう不満にも思いませんが・・・。リー・ショレムはターザンとかスーパーマンとかキャラ物映画の監督の人だそうな。ターザンのDVDは既に購入済です。
ヒロインはジュリー・ロンドンですが歌いません。キャバレーの歌手役の女優は歌うのですが。主演のジョン・ブロムフィールドは『半魚人の逆襲』で半魚人に殺される人。本作ではロッド・テイラーみたいな感じ。顔がギトギトてかってます。お世辞にも画家には見えません。

米版DVD−Rで鑑賞。
MGM。


11/10/10

『Pursuit to Algiers』(45年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中12作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ10作目になります。アルジェリアの王子の護衛を頼まれたホームズとワトスンが客船に乗りこみ怪しい人物や暗殺者と戦うお話。冒頭のホームズを招くお膳立ての良さから好調です。謎の美女と歌うワトスン、死んでは生き返るホームズ、暗殺者をいじめるホームズとシリーズ中最も娯楽色の高い作品だったような・・・。本格的ミステリーとは言いがたいですが面白いです。拳銃を持ったがさつなおばさんが実は王子のボディーガードだったりしたらよかったのですが、結局あの人なんで拳銃持ってたのか・・・。
ついにベイジル・ラスボーンがホームズを演じた一連の作品をすべて見てしまいました!が〜ん!どれも非常に上映時間の短い作品、とくにユニバーサルでのシリーズはB級低予算映画ばかりですが、シリーズ通して完成度の高い作品ばかりで、見終わってしまったのが残念です。
20世紀フォックスでの2作品はどちらも面白いです。ユニバーサルでのシリーズでは個人的には『The Spider Woman』『The House of Fear』『Sherlock Holmes Faces Death』『The Pearl of Death』がベストと思います。
ユニバーサルのシリーズ全12作中11作を監督したのが、私が勝手にB級映画における映像の魔術師と呼ぶロイ・ウィリアム・ニールで上記4作品は特にニールのイリュージョンを楽しめます。他にボリス・カーロフ主演のホラー『The Black Room』、遺作となったダン・デュリエ主演のフィルムノワール『Black Angel』しか見てませんが、どちらも素晴らしいです。もっとニール監督作を見られると良いのですが。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/10/10

『The House of Fear』(45年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中10作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ8作目になります。
『5つのオレンジの種』を原作に大幅にお話を変えて、スコットランドの城で共同生活を送る"The Good Comrades"クラブのメンバーがオレンジの種を受け取ると次々殺されていく事件。最初の幻想的でありながら衝撃的爆発による殺人からB級映画における映像の魔術師ロイ・ウィリアム・ニールの魔術を楽しめます。残念なのは途中レストレード警部が出てくると途端に騒がしくなって雰囲気をぶち壊します。レストレード役のデニス・ホーイはシリーズに何度も出てくるのですが、何故本作だけこんなにうるさいのでしょうか。いつもはわりとお茶目なキャラクターが魅力になっているのですが。
ワトソンが墓を暴くために穴を掘り、ホームズがいると思って話しかけると絶妙なタイミングで”Who”と返事するミミズクが面白いです。珍しく本作のワトスンは冴えていて、重要証拠を発見したりします。
『The Scarlet Claw』にも出たポール・キャヴァナーが別のキャラクター役で出演。いい加減B級リサイクルです、と言うのも面倒になってきました。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/10/09

『Escort West』(58年、フランシス・D・ライオン監督)

南北戦争後、インディアンの攻撃を受けながら娘と、助けた美人姉妹を連れてえっちらおっちら旅をする西部劇。一度見たら充分なタイプの娯楽作ですが楽しめました。主演はヴィクター・マチュアがわりと好演。
お目当てのヒロインは今年6月に亡くなっていたエレイン・スチュワート。彼女の主演級出演作は『夜の道』と本作しか見てません。他には『ブリガドーン』のジーン・ケリーの振られる婚約者(端役)とか、『悪人と美女』のラナ・ターナーからカーク・ダグラスを奪う新人女優とか。残念ながら本作では善良でおとなしいヒロインを演じていてあまり印象に残りません。
エレインの妹役にはSFカルト女優フェイス・ドマーグ。意地悪女を演じてインパクトがあり面白いです。

米版DVDで鑑賞。
MGM。


11/10/08

『おかしな気持ち』(65年、リチャード・ソープ監督)

サンドラ・ディ、ボビー・ダーリン夫妻主演のロマンティックコメディ。65年という曖昧な時代の映画なので、微妙な雰囲気です。それよりむしろリチャード・ソープの凡庸さがイマイチ面白くありません。ソープ監督作は見ればほとんどがっかりしますが、今まで見た中では唯一『ゼンダ城の虜』だけ面白かったです。
サンドラ・ディとボビー・ダーリンのコンビ作はこれが最後。

米版DVDで鑑賞。
UNIVERSAL


11/10/02

『The Scarlet Claw』(44年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中8作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ6作目になります。現時点でIMDbの評価はユニバーサルのシリーズの中では最も高く、またビクトル・エリセのお気に入りの作品だとか。
怪しく暗いホラー的雰囲気がらしくて良いのですが、期待の割にはロイ・ウィリアム・ニールらしい映像の魔術はあまりなく、雰囲気と推理に終始してしまった感が否めません。途中B級SF的宇宙人のように光る怪人が出るのはニールが映像の魔術に挑戦して失敗したのでしょうか・・・。とはいえ犯人が変装しまくりでホームズの裏をかき犯行を繰り返すのはサスペンス的にドキドキします。
『幽霊と未亡人』の一度見たら忘れられない神経症的義姉を演じていたヴィクトリア・ホーンがメイド役で出演していて、やはり神経症的に印象的。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/10/02

『The Spider Woman』(44年、ロイ・ウィリアム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中7作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ5作目になります。
寝巻き姿で裕福な男たちが次々自殺する事件を解決するお話。ホームズが滝つぼに落ちて死んだり、変装したり、生き返ったりと大忙しです。ロイ・ウィリアム・ニールの演出も好調で、なかでも蜘蛛マニアの家で襲い来る敵との戦いは、温室の配管が破られると飛び出すスチーム、飛んでくるナタ、落ちた拳銃の上に毒蜘蛛の水槽が落ち割れたガラスと散らばる毒蜘蛛、悪人の形相と迫力に満ちています。他にもぴょんぴょん跳ねる奇妙な子供、フェスティバルの射的の的の裏に隠されぐるぐる回るホームズの運命やいかにとスリリング。
悪役は怪女優ゲイル・ソンダーガードが見事に冷血な悪女ぶりです。シリーズ通して最強の敵はモリアーティじゃなくて彼女かも。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/10/01

『Return to Treasure Island』(54年、E・A・デュポン監督)

海賊が残した宝を求めて『宝島』へ宝探しの冒険映画。極々低予算のB級作品。なんと監督はサイレント時代に活躍した『ヴァリエテ』(25年)のE・A・デュポン!彼の最後の監督作品です。
わりといい加減でも問題なかったりするサイレント映画の監督作品だからなのか、歳のせいなのか、低予算のせいなのか、演出が大雑把です。あんまり役立たないナレーションも鬱陶しい。おまけにパテカラーなので、発色が良くなくて、冒険らしい冒険もなくお粗末さまでした。ヨットの映像に火花を合成して爆破シーンといわれても超低予算B級SFトラッシュじゃないんだから、お粗末といわないわけにはいきません。
ヒロインはドーン・アダムス。主演作を見るのは初めてです。『気分を出してもう一度』の恐い美人局とか『黒いチューリップ』なんかだと年齢のわりにトウが立ってるような感じだし、『バンパイア・ラヴァーズ』とかしか見てないので、ちゃんと若々しい彼女を見るのは不思議な感じ。溌剌としていて勝気なヒロインですが、まだインパクトはありません。
ヒーローはタブ・ハンターが演じて、くすんだパテカラーにもかかわらずピカピカ輝いてます。キング・オブ・シャツレス!タブ・ハンターは当時の姿で突如現代に現れても瞬く間にアメリカンアイドルになることでしょう。

米版DVD−Rで鑑賞。
MGM。

MGMが独立系プロダクションのマイナーな作品をDVD−Rとはいえ発売してくれるのはありがたいです。


11/10/01

『生血(いきち)を吸う男』(57年、ポール・ランドレス監督)

知人の獣医に渡された薬をうっかり飲んでしまったら、医者の主人公が吸血怪人になってしまって大変なSFホラー映画。主人公があまりにもかわいそうではないですか。まあ当時よくあったSFトラッシュと思って見ればいいのですが、私はこういう映画もわりとまじめに見てしまうのと、もう一つ理由が・・・。
ヒロインの看護婦を演じるのは1940年代後半の20世紀フォックスの美女コーリン・グレイ。『死の接吻』『悪魔の往く街』『アリゾナの決闘』、20世紀フォックスを離れてもしばらくは『恋は青空の下』(キャプラ)やこの前見たばかりの『Father Is a Bachelor』でも可憐な姿を見せていたコーリン・グレイがこんなトラッシュSFホラーに!
困ったことに彼女は変わらず美しいのです(当時35歳くらい)。テレビで見る分には若い頃とさして変わらぬ美しさ。彼女には迫力と貫禄があまりないので、B級になってしまったのでしょうか・・・。とはいえB級トラッシュにはあまりにももったいない美貌なのです。
この後も『The Leech Woman』『幻の惑星』(どちらも見てない)といったトラッシュSFに出演するコーリン・グレイです。
ちなみに刑事役はB級トラッシュにふさわしい男優ケネス・トビー。

米版DVDで鑑賞。
MGM。『ドラキュラの呪い』併録。


11/09/25

『Mysterious Mr. Moto』(38年、ノーマン・フォスター監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作のうち4作目の作品。ロンドンにはびこる暗殺請負集団の存在を暴くミスター・モト!『Think Fast,〜』『Thank You,〜』『〜Takes a Chance』と3作続いたエキゾチック路線はどうも背景がゴテゴテしすぎて不満が残りました。上映時間が70分未満のごくごく短いB級シリーズなので、あまりゴテゴテしていると安っぽくて印象が薄くなります。しかし4作めにして本作は魅力的なサスペンス映画です。冒頭の監獄島脱出から出だし好調。ミスター・モトお得意の変装もサスペンスを盛り上げます。路上やバーのながしの演奏が変わると殺人の合図になるというサスペンス演出が利いていて、ノーマン・フォスターの演出が冴えます。『恐怖への旅』や『Woman on the Run』といった面白いサスペンス/フィルムノワールを演出したフォスターなのでキャラクターものの映画もこのくらい面白くなくてはいけません。
1作目でミスター・・モトがナンパした中国人娘が、ミスター・モトの部下になって再登場。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.1"

追記:正しくは5作目でした。


11/09/24

『Mr. Moto Takes a Chance』(38年、ノーマン・フォスター監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作のうち3作目の作品。今度の元賢太郎はカンボジアで考古学者に身をやつしスパイ活動にいそしんでいます。途中、ヒマラヤの聖人に変装した姿はホラーのミイラ怪人や蛇男のようで、怪優ピーター・ローレらしさが出ています。カンボジアのジャングルを舞台にしたせいか、あまりスリリングとは言いがたく、こじんまりして物足りないです。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.1"

追記:正しくは4作目でした。


11/09/24

『Thank You, Mr. Moto』(37年、ノーマン・フォスター監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作のうち2作目の作品。今回のミスター・モトは国際貿易商協会(?)機密調査部に属した人だそうです。チンギス・カンの墓を記した7つの布を奪い合うお話。当時としてはエキゾチックな日本人が、前作と同じくわざわざエキゾチックな中国で活躍する作品。トーマス・ベックとシグ・ルーマンが前作とは別のキャラクターで出演しています。B級リサイクルです。
ピーター・ローレは本作でも変装を披露。シャーロック・ホームズのベイジル・ラスボーンといい、ミスター・モト=ローレといいこういう作品では変装するのが常なのでしょうか。
荒唐無稽でたわいないお話が、サスペンスというよりは一種の冒険映画の様相を呈しています。気楽に見るにはそれなりに面白いです。昔の映画でよく見る白いスーツを着こなしたローレとトーマス・ベックがすごい勢いで車もろとも川に落ちると、なかなかびっくりするのですが、水に濡れて白いスーツが汚れるなあと思ってしまいます。撃たれて死んだふりをするローレが怖いです。
『燻ゆる情炎』(25年)のポーリン・フレデリク最後の映画出演。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.1"


11/09/23

『Think Fast, Mr. Moto』(37年、ノーマン・フォスター監督)

ピーター・ローレが日本人エージェント、ミスター・モトを演じたサスペンスシリーズ全8作の最初の作品。最後の作品になった『Mr. Moto's Last Warning』しか見たことなくて、ずっと興味があったので見てみました。『Mr. Moto's Last Warning』では国際警察の人だったと思うのですが、本作では「大日本貿易」の社員という肩書きで活躍してます・・・。隠れ蓑?
魅力的なフィルムノワールの職人監督ノーマン・フォスターですが、本作はローレが作り上げたミステリアスなキャラクターに頼った作品といった感じで、ちょっと物足りないです。シリーズ1作目なので大目に見るべきでしょうか。DVDでは66分のごく短い作品ながら舞台は、サンフランシスコのチャイニーズタウンから豪華客船のクルーズ、そして上海へと移り変わります。冒頭で中国風の音楽が流れていたときは、日本と中国を混同しているのかと思いましたがそうでもなかったです。
日本人を演じるピーター・ローレが劇中さらに中国人に変装するのが不思議です。貿易会社の社員にしては敵を客船から投げ捨てたり、撃ち殺したりしています。たまに日本語をしゃべりますが良く聞き取れません。中国人娘をナンパしたりします。温厚な反面、何を考えているかよくわからない人です。わりと日本人キャラクターである必要性がないのが良いではないですか。
中国人娘を演じたLotus Longは日本人とハワイアンの混血だそうです。

米版DVDで鑑賞
20th Century Fox
"The Mr.Moto Collection vol.1"


11/09/23

『キャプテン・シンドバッド』(63年、バイロン・ハスキン監督)

シンドバッドの冒険を描いたアラビアンナイト系冒険映画!監督はジョージ・パル製作『宇宙戦争』『黒い絨氈』が素晴らしいバイロン・ハスキンですが、パル製作ではなくて本物のギャングだったと悪名高い『拳銃魔』(見てない)『怪獣ゴルゴ』のキング兄弟製作!
60年代にもなるとアラビアン・ファンタジーな夢の魔力があせ始めていると言わねばなりません。同時代のハリーハウゼンものでさえその面白さは彼の特撮にあってエキゾチックな魅力ではありません。本作もまた特撮の魅力に支えられた作品ですが、ハリーハウゼンほどの圧倒的迫力はなくて、子供だましです。バイロン・ハスキンともあろうものが演出的にもぱっとしなくて、エピソードを並べただけですが、それでも特撮冒険映画は楽しいです。子供だましな特撮も、それゆえのチープでばかばかしい面白さというものがあるし、11首のヒドラとか出てくるとやはり興奮しますね。
主演のガイ・ウィリアムズはわりとかっこいいですが、あまり見せ場がないような・・・。悪役にペドロ・アルメンダリス。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


11/09/19

『Sherlock Holmes Faces Death』(43年、ロイ・ウィアイム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中6作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ4作目になります。ついにプロパガンダではないサスペンス・ミステリーで、B級映画における映像の魔術師ロイ・ウィリアム・ニールの面目躍如の暗く怪しい映像美です。ホラー的に危険な雷の衝撃!謎解きを視覚的に見せる人間チェス!『Sherlock Holmes and the Secret Weapon』『Sherlock Holmes in Washington』とニールにしてはイマイチな、映像美も乏しい作品の後とあって、ようやくその真価を見ることができやっと満足できました。3作続いたラスボーンの変な髪型も本作ではまともです。これで時代設定が20世紀じゃなければと思います。
ヒロインはまたしてもヒラリー・ブルック。B級リサイクルです。だからってこんなに同じ俳優が別のキャラクターで使いまわされても良いのでしょうか・・。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/09/18

『Sherlock Holmes in Washington』(43年、ロイ・ウィアイム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中5作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ3作目になります。今回のホームズはなんとアメリカへ飛びます。違和感が止まりません。ワシントン観光シーンまである。そしてホームズの口からアメリカ賛辞まででて、これは戦時中に撮られたアメリカ愛国プロパガンダ作品です。シャーロック・ホームズの性質とあまりにかけ離れています。
監督はいつものロイ・ウィリアム・ニールなので面白いとは思うのですが映像の魔術はなくもの足りません。マイクロフィルムが隠されたマッチが次から次へと人の手に渡っていくのは面白かったですが。
悪役にジョージ・ズッコ。またしてもヘンリー・ダニエルが出ています。B級リサイクルです。そしてやはりベイジル・ラスボーンの髪型が変です。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/09/17

『Sherlock Holmes and the Secret Weapon』(43年、ロイ・ウィアイム・ニール監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じた14作品中4作目の作品ですが、ユニバーサルでのシリーズ2作目になります。前作よりもB級感が強いと思いますが、本作のほうがサスペンスらしいです。監督はついにB級映画における映像の魔術師(と私が勝手に決めた)ロイ・ウィリアム・ニールが登板。以降のシリーズを通してニールがあたることになります。残念ながら本作はそんなに映像の魔術は感じないです。
原作は『踊る人形』。しかし時代設定が第2次世界大戦当時のプロパガンダ映画です。ホームズのヒーロー像が国防のヒーローになってしまわないでしょうか。対する敵はモリアーティが復活。やはりホームズでプロパガンダはやめて欲しいと思ってしまいます。面白いのですが、爆弾開発の機密といった内容、爆弾投下のニュース映像の流用、空襲の爪痕のあるベーカー街など違和感が・・・。
20世紀フォックスでの『The Hound of The Baskervilles』に出演していたライオネル・アトウィルがモリアーティ教授を演じています。前作もそうでしたがベイジル・ラスボーンの髪形が変です。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/09/11

『Cobra Woman』(44年、ロバート・シオドマク監督)

私は今、冒険映画に夢中です。
じゃ〜ん!
マリア・モンテス!ザ・クイーン・オブ・テクニカラー!
じゃ〜ん!
と、いうわけでテクニカラーの女王マリア・モンテスとジョン・ホールのコンビ+サブーのテクニカラーエキゾチック冒険映画!しかもロバート・シオドマク監督作品!私のまだ見ぬ憧れの映画をまた一本見てしまいました。
IMDbでは71分、米ユニバーサルのDVD-Rは68分。ごくごく短い作品ではあります。非常に荒唐無稽な映画で子供だましもいいところですが、それでも冒険映画は血湧き肉踊る面白さです。あまりのばかばかしさに苦笑してしまうところも多々あれどそれもまた楽しいカルトの輝き!ロバート・シオドマクらしさを一生懸命考えてしまいましたが、『暗い鏡』と同じく悪と善の双子対決くらいでしょうか。双子のマリア・モンテスがテクニカラーの色彩の中対決するのは、オリヴィア・デ・ハヴィランドをモノクロで見るよりもカルト的に面白いような。シオドマクの冒険映画だと『真紅の盗賊』も変な海賊映画ですよね。実の兄弟がカート・シオドマクなのでロバート・シオドマクにも変なもの好きな血が流れているのかもしれません。
マリア・モンテス+ジョン・ホール+サブーのテクニカラードル箱トリオの作品にしては、アラビアンナイト系ではなくて、南の島で繰り広げられるアドベンチャーです。エキゾチック的考証がとてもいい加減です。人種がばらばら、孤島に一大帝国と言うか文明っぽいのがあったり、衣装もそうとうキテます。悪のマリア・モンテスが『炎の女』のウルスラ・アンドレスも負けるキンキラキンの頭飾りと衣装で「キ〜ング・コブラ〜!」と雄たけびを上げる興奮。見てよかった・・・。カルトです。
テクニカラーの美女マリア・モンテスは善と悪の双子を演じて、特に悪役が、魅力的です。血のように赤い唇、白く輝く歯、薔薇の頬に燃える赤毛。キンキラキンのコブラ衣装での踊りは『大いなる神秘』(ラング!)でほとんど全裸でコブラダンスを披露したテクニカラーのエキゾチックビューティ、デブラ・パジェットに負けるかもしれません。マリアは『アラビアン・ナイト』でもそうだけど、ダンスが上手くないので滑稽です。でもいいんです、そのカルトな魅力だけで。同じテクニカラーの女王であったモーリン・オハラやルシル・ボールやロンダ・フレミングが持ち得なかったカルトな魅力こそマリア・モンテスの本当の存在感です。そういう意味ではデブラ・パジェットも近いところにいるかと思いますが、デブラの場合は歌って踊れて演技もまとも。やはりカルト的にマリア・モンテス最強です!キ〜ング・コブラ〜!
どう見ても白人が南の島に滞在しているようにしか見えないジョン・ホールは役名がラムーで、いったいどこの人なのでしょうか。現実のジョン・ホール本人は白人とタヒチのお姫様の息子という驚異の出身です。『ハリケーン』(フォード!)も見なくては。

米版DVD−Rで鑑賞。
UNIVERSAL


11/09/10

『Sherlock Holmes and the Voice of Terror』(42年、ジョン・ローリンズ監督)

ベイジル・ラスボーンがシャーロック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンを演じたを演じた3作目の作品ですが、『The Hound of The Baskervilles』『The Adventures of Sherlock Holmes』が20世紀フォックス、本作からユニバーサルになりまして、やはり同じシリーズではありません。既に『6つのナポレオン』『The Woman in Green』『Terror by Night』『殺しのドレス』を見ていながら気がつかなかったのですが、ユニバーサルでのシリーズは時代が20世紀でした!そして本作は対ナチのプロパガンダものなのです。ホームズで対ナチとはいくらなんでも原作と時代設定が違いすぎで違和感が・・・。今の目で見るとその辺が滑稽に見えます。いままで見たユニバーサルものは車が走ったりはしてますが、明確な時代感がなかったのでうっかり気がつかなかったです。
恐怖の声がラジオから流れるとそのとおりにナチによる惨事が起こりイギリスを震撼させるというお話。推理物というより普通にプロパガンダ系サスペンス映画ののりで、時代的にフィルムノワール色も強く、荒唐無稽な作品ではありますが、なかなか迫力はあります。
ベイジル・ラスボーンは髪形が変です。20世紀フォックスのシリーズから引き続きミセス・ハドソン役はメアリー・ゴードン。いかにもな悪役でトマス・ゴメスが出ています。
ヒロインはB級女優イブリン・アンカース。他にヘンリー・ダニエルとヒラリー・ブルックも出ていますが、後にそれぞれ別の役で、イブリン・アンカースは『6つのナポレオン』のファムファタール、ヘンリー・ダニエルは『The Woman in Green』のモリアーティ教授、ヒラリー・ブルックは同じく『The Woman in Green』のファムファタール役で再出演します。B級リサイクルです。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/09/04

『The Adventures of Sherlock Holmes』(39年、アルフレッド・ワーカー監督)

ベイジル・ラスボーンがシャローック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンに扮した全14作あるシリーズの二作目。本作まで20世紀フォックス制作です。
『シャーロック・ホームズの冒険』ですが短編集から題をとってはいるけれど、お話はオリジナルかもしれません。むかし訳書は全部読んだのですがすっかり忘れてしまいました。冒頭、モリアーティ教授の裁判ですんでのところで有罪にできなかったホームズがモリアーティから挑戦を受け、令嬢殺害予告と宝石盗難の二つの事件解決に奔走するお話。
謎解きミステリーが映画として魅力がないといわれるにもかかわらず、ベイジル・ラスボーンのシャーロック・ホームズシリーズがなぜあれだけ続いた人気作になったのかといえば、ラスボーンのホームズぶりももちろん魅力的ではあるけれど、やはりそれが冒険映画と言えるものだったからかもしれません。知的なイメージがおとなしいような気がするホームズはしかし、時に走り、飛び、変装して冒険するのです。というわけでこのシリーズは面白いのです。シリーズでは大概ホームズ=ラスボーンの変装っぷりに驚くのですが(前作ではそうでもなかったけど)、本作では驚愕の変装を披露。殺人犯による殺害方法はアクション映画的に強烈です。美しいモノクロ撮影はレオン・シャムロイ!光と影のなかで繰り広げられるホームズ対モリアーティの直接対決は緊張感があります。
令嬢役はおそらくシリーズ中唯一の大スター、アイダ・ルピノ。あんまり華麗なドレス姿を見たことがない人ですが、本作では令嬢役なので華やかで可憐な姿を披露。モリアーティ役にジョージ・ズッコ。
監督は『夜歩く人』の監督としてクレジットされながら大部分をアンソニー・マンが演出したといわれるアルフレッド・L・ワーカー。案外『夜歩く人』もまともにワーカーが演出してるのかも・・・。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"


11/09/03

『Father Is a Bachelor』(50年、ノーマン・フォスター、Abby Berlin監督)

インチキ薬を売って放浪する男が5人の家付き孤児の父親になるコメディ。個人的にこの類の子供映画は苦手なはずなのですが、とても楽しく見てしまいました。監督はピーター・ローレが日本人エージェントに扮するMr. MotoシリーズやB級フィルムノワールの良作『Woman on the Run』『恐怖への旅』などのノーマン・フォスター。なかなかの才人のようです。もう一人クレジットされているAbby Berlinは米の人気漫画『ブロンディ』の映画版を監督した人のよう。
主演はウィリアム・ホールデン。『荒原の女』(これもフォスター監督)では歌うロバート・ミッチャムに引け目を感じていたホールデンですが、本作はホールデンの歌うセミミュージカルなのでした(でも吹き替え)。なんと黒人メイク姿も初っ端で披露。そんな姿でも二枚目だとわかる。ウィリアム・ホールデンが子供たちのためにあたふた奮闘し、時に格闘し、初老の女の婚約者にされてしまったりとコメディ演技で健闘していて、本作の魅力になっています。
ヒロインは1940年代後半の20世紀フォックスの美女コーリン・グレイ。本作は彼女の短い全盛期の終わり頃の作品のようですが、やはり可憐に美しく作品に華を与えています。

米版DVD−Rで鑑賞。
SONYPICTURES


11/08/28

『One Girl's Confession』(53年、ヒューゴ・ハース監督)

"Bad Girl of Film Noir VOL2"収録の作品ですが、フィルムノワールではありません。悪銭は身につかないというお話をB級らしいテンポの良さで見せます。これで本当にフィルムノワールだったらもっと良かったかもと思ってしまいますが、これはこれで軽快で面白いです。あれよあれよとお話が進んで、見せ場もあり雰囲気も良いです。俳優出身のヒューゴ・ハース監督は本作にも出演していますが、なかなかよいB級職人監督かもしれません。その監督作をもうちょっと見てみたいです。ポール・アイヴァノのカメラも港町のいかにもなセットを雰囲気よく撮って魅力的です。後半ヒロインの行動がばかげてるのが残念ですが、晴れやかなエンディングで良しとしましょう。
"Bad Girl of Film Noir VOL2"は4作収録中、3作がクレオ・ムーアという聞いたことない女優の出演作で、本作も彼女の主演です。B級的に劣化したジェーン・マンスフィールドのような雰囲気の女優で、ぶっとい腕だし、あまり美しくもないのですが、そのふてぶてしい態度のでかさとタフさが魅力です。劇中、金を盗んだりするわりに善良で、獄中仲間を思いやったりする様がかっこいい女で劇中のヒロインを思わず応援してしまいます。他の出演作を見るのが楽しみです。
相手役には1940年代20世紀フォックスの2,3番手の二枚目俳優グレン・ランガン。かつてはまつげバチバチの二枚目でしたがこちらも好感。グレン・ランガンは↓のバート・I・ゴードン監督の代表作『戦慄!プルトニウム人間』で巨人になった人ですが見てません。

米版DVDで鑑賞。
SONYPICTURES
"Bad Girl of Film Noir VOL2"


11/08/27

『The Cyclops』(57年、バート・I・ゴードン監督)

なんでもでっかくしたり小さくしたりするのが大好きなB級SF映画の迷匠バート・I・ゴードン監督の人間巨大化SF映画!ゴードン監督はこの後『戦慄!プルトニウム人間』『巨人獣』で同じテーマを扱っています(見てないけど)が、本作とは関係ないようです。
アライドアーティスツの映画だからでしょうか、ゴードン監督にしてはB級的に豪華な俳優陣ですが、とはいえ見事なまでにいつもどうりのお粗末な特撮技術で、演出的にもあまり箔がありません。お話もひどいものです。巨人がかわいそうではないですか!
主演はジェームズ・クレイグ。ヒロインは『宇宙船の襲来』で宇宙人の花嫁になったり『Daughter of Dr. Jekyll』(ウルマー!)になったりしていたSFカルト女優グロリア・タルボットなので肝が据わっています。他にMGMミュージカルの二枚目俳優トム・ドレイクとB級SF映画の狂人ロン・チェイニージュニアが出ています。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション
オープニングクレジット欠落バージョンです。


11/08/21

『The Hound of The Baskervilles』(39年、シドニー・ランフィールド監督)

ベイジル・ラスボーンがシャローック・ホームズ、ナイジェル・ブルースがドクター・ワトスンに扮した全14作あるシリーズの最初の作品。てっきりすべてユニバーサルの製作かと思ってましたが本作と次作『The Adventures of Sherlock Holmes』は20世紀フォックス製作なのですね。会社が違えばシリーズとは言わないような・・・。ちなみにウィキペディアでは現時点で何故かワーナー製作と書かれてますね。
ユニバーサルでのシリーズがB級低予算なのに比べると、最初の一作目という事もあるかもしれませんが、バスカヴィル家の周辺の荒原やストーンヘンジのセットなどよく作ってあって、おどろおどろしい幻想的かつホラー的な雰囲気が良く出ています。野犬は怖いとは思うものの、それがホラー的題材になるあたりに原作からして時代性を感じてしまいます。1950年代あたりまでゴリラがホラーの題材になっていたくらいなので仕方がないのですが。とはいえとても楽しめました。
ベイジル・ラスボーンのシャーロック・ホームズは本から抜け出てきたように見事なホームズぶりで素晴らしい。ジェレミー・ブレットより良いかもしれません。ナイジェル・ブルースのおとぼけワトスンもチャーミング。いかにも怪しそうなライオネル・アトウィルとジョン・キャラダインの脇役も充実。

米版DVDで鑑賞。
MPI
"The Complete Sherlock Holmes Collection"
全14作をすべて収録のDVD−BOX。ブルーレイBOXも発売されています。


11/08/20

『Goliath contro i giganti』(61年、グイド・マラテスタ監督、イタリア)
米題Goliath Against the Giants

よくあるイタリア製B級怪力史劇っぽいアクション映画。いろんなお話の寄せ集めのようなお話は他所の国で戦いに参加していた王様ゴライアスが船で帰国途中に巨大水竜に襲われたりアマゾネスに襲われたり、自国は宰相に乗っ取られていたりというお話。
子供だましな冒険映画ですが、割り切ってみれば盛りだくさんでそれなりに楽しめます。お話の整合性や演出、脚本を求めてはいけません。本作はイタリア製B級怪力史劇っぽいアクション映画には珍しくセットは豪華だし、衣装も良いし、船旅ではちゃんと船さえ立派です。怪獣は水を泳いでるときはイグアナですが、頭部は巨大ハリボテを使っています。そうしたところだけ評価できれば充分に楽しめるのですが、肝心のジャイアンツはどこにいましたか。意味もなく出てきた原始人みたいな集団がそうなのでしょうか・・・。本来巨人であるはずのゴライアスが筋肉モリモリとはいえ普通の人間で、そのゴライアスが巨人を倒すのかと楽しみにしていたのですが。
監督はイタリア製B級怪力史劇っぽいアクション映画のなかでもとりわけお粗末な『Fire Monsters Against the Son of Hercules』『首狩族の襲撃』のグイド・マラテスタ。『Fire Monsters〜』にもハリボテ怪獣が出てきたような・・・。本作はマラテスタにしてはまともに思えましたが、豪華なセットとエキストラのおかげかも。
主役は『ヘラクレスの怒り』やドイツ製スパイ映画The Kommissar Xシリーズのボディビルダー、ブラッド・ハリス。なかなか良いですが、英語吹き替えの声優の声はもうちょっと張りのある人にして欲しかったです。悪役にフェルナンド・レイ。

米版DVD−Rで鑑賞。
sinistercinema。パブリックドメインのDVD−Rですが画質はかなり良いです。


11/07/09

『北西戦線』(59年、J・リー・トンプソン監督、イギリス)

マハラジャの王子を連れて戦線脱出するアドベンチャー映画。オンボロ汽車でインドの野山をイスラム教徒が襲い来る中、えっちらおっちら進んでいくという面白さ。
脱出の名手ローレン・バコール(『脱出』『中共脱出』)が王子の家庭教師役なので、うまく脱出するだろうなという安心感はあります。やはりバコールに守られた脱出隊は心強く、かつてのホークス映画の美女の面目躍如です。ヒーローは暢気な雰囲気が頼もしいが鈍重そうで、しかしユーモアのある『三十九階段』『不死身の保安官』のケネス・モア。

日本版DVDで鑑賞。
KEEPの500円DVD


11/06/22

『地獄のガイドブック』(64年、ラルフ・トーマス監督、イギリス)

『三十九夜』(ヒッチコック監督)のリメイク『三十九階段』(59年)の監督ラルフ・トーマスらしくて、のんびりのほほんとした雰囲気のヒッチコック風巻き込まれ型サスペンス映画。のんびりしてる分、迫力には欠けるしマクガフィンが印象を薄めてしまうような・・・。物語の契機、動機にはっきりした内容、落ちがなくても気にならないのはヒッチコック級の作品じゃないと、と思ってしまった。とはいえ、わりとこういう暢気なサスペンス映画は肩がこらなくて好みですので、充分楽しめました。
主演はダーク・ボガードとシルヴァ・コシナ!ダーク・ボガードには個人的にあまり良い印象を持っていなかったのですが、本作ではわりと好感。ホテルのボーイの姿で逃走する際はスタイルのよさが際立っていました。美女シルヴァ・コシナはお堅い秘密警察姿とは裏腹にお色気を振りまいてサスペンスに華を添えています。

日本版DVDで鑑賞。
KEEPの500円DVD


どう見てもラクエル・ウェルチなんです・・・。
http://photo.sankei.jp.msn.com/kodawari/data/2011/06/0621missusa/


11/06/04

『Bachelor in Paradise』(61年、ジャック・アーノルド監督)

スキャンダラスなベストセラー作家が中流家庭の集まるアメリカ郊外に引っ越してきて巻き起こすロマンティックコメディー。主演はボブ・ホープ(58歳くらい)とラナ・ターナー(40歳くらい)!ずいぶん老けた二人のロマンティックコメディですが、余裕と貫禄がありました。そのぶん作品自体の若さ、活力が物足りないかもしれません・・・。『大アマゾンの半魚人』『縮みゆく人間』など個性的なクラシックSF映画の名匠ジャック・アーノルド監督にしてはあまりにもオーソドックスな60年代コメディです。
我が心の美女ラナ・ターナーもずいぶん老けました。まるで『偽りの花園』のベティ・デーヴィスのようにうねり盛り威嚇する髪型が不思議ですが、老けたラナがまさかまさかのフラダンスを披露。この場面でラナをホールの中心に持ってこなかったのは残念です。なんだかんだ言ってもまだまだラナ・ターナーは魅力的でした。
他にポーラ・プレンティス、ジャニス・ペイジ、アグネス・ムーアヘッドなどお気に入りの女優も出演していますが、あまり目立たないのが不満です。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


11/05/22

『These Glamour Girls』(39年、S・シルヴァン・サイモン監督)

ダンスホールのダンサーが名門大学の学生に大学のパーティーに誘われてのこのこ出かけていったらお坊ちゃまとお嬢様達ばかりで浮いたり傷ついたりしながらお坊ちゃまと結ばれるたわいない恋愛映画。
特に面白い作品ではありませんが、これが初主演のラナ・ターナー18歳の美しさに見惚れます。まだ初々しく、しかしすでに完成された美しさと色っぽさで、コメディとはいえないしメロドラマともいいがたいどっちつかずの凡庸な作品に華を与えています。もうMGMは彼女をスターにする気満々だったに違いありません。アニタ・ルイーズ(『真夏の夜の夢』)、アン・ラザフォード(『風と共に去りぬ』)、マーシャ・ハント(『Raw Deal』)といったそれなりに知られることになる若手女優とB級の悪女メアリー・ベス・ヒューズ(『たそがれの恋』)がそれぞれお嬢様役で出演していますが、ラナの輝きの前では霞んでしまうし、ラナを目立たせるキャスティングに違いありません。しかし本格的に売り出される前の試行錯誤段階であって、髪は赤毛だし、このあと2作ミュージカル路線が続くだけあって踊ったりします。ホールネックで背中が大きく開いた黒のドレスの裾をひらひらさせながら踊るラナ・ターナーの艶やかさ!
一夜の過ちを犯したマーシャ・ハントが死を選び車のスピードを上げ男もろとも汽車にぶつかろうという場面は、同じ映画とは思えない迫力があって印象に残りましたが・・・。
クレジットのトップはリュー・エアーズ。大学生役ですが当時31歳です。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


DVD発売情報。

私の最愛の映画の一つ『All I Desire』(53年、ダグラス・サーク監督)がブロードウェイより

『わたしの願い』もしくはBOXで”ダグラス・サーク傑作選 DVD-BOX”として6月3日発売されます。BOXには他にドイツ時代のデトレフ・ジールク名義の『南の誘惑』とアメリカ時代のサーク名義の『僕の彼女はどこ?』を収録。

『僕の〜』はキングレコード版BOXにも収録されていたので、他の作品にして欲しかった・・・。私は単品で『わたしの願い』を買いますが、味も素っ気もないつまらない邦題にしましたね。
”Magnificent Obsession”→『心のともしび』
”Written on the Wind”→『風と共に散る』
”The Tarnished Angels”→『翼に賭ける命』
”Imitation of Life”→『悲しみは空の彼方に』
といった邦題をつけられるセンスは失われてしまいました。


11/04/24

『残酷の人獣』(59年、ジェラルド・デ・レオン監督、フィリピン)

久しぶりの映画鑑賞が変な映画でごめんなさい。フィリピン製SFホラークラシック。『ドクター・モローの島』をベースにしているそうです。なら私『獣人島』(32年)を見たいです。
ホラーといってもあんまり怖くないです。人獣があまり暴れまわらないので、彼が暴れるのをいつまで待ったらよいのかなと思ってしまいそうですが、昔のホラー映画に慣れた人なら気にならないかもしれません。手術中に電話のベルがなったので非常識と思ったらショックシーンの前にベルを鳴らして観客に知らせるというギミックでした。もっとあちこちでベルがなるのかと思ったらその場面だけで拍子抜けです。
フィリピン資本の映画なのにアメリカ市場を狙っているせいなのかフィリピン人は現地人といった様子なのが不思議です。
主演は私の好きな『地球最后の日』のリチャード・デア。マッドサイエインティストに30年代ハリウッドの『ミッドナイト』とか『恋のマンハッタン』とかの輸入二枚目俳優フランシス・レデラー。歳をとってE・E・ホートンそっくりになっていました。

DVDで鑑賞。
オルスタックピクチャーズ


11/03/23

エリザベス・テイラー死去。


11/03/06

『十字架の用心棒』(68年、ダリオ・シルヴェストリ監督、イタリア)

お宝探しに悪人達が群がるマカロニウェスタン。冒険物になりそうなお話しにもかかわらず、ちっとも面白くありません。
主演はイタリア製B級怪力史劇群の二枚目リチャード・ハリソンですが、本作ではますます髪が薄く見える。もう一人の主役は、ギルバート・ローランドなのでギルバートの方が存在感あり。


11/02/28

ジェーン・ラッセル死去。


11/02/27

『Il gigante di Metropolis』(61年、Umberto Scarpelli監督、イタリア)
米題The Giant of Metropolis

イタリア製B級怪力史劇によくあるアトランティスもの。セットはわりとファンタジーSFぽくて悪くありませんが、バーヴァの『ヴァンパイアの惑星』を思わせるコスチュームと照明がイタリアらしくて異様です。残念ながら異様さに見合うだけの面白さがないので単なるトラッシュ映画です。最後のアトランティス沈没シーンはエキストラの人たちが大変そうで楽しかったですが。
主演のゴードン・ミッチェルはヒーロー役ですが素顔のままで悪役怪人みたいな人なので、ちょっとどうかと思ってしまう。

米版DVDで鑑賞。
Mill Creek Entertainment


11/02/26

『腰抜けペテン師』(51年、シドニー・ランフィールド監督)

ボブ・ホープ主演のコメディ。クリスマスシーズンの人情物といった感じですが、ホープがペテン師を演じて、それなりに悪どいことをやらかそうというのが珍しいような気もしますが、あまり面白い映画ではありません。妙に白々しい小手先のギャグばかりで監督の責任かと思います。
ホープはいつものように自分を良い男だと思っているのが楽しく女装も披露。そして何故かそんな彼にべた惚れのマリリン・マクスウェルが、悪事を暴かれたホープを叱咤するのが良いところ。ジェーン・ダーウェルが存在感を見せてくれます。

DVDで鑑賞。
ファーストトレーディング。


11/02/20

『Submarine Alert』(43年、フランク・マクドナルド監督)

本作もパイン・トーマス・プロダクションのB級プロパガンダアクション映画。潜水艦によるタンカー連続撃沈事件に巻き込まれた無線技師の主人公がFBIに追われながらナチ協力者と戦うお話。やはり本作もB級ならではの活きのよさが魅力です。アクションシーンとかかなり大雑把で呆れますが、しかしスピーディです。大勢の悪人に追われる主人公がちょっと物陰に潜んだだけで悪人どもが気づかず駆け抜けていくシーンなんて噴飯物ですが、しかしその勢いのよさは良いと思います。
主演はリチャード・アーレン。悪役はニルス・アスター。超低予算映画の出演であってもサイレント時代のスターにしては恵まれたほうだと思います。

米版DVDで鑑賞。
Mill Creek Entertainment”50MoviePack Action Classics”


11/02/19

『Dark Mountain』(44年、ウィリアム・バーク監督)

パラマウントの下請け会社的なパイン・トーマス・プロダクションのB級犯罪映画。お話は、知らずにギャングと結婚したヒロインが殺人を犯したギャングから逃れようと昔の恋人に力を借りるという、よくある話。だいぶお気楽ムードが漂うのが残念なような気がします。56分の短さにもかかわらず中だるみしてしまうのが難ですが、しかしなかなか面白いのはB級職人ウィリアム・バークならではの活きの良さによるものです。冒頭のわりとお話に関係ない山火事の場面の迫力は低予算映画にしては随分頑張っています。そしてクライマックスのカーチェイスも悪漢の車を犬が追いかけて飛び込んでガルルと噛み付きダイナマイトが爆発してと良い展開。もうちょっと爆破が盛大だったら尚の事良かったのですが。犬は無事なのでご安心を。
ヒロインは『七月のクリスマス』『コロラド』のエレイン・ドリュー。

米版DVDで鑑賞。
Mill Creek Entertainment”50MoviePack Dark Crimes”


11/02/13

『クリムゾン・キモノ』(59年、サミュエル・フラー監督)

日本ロケ、カラー・フィルムノワール『東京暗黒街・竹の家』のあとに作られたリトルトーキョーロケ、モノクロフィルムノワール。
とはいえ、犯罪映画として始まったはずが日系二世と白人女性の恋愛を鬱々と画いていて面倒な映画です。『東京暗黒街・竹の家』では白人男と日本人女性の恋愛を微笑ましく画いていたのが印象的で、途中二人の関係に日本人から横槍が入ったりもしつつわりとすんなりいくのですが、本作では場所が日本とアメリカの違いのせいなのか、日系二世が自らスムーズに行かないようにしています。白人女性を先に相棒の白人男性が惚れたせいもありますが・・・。
全体的にちぐはぐな感じはしましたが、それほどヘンテコ映画でも国辱映画でもありませんでした。ほとんど主役はジェームズ・繁田だったし。メインテーマは童謡”赤とんぼ”なのが素敵です。リトルトーキョーにおける盆踊りパレードのクライマックスはやはりちぐはぐな印象。
残念ながらジェームズ・繁田は今の眼で見ると二枚目ではなくて、岡田英次くらい二枚目だったら・・・と思ってしまいます。もう一人の主役で相棒のグレン・コーベットが剣道の防具をつけるのが様になっていました。ヒロインは『愛情物語』のヴィクトリア・ショウですがエキセントリックな中年の画家に扮したアンナ・リーが場をさらう。
今度『リトルトーキョー殺人課』と岡田英次目当てに『二十四時間の情事』を見てみよう。

米版DVDで鑑賞。
The Sam Fuller Film Collection


11/02/11

『月世界征服』(50年、アーヴィング・ピシェル監督)

ジョージ・パル製作のテクニカラーSF映画。SF映画史的には良く知られた作品だし、わりと真面目な映画ではありますが、月についても長居せず、モンスターも宇宙人もでず面白みに欠けます。とはいえ本作の成功がパルのSF映画での活躍の足がかりになったことを思えば、まあよしとしましょう。テクニカラーで見る宇宙の特撮は美しい。
個人的にはパル+ピシェルならストップモーションアニメーションのリスが踊るファンタジー『偉大なルパート』の方が好みです。

DVDで鑑賞。
オルスタックピクチャーズ


11/02/06

『怪獣ゴルゴ』(59年、ユージン・ローリー監督、イギリス)

『原子怪獣現わる』『大海獣ビヒモス』のユージン・ローリー監督による由緒正しき怪獣映画ですが、モノクロ、ストップモーションアニメーションの怪獣だった『原子〜』と『ビヒモス』に対し、本作はカラー、着ぐるみ怪獣です。とはいえ、特撮が凄い事になってます。やはり怪獣映画は面白いですね!興奮します。ローリーの演出も『原子〜』や『ビヒモス』よりずっと迫力と情感があり良いです。76分の短さでさくさくとお話が進むのも好印象。
『When Strangers Marry』『狂恋の果て』と同じくキング兄弟製作。

米版DVDで鑑賞。
VCI


11/02/05

『替え玉殺人計画』(51年、ジョン・ファロー監督)

変なフィルムノワール発見。お話はかなりどうでもよくて、なにをしたいのかよくわかりません。適当に出来事があるような。スリルやサスペンスもなく、明るい雰囲気。フィルムノワールらしさといえば一応犯罪物であることと、ロバート・ミッチャムに与えられる拷問とかヨット上での銃撃戦くらいでしょうか。
要はロバート・ミッチャムとジェーン・ラッセルという映画史的にも素敵なコンビを見るための映画です。この二人は顔が似ていることに気がつきました。スクリーンの中では恋人でも、現実には家がお隣同士の友人だったという感じがよく出ていていかにも仲が良さそうな。それだけにカップルというよりはコンビ、『相棒』ですね。
しかし、それ以上にヴィンセント・プライスが場をさらってしまいます。プライスは劇中でチャンバラ映画のスターを演じていますが、窮地に陥ったミッチャムを救いに出かける場面の可笑しさはフィルムノワールではなくて悪乗りしたコメディです。本作は120分もあり、プライスのシーンをカットすればタイトになった分ましになったかもしれません。しかしプライスのおかげでばかばかしいながらもカルト的味わいを持っていると思います。ミッチャムの閉じ込められたヨットに警官隊と乗り込んで乱闘する場面では、チャンバラスターらしく海賊映画の様相を呈しています。
ジョン・ファローは苦手な監督で、本作も駄作と言って差し支えないように思いますが、スターのおかげでなんとか見ていられました。

米版DVDで鑑賞。
"Film Noir CLASSIC COLLECTION VOL.3"


11/01/30

『狂恋の果て』(46年、フランク・タトル監督)

カルト映画発見。フィルムノワール・フィギュアスケート・ミュージカル!
タイトルのとおりメロドラマです。アイススケート・ショーの花形に惚れた男がその夫に殺されそうになったり、昔の恋人が現れたりでそれぞれ恋に狂うのです。監督がバラエティ豊かな傑作フィルムノワール『拳銃貸します』のフランク・タトルなので、本作もなかなか面白いです。『拳銃貸します』よりは暗い雰囲気がありました。
ファムファタールは1936年ガルミッシュパルテンキルヒェンオリンピックに12歳で出場し16位の記録を持つベリータ(ちなみにこのオリンピックの金メダルはソニア・ヘニー)。イギリス人ですがマリア・モンテス風のエキゾチックな容姿でした。個人的には女優としてはソニア・ヘニーより魅力を感じます。やはり見どころは彼女のアイスミュージカルナンバーですね。良いです。ラテンのリズムにのって滑るナンバーが気に入りました。ジャンプは1回転とか一回転半とか。今は女子が4回転を飛ぶ時代ですから、技術的には負けてるかもしれませんが、垂直方向に足を上げるスパイダルが印象的。貴重なフィギュアスケート・ミュージカルのヒロインとして記憶したいところです。キャロル・ヘイス『白雪姫と道化もの』やイナ・バウアー『白銀に踊る』がもっと映画で活躍してくれたら良かったのに。ソニア・ヘニー主演作ももっと色々簡単に見られるようになればいい。
もう一人のファムファタールで元恋人役は『この三人』(ワイラー)の悪い種子ボニータ・グランヴィル。やはり大人になっても悪女だったか!主役は亀を思わせて苦手なバリー・サリヴァン。これもまたキング兄弟製作。ありがとうカルトムーヴィー製作者。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


11/01/29

『Atlas』(61年、ロジャー・コーマン監督)

当時のイタリア製B級史劇ブームにあやかったとしか思えない、B級の帝王ロジャー・コーマン監督のアメリカ映画。ロケはギリシャ。しかし風格がまるきりありません。B級とはいえどもイタリア製だとわりと見栄えがするのですが、なんでしょう、俳優の安っぽさが史劇らしさをいっそう削ぎます。群衆が必要な場面でも実に殺風景な人の少なさです。
主演のマイケル・フォレストはこの手の映画にしては細すぎて無敵にも怪力男にも見えずつまんない。当然風格無しの素人同然。マーク・フォレストだったら良かったのに!

米版DVDで鑑賞
Cheezy Flicks


11/01/22

『When Strangers Marry』(44年、ウィリアム・キャッスル、再公開題Betrayed)

初期ロバート・ミッチャムの67分のB級フィルムノワール。後のギミックの帝王ウィリアム・キャッスルの初期監督作でもあるし、赤狩り女優キム・ハンターの初期作品でもあり、端役時代のロンダ・フレミングまでチラッと出演する若々しい映画。
3回しか合ったことがない男と結婚したヒロインが、夫は殺人者かもしれないと疑うサスペンスで、ミッチャムはヒロインの元恋人。夫が犯人と目される条件や理由など、お話は納得できないところもあるのですが、なかなかの佳作でした。まだギミックに走る前のウィリアム・キャッスルは、観客を驚かせようという意気込みをギミックではなく演出につぎ込んでいるようで好感が持てます。夜の闇に輝くネオンや暗く長いトンネルはRKOヴァル・リュートン・ホラーにしてキム・ハンターのデビュー作『The Seventh Victim』(マーク・ロブソン)を思わせます。主人公達がハーレムに迷い込む様子が珍しいと思います。
たった3回しか会ってないにもかかわらず結婚するほどの魅力が夫役のディーン・ジャガーにないので、おかしな顔なのに二枚目で頼りがいがありそうなのに奇妙な雰囲気でまだ脇役時代とはいえ既に魅力的なロバート・ミッチャムと比べてしまうとヒロインの選択が理解できません。ミッチャムは若い分顔が細くインテリ風の繊細さをかもし出しています。
製作は本物のギャングと噂のキング兄弟。ネットで検索しても日本語では具体的なギャングぶりが出てこないので本当かどうかわかりません。彼らの代表作『拳銃魔』(ジョセフ・H・ルイス)は未だ見てませんが、いつの間にかキング兄弟製作映画のDVDが集まってしまったので、順次見ていきます。
ちなみに私が観たバージョンは再公開(47年頃)の『Betrayed』です。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


11/01/22

『I masnadieri』(61年、Mario Bonnard監督、イタリア、米題Rome 1585)

イタリア製B級チャンバラ映画。美女デブラ・パジェットの出稼ぎ映画なので見ましたが、デブラは脇役でした。困ったものです。チャンバラ映画としても面白みがありません。コンクラーベの描写があるのはなんとなく興味深かったです。
主役の俳優が酷くてね・・・。その抜け作面で女たらしを気取られてもなあ。ヒロインは『ペルシャ大王』(ウォルシュ)とか『マラソンの戦い』(ターナー)とかイタリア製B級史劇の悪女ダニエラ・ロッカ。普通にデブラをヒロインにしてよ。

米版DVD−Rで鑑賞。
Sinister Cinema


11/01/15

『湖中の女』(46年、ロバート・モンゴメリー監督)

レイモンド・チャンドラー原作のフィリップ・マーロウものであること及び、一人称カメラがあまりにも有名なフィルムノワールですが・・・MGMのクリスマス映画だったんですね。おおフィルムノワールクリスマス!
一人称カメラが長く続く映画と言えば『潜行者』(デルマー・デイヴィス監督)の前半部もありますが、全編一人称だという本作はどんな映画なのだろうかと思っていたのです。言葉にするのが難しいのですが、フィルムノワールにしては、う〜ん英語で言うところのcampな感じ?その原因は一人称カメラであること以上にオードリー・トッターにあったようです。
実際には冒頭のほか何度か途中で主演ロバート・モンゴメリーが観客に向かって顔を出してぺらぺら喋って解説をしています。ナレーションで済ませてもよいような気がしますが、そうしないのは独り言に聞こえるからでしょうか。カメラの動きが乏しい分、構図やアクションも制限されてるせいもありますが、なんだかずっとキャラクターが喋りっぱなしの、台詞で見る映画という気が・・・。ラジオドラマを聴いているような感覚。
監督兼主演のロバート・モンゴメリーはロマンティックコメディの人というイメージがありますが、本作では主役にもかかわらずあんまり顔を見せないので、タフガイキャラクターが似合ってるんだか良くわかりません。
フィルムノワールの変な女オードリー・トッターはフィリップ・マーロウ=ロバート・モンゴメリー=カメラに向かってヒステリーを起こし、誘惑し、甘えるなどして百面相を見せる様子が異様です。おかまの人に受けそうな・・・。いちいちその表情、言動が可笑しくてハードボイルドで暗いフィルムノワールが悪趣味なコメディになってしまいます。camp!
他にはスクリューボールコメディでも聞けないくらいの物凄い早口でマーロウと観客を翻弄するジェーン・メドウズとかカメラを流し目で誘惑するブロンド秘書役の名も知れぬセクシー女優とかcamp女優大集合みたいな映画だった。

米版DVDで鑑賞。
"Film Noir CLASSIC COLLECTION VOL.3"


11/01/11

『黒い傷』(51年、ジャック・ターナー監督、イギリス)

戦時中に弟を亡くした兄がその死の真相を探るため、弟と同じ部隊に所属していた人を訪ねイギリスの各地を廻るというサスペンス。私の英語理解力に問題があるので、あまりお話がよくわからなかった。とはいえジャック・ターナーのサスペンスにしては面白みに欠けたような。誰一人死なないし。
主演レイ・ミランドは飄々としてサスペンスらしく悪くないです。

米版DVD−Rで鑑賞。
Sinstercinema


11/01/08

『恐ろしき結婚』(44年、ジャック・ターナー監督)

親子ほども離れた年上の夫の独占欲で窮地に立たされる美貌の妻と彼女を救おうとする男というゴシックサスペンスの王道のようなお話ですが、なにやら奇妙な雰囲気が充満しています。ハラハラするようなスリルはないような、優雅ではあるけれどスローだと思っていたらば見事に驚かされました。さすがはジャック・ターナーです。
とはいえ、見終わって残る印象はすべて美女ヘディ・ラマールの美しさに集約されます。野原を駆ける乙女からダンス会場の花になったり、肖像画といった小道具に至るまで彼女の美しさを余すことなく披露してくれます。ありがとうジャック・ターナーとカメラのトニー・ゴーディオ。ヘディ・ラマールはその輝きを自在に変える瞳で揺れ動く心を演じています。夫ポール・ルーカスが異常な独占欲のあまり息子を彼女から遠ざけようと、悪い魔女は美しい、お前の母のように、と吹き込むのが恐ろしいですが、ヘディ・ラマールの人知を超えた美しさにはぴったりな御伽噺です。スーパーナチュラルな題材ではないのですが、やはり『キャット・ピープル』『私はゾンビと歩いた!』のような神秘的雰囲気が漂うのがジャック・ターナーらしく、ターナーと神秘を体現できる女優ヘディ・ラマールとの幸福な出会い。昨年末に観た『A Lady Without Passport』ではジョセフ・H・ルイス、『奇妙な女』ではエドガー・G・ウルマー、そして本作のジャック・ターナーというB級映画の名匠作品に出演した超A級大スター、ヘディ・ラマールはやはり特殊な女優です。
相手役のジョージ・ブレントは太っているし魅力に欠けるのが残念ですが、今回はヒーロー役とはいえニューロティックスリラーの傑作『らせん階段』の悪役というのが頭にあるせいか、彼も奇妙な雰囲気の一端をになっていると思えました。

米版DVD−Rで鑑賞。
ワーナーアーカイブコレクション


去年はあまり映画を見ませんでしたが、今年は頑張って美女映画と冒険映画とB級映画を見たいです。でも月二回くらいの予定です。

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