14/12/23

スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
オーソドックスな『くるみ割り人形』を求めて井上バレエ団を観に行ったのは、オーソドックスではないらしいこちら、スターダンサーズ・バレエ団の『くるみ割り人形』を観に行くことを決めていたからです。
テアトロ・ジーリオ・ショウワ本日の席は、奮発して1階前方。この劇場の2、3階の柵は高くて視界の邪魔になるので安席はむしろ損かなと。サイドには客が入ってないと思ったら3階サイドに合唱が入りました。客入りは上の階はわからないけど1階は7割〜8割くらい?後方は結構空いていたような。川崎市麻生区なんてとこでやるから・・・正直もったいないと思った。

本日のキャスト
クララ:林ゆりえ
王子:吉瀬智弘
ドロッセルマイヤー:鴻巣明史
指揮:田中良和
管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
コーラス:ゆりがおか児童合唱団

舞台はちょっと狭い。そのため大迫力とは言い難いけど、思ったよりもずっと楽しめた良い公演だった。
鈴木稔版『くるみ割り人形』。通常お菓子の国へ行くクララが人形の国へ行く。クララがドロッセルマイヤーの人形劇の馬車に忍び込むと場面転換でクララも人形サイズになっており、違和感はないし人形劇の舞台裏を模したセットが素敵でおおっと感嘆。兵隊とネズミの数は大分少ない印象。人形で水増しされた兵隊が楽しいような。ネズミが退散すると人形たちと外に出て雪の場面。素早く激しい振り付けで幻想性に欠けるけれどアクロバティックで楽しめる。スカートに輪っかのワイヤーが3本入っていてただでさえ速い振り付けが踊りにくそう。雪の女王はなし。人形劇の馬車に羽が生えて人形の国を目指す。馬車の前輪が少し浮いて飛び立ちそうに見せて幕。本当に飛んでほしいけど重すぎて無理だろう。
2幕は行方不明になっていた人形達と王子が国に戻ってきてお祝いに踊りだす。お菓子の精ではなく人形の踊りになっただけで、踊りの展覧会状態なのは変わらず。セットも洗練度が低い。1幕がとても良かった分、2幕はちょっと残念。中国は女性4人。可愛いけど面白くない振り。葦笛がフランス。ここから眠気が襲う。花のワルツにも男性が入る。花のワルツの最後に衣装替えをした王子とクララの登場で盛り上がる。
クララの林さん、王子の吉瀬さんは爽やかな主役だった。人形遊びをしていたクララが人形を捨てちょっと大人になるというコンセプト。子供過ぎない大人過ぎない感じが爽やかに演じ、踊られる。たぶん元々の資質も爽やか路線なんじゃないかと思うけどどうでしょう。パ・ド・ドゥの難しそうな振りも難なくこなしてるようで素敵だった。とはいえ、古典の風格はなくちょっとアイドルみたいな二人ではあった。。
アポロテオーズを見ていると全体的な華やかさ、風格には欠けるような気はした。主役以外のダンサーに魅力も、素人目で見てもテクニックにも欠けるかな・・・。とはいえ、演出的にも楽しく見ごたえのある舞台だった。だから席が埋まってないのはもったいない、川崎でなく東京に持っていけばと思ってしまった。
5月にスターダンサーズ・バレエ団の公演を観たときは、テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラの演奏は正直あまり良くなかったですけど、今日はわりと良かったです。ネズミと兵隊の戦いのあたりの爆音ぶりは良かった。あれ、でもアポロテオーズの最後変だったような気もする。あんな中途半端な音で終わるものか。
チャイコフスキーの音楽は覚えやすくて良いです。プロコフィエフは難しくてなかなか頭の中で再現できなくて。

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今年の劇場通いは一応これでおしまい。でも明日、東京都交響楽団の第九を聞きに行く。音楽の感想なんて私に書けるはずもないので、書きませんでしたが今年はコンサートにも行ってみました。
08/10 東京交響楽団(フェスタ・サマー・ミューザ)
09/13 新日本フィルハーモニー交響楽団(アンドリュー・フォン・オーエン)
10/10 モントリオール交響楽団(ケント・ナガノ/五嶋龍)

それから歌手のコンサートにも1回。
05/31 原田知世noon moon

映画2回
バレエ36回(+1)
オペラ3回
演劇/ミュージカル/人形劇4回

とまあ、今まででは考えられないくらいあちこち行って楽しんでしまった。来年は控えたいと思いつつ、もう5月あたりまでチケットを購入してたりして。映画の感想サイトなのに映画をあまり観なくてマズイ。来年はもう少し映画を見たいです。かも。たぶん。


14/12/21

新国立劇場『シンデレラ』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
寺田さんの初役と新入団の井澤さんの初主役の回を見てきました。席は3回L/R前方。

本日のキャスト
シンデレラ:寺田亜沙子
王子:井澤駿
義理の姉たち:山本隆之、野崎哲也
仙女:本島美和
春の精:柴山沙帆
夏の精:堀口純
秋の精:五月女遥
冬の精:細田千晶
道化:福田圭吾
父親:マイレン・トレウバエフ
ダンス教師:加藤大和
ナポレオン:八幡顕光
ウェリントン:小柴富久修
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

本日の主役はシンデレラでも王子でもなく、義理の姉の山本さんでした。華やかゴージャス。存在感の大きさ、舞台を知りつくした経験値、器が違いすぎました。よく見ると美しいし。老婆にパンをあげるシンデレラにガミガミ言い老婆に手をクイッと上にあげさせられる場面では、腕も上げたけどむしろ顎をはずしてみせた。野崎妹さんも顎の方を心配してみせる。今日はネックレスが変になってしまったらしく首にかけたまま振り回しはなし。初日と同じくカーテンコールで羽扇子を広げ本島仙女を隠す悪戯を披露。山本さんの悪戯っぽい表情ときたら。
それに応える本島仙女の貫禄。今回、山本さんに対抗できたのは本島さんだけでした。本島さんも華やかで、登場した瞬間奇跡と思う輝き。衣装も良く似合う。四季の精を従えるのも納得の存在感の大きい仙女。踊りも美しい。本島さんも主役より主役らしいけど、役に徹して慈愛を持って見守る感じが良く出ていてよかった。
野崎さんはナポレオンの鬘を蹴飛ばす演技。八幡さんはカーテンコールのあいさつで鬘を落としてくれました。会場大うけ。今日は全体的に反応の良い観客でした。福田さんの道化は調子を持ち直していたかな。今回は四季の精も好み、そのサポート係の王子の友人(原、池田、清水、林田)も好みのダンサーだしと、脇役陣が充実。
主役の二人は共に長身でスタイルがよい。テクニックや演技よりラインで魅せる主役だった。プロになって初主演という井澤さん。顔があんまり好きくない大雑把な濃い顔立ち、口開けっ放し、髭が濃いと思ったけどスタイルの良さは王子らしい、ふわっとした踊りも優雅。素人目で出来不出来もあったように見えたけど、技術もあるのでしょう。サポートはあまり上手くない。演技はメリハリがなく固い印象。初主演でこれなら立派とは思う。既に『こうもり』の主役も決まっていて、どんどん主役を経験させて強引に実力をあげる作戦なのかもしれないと思いつつ、ごり押しにも思えてしまう。
寺田さんのシンデレラも長い手足が作り出すラインがキレイ。演技はあまり印象にない。少しシンデレラには大人びて見えた。
アシュトン版『シンデレラ』は色々と見どころもあり楽しい演目でよいですね。プロコフィエフの音楽が難しくてなかなか覚えられないけど好きです。『イワン雷帝 第一部』(エイゼンシュテイン)の音楽もプロコフィエフと知って驚いた。覚えてないけど。マーティン・イェーツと東京フィルハーモニーの演奏はどの回も良かったです。

今年の新国立劇場通いはこれでおしまい。『シンデレラ』は23日も長田/奥村主演の回がありますが他に行くので行けません。隔年で上演しているそうなので、次は2016年か。DVD発売してほしいとどの演目も公演を観るたび思ってしまう。

新国立劇場「シンデレラ」特設サイト


14/12/18,20

新国立劇場『シンデレラ』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
米沢/菅野組の18日、20日夜の公演に行ってきました。18日は平日夜でまた仕事帰りに慌てながら行きました。客入りは7〜8割かな。席は3階L/R前方。20日夜はよく入ってました。席は1階センター前方。

18日のキャスト
シンデレラ:米沢唯
王子:菅野英男
義理の姉たち:古川和則、高橋一輝
仙女:堀口純
春の精:柴山沙帆
夏の精:飯野萌子
秋の精:五月女遥
冬の精:細田千晶
道化:福田圭吾
父親:輪島拓也
ダンス教師:加藤大和
ナポレオン:八幡顕光
ウェリントン:小柴富久修
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

20日夜のキャスト
シンデレラ:米沢唯
王子:菅野英男
義理の姉たち:古川和則、高橋一輝
仙女:堀口純
春の精:柴山沙帆
夏の精:飯野萌子
秋の精:五月女遥
冬の精:細田千晶
道化:奥村康祐
父親:輪島拓也
ダンス教師:福田圭吾
ナポレオン:八幡顕光
ウェリントン:小柴富久修
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

多少配役が違うし、日によってコンディション等違うと思いますが、一緒に書きます。席にもよるかと思いますが、どちらかと言えば20日の方が素晴らしかったです。18日も良かったんですけど、多少ばらついた印象も受けたので。
古川さんの逞しい姉、高橋さんの困り顔の妹、ドタバタぶりが可笑しい。古川さんが羽扇子で色んな人をペシっとはたくのが迫力。妹の高橋さんはその相手役たるナポレオンを他日に踊ってます。面白いキャスティング。高橋さんはナポレオンの外れた鬘を豪快に踏んづける。
新入団の春の精柴山さんは『眠れる森の美女』の気品の精も良かったけど、今回も一歩つま先が伸びるような踊りで印象に残った。夏の精飯野さんはアーティストからの抜擢。秋の精五月女さんはテンポの速い踊りをキビキビ踊り小気味良い。冬の精細田さんも冷気を発散。今回他日の細田さんの仙女を見れないのが残念。
仙女堀口さんは、長身でスタイルも良く綺麗。優雅に踊る。多少オーラが仙女にしては足りないような、仙女というよりはその他妖精の仲間に見えた。せっかくの長身なのでスカートの広がりを考慮してもう少し長めの裾でもよいと思った。
怪我から復帰らしい福田さんの道化は本調子ではなかったみたい。ダンス教師のほうが可笑しさが出ていた。ダンス教師の衣装はスタイルが悪く見える。特に脚が太く短く見える。これは加藤さんも同じ。
王子の友人は清水雄三郎さんの佇まいが良い。なにやら気をむんむん吐いている。ソロで踊る役も見てみたいけどちょっと着地が不安定なのか。宝石商の小口さんはテクノカットの髪を弄りまくって激しいナルシストキャラ。元が二枚目だけに不思議。群舞でマヅルカを踊っているとやはり一際目立つ。「こうもり」のヨハン役になると良いと秘かに期待していたので残念である。
20日の道化は奥村さん。私の後ろの席の奥さん軍団が王子役が道化を踊るのキャーと盛り上がっていた。道化らしい可笑しさ、ずうずうしさはあまりなかったけど踊りの方はさすが。でも道化の振り付け自体があまり好みでないような。
20日のナポレオン八幡さんは鬘を被った後、ウェリントン小柴さんやらシンデレラの父(輪島さん)に直してもらってたのが可笑しかった。
菅野王子は人の良さがにじみ出る、ちょっとサラリーマンのような・・・会社の課長に似ているのでそう思う可能性もないとは言えない。課長より断然いい男だけど。サポート上手。
米沢シンデレラ、素晴らしかった。米沢さんが踊ると振りの一つ一つに意味が生まれてくるのが不思議。手や足に表情がある。シンデレラの周りを王子が飛び跳ね追いかけるような場面ではその手に恥じらいというか、王子の猛アピールを少し押しとどめるようなしとやかさがあり嫋やか。魔法が解けかかると行く手を阻む王子に心を残しながら逃げる。強靭なテクニックと演技、どちらも素晴らしい。そして風格もいっそう際立っていた。これも『眠れる森の美女』でファーストキャストを勤め上げたからでしょうか。今後がますます楽しみです。

18日は終わるのが遅かったので迷いましたが、握手会を見てきた。大ファンの米沢さんと握手なんてとてもとても。先日の小野/福岡組に続いて見るだけです。

2014/2015シーズンラストを飾る『白鳥の湖』ではファーストキャストに再び米沢/ムンタギロフが18日に発表されました。楽しみです。『こうもり』と『白鳥の湖』が女性の海外ゲストダンサーの予定を新国立劇場のダンサーに変更したのは良い傾向ですね。

新国立劇場「シンデレラ」特設サイト


14/12/14

新国立劇場『シンデレラ』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
新国立劇場の12月は『くるみ割り人形』と『シンデレラ』を1年おきに公演しているそうで、今年は『シンデレラ』の年。このフレデリック・アシュトン版『シンデレラ』は48年の初演時、モイラ・シアラーが(代役で)初日に踊ったということで、映画ファン的にも興味深いところですよ。
新国立劇場、本日の席は1階前方のわりと壁に近いあたり。でもほぼ見切れなし。大概、センター前方はセット券購入者とか会員先行抽選で埋まってしまうので、わりといつもこのあたりでの観賞になってしまう。

本日のキャスト
シンデレラ:小野絢子
王子:福岡雄大
義理の姉たち:山本隆之、野崎哲也
仙女:本島美和
春の精:丸尾孝子
夏の精:堀口純
秋の精:奥田花純
冬の精:寺田亜沙子
道化:八幡顕光
父親:マイレン・トレウバエフ
ダンス教師:福田圭吾
ナポレオン:高橋一輝
ウェリントン:貝川鐵夫
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

夢か幻か、起きて見ている夢のような光景。圧倒的なおとぎ話の世界だった。バレエの題材の多くはおとぎ話、ファンタジーだけど、よそのバレエ団ではあんまりこういう感情を持ったことがない。単に私が新国立劇場のファンだからそう思うのかもしれないけれど、眼前に現れた煌めくファンタジーの世界に呆然と見入ってしまった。舞台はもちろんゴージャス。衣装は1999年に英ロイヤル・バレエから譲り受けたものというから、セットも英ロイヤルと同じデザインなのでしょうか。光と魔法、変身、ロマンス、その一方義理の姉たちのトゥー・マッチな存在感の可笑しさなど楽しさに満ちていた。それと魔女好きとしては、魔女じゃないけど仙女の登場に心踊る。
疑問もいくつか。義理の姉たちにこき使われるとはいえ継母がおらず、シンデレラの身の上が立ってこない。父は空気。一方、王子も親が不在。おとぎ話の王子って、わりと親の承諾なしに旅先で結婚するけど、この場合は宮廷内でシンデレラを見初めるので不思議。ファンタジーならではの省略として深く考えずにおこう。夏の精はわりと穏やか、秋の精は音楽も激しい。日本のイメージと違うので、英国の季節はそういう雰囲気なのか。
そんなわけで、秋の精の奥田さんは『眠れる森の美女』の勇敢の精を引きずった勇敢な秋の精だった。冬の精の寺田さんはいつもの寺田さんじゃなくて、冷たいオーラを発揮し迫力も感じた。『眠れる〜』でリラの精を踊ってステップアップしたのか。これは21日のシンデレラ役も楽しみかも。
義理の姉はどちらも可笑しかったけど、なんといっても山本さん。ゴージャス。トゥー・マッチ!キャンプ!女装の山本さんの顔がどこかで見たようなと思ったら、先週観たばかりのマ○ーヤ・アレクサンドロワだ(一応伏字)。サンドラ・ブロックにも似てる。そんな山本アレクサンドロワは羽扇子から顔をだし、つまり羽が顔の周りに巨大な襟のような状態で、エリマキトカゲのように舞台前方に進んでいく様も迫力。新国立劇場で、山本さんの主役には間に合わなかった私ですが、もうすっかりファンです。新国立劇場のDVDブックで『白鳥の湖』の王子役は観れるけど、新境地に至った山本さんの舞台も楽しみです。カーテンコールで山本さんが本島さんの顔を羽扇子で隠す悪戯を披露。
仙女本島さん、光り輝き慈愛に満ちて美しく優雅な仙女でした。スポットライトの効果があるとはいっても、光が発散されるようなオーラ。仙女の姿で登場した瞬間、舞台の上に不思議な力が働きました。その瞬間、ファンタジーに遭遇した。
福岡王子はますます王子になっていて驚いた。こんなふわっとポーズを決める人だったっけ?サポートもこんなに上手だったっけ?『眠れる森の美女』は難しいというけれど、それを経験して進歩したのでしょうか。
小野シンデレラは楽天的。笑顔が素敵。小野さんはテクニックはあるし、可憐だし、困ったような顔つきがどの古典の主役にも合うし、新国立劇場のトップとして申し分ない。・・・のだけど、出来過ぎでつまらないかなーという部分も感じていた。だが今回は、逆境にあるにもかかわらずあまり気に留めていないで笑っているといった風のシンデレラが、義理の姉(山本アレクサンドロワ)がガラスの靴を無理やり履こうとしているのを笑って済ますことができずに止めようと転がり込み持っていた片方の靴を落とす場面を見て思わず目が潤んだ。小野さん、素晴らしかった。
終幕後、主役二人の握手会があった。憧れのダンサーと握手なんてとてもとても。ということで握手はせずにちょっと見て帰った。
あと3回見る予定。

新国立劇場「シンデレラ」特設サイト


14/12/13

井上バレエ団『くるみ割人形』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
12月はどこもかしこも『くるみ割り人形』の季節。とはいえ、今年が私にとってのバレエ観賞元年なため、未だまともに見たことのない演目。5月にスターダンサーズ・バレエ団の短縮版は観ましたが、オーソドックスな『くるみ割り人形』を見たく、日程やらチケット代やらで選んだ結果、井上バレエ団を見に行くことに。決め手はゲストの英ロイヤル・バレエプリンシパル、ティアゴ・ソアレス。
と、楽しみにして会場の席に着きもらった冊子をめくったらティアゴ・ソアレス降板のお知らせ。後で家帰ってから井上バレエ団のホームページを確認したら12月10日に降板のお知らせが出たらしい。遅いよ。しかしショックを受けたものの最安席だったのであきらめも早いよ。
文京シビックホールに来るのも初めて。建物の中に入るとエントランスに人が並んでいて、チケット引き渡しを待つ人の列だったらしい。その奥の方に並ぶ人たちがチケットを持って会場に入るのを待つ人たち。結局チケットを持った人の列は、チケット引き渡しの列を割って通って劇場入り口に行かねばならず。この2、3日にできたホールじゃあるまいし、たぶん前からこんな誘導なのだろう。と、がっかりしつつ入ったら、ホワイエはちょっと狭いけどきれいだし、ホールもきれいでなかなか良いホール。縦長の座席なので後ろは観づらいかなと思いつつ、本日の席は2階最後尾列。やっぱり舞台が遠いけど最安席なので仕方なし。
不思議な客層。ご家族連れ、カップル、おひとり様の他、大学生と思しき男の子グループとか。

本日のキャスト
金平糖の精:源小織
くるみ割人形の王子:ダヴィッド・クピンスキー
雪の女王:西川知佳子
ドロッセル・マイヤー:堀登
花のワルツ:浅田良和
ねずみの王様:大倉現生
指揮:江原 功
演奏:ロイヤルチェンバーオーケストラ
合唱:フレーベル少年合唱団

『くるみ割り人形』って演目としての面白さにはやや欠けると思った。プロローグと1幕は子役が多いので発表会みたいだし、2幕は踊りを並べただけ。お菓子の国が各国の踊りなのは何故?王子がクララをお菓子の国に連れてきたのは何故?くるみもお菓子(おやつ)の一種とか?子役の男の子たちがカーリーヘアのかつらでジャクソン5かと思った。セットは地味。雪の場面で同じコール・ド・ダンサーが立て続けに二度転んだのが可哀相だった。『テレプシコーラ』(山岸涼子)じゃないけど、やはり雪で転んでしまうのか。
ティアゴ・ソアレスに代わっての出演はスウェーデン王立バレエ団ファーストソリストのダヴィッド・クピンスキー。冊子に入っていた写真では頭がやばそうだったけど、生で観る分にはそれほど気にならなかったかな?長身、細見、脚長でスタイルが素晴らしい。やっぱりどうしても日本人とはスタイルが別次元だよね・・・。キレのあるダンスには王子の優雅さもある。くるみ割り人形とそれが変身した王子は別人が踊ってるのね。
あまり期待していなかったオーケストラは思いのほかよくて満足した。ぜーんぶ通して初めて聞いたけど、どこかで聞きなれた有名なところはもちろん、そうでないところも素敵で、チャイコフスキーの煌めきを堪能。
終幕後、クリスマスメドレーでダンサーたちが踊る。さすがに王子は踊らなかったけど。アットホームな公演だった


14/12/06

ボリショイ・バレエ『ドン・キホーテ』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
ボリショイ来日祭りは明日まで続きますが、私が見るのはこれが最後。故障明けの気になるマリーヤ・アレクサンドロワと先日のロットバルトは体調不良のため降板したウラディスラフ・ラントラートフに期待がかかります。
東京文化会館、本日の席は1階3列目。チケットを購入後ここが平土間と知って心配していたけど、まあ許容範囲。前の人の頭でつま先が見えない部分もあったけど、近いので顔も演技も良くわかるし、舞台の熱気も感じられる。
4日も客席で見かけたサングラス姿の目立つ人は芸術監督のセルゲイ・フィーリンでした。

本日のキャスト
キトリ/ドゥルネシア:マリーヤ・アレクサンドロワ
バジル:ウラディスラフ・ラントラートフ
ドン・キホーテ:ニキータ・エリカロフ
サンチョ・パンサ:アレクサンドル・ペトゥロフ
ガマーシュ:ヴィタリー・ヴィクチミロフ
エスパーダ:ルスラン・スクヴォルツォフ
森の精の女王:アンナ・ニクーリナ
キューピッド:ユリア・ルキンナ
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

充実の公演。主役以外もそれぞれに良かった。サンチョは小悪党風(?)、キトリの友人は今風の女の子。闘牛士は短剣を床に刺さず、柄を下にして立てていた。キホーテだけは若くて面白みに欠けたのが残念。オーケストラはまたもや速いテンポ。ボリショイっていつもこんな容赦ないテンポで踊ってるのですね、きっと。
マリーヤ・アレクサンドロワはわりと調子良さそうに踊っていたけれど、映像で見る彼女独得の細かい足さばきを感じられなかった。サポート付ピルエットも軸がずれていたのでラントラートフに回されていたのかもしれないが、そのわりに回転数はけっこうあったような。結局、グランフェッテもピケターンに置き換えていたので、本調子ではないのだろう。とはいえ、華やかで大きなオーラ、存在感で元気娘キトリを快演。衣装も良く似合う。3幕では『海月姫』みたいなフワンとした赤いチュチュ。ラントラートフとは嘘キスではなかったように見えた。
そのラントラートフは本日冴えまくりで、軽快かつキレのあるバジルをこちらも快演。DVDで観る『ラ・バヤデール』の頼りないラントラートフとは別人のよう。役のせい?あんな早くて回転数のあるピルエットとか。1幕キトリを片手で支えるリフト、2度目は最後片足あげてたよ。あらー、これはすっかりファンになってしまったな。サポートもよかったんじゃないですか。舞台を盛り上げようという意気込みも感じられました。他日公演もこうなると見ておきたかったです。次のボリショイ来日を待つのは長いので、映画館上映とか行くかな。
期待のルスラン・スクヴォルツォフのエスパーダは、もう少し体を絞った方が良いのでは。観ているうちに、会社に一人はいる30〜40代の色男に見えてきて、エスパーダはサラリーマン?そんなイケメンエリートビジネスマンに群がる女たち(踊り子、ギター、メルセデス)の綾なすドラマとか、それなりに楽しみました。
終幕後のカーテンコールはスタンディング・オベーションでブラボーどころかヒューヒュー言ってて盛り上がっていたけど、なかなか日本のバレエ公演では見られない光景なのでは。ニュー・アドベンチャーの『白鳥の湖』のときみたい。もしくはyoutubeで見る外国公演の様子とか。アレクサンドロワは特に時間をかけて丁寧に挨拶していたのが印象的だった。


14/12/04

ボリショイ・バレエ『ラ・バヤデール』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
本当は3日のザハロワ、アレクサンドロワ、ラントラートフの日に行きかったけど、仕事が終わった後に行って遅刻するとがっかりするでしょ。なので遅刻してもそれほどがっかりしない(失礼)オリガ・スミルノワ、チュージンの日を選び、席もCにして安く済ませ対応。その後スミルノワは来日1週間前になって降板しエカテリーナ・クリサノワに変更。特にショックを受けず。結局3日も遅刻しないような時間に仕事を終えたけどまあいいや。もちろん本日も遅刻せず。終わったのは21時40分くらいで明日も仕事あるので、ちょっと大変。終わった途端帰る人がぞろぞろいたのもそのせいかな。私はカーテンコールが終わるまでいましたが。
東京文化会館、本日の席は4階L/R中腹1列目。多少見切れるけど割と見やすい。でも高さがあるぶん遠い。東京文化会館に来るのは初めて。改修工事をしていたそうだけど、あんまり新しい感じはなかった。
公演間際に安チケットが発売されB席の方がC席より安いとか。でももっと前からS、A席の安チケットも出てたし、今さら嘆いてもね。それでもなお、4階5階は空席も目立った。来年のマリインスキー来日は招致元が同じジャパン・アーツだし、チケット購入の際はお目当ての人だけ先に買って、残りは公演間際に買えばよいと思う。

本日のキャスト
ニキヤ:エカテリーナ・クリサノワ
ソロル:セミョーン・チュージン
ガムザッティ:アンナ・チホミロワ
大僧正:アンドレイ・シトニコフ
奴隷:デニス・ロヂキン
マグダヴェヤ:アントン・サーヴィチェフ
太鼓の踊り:クリスティーナ・カラショーワ、ヴィタリー・ヴィクティミロフ、アレクサンドル・スモリャニノフ
青銅の仏像:ミハイル・コーチャン
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

DVDも出ているグレゴローヴィチ版『ラ・バヤデール』。DVDでの演奏も速いと思ったけど、本日の演奏も速かった。ボリショイはいつもこんな速いテンポで演奏してるんでしょうね。ほぼ時間どおりに終演したし。『ラ・バヤデール』は同じミンクスでも『ドン・キホーテ』と違って音楽も好きなのでそれも楽しみだった。DVDだと影の王国から覚めたソロルが自室(?)に戻って幕が閉じるけど(たしか)、今日は影の王国で力尽きて倒れて幕。グレゴローヴィチ版はなんで『白鳥の湖』といい『ラ・バヤデール』といいヒロインが死んで、身も蓋もなく終わるのだろう。そういうトラウマ持ちの人なのか。特にニキヤは全然面白くない女なので、そこで終わられるとますますつまんない女なんですけど。
特に興味のないダンサーの回(失礼)だったけど、良い公演だった。いつもなら演技も見たくてオペラグラスを覗くけど、主役二人があんまり特徴のない演技だったのと、わざわざオペラグラスで見たい顔でもなかったので(失礼)、踊りばっかり見てたけど良かった。
エカテリーナ・クリサノワのニキヤは垢抜けない舞姫。農家の娘的な。でもスタイルは抜群。虎やら象が出る(グレゴローヴィチ版には出ないけど)奥深い秘境に舞う寺奴隷的な舞姫を体現していた。影の王国ベールの踊りは安定。終盤の猛スピードの演奏に合わせての高速ピケターン、シュネ、アラベスクのまま高速後ずさりもキメて素晴らしい。
チュージンのソロルもテクニックは安定。ちょっと細いかなと思ったけど。戦士というより〜の精といった印象。ガムザッティのチホミロワは華やか。グレゴローヴィチ版のガムザッティは悪女ではないのですが、それでも悪役のつもりで見てしまう。
マグダヴェヤと太鼓と仏像、迫力ある男性ダンサーの踊りが多いのも『ラ・バヤデール』は良いですよね。何故かキャスト表には青銅と書いてある黄金仏像は、脚が長くてウェストの位置が高くてそれで全身金色とか。唖然。
4階席で舞台も遠く、ダンサーにも興味はないが、充分に満足。舞台セットも豪華。ボリショイの力量を感じた公演だった。


14/11/25

たいらじょう『毛皮のマリー』(人形劇、公演)

人形劇俳優たいらじょう氏の、ほぼすべて人形による『毛皮のマリー』ってどんなのと興味を持ち、明日の仕事も顧みず仕事帰りに観劇。
新国立劇場小劇場にて観賞。

本日のキャスト
毛皮のマリー(花咲ける四十歳の男娼):さしがね式棒遣い人形
欣也(美少年):ヒト
紋白(美少女):片手遣い人形=ギニョール
下男(ああなつかしきストロハイム氏):仮面
名もない水夫(蛇の刺青がよく似合う):トルソー
美女の亡霊×6:スポンジ玉人形
快楽の滓(肉体美の青年):ビニール製玩具
鶏姦詩人:立絵=ペープサート
演出・美術・人形操作:たいらじょう

人形はすべてたいらじょう氏が声の演技及び操作。舞台には赤い幕が真ん中に少し、テーブルと台、蝶をあしらった飾りがあるだけ。そこに手を蝶に見立てひらひらと動かし奇妙に踊る、片足白いタイツと白いチュチュを思わすスカート姿の男が登場。およそダンサー体型とは程遠い男の踊りに唖然とする。ここ最近バレエばっかり見てるから、まして昨日ボリショイのダンサー観てきたばっかりだから。とショックを受けつつ体型に関してはずいぶん失礼な感想を持つがあまりに失礼なので、ここでは書くまい。その奇妙な男がたいらじょう氏で、踊りに関してはコンテといわれればそうかもといった印象。もちろんダンス公演ではない。今日は人形劇を見に来たのだ。とはいえ、欣也はキャスト表にヒトとあるように、これはたいら氏がそのまま演じる。ちなみにト書きも何故か台詞としてすべて発声する。
『毛皮のマリー』自体は見たことなくて、知識として寺山修二という変な作家の変な舞台ということを知っている程度。なのでこの公演がますます変だったかどうかわからないのだけど、唖然とする舞台であったことにかわりはない。お話にしても台本にしても異常なことこの上ないが、人形が次第に命を持つように、舞台上に生きる様には身震いする。
映画ファン的には、ああなつかしきストロハイム氏だとか、ツァラレンダーとかジーン・ハーローとかお馴染みの名詞があがって楽しめた。ツァラレンダーとはもちろんツァラー・レアンダーのことではあるものの、ツァラレンダーが歌う「ハバネラ」をシャンソンとか、ジーン・ハーローが映画の中で何度も死に、現実には自動車事故で死んだとかいう内容のセリフには疑問に思ってしまう。寺山修二は何故そのように書いたのだろう。もちろんハバネラはシャンソンではないし、ジーン・ハーローは自動車事故で死んだのではない。
幕が終わるごとにたいら氏の休憩が入り、観客には休憩はないがあれもまた演出だったのだろう。舞台上で休憩中のたいら氏が鼻をかんだり、500ミリペットボトルの黄色い液体を飲み干したりを観客は眺め笑い声さえ上がる。グロテスクでありながら幻想的でもある、そして非常に気まずい終わりを迎えるこの悲喜劇の人生観というか、滑稽ながら必死に生きる感じが印象深かった。


14/11/24

ボリショイ・バレエ『白鳥の湖』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
3月に買ったチケット。ついにその日がやってきた。生で観るボリショイそしてザハロワ。
当初の予定ではジークフリート王子はデヴィッド・ホールバーグだったけど、故障のためデニス・ロヂキンに変更が9月頃だったかに発表されていた。そして当日になってロットバルトがウラディスラフ・ラントラートフ体調不良のためアルテミー・ベリャコフに変更。でもベリャコフのロットバルトを見たいと思っていたので特に問題なし。ラントラートフは別の演目で観られればいいので、早々に回復すると良いな。
オーチャードホール本日の席は1階30列以降・・・舞台が遠い。そのためか初ボリショイ+ザハロワにも関わらず割と冷静に観たような。オペラグラスで覗くと生で観てるんじゃなくてテレビ画面でも観てる気分になってくるのが不思議。湖の場面とか照明が青くなるとますます観づらかった。

本日のキャスト
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
悪魔ロットバルト:アルテミー・ベリャコフ
道化:デニス・メドヴェージェフ
指揮:パーヴェル・ソローキン
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

グリゴローヴィチ版『白鳥の湖』は展開が急で、ちょっとわかりずらい印象。プログラムのあらすじには湖は夢の場面的なことが書かれているけど・・・?でもそうでないと、王子が湖に行きました的な描写が良くわからず。オデットと王子にいつ愛が芽生えたのかもよくわからん(演者のせい?)。悲劇的結末もいささか中途半端。とはいえ、オデットが湖に身を投げ、王子が後を追い天上で結ばれましたエンドが嫌いなので、まだグリゴローヴィチ版の終わりのほうが良いと思った。でも本当はハッピーエンドが好き。ルースカヤもお妃候補の踊りになっているのがロシアらしい。ブルメイステル版と同じ音楽でもオディールが踊る(たぶん記憶が間違ってなければ)。舞台中央よりちょっと後ろ辺りに垂れたり引っ込んだりする幕が踊りずらそうで邪魔だった。
オデット/オディール、王子、ロットバルトの三人がすべて冷たい美貌のダンサーであった。
ザハロワはDVDで見るよりケンが強かった。スタイルが別次元。あの脚、スイッと頭まで上がる脚が美しい。DVDで観て知ってるとはいっても、どこまで上がっちゃうのよと感嘆する。頭の高さにあげたままキープとか。グランフェッテはシングルでした。
ロヂキンは写真で見るより顔が四角くないけれど、鋭角であることにかわりはなく冷たい印象。緊張していたのか本人の資質なのか。ジークフリート王子だからもっとあたふたしてそうとか、愚かそうとかあるかなと思うけど、そういうのはほとんど感じず。冷たいけど優雅な王子オーラ放出。キメポーズがフワっとする。跳躍高い。オーチャードホールが狭いのか、ボリショイが広大なのか、舞台端っこまで使って踊る。キメのところで舞台袖に少し入ってたり、前ギリギリまで来て演技するもんだから落ちたらどうしよと思ってしまった。これでまだリーディング・ソリストなんだもんなあ。
ベリャコフに至ってはまだソリスト。脚が鋭い印象。やっぱり跳躍高い。ロヂキンとシンクロして跳ぶ。負けてないねえ。
この3人の印象において、美しくて冷たく凍れる『白鳥の湖』だった。その他ソリストもコールドもあまり印象に残らなかった。名前と顔(踊り)が一致しないと興味をひかないのかな?もうちょっと前で観たかったな。ボリショイを拝むありがたみに欠けてしまった印象。


14/11/16

新国立劇場『眠れる森の美女』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
新国立劇場2014/2015シーズン開幕祭りも最終日。6公演ちゅう5公演も見に行ってしまって反省。4回目でいい加減飽きてましたが、千秋楽は素晴らしい出来で飽きてる場合じゃなかったです。本日の席は1階前方。

本日のキャスト
オーロラ姫:小野絢子
デジレ王子:福岡雄大
リラの精:寺田亜沙子
カラボス:湯川麻美子
伯爵夫人:本島美和
ガリソン(王子の知人):マイレン・トレウバエフ
エメラルド:奥田花純
サファイア:広瀬碧
アメジスト:大和雅美
ゴールド:小野寺雄
長靴を履いた猫:加藤大和
白い猫:玉井るい
フロリナ王女:長田佳世
青い鳥:奥村康祐
赤ずきん:五月女遥
狼:小口邦明
親指トム:八幡顕光
振り付け:ウエイン・イーグリング
指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

今日の小野さんは絶好調。可憐なオーロラ姫そのものでした。う〜ん素晴らしかった。もともと素晴らしいダンサーが絶好調だとこうなるという。
福岡さんの王子もノーブルさが出てきていたし、主役の貫禄、オーラを発散。2幕の憂鬱のソロ、よく憂鬱感が出ていました。2幕、眠る姫へのキスが長いのでちょっとドキッとします。3幕バリエーションはきっちり決め。なぜか王子の衣装だと太もも気にならない。
今回初めて見たのは長猫、白猫の新入団の二人。これで3キャストの猫を見たのだけど、どのキャストも良かった。玉井さんの猫はちょっと性格がきつそうな猫。加藤さんは柔らかい印象。
千秋楽は各ダンサー素晴らしくて、総じてテンションも高く、個人的には初日とどっちがいいかなという具合。オーケストラは今日のほうが良いです。サザーランドも満足そうでした。

今回の新制作『眠れる森の美女』は大好きな新国立劇場バレエ団なのにこんなことを言うのはなんですけど、衣装もセットも豪華ではあったのだけど、洗練とは程遠い、ごてごてして観づらいものでした。特に2幕は緑ばっか。緑の背景に緑の衣装の群舞。プロローグの妖精の衣装がみんな同じとか、リラのお付の衣装もその他妖精とよく似た衣装。見分けがつきません。プロローグの王と王妃はアメコミを連想させる色使い(キャプテン・アメリカから赤を抜く)。なんといっても一番残念だったのはカラボスで、衣装は踊り映えせず、照明も暗いのでますます映えません。そのうえ紗幕の後ろで踊ったりとか。主役の衣装は素敵でした。
2幕の最後、目覚めのパ・ド・ドゥは100年眠って現れる運命の恋人に愛が芽生えるとかそんなこと本来どうでもよいのですけど、おとぎ話をそのまま受け入れられなくなった現代人向けですね。そのおとぎ話と現実的なアプローチがうまく融合していない感じはしました。演出だけでなく、ここでもセットと衣装の責任は大きい。
福田圭吾さんの出演がどうやらなかったこと(プログラムに群舞にも名前がない)、マイレン・トレウバエフの出番が少ないことが残念。全日王子の知人(お付とか友人でなくて)役で目隠しして踊る場面はあったけど、踊り足りなくないですか。コミカルな演技は良かったけど。千秋楽では何か拾ってさもそういう演出だったかのように演技していてさすがでした。
そして瀬島さんのリラ・・・。何らかの事情で主役が他団からのゲストなのは仕方がないとして、準主役のリラの精まで。わざわざ主役に来てもらったのに一度きりの主役では申し訳ないと準主役の座まで用意したのでしょうか?わからん。新国立劇場の中堅、若手に準主役級を、もしくは本島さん湯川さんがカラボスとリラ兼任でも良いのに。
と、不満もある一方、踊るカラボスかっこよくて好きです。それに尽きます。2幕の退場があっさりしすぎるのが残念です。姫役の米沢/小野だけでなく悪役でも魅せる本島/湯川の存在はバレエ団の宝かと。
プロローグの妖精たち、3幕のソロなど女性ダンサーだけでなく男性ダンサーも多く楽しめるのは良いです。好みかどうかは別としてもセットも衣装も豪華なことにかわりはないですし、新国立劇場のダンサーはやはり素晴らしくてなんだかんだ言っても満足し楽しみました。

同じ公演を観るのは3度が限度ですね。次回『シンデレラ』はすでに4公演分チケット購入してしまったので行きますが、その次から気を付けます。
でもその前にボリショイ来日公演祭りがもうすぐ開幕です。


14/11/15

新国立劇場『眠れる森の美女』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
4日目(13日)は抜かして4度目の観賞。もともとセットや衣装、演出など良くもないし、さすがに飽きてきた。本日の席は3階L/R中腹。1階後方と2階は中学生の団体が入っていた。その他、未就学児童を連れたお母さん達が結構な数。普段の公演では見かけないですが、あれは何?公演中に子供たちが喋る、踊る(!)。お母さんは子供を注意するでもなく前のめりだったり。熱が出た子供を席と膝に寝かせてたり・・・。その子の止まらぬ咳、かわいそうだけど邪魔、病原菌まき散らしてますよ。音楽が鳴り響いている間、そんなとこで寝かされたら子供がかわいそう。前の席のカップルは前のめりになったあげく、女性が頭の上で腕を上げて髪を結ぶように押えている。こんなひどい客層は初めてだった。
そんなわけでか私の集中力が持続せず。

本日のキャスト
オーロラ姫:瀬島五月
デジレ王子:奥村康祐
リラの精:寺田亜沙子
カラボス:本島美和
伯爵夫人:湯川麻美子
ガリソン(王子の知人):マイレン・トレウバエフ
エメラルド:細田千晶
サファイア:柴山紗帆
アメジスト:堀口純
ゴールド:池田武志
長靴を履いた猫:原健太
白い猫:原田舞子
フロリナ王女:小野絢子
青い鳥:菅野英男
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:小野寺雄
振り付け:ウエイン・イーグリング
指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

今回もダンサーの印象。
貞松・浜田バレエ団からのゲスト瀬島さんは他日にはリラの精も踊っていますが、リラよりかはオーロラのほうが良い印象。年季の入ったオーロラ姫。奥村王子が細いので瀬島さんが太く見えて損ではあった。目覚めのパ・ド・ドゥのラスト、米沢さん小野さんは片足で立って王子とキスをしたまま王子ごと回転、瀬島さんは普通に立って王子とキスして回らず。
奥村王子は最初出てきたとき王子というか主役と気づかず。あれ、そういえば王子の衣装ってあんなんだったようなと遅れて気づいた。奥村さんの主役を見るのは初めてだけど、存在感が薄い。既に主役を何度も踊っていて人気もあるはずだけど。まだ若いこれからですかね。さすがに技はきっちり決まって余裕も感じさせる。演技は薄い。
妖精のサポートをしつつ踊るカヴァリエは清水裕三郎さんが良い印象。他日の4人の王子も雰囲気を発散していた。気品の精、新入団の柴山さんも良い印象。9日に見た原健太さんの猫が良かったので今日も楽しみに見た。白い猫原田さんのはたきっぷりが良い。客席の子供がニャーニャー言っていた。エメラルド細田さんは元気。
結局、本島カラボスが場をさらっていった。『パゴダの王子』の皇后エピーヌ、『しらゆき姫』の王妃、そして『眠れる森の美女』のカラボスと続いた悪役の集大成ですね。クールで洗練された知的な悪女でした。
明日は千秋楽。


14/11/11

新国立劇場『眠れる森の美女』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
3度目の観賞。こんなに通ってて大丈夫でしょうか。本日の席は3階L/R前方壁際。仕事をフレックスであがって行って、18時30開演。終わったのがカーテンコールも含めて22時近く。明日も仕事です。そんな人も多いのか(?)客入りは7割くらいかな。初日、二日目はほぼ満員でしたが。今回もダンサーの印象。

本日のキャスト
オーロラ姫:米沢唯
デジレ王子:ワディム・ムンタギロフ
リラの精:瀬島五月
カラボス:本島美和
伯爵夫人:湯川麻美子
ガリソン(王子の知人):マイレン・トレウバエフ
エメラルド:細田千晶
サファイア:寺田亜沙子
アメジスト:堀口純
ゴールド:福岡雄大
長靴を履いた猫:江本拓
白い猫:若生愛
フロリナ王女:長田佳世
青い鳥:奥村康祐
赤ずきん:五月女遥
狼:小口邦明
親指トム:八幡顕光
振り付け:ウエイン・イーグリング
指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

本日の米沢さんはぐるんぐるん回っていた初日に比べてピルエットが控え気味。撮影のカメラが入っていた為でしょうか。でももちろんピルエット4回転とか、王子のサポート付は7回転、8回転(?)もあった。ただ初日はサポート付は7回転が基本仕様みたいだったのでそれに比べると少なかった。しかしローズ・アダージオのバランスは今回の方が神がかっていた!驚異のバランスキープ。会場大盛り上がり。米沢さんは平然とした様子で凄いことをしてしまうので、期待と見逃すまいというスリルで彼女が出てくるだけでドキドキします。それともファンだからドキドキするんでしょうか。1幕の演技は初回に比べて4人の王子に対して恥じらう感じはしなかったのですが、やや遠く上から見たので感じ方が違うのかもしれません。ただ、今回の方がよりいっそうプリマの貫禄は出ていました。演技的には二幕の幻の女、幻影の美女が好きでした。
ムンタギロフは初回に比べると見慣れたせいか、それとも席の位置のせいかそれほど印象にない。3幕のヴァリエーションのあとはたっぷり挨拶をしていたので、満足のいく出来だったのでしょう。次は『ラ・バヤデール』で小野絢子さんとの共演が楽しみです。
勇敢の精の奥田花純さんはますます勇敢になっていた。今日のリラのサポートは新入団の井澤さん。アメジスト堀口さんを応援しながら見た。ゴールド福岡さんはやはりこの衣装だと太ももが凄く目立つ。せっかくの黄金の脚がもったいない(?)。青い鳥奥村さんはやはり鳥そのもの。
そしてまあ凄いこと凄いこと、本島美和さんのカラボスはますます迫力と貫禄を増し、場を支配、圧倒されました。冷たく凍れる炎というか、映画ファン的表現では熱い氷山のようというか、黒くて白くて青い焔、オーラを放っていました。
オーケストラは今のところ3回聞いて本日が一番良かった。
本島さんのカラボスはもう一回見ます。(えっ?)

新国立劇場「眠れる森の美女」特設サイト


14/11/09

新国立劇場『眠れる森の美女』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
2日目の観賞。本日の席は3階L/R前方。今回もダンサーの印象。

本日のキャスト
オーロラ姫:小野絢子
デジレ王子:福岡雄大
リラの精:寺田亜沙子
カラボス:湯川麻美子
伯爵夫人:本島美和
ガリソン(王子の知人):マイレン・トレウバエフ
エメラルド:奥田花純
サファイア:柴山紗帆
アメジスト:大和雅美
ゴールド:池田武志
長靴を履いた猫:原健太
白い猫:原田舞子
フロリナ王女:米沢唯
青い鳥:奥村康祐
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:小野寺雄
振り付け:ウエイン・イーグリング
指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

リラ対カラボスは五分五分。湯川さん相手に寺田さんが健闘。ちょっと湯川さんの方が強いとは思いますけど。寺田さんのリラはその他妖精とタイミングもぴったりで、あれが新国立劇場バレエ団らしいテンポなんでしょうね。でも埋没せず。
湯川カラボスはさすがの迫力の踊り。いかにも悪そうな表情豊かな怖いカラボス。睨み、凄み、顔を歪め、高笑いする情熱の悪女。
2幕伯爵夫人は本島さん。伯爵夫人らしい物腰。乗馬の鞭を振って群舞と踊る姿もチャーミング。
ゴールド池田さんは個人的に注目のダンサー。昨日今日とリラのサポート、さらに4人の王子もこなし、将来は主役候補ですかね。3幕のキャラクターものはそれぞれ良かったですが、やはり米沢フロリナ王女と奥村青い鳥がさらっていきました。奥村さんは紛れもなく鳥でした。鳥の衣装、腕が青いと良いのに、脇から先は肌色なのが残念なような。
福岡デジレ王子は王子度が上がっていた。昨日のゴールドの時は筋肉でがっしりした太ももが多少気になりましたが今日は上から見たせいなのか、それとも衣装のせいなのか気にならず。2幕ヴァリエーションで瞳がライトでキラキラしている憂う王子。カッコイイー。
小野さんはオーロラ姫が似合うだろうと思ってましたが、やはりそのままでオーロラ姫そのものでした。可憐で煌めく姫。プログラムのインタビュー記事にあるようにローズ・アダージオで王子と目を合わせていました。
小野/福岡組はもう一度見に行きます。(えっ?)

新国立劇場「眠れる森の美女」特設サイト


14/11/08

新国立劇場『眠れる森の美女』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
待ちに待った新国立劇場バレエ団2014/2015シーズン開幕。新制作『眠れる森の美女』を興奮して観てきました。本日の席は1階前方。何度か観に行く予定なので、今回はダンサーの印象だけ。

本日のキャスト
オーロラ姫:米沢唯
デジレ王子:ワディム・ムンタギロフ
リラの精:瀬島五月
カラボス:本島美和
伯爵夫人:湯川麻美子
ガリソン(王子の知人):マイレン・トレウバエフ
エメラルド:細田千晶
サファイア:寺田亜沙子
アメジスト:堀口純
ゴールド:福岡雄大
長靴を履いた猫:江本拓
白い猫:若生愛
フロリナ王女:小野絢子
青い鳥:菅野英男
赤ずきん:五月女遥
狼:小口邦明
親指トム:八幡顕光
振り付け:ウエイン・イーグリング
指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

リラの精対カラボスはカラボスの圧勝。本島さんが迫力の踊り。役作りも不思議なカラボスで、ほぼ表情は封印。澄ました顔で悪事を働くような、目だけはフグのように真ん丸で睨むでもなく凄まないのに悪の迫力を発散しつつ、笑わないのにどこか茶目っ気もあり、美しい悪。あの踊り映えしない衣装と照明とセットの中よくもあれだけ存在感を出せたものです。カラボスが乗って登場するクモの乗り物は仰々しい。迫力もあり脚を手下が動かしたり面白かった。お金がかかってるなーという印象。カラボスはクモという解釈で『テレプシコーラ』(山岸涼子)を思い出す。
ゲストの瀬島さんは粘っこい踊り。年輪を感じさせる長唄風のリラの精。15日にはオーロラも踊ります。
1幕勇敢の精の奥田花純さんは威厳があった。1幕歓びの精、3幕赤ずきんの五月女さんは元気良くてコケティッシュ。容貌がレスリー・キャロン風。狼の小口さんはワイルドでやんちゃな感じがよく出ていた。おばあちゃんに化けた狼なので、エプロンで挨拶も可笑しくて、個人的には好みでない衣装のカバーになっていて良かった。イケメンの顔を拝めないのは残念だった(2幕狩の貴族役で顔は見えたけど)。小口君は2014/2015シーズン『こうもり』でヨハンを踊ると良い。
3幕は主役級、プリンシパルの大放出!一番見ごたえがあったのは3幕と思う。ゴールド役で出てきた福岡さんは圧倒的存在感。まさにゴールド。繰り出す技の迫力!福岡さんの主役の日が楽しみすぎる。フロリナ王女小野さん、青い鳥菅野さんも良かったけど、その後でてきた親指トム八幡さんがまた凄かった!跳んで回って青い鳥より跳んでいそうな。八幡さんの主役が見たいので『アラジン』再演希望。
シーズンゲストのムンタギロフは、以前アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト2014でデジレ王子踊ってたのとは段違いに良かった。ガラと全幕の違いなのでしょうか。長身で足が長くて優雅なまさしく理想的な王子像。長い脚で繰り出す技がピタッと決まって素晴らしかった。
オーロラ米沢さんは今回テクニック重視だったような。余裕の回転、安定のキープ、フィッシュダイブも決め、ラインも美しく。1幕では恥じらいを見せる陽気な姫、2幕では幻の女、3幕では惜しみなくテクニックを駆使する姫兼主役兼スターダンサーと、演じていたように思う。1幕ではだいぶ抑えた踊りをしているようにも見えましたが、3幕ではプリンシパル大放出に合わせて、米沢さんも輝きと勢いをますます増してきた。
カーテンコールにはイーグリングとその他おじさん(誰)と大原芸術監督が出てきて、うろうろしていたのが興ざめであった。
米沢/ムンタギロフ組はもう一回観に行きます。

新国立劇場「眠れる森の美女」特設サイト


14/11/02

『THE 39 STEPS』(演劇、公演)

バカン/ヒッチコック『三十九夜』の舞台化。すごくすごく面白かった。感想等は後日。


14/10/25

NBAバレエ団『ドラキュラ』(バレエ、公演)


14/10/19

新国立劇場『ドン・ジョヴァンニ』(オペラ、公演)

新国立劇場オペラ2014/2015シーズン2番目。シーズン最初のワーグナー『パルジファル』は初心者には長くて無理と判断し行きませんでした。モーツァルト『ドン・ジョバンニ』は全2幕休憩込3時間25分(休憩は25分間)。初心者にも観やすい演目でした。本日の席は4階正面C席寄りのD席。正面席に比べれば、まあ端っこなのですけど舞台端が一部見切れる程度で、以前見た『アラベッラ』の4階サイド席扉側にもかかわらずD席よりかは断然見やすくて、これならD席チケット争奪戦で4階席が当たってもいいかなと思った。実は先日『マノン・レスコー』の会員先行販売で4階席だったので買うのをやめてしまったのだ。なんにせよ、今日の私は「天井桟敷の人々」!厳密には新国立劇場にはD席よりも安いZ席もあるのですが同じ4階であることに変わりありません。
今日は物を落とす音が何度もあった。あんまりガチャガチャ音がするんでどうかと思う。たぶんオペラグラスを落としてるんだと思う。

本日のキャスト
ドン・ジョヴァンニ:アドリアン・エレート
騎士長:妻屋秀和
レポレッロ:マルコ・ヴィンコ
ドンナ・アンナ:カルメラ・レミージョ
ドン・オッターヴィオ:パオロ・ファナーレ
ドンナ・エルヴィーラ:アガ・ミコライ
マゼット:町英和
ツェルリーナ:鷲尾麻衣
指揮:ラルフ・ヴァイケルト
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
演出:グリシャ・アサガロフ

ドン・ジョヴァンニに実在の色男カサノヴァを重ね、舞台をスペインからイタリアはヴェネツィアに移した演出。この版は2008年初演、2012年再演に続く3度目の上演とのこと。ゴンドラにのったりするのがヴェネツィアっぽいかなーという程度。ピカピカ黒光りする床が水面のようでキレイな半面、河も地面も区別がないので同じ場所に騎士長の死体が転がってるのは不思議。ツェルリーナ達のいるチェスの駒みたいなセットは何なのかよくわからない。抽象的な何かなのか。
かなりコミカルなオペラで、悲劇もあるにはあるけれど、楽しく可笑しい演目であろう。観客の笑い声があちらこちらで上がっていた。主にレポレッロが笑いの対象であったけれど、個人的にはドンナ・エルヴィーラも可笑しかった。レポレッロがエルヴィーラにジョヴァンニの女性遍歴を歌う「奥さま、これがカタログでして」が楽しい。ツェルリーナの歌う「ぶって、ぶって、大好きなマゼット」もどうなのそれ、と思ってしまう可笑しさ。けっこう下世話なオペラでした。
見た目や演技よりも歌なのですよね、たぶん。個人的には容姿、演技、歌と三拍子揃っていてほしい、それどころか輝き、存在感もあってほしい。今回の歌手の人たちは割とスリムな人たちが揃って、容姿的には好感が持てた。ドン・ファンファン・・・ではなくてドン・ジョヴァンニのエレートにもっとワイルドな色気があると良いのになーと思わないでもないけれど、軽妙洒脱なコミカルさは出ていた。ミレンジョ姫・・・ではなくて、カルメラ・レミージョは美人だけど役のせいかあまり映えず。アガ・ミコライとマルコ・ヴィンコが役のせいもあって可笑しかったし、よくコミカルに演じていたと思う。歌もミコライが良かった。東京フィルの演奏はあまり覚えてない。
一幕終盤から、休憩をはさんで二幕中盤まで眠くなって困ってしまった。劇場の傾斜した席で、まして4階席で眠くなるのはガクッといった拍子に椅子から転げ落ちでもしたらと思うと怖いです。今年は初めてクラシックのコンサートにも何度か足を運んでいるのですが、やはり眠くなったことが数度。気持ちの良い音楽を聴いてリラックスしたと解釈しております。今回も楽しんでみましたが、眠気が飛んだのは騎士長の石造が登場してからです。
面白かったけど、オペラは動きが少ないのが物足りません。踊らなくてももっと動いてください。ちょっとまだオペラファンにはなれないなと思います。新国立劇場、次のオペラ公演『ドン・カルロ』は飛ばして、その次『さまよえるオランダ人』と『こうもり』はチケット購入済みです。さらにその次の『運命の力』『椿姫』は今日の公演を観てから決めようと思っていたのだけど、悩むところです。

新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」

注釈
ドン・ファンファン・・・タツノコプロのテレビアニメ『タイムボカン』シリーズ第5作目『ヤットデタマン』(1981年〜1982年)レギュラーキャラクター。声は山本正之。

ミレンジョ姫・・・同『ヤットデタマン』所謂3悪の女ボス。声は小原乃梨子。


14/10/12

Kバレエ カンパニー『カルメン』(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
Kバレエ カンパニー15周年企画の一つ。新制作の『カルメン』。なんだかあっちでもこっちでも『カルメン』ばっかですよね。そんなに人気がある題材なのかと疑問に思ってしまいます。同じに日には東京シティ・バレエ団も『カルメン』でした。
オーチャードホール本日の席は3階正面後ろの方。舞台は遠いものの正面席なぶんストレスがなく見れますね。隣のおっさんが止まらぬ鼻をずーっとスンスン鳴らしてて邪魔でした。薬飲んで家に帰ってください。

本日のキャスト
カルメン:浅川紫織
ドン・ホセ:遅沢佑介
ミカエラ:浅野真由香
エスカミーリョ:杉野慧
モラレス:伊坂文月
スニガ:スチュアート・キャシディ
指揮:福田一雄
管弦楽:シアターオーケストラトーキョー

「カルメン」という題材、お話が元々あまり好きではないので、案の定それに引きずられた形での観賞になってしまいました。新制作にもかかわらず今回もプログラムを買いませんでしたが・・・ますます値上がって3000円です・・・、お話は分かります。
舞台はセットがデカくて場所をとり、踊る場所が狭くて邪魔です。あんまり簡素でも寂しいけど。衣装は労働者とか密輸団とか小汚い色彩の衣装なのが残念というか、そもそも「カルメン」はそういうところも苦手な題材なのです。男性群舞は跳んで回って跳ねてダイナミックな振り付け。女性群舞は覚えてないなあ衣装の色が小汚いから目立たなくて。
カルメン浅川さんは、踊りは綺麗ですが、悪女とかファムファタールの魅力がありませんでした。ふてぶてしさもない、貫禄もない。主役の華はあったように思うのですが、カルメンという名高いファムファタールともなると、好みの悪女ではないにしてもやはりそれなりの期待をしてしまうもので、うーん、物足りない。工場の女を怪我させて捕まった後、手を縄で縛られてホセと踊るパ・ド・ドゥでは妖艶さも出て多少ファムファタール的雰囲気がありました。いずれ訪れる死の予感を随所で感じさせられたのは良かった。
遅沢さんは一幕一場のお堅いドン・ホセが良かった。踊りもピシっと決まる。カルメンに誘惑されて堕落したホセは、そういうキャラの人ではないかなと思いましたが、よく演じていました。遅沢さんは別の日に闘牛士のスター、エスカミーリョを踊っているので、それも見たかった。でも遅沢さん以外の主役の人はここは興味がないので、わざわざ遅沢エスカミーリョ目当てに行くことはない。本日のエスカミーリョは準主役にもかかわらず4番手くらいの脇役でお笑い担当に見えた。闘牛士だからキザで色っぽくてスターオーラをビシバシ発散していてほしいのですが・・・。
スチュアート・キャシディが踊って演技してで貫禄を披露。好色なおっさんぶりが良かったです。
全体的にスペインっぽい雰囲気を纏った人はいなかったです。
レベランスは皆さん役の延長のまま出てきてましたけど、遅沢さんは精神薄弱のホセのままだったので、もうちょっとしっかり挨拶せいと思ってしまったのは否めない。
指揮は井田勝大さんの予定だったと思うんですけど、福田一雄さんでした。


朗報。

『魔動王グランゾート』Blu-ray BOX
12月24日発売予定。

なんというクリスマスプレゼント!
1989年4月から1990年3月まで放送されたテレビアニメ『魔動王グランゾート』がついにBlu-ray BOX化。どうも25周年記念というくくりらしい感じです。クリスマス・プレゼントと書きながら個人的には少し遅れて買う予定ですが、我が最愛のテレビアニメの一つに違いはなく、嬉しいBlu-ray BOX化。


14/09/27

『グレート・ワルツ』(38年、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)

ヨハン・シュトラウスU世の伝記映画かと思ったらそうではなくて、彼を題材にしたフィクションだった。冒頭で伝記映画ではないとか字幕が出てるし・・・。要はMGMはシュトラウスU世の音楽を使ったミュージカルを作りたかったのねと納得することにした。ハリウッド製の伝記っぽい映画はまあそんなものか。仏の名匠ジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品でも見事にハリウッド映画らしいことにも驚いた。『ザッツ・エンターテイメントPART2』でも紹介される馬車上での作曲場面はやはり楽しくて心踊ります。
『ザッツ〜』を見ていたときは妙にふてぶてしい女優だと思っていた、ミリザ・コルジャスは改めて全編見るとすごいふてぶてしい貫禄。演技も含めてメエ・ウェストかと思う瞬間が多々あった。歌声はあまり好みではありませんでしたが、IMDbを見ると声楽家として活躍していたようなので、あの貫禄はオペラの舞台に立つプリマ故なのかな。
シュトラウスU世の妻を演じたのはルイーゼ・ライナー。アカデミー主演女優賞2年連続受賞の伝説的大女優にもかかわらず、見るのはこれが初めてです。どうやらまだご存命の様子・・・1910年生まれって、素晴らしいですね。なんだかフワフワと浮世離れた雰囲気でありつつ気丈でもありという不思議な存在感。夫の愛人と闘うと決意してから真逆に諦めるまでの演技が素晴らしかった。
シュトラウスU世役はフェルナン・グラヴェ。


14/09/21

東京バレエ団「ドン・キホーテ」(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
ゲストの日を観賞。当初ゲストはボリショイのプリンシパル、エフゲーニャ・オブラツォーワとデヴィッド・ホールバーグでしたが怪我と手術の為二人とも降板。代わってボリショイのリーディング・ソリスト、アナスタシア・スタシュケヴィチとヴャチェスラフ・ロパーティンになりました。
ゆうぽうとホール本日の席は2階最後列最安席。このホールはスペシャル感もなく、係員は感じが悪く、できれば行きたくないホールですが、見やすいことだけは確かだと思った。最後列とはいっても2階だし充分見やすく、チケットの値段を考えるとお得ではある。

本日のキャスト
キトリ:アナスタシア・スタシュケヴィチ
バジル:ヴャチェスラフ・ロパーティン
ドン・キホーテ:木村和夫
ガマーシュ:梅澤紘貴
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:柄本弾
キトリの友人:川島麻実子/河谷まりあ
ドリアードの女王:渡辺理恵
キューピッド:松倉真玲
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ウラジミール・ワシリーエフ改定版のドン・キは話のつながりが色々悪かった。いきなり冒頭でバジルとキトリがドン・キホーテのところにいる。エンジェルが出てきてキホーテを矢で射ぬくと、キホーテはキトリをドルネシア姫と思い込むって・・・エンジェルはキホーテを痴呆症にしちゃったの?ガマーシュはあちこち動き回ってワル目立ち、エスパーダの愛人がメルセデス一人なので恋の喧騒不足、ジプシーのとこまでエスパーダがメルセデスと一緒について行くのは場違い、そしてエスパーダだけ衣装替えがないのが残念。と、いろいろ不満なバージョンでした。一幕一場は楽しかったんだけど、そのあと2場で少し退屈してしまった。とはいえ、ドン・キなのでパーッと盛り上がって騒がしくて華やかで、細かいこと気にしなければ充分楽しいです。
ゲストはちょっと華やかさに欠けるのは否めませんがなかなか良かったです。二人とも細くてすばしこい感じが小気味の良いキトリとバジル。実生活では夫婦らしいです。ロパーティンは公式に載ってた写真の頭が薄いのでどうかなと思ったけど、実際に見るとこれも気にならず。狂言自殺の場面、笑いもいくらか起こってましたが、個人的にはもう少し可笑しくてもいいかな。他の場面では割と茶目っ気がありました。スタシュケヴィチは細くて長い脚が綺麗に伸び上がり、グランフェッテはシングルのみでした。
東京バレエ団のプリンシパル、エスパーダ柄本さんは、闘牛士の先頭で同じ振りで踊ってると脚は他の人より高く上げて動きも丁寧に踊っていてプリンシパルとその他の差はわかるものの、なんかキメが甘いのかなー。もっとこうシャキーンとキメてキザったらしいエスパーダが見たい。なんか昔のアイドル・・・竹本孝之みたいだったかも。身長低いと思ってたけど、そうでもないのかな。
そして闘牛士が床に短刀を刺す場面、失敗したら2回くらいであきらめればいいのに・・・親の仇のように何度も床を刺してました。うーん。でも闘牛士は赤い衣装がかっこよくていいですね。
ガマーシュ梅澤さんは若々しさが出まくっていて元気ですね。地方公演ではバジルも踊る若手さん。この版のガマーシュはあっちこっち動きまくってるせいもあって鬱陶しいくらい元気。ガマーシュというキャラクター的にどうなんだろう。可笑しかったからいいのか。
カーテンコールも終盤という頃、立ち上がって拍手するわずかな人に係員が寄って行って座るよう促してたけど、そういうもんなの?スタンディングオベーションはいいけど、立つ人が少ないときはダメとか?

東京バレエ団「ドン・キホーテ」


14/09/14

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
マルセロ・ゴメスのゲスト出演が話題ですが、当日にならないとキャストが発表されず、ゴメスを見るにも当たるも八卦、当たらぬも八卦。なのでチケットは1回分しか買わず、ゴメスは観れなくともまた別の機会でいいやと思ったら案の定、ゴメス出演日ではありませんでした。
渋谷ヒカリエ11階にある東急シアターオーブ。エスカレーターで上がっていく途中7階に川本喜八郎人形ギャラリー発見!多少時間があったのでいそいそと入りました(無料)。おいてある人形はNHK『人形劇三国志』『人形歴史スペクタクル平家物語』。『平家〜』から見始めて、さすがにメインキャラはなさそうと思ったら、『三国志』では諸葛亮孔明がドーン!ああ、いいもの見たよ。孔明見たからゴメスはもういいよ。
東急シアターオーブ本日の席は5〜7列目のサイドブロック。失敗席でした。段差が8列目からなので、前のおっさんのデカい頭が舞台端っこを隠してしまいます。舞台の量端はカーテンで隠して少し狭く使っていたんですかね。セットの関係でしょうか。そのため前方の端っこ席は布をかけて使用できないようになっていました。

本日のキャスト
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:クリス・トレンフィールド
王子:クリストファー・マーニー
女王:アンジャリ・メーラ
ガールフレンド:キャリー・ジョンソン
執事:ポール・スメサースト

キャスト表くらいくれればいいのに、仕方がないのでロビーで写真を撮ってきた。
観る前はオーケストラ生演奏だといいのにと思ってましたが、テンポがものすごく速い場面(オデットのアダージョとか)も多々ありこれはちょっと生演奏は無理そうかも。ダンスのタイミングも合わないと失敗すると怖いですし。
理解できない面がちらほら。比較対象として書くと、オデットは人の形をとっている存在。オディールはオデットに良く似た存在。だから間違えるのは仕方がない。ザ・スワンは人が踊っているけれど人型設定ではないと思うのだけど、それと人型のザ・ストレンジャー(人間)が似ていて混乱する王子って意味わかんない。そして第4幕、監禁されているであろう王子の部屋に現れる白鳥はどこから侵入したのか。4幕は精神錯乱した王子の悪夢、もしくは精神世界だっただろうか。それとも現実はプロローグとエピローグだけで他はすべて悪夢だったのか。そうとでも思わないと納得できません。白鳥たちが王子とザ・スワンを襲うのは野生の掟を破ったから?
コールドやらソリストはとっかえひっかえ別の役で踊って慌ただしく、大変ですね。着替えもあるし。また激しい踊りだから尚のこと。白鳥達の後ろにあげた脚がふらふらしてましたけど。
クリス・トレンフィールドは顔が地味でも体は大きく、スワンも悪くなかったけど、ストレンジャーの方が良かったかな。クリストファー・マーニーの王子は情けない風情が良く出ていて、踊りも良いけど身長は低い。二人の同性愛的なダンスは王子が女役っぽいです。
本日一番心に残ったのはガールフレンド。浅はかで下品であばずれで気のいい情の深い女。蛾のバレエ観賞シーンとか楽しい存在感。一転して彼女の悲劇に3幕は衝撃を受けた。キャリー・ジョンソンは誰かに似て見えると思ったら、バーバラ・イーデンに似てるんだ。バーバラよりスタイル的にムチムチパッツンな感じ。ダンサー体系ではなくてもあれだけ踊っちゃうんだもんなあ。
チャイコフスキーの音楽がこれだけ斬新な物語、演出に耐えられるのが凄いと思った一方で、ハンガリーとかナポリとかディヴェルティスマンはいささか古めかしくも感じた。通常の「白鳥の湖」だと王子とオデットが出会って踊る場面はやはり王子とザ・スワンで追いかけっこして踊ってほしかったと思ってしまう。黒鳥のグランフェッテもやはりフェッテして欲しかったなあ。
もっと見たくなったら追加でチケット買うかも・・・と思ってたけど、幸い買わずに済みました。とても面白かったけど、派手で濃くてキモくてゴージャスに盛り上がったのでもうお腹一杯一度で満足しました。バレエ(コンテ?)というかショーというかレビューの世界ですね。キャスト発表が当日までないというのも自信の表れなのでしょうね。

カーテンコールは写真撮影可となっていたので、写真撮ってみたんですけどうまく撮れず。あきらめて拍手に勤しみました。

マシュー・ボーンの白鳥の湖


14/08/30

東京バレエ団 祝祭ガラ (バレエ、公演)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
東京バレエ団50周年記念のガラです。NHKホール本日の席は2階サイドの中間あたりで壁に近い方。2階正面1列より舞台に近くて(1階席の13列目くらいに相当)、舞台端が見切れますがB席で値段が少々休め設定なので、良しとしましょう。
NHKホールは思ったほど豪華な感じはしませんが、正面は花で飾られお祭り気分。ロビーに貼られた東京バレエ団過去公演のポスター等、趣がありました。そして大入りの記念品が配布されました。
今夏いくつか見たガラの不満を払しょくする公演でした。というのは、すべてオーケストラによる演奏付。そして単体で独立した演目が3つあり、バリエーションだけとかパ・ド・ドゥだけとかのみのガラの物足りなさを感じさせません。
バレエ演目が始まる前に、50周年の歩みを駆け足で振り返る映像を上映。映像自体は物足りないものですが、音楽が生演奏でした。おお。なにやらサイレント時代の映画の豪華版上映を思わせる良い体験でした。その勢いで演目ごとに幕が開くとスクリーンに題の紹介が映され、そのスクリーンが開くとバレエが始まります。これはちょっとやり過ぎ感があったのと、せっかくなのでメインのキャストだけでも表示してくれても良いような。

「ペトルーシュカ」
ペトルーシュカ:ウラジミール・マラーホフ
バレリーナ:川島麻実子
ムーア人:森川茉央
シャルラタン:高岸直樹
ほか

全一幕。結局「バレエ・リュス展」は見に行かなかったけど、バレエ・リュスの演目は観れたので良しとする。斬新と言えばそうかもだけど、古いロシアの民族性を打ち出したに過ぎないような気もする。昔のソ連製ファンタジー映画、アレクサンドル・プトゥシコよりもさらに泥臭いアレクサンドル・ロウを思い出す。ロシア製ファンタジーにはやっぱり熊が付き物なのね。悪魔の登場に舞台上の人々といっしょになって驚く。雑多な印象であまりバレエという印象はない。主役三人が人形なので、そのような動き(踊り)であったことは物足りない。
マラーホフはカーテンコールの際にカーテンから顔をちょっと出した瞬間が最高潮。むしろムーア人の森川茉央が印象に残った。森川は続く「スプリング・アンド・フォール」と「ボレロ」でも踊っていて大活躍。シャルラタン高岸のギョロギョロした目が印象的。

「スプリング・アンド・フォール」
沖香菜子
梅澤紘貴
ほか

『テレプシコーラ第二部』で踊られてるのはこれですね。
コンテってどう見たら良いのかよくわからなくて、ボーっと見るしかないんですが。「くるみ割り人形」主演予定の若々しい沖/梅澤。「くるみ〜」は見行こうかと思ったけど日程が合わないので残念。

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
オネーギン:マニュエル・ルグリ
タチヤーナ:吉岡美佳

これだけが普通のガラっぽい演目。とはいえ、約10分間のみでドラマを醸し出していた。ルグリのスタイルの良さがかっこいい。

「ラ・バヤデール」より”影の王国”
ニキヤ:上野水香
ソロル:柄元弾
ほか

影の王国抜粋。ガラ公演なので、演技は重視してないのかもしれない。通常、婚約式で踊るソロルのヴァリエーションをねじ込んでいた。上野はドヤ顔を見せ、柄元は踊るのが楽しいといった風情。柄元はせっかく脚が太いのに、そして身長が低めなのに、跳躍がそれほど高くないのが残念ではあった。

「ボレロ」
シルヴィ・ギエム
森川茉央
永田雄大
岸本秀雄
ほか

バレエを見始めた年にギエムを見れて幸運だ。ギエムは来年引退ということだし、貴重な機会でもある。引退公演のチケット取れるとは限らないし、ボレロを踊るとも限らず最初で最後の機会かもしれない。ずいぶんと手がでっかいと思ったらスポットライトのせいでそのように見えたのだった。円卓の上で踊るダンサー(ギエム)がメロディ、周りの半裸の男達がリズム。後ろの方のリズムの人たちは東京バレエ団の人ではないのかなと思った。バレエっぽい体型ではなかったので。岸本秀雄も本日活躍が見えた。生演奏で踊る「ボレロ」は珍しいらしい。

東京バレエ団創立50周年祝祭ガラ


14/08/24

『Louisiana Purchase』(41年、アーヴィングス・カミングス監督)

やあやあ映画の話題はとんとご無沙汰です。とはいえ、映画を忘れたわけではないのですが、しかしやっぱりバレエに関するものです。
山岸涼子『黒鳥』は高名な振付家ジョージ・バランシンの妻でバレリーナのマリア・トールチーフを描いた漫画ですが、その前妻でやはりバレリーナのヴェラ・ゾリーナがちらっと出てきては”女優”と揶揄されるシーンがあり、ゴールドウィンの『華麗なるミュージカル』にも出演していることでも知られる彼女を見たいなと思っていたのです。
本作は元々はブロードウェイ・ミュージカルでバランシンの振り付けであったようですが、映画版にはIMDbにも振り付け家は記載されておりません(youtubeにはバランシン振り付け作としてアップロードされてましたが)。ヴェラは舞台版のオリジナルキャストから映画にも引き続き出演。とはいえ、映画化に当たり主演男優はボブ・ホープですから、大したものです。まあいつものように、ボブ・ホープ主演のドタバタしたテクニカラー・コメディーとして楽しめばよろしい。
アーヴィング・カミングスは好きな監督ですが、ここでは間延びしたテンポで今一つギャグがはじけず大人しい印象の映画になってしまったのは否めません。DVDの画質があまり良くないので、華麗なるテクニカラーとは言い難いですが、色彩は豊か。ファッション・ショーの場面があるのは、この時代のテクニカラー作品らしいですね。
ボブ・ホープは髭のギャグが秀逸でした。『スミス都へ行く』のジェームズ・スチュワートのパロディがあったりします。彼が歌う場面がないのは残念ですね。
一方ベラ・ゾリーナは下手な歌を軽いダンスに合わせて一曲披露。それからパーティの場面でバレエを一つ。現代のダンサーを見ていると物足りないような気もしますが、綺麗でした。ホープにそそのかされて美人局をする役で、なかなかコミカルに演じて健闘していたと思います。ヴェラの出た、そしてバランシンが振り付けた『Star Spangled Rhythm』のDVDも買ってあるので、いずれそのうち見てみよう。
上院議員役のヴィクター・ムーアが舞台版のオリジナルキャストとはいえ、精彩がなく鬱陶しい。これならもっと脇役で出ている生き生きした爺レモンド・ウォルバーンにしたほうが良いけれど、それでは正直者ではなくなってしまうのだった。
私の好きなちょっと良い脇役女優ドナ・ドレイクが一曲歌って踊るものの、役らしい役もなくとはいえちょっと場をさらっていくのだった。ピンクのブラジャー!
ちなみに先のマリア・トールチーフは調べたらエスター・ウィリアムズの『百萬弗の人魚』(52年)でアンナ・パブロワを演じている人でした。

米版DVDで観賞。
ユニバーサル
『Never Say Die』とカップリング


14/08/17

勅使川原三郎新作 睡眠−Sleep− (公演、バレエ)


14/08/16

谷桃子バレエ団『ジゼル』(公演、バレエ)


14/08/12

ローレン・バコール死去


14/08/09

ロイヤル・エレガンスの夕べ2014 (公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
英国ロイヤル・バレエとバーミンガム・ロイヤル・バレエの人たちのガラ。日本青年館ホール1階前方席での観賞。ロイヤル・バレエのスターがドサ回り気分にならないかと心配してしまう、スペシャル感の皆無なホール。古びた区民間か旅館の宴会場的な。でも国立競技場解体に伴って移設するようなので、ここで見るのは今回が最初で最後かな。座席がどう座っても足が余ってしまい、奥に沈んで席が斜めになる現象。前方席は段差もないので、前の人たちの頭が一部舞台にかかり、ダンサーのつま先が見えない部分もありましたが、やはり迫力があり楽しめました。

「真夏の夜の夢」よりタイターニアとオベロンのパ・ド・ドゥ
ラウラ・モレーラ/ツァオ・チー

「レクイエム」よりパ・ド・ドゥとソロ
崔由姫/ネマイア・キッシュ

「エニグマ変奏曲」よりトロイトのソロ
リカルド・セルヴェラ

「コンツェルト」よりパ・ド・ドゥ
佐久間奈緒/ベネット・ガートサイド

「眠れる森の美女」より第三幕のパ・ド・ドゥ
サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「ルーム・オブ・クックス」
ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ/ネマイア・キッシュ

メタモルフォシス:ティツィアーノ2012
「トレスパス」よりパ・ド・ドゥ
サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「エリート・シンコペーションズ」よりスウィートハート(恋人)
崔由姫/リカルド・セルヴェラ

「アスフォデルの花畑」より第二楽章
ラウラ・モレーラ/ベネット・ガートサイド

「ベアトリクス・ポター物語」〜ピーター・ラビットと仲間達〜より まちねずみジョニー
五十嵐修

ディアナとアクティオンよりパ・ド・ドゥ
佐久間奈緒/ツァオ・チー

「Rotaryrotatory(ぐるぐるまわる)」
崔由姫/ダンス・ツアーズ

「瀕死の白鳥」
サラ・ラム

「キサス」
ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ

「チャルダッシュ」
スティーヴン・マックレー

これだけの演目あって予定上演時間が休憩時間含んで125分。一つ一つの演目が短いとはいえ、実際には150分くらいになっていました。先日見たパリ・オペラ座の人たちに比べてイギリスの人たちは見た目の麗しさに欠けるものの、前方席で見たせいか迫力もあるし、演劇性の強い演目、ぐるぐる回って飛んでのアクション性も高く、そろそろガラに飽きていたもののとても楽しめました。台風で流れないでよかった。
「エニグマ変奏曲」のリカルド・セルヴェラはチャカチャカ踊って楽しかったんだけど、あっという間に終わってしまった。「ルーム・オブ・クックス」は台所での夫婦と間男(?)のサスペンスかな。プログラム買ってないのでわかりませんが。肉切り包丁がテーブルに刺さっててヤバかった。バーミンガム・ロイヤルのプリンシパル佐久間奈緒さんは体の柔らかい踊り。
とはいえ、注目はほぼスティーヴン・マックレー一択状態。先日のアリナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクトと今回でなんだかすっかりファンになってしまった。もうガラは(来年も)行かないつもりだったけど、マックレーが出るなら見に行こうかなと思ってしまう。「眠れる森の美女」第三幕のパ・ド・ドゥはあんまり好きな振り、音楽ではないのだけど、踊る人が違うとこうも素晴らしいのかと(この前のムンタギロフがちょっと物足りなかったせいもあるかも)。そして世界初演、マックレー振り付けの「チャルダッシュ」。もはやタップダンスじゃんと思いつつ、ぐるぐる回りつつ足を踏み鳴らし、ガツガツカカカと目の前で踊られた日にはテンションも上がりますよね!ああ、いいもの見たなー。

ロイヤル・エレガンスの夕べ2014


14/08/03

エトワール・ガラ2014 Aプロ (公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
パリ・オペラ座のエトワールを中心にした(?)ガラ公演。オーチャードホール3階サイド席前方での観賞。壁際だったのでちょっと見切れましたが、見やすい席でした。

「ジュエルズ」より”ダイヤモンド”
ローラ・エケ/オードリック・ベザール

「マノン」第一幕よりデ・グリューのヴァリエーションとパ・ド・ドゥ
イザベル・シアラヴォラ/フリーデマン・フォーゲル

「白鳥の湖」第2幕よりアダージョとヴァリエーション
アマンディーヌ・アルビッソン/マチュー・ガニオ

「マーラー交響曲第3番」より
シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ

「3つの前奏曲」
ドロテ・ジルベール/オードリック・ベザール
ピアノ:金子三勇士

「月の光」
エルヴェ・モロー
ピアノ:金子三勇士

「オネーギン」より”鏡のパ・ド・ドゥ”
アマンディーヌ・アルビッソン/フリーデマン・フォーゲル

「アルルの女」より
シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ

「イン・ザ・ナイト」
イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュ
ドロテ・ジルベール/マチュー・ガニオ
ローラ・エケ/エルヴェ・モロー

当初の予定とは3人入れ替わってプログラムの変更もあったものの、それなりの満足感。本日一番の喝采を浴びたのはパリ・オペラ座ではなくて、ハンブルクのシルヴィア・アッツォーニとアレクサンドル・リアブコ。特に「アルルの女」は場内が騒然としていた。けれど、私はあんまり興味がなくて、この二人の時は眠かった。見る前の期待はこの二人が一番だったんですよ。チラシの写真と実物があまりにも剥離していたせいもあるかも。
気に入ったのはマチエス・エイマンの代わりに出演になった、シュツットガルトのフリーデマン・フォーゲル。やはり物語と演劇性のあるバレエが好きみたい。フォーゲルは2演目ともこの日二番目ぐらいの大きな拍手だったと思う。純情お坊ちゃん風デ・グリューと、鏡から現れる黒づくめの悪魔的なオネーギンの演じ分け、踊り分けが素晴らしかったです。来年のシュツットガルトの来日公演にくると良い。
パリ・オペラ座の人々は見目麗しく、特にスタイルが、脚の長さがすごかった。でもダンスはあまり心に響かず。なんというか、外国人のスターダンサー達の輝き、オーラも思ったほどではない。これなら日本人ダンサーを見に行ったほうが良い。
フィナーレで出演者が1階通路を駆け抜けて行くサプライズ。追いかけるおじさん。止める係員。上から見ていてギョッとした。

エトワールガラ2014


14/08/02

新国立劇場オペラ研修所オペラ試演会『ラ・ボエーム』『秘密の結婚』(公演、オペラ)

新国立劇場の小劇場で行われたオペラ研修所15〜17期生の試演会を観てきました。チケットが安いのでオペラ初心者には良いかなと思って。2本立てで『ラ・ボエーム』は抜粋版、『秘密の結婚』は短縮版で、セットも簡素だし、演奏もオーケストラではないのですが、行って良かったです。すごく楽しめました。
2日と3日でそれぞれ同じ演目を違うキャストでの上演。私が行ったのはこの日だけです。

『ラ・ボエーム』
演出:三浦安浩/指揮:河原忠之/ピアノ:高田絢子
ロドルフォ:菅野敦
ミミ:上田純子
ムゼッタ:清野友香莉
マルチェッロ:岡昭宏

たぶん3幕、4幕からの抜粋。ミミの病気がわかって別れ話になったけど、冬は寒くてさみしいから春になったら別れましょうと歌った後、すぐに死にそうなミミが部屋に運ばれてくるという抜粋。オペラのラ・ボエームは観るのは初めてで、ついつい映画の『ラ・ボエーム』(ヴィダー)を思い浮かべてしまう。
試演会なので特に期待があるでもなく、歌だけ聞ければいいかなと思っていたので、そういう意味では楽しめた。ロドルフォうぜえ、と思っていたらミミもうぜえ性格でげんなりした。
上田さんと岡さんは研修所出身。他の人は研修生。演奏はピアノのみ。

『秘密の結婚』
演出:粟國淳/指揮:河原忠之/ピアノ:石野真穂/チェンバロ:大藤玲子
ジェロニモ:松中哲平
エリゼッタ:竹村真美
カロリーナ:城村紗智
フィダルマ:高橋紫乃
ロビンソン伯爵:大野浩司
パオリーノ:岸波愛学

直前に『ラ・ボエーム』を見たことをすっかり忘れてしまうほどの、衝撃とういうか笑劇だった。庶民向けのオペラ・・・オペラ・ブッファというのですね。コミカルな題材を泥臭く演出。でもそれが可笑しくて。歌声も楽しみましたけどオペラを聞くというよりすっかり演劇として楽しんでしまった感がある。セットは応接室のみで場所移動はなし。こちらはピアノの他チェンバロも演奏。短縮版とはいえお話の筋も十分わかる。
出演者はそれぞれ大健闘と言えるでしょう。歌声もですが、どなたもコミカル演技が素敵でした。口論の最中、ジェロニモが相撲のしこを踏めばロビンソン伯爵がアチョーとカンフーっぽい動きをしたり、オペラってそういうのもありなんだと驚きつつ、その泥臭さを楽しまずにはいられません。竹村さんがメガネをかけて高慢ちきなさえない娘を演じてるのも面白かったです。カロリーナ城村さんはコケティッシュで気の強いお嬢様をそのように歌って演じていました。
可笑しさの最高潮は行かず後家のフィダルマに迫られて「頭がクラクラする」「それは愛のせいよ」とか歌いつつ召使パオリーノが気絶する場面。フィダルマ高橋さん、まだ若いのだろうに熟女の色気が・・・。あれもまた演技だったのでしょうか。パオリーノ岸波さんは、カジュアルな声というと語弊があるかもしれないけれど、なんだか不思議。私がオペラを聞きなれないのでそう感じたのかもしれません。モテ役には似合っていたと思います。この6名、そろって芸達者だったので、今にも踊りだしそうと思ってしまった。踊る声楽家を目指してみませんか。
たったの二日のみの公演(キャスト入れ替えで)だったのがもったいないと思ってしまう充実の試演会でした。この際、年に2回と言わず6回くらい行えばいいのに。

次回オペラ研修所の公演(コンサートを除く)は来年2月の『結婚手形』『なりゆき泥棒』。なにそれ題名だけで面白そう。見たいですが、日程が新国立劇場バレエ団の『ラ・バヤデール』とかぶってるので行けません。残念です。

新国立劇場 秘密の結婚/ラ・ボエーム(抜粋上演)


14/07/27

新国立劇場『こどものためのバレエ劇場 しらゆき姫』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
二度目の観賞は、昨日よりもさらに肩身が狭い気がしましたよ。すいません、すいません、ご家族様に混ざって観賞してすいません。おひとりさまは卑屈ですね。とはいえ、本公演が11月までないことを思うと見に行かないわけにもいかないのです。

本日のキャスト
しらゆき姫:小野絢子
レックス王子:福岡雄大
お妃:本島美和
ミラー(鏡の精):小柴富久修

本日は主役級キャストにプリンシパル3人の豪華な日です。やはりプリンシパルってすごいのですね。主役オーラ、スターオーラをびしばし発散。この人たちを見ていると子供向けであることを忘れてしまいます。
小野さんは清楚な姫。あの(元々の)困った感じの顔がしらゆき姫の不幸なおい立ちを自然に感じさせます。踊りも美しく輝くばかり。
福岡さんはスポーティな武闘派の王子。森の精相手に立ち回る姿が前回の『パゴダの王子』を思い出させます。踊る場面が少ないのが残念ですが、さすがの主役。小野さんを支えてのポーズも決まってました。
本島さんは悪女のオーラをギラギラ輝かせていました。素敵。さすが悪女3連続。踊りも悪役らしい迫力があり、演技も怖かったり、毒りんご製作過程ではコミカルかつコケティッシュだったり緩急あってよかったです。終盤、しらゆき姫の結婚式に乗り込んで、森の精にベール(布?)をかけられてつかまってしまい、しらゆき姫の命乞いによって後悔し改心するという場面があるのですが、ベールの中でも後悔や改心を表現していて感心しました。ブラボー。次回カラボスが楽しみですね。
昨日、森の精に一人目立つ人がいたので、役名を確認するつもりでいたら本日も同じ人が踊っていまして、森の精ビッグ役の池田武志さんでした。アーティストの人なのですね。衣装も地味だし、役柄的にも目立つキャラでもない感じですが、踊るとキレがあって跳躍も高く、脚も開いて、7人の中でもつい目で追ってしまいました。演技らしい演技や存在感の必要のある役だとまた違うかもしれませんが、今後に期待。
とまあ、子供向けとはいえ面白かったです。強いて言えば、しらゆき姫と出会った王子がいずれ迎えに来るだったか城に呼ぶだったか言いつつ、3年過ぎて死んで横たわってる姫を見てこれは誰かと問うのは、いい加減な王子だと思ってしまったな。

新国立劇場 こどものためのバレエ劇場 しらゆき姫


14/07/26

新国立劇場『こどものためのバレエ劇場 しらゆき姫』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
こどものためのバレエだというのに大人が一人で見てきましたよ。肩身が狭い。世知辛い世の中だよ。子供が一人で見に行くわけないから、ご家族様向けの公演ですね。75分くらいの公演時間のうち20分休憩を含みます。うーん、短いです。オーケストラもなしで録音音源。その分、値段設定が低く、全席同じ値段なのですが、いつもはとらないような席にしました。

本日のキャスト
しらゆき姫:細田千晶
レックス王子:林田翔平
お妃:寺田亜沙子
ミラー(鏡の精):宝満直也

しかしまあなんで子供向けって台詞をつけたがるのかね。録音音源による台詞は男性キャラも女性が吹き替えてたりして、アニメならいいけど生身なのでちょっと気持ち悪いです。子供向けなので王妃の悪さがマイルドになっていたり、そのお付がコミカルだったり、鏡(の精)が踊ったり。とはいえ、思ったよりもちゃんと(?)バレエらしくて楽しかったです。
私が見たのは午後公演で細田千晶さん、林田翔平さんの主役デビューです。林田さんは怪我で降板した菅野さんの代役で前日に既に王子を踊っていますが。
細田さんは庶民的で善良なお姫様。堂々の主役デビューですね。
新国立劇場のブログを見ていたので自立した逞しい姫に見えるような・・・。次はもっときらめきを期待。
林田さんは、ソロもサポートもまだまだこれからかなと思いましたが、着地の音も出さずに踊ります。イケメン顔と長身のスタイルの良さに恵まれて、そういう人特有の穏やかなイケメンオーラがありましたが、次はもっと存在感を期待します。森の精との乱闘はコミカルさが出ていました。2014/2015シーズンの「白鳥の湖」で王子役になると良いです。
お妃は寺田亜沙子さん。寺田さんの主役級を見るのは初めてです。このキャストの回はファースト・ソリストの寺田さん以外はソリストより下の人たちで、他の日の公演も主役級がプリシンパル以外はそんな感じなので若手公演みたいなものかも。寺田さんは足が高く上がって踊りも安定していて綺麗。これ最後に改心しちゃう(!)王妃なのでそういうものなのかもしれないですが、凄味があまりなく、ソフトな役作り。王妃はもっと悪女の魅力をギラギラさせてもいい。12月の『シンデレラ』寺田さん主役の日も見に行こうかな。
鏡の精の宝満直也さんはクールかつミステリアス。前回『パゴダの王子』のセカンド・キャストでの南の王もミステリアスでしたが、そういう持ち味なのかな。成長が楽しみなダンサーと思いました。ロットバルトとか良さそう。ソロルとか悩む主人公も似合いそうかも。
おとぎ話などだと7人の小人なのですが、それに相当するのが森の精でした。身長の低い人をそろえたわけでもなく、大人が踊っているのでそうなったのでしょうか。この人たちは「ただいま」とかセリフもしゃべった。そのくせ吹き替えになると女性の声になるキャラもちらほら。森の精ボス役は小口邦明さん。赤い帽子が変ではありましたが、兄貴分的存在感も頼もしく、いずれ主役も見たい。

新国立劇場 こどものためのバレエ劇場 しらゆき姫


14/07/23

青島広志の夏休みバレエ音楽コンサート2014(公演、クラシックコンサート)


14/07/20

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2014 Aプロ(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
初ガラ公演観賞。オーケストラ付の全幕公演が好きなので、ガラはあんまり興味がなかったのですが、いろんな演目の一部分が見れて、世界で活躍する人たちも色々見れて初心者にはむしろいいのかもと思い、この夏はガラばっか。ですが、チケットとる日を失敗しました。先にこちらのチケットをとった後で新国立劇場の世界で活躍する日本人を招いたガラ『バレエ・アステラス』の日程が発表になって、行くつもり満々でいたアステラスが同じ日でがっかり。アステラスがもっと早く日程を出してくれたら・・・。あまり早くチケットとるのも考え物だなー。
ゆうぽうとホールはスペシャル感のない地味なホール。2階の後方で見ましたが、傾斜がきついので前の人も邪魔にならず、わりと舞台も近い感じがしました。

本日の演目・キャスト

「オープニング」
アリーナ・コジョカル
オヴィデュー・マテイ・ヤンク
ロベルト・エナシュ
堀内尚平
クリスティアン・プレダ
ルーカス・キャンベル

「眠れる森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
ローレン・カスバートソン
ワディム・ムンダギロフ

「HETのための2つの小品」
ユルギータ・ドロニナ
イサック・エルナンデス

「エスメラルダ」
日高世菜
ダヴィッド・チェンツェミエック

「ラプソディ」より
吉田都
スティーヴン・マックレー

「5つのタンゴ」よりソロ(日替わりプログラム)
イサック・エルナンデス

「リリオム」よりベンチのパ・ド・ドゥ
アリーナ・コジョカル
カーステン・ユング

「白鳥の湖」第2幕より
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー
東京バレエ団

「海賊」ディヴェルティスマン
大勢

プログラム書くだけで一苦労ですね。これガラ公演の度書かなきゃいけないのか・・・。いくつか目玉の演目と気が付いたことだけ。
「リリオム」はノイマイヤー振り付け、ミシェル・ルグラン作曲。「リリオム」と言えば・・・映画ではフランク・ボゼージもヘンリー・キング『回転木馬』も二人の巨匠が、巨匠だけに見どころはそれぞれあるとしても、あまり成功していないですよね。なので好みの題材ではないかなと思って未だにフリッツ・ラング版は見てません。バレエは抜粋でお話の前後がわからなくてもなんとなく、だいたいあの辺のところかなと思って見てました。たぶんカーニバルに行った帰りだと思うんですけど、だとしたら鼠色の小汚い服ってことはないだろう。コジョカルは鼠色の服で回転木馬のもぎりのリリオム=ユングと踊ってました。それにしてもミシェル・ルグランって現役の作曲家なんですね。私の中ではルグランは1960年代の人です。
「白鳥の湖」第2幕のコジョカルは・・・すごくうまく踊る棒というか、棒を演じて踊っていたというか。踊るテクニックは素晴らしかったけど、白鳥ではなくてきれいな棒だった。コボーはサポートばっか。東京バレエ団はちまちました印象。4羽の白鳥ももう少しダイナミックでもいいのに。
「海賊」は全幕を見たことがなくて、良くわからないのですが盛り上がりました。たぶん同じ役(コンラッド?)をコボー、ムンタギロフ、チェンツェミエックの3人が踊り、コジョカルはなぜかガムザッティのヴァリエーションを踊り、みんな一斉にフェッテぐるぐる回る競争してた。マックレーが飛んで回って決めて大活躍。個人的にはお祭り騒ぎな「海賊」が一番の楽しかった。
ルーマニア国立バレエの日高さんと堀内さんを見れたのは嬉しい。あと、喝采を浴びた吉田都さんは年齢を感じさせず。ムンタギロフは11月に新国立劇場で『眠れる森の美女』全幕を米沢唯さん相手に踊るので興味があったのですが、長身で柔らかい雰囲気。うーん、でも新国立劇場のゲストにましてや米沢さんの相手に呼ぶほどか?あまり気に入らなかった模様。個人的にはエルナンデスとマックレーが気に入りました。マックレーは今度また見る機会があるので楽しみです。
結局、もうガラ公演はいいやという感じ。でもチケットいっぱいある・・・。

NBS アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2014


14/07/05

劇団四季『ライオンキング』(公演、ミュージカル)

初、劇団四季観賞です。劇団四季『春』劇場はこじんまりしてますね。2階B席で見たのですが、狭いのでB席でも舞台が近いのは良いです。傾斜がきついので前の人の頭も気にならないと思います。しかしB席は最安値席だけあって、3階の天井が邪魔になります(3階は2階B席より値段が高い)。舞台の一番上部分は見えません。身を乗り出さずに頭を下げようと努力したら、なんだか首が痛くなってしまった。また1階席通路を動物役の人たちが行進する様子も見えません。

本日(ソワレ)のキャスト
ラフィキ:金原美喜
ムファサ:内田圭
ザズ:田中廣臣
スカー:萩原隆匡
ヤングシンバ:野々田桂輔
ヤングナラ:柴田梨々子
シェンジ:本行里衣奈
バンザイ:池田英治
エド:川野翔
ティモン:大塚道人
プンバァ:福島武臣
シンバ:南晶人
ナラ:谷原志音
サラピ:渡邉万希子

マチネもソワレも同じキャストなのかな、たぶん。四季のサイトに週間キャストが載っているということは1週間は同じキャストということですか。チケット買うのがだいぶ早いと誰が出るかわからないですね。そしてこのキャスト順も不思議なもので、劇場に貼られた順番どうりなのですけど、主役が一番上じゃないのね。
CMなどでも目にする(家にテレビはありませんが)あの不思議な動物たちの被り物というか、パペットというか、人間が動かすキリンとか豹を一度見てみたいと思っていたのです。実際見てもなかなか不思議な感じでした。前述したように動物ダンサーが客席通路を通っていたようですし、2階席にも鳥を回す(飛ばす)人たちが現れたりして楽しめます。
とは言ったものの動物の被り物とかあるとねー、やはりちょっと、いや大分、子供向けという気はしました。家族向けと言った方が良いか。子供がぐずったりした際には親子観劇室で見られるというサービスがあるらしい。ぐずって泣いたりする小さい子に舞台見せてわかるのかしらん、と不思議なんですけど、実際に泣き出した子供がいたし良いサービスと思います。元々がディズニーアニメなので子供向けに感じるのも仕方がないかもしれません。
動物の被り物/パペットの他、舞台表現の面白さは色々ありました。影絵とか、さっきまで等身大の人が演じていた動物がそれこそパペットになって追いかけっこをはじめたり、夜空に死んだ父が積み木のように形作られて現れたり。「春」劇場って『ライオンキング』専用ですよねきっと。舞台がぐるんぐるん回ったり盛り上がったり引っ込んだりして形を変えていく。
ミュージカル的には「Can you feel the love tonight」がのシーンがカオス(混沌)でした。よりによってその曲どうしてそう扱っちゃったの・・・?と思ってしまいます。空中に吊られた二組の男女ペアダンサーズ、舞台上でもバレエ風のダンスをする男女ペア。輪切りにしたスイカのような色彩の、スイカじゃない植物衣装のダンサーとか。
演技的にはいかにも舞台の演技です。声をはっきり聞き取りやすく、日常的でない話し方。萩原隆匡さんの悪役ぶりはいかにもニヒルで色気のある悪役。ハイエナを従えて歌うナンバーが本日一番印象に残りました。主役シンバの南晶人さんは好青年なライオン。
1階で見ればまた迫力が違うとは思うのですが、劇場が狭いので野生のスペクタクル感には乏しいのが残念です。もっと広い劇場で見られると良い演目かと思います。

どうも無理な姿勢で見たせいで、翌日以降1週間腰を痛めました。ギックリ腰かと思った。

劇団四季『ライオンキング』公式


14/06/28

Kバレエ カンパニー『ロミオとジュリエット』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
Kバレエを見るのは2度目。熊川哲也さんの舞台は初観賞です。オーチャードホール本日の席は3階L/R席の真ん中辺の舞台側端っこ。これが思った以上に見やすくて、見切れはないし、前に人の頭も少ないし、わりと舞台が近いし、S席より安いし良いことずくめでした。これでもうちょっと前だと見切れたりするかもしれませんがどうだろう。途中地震があったので揺れました。

本日のキャスト
ロミオ:熊川哲也
ジュリエット:ロベルタ・マルケス
マキューシオ:伊坂文月
ティボルト:遅沢佑介
ベンヴォーリオ:井澤諒
ロザライン:山田蘭
パリス:宮尾俊太郎
乳母:前田真由子

バレエの『ロミオとジュリエット』を見るのは初めて。見たことのない演目をKバレエから見るのはよしたほうが良いのではと思うのですが、初心者故に色々みたいのでそうも言ってられません。今回パンフレットを買わなかったので、改定の経緯等がまるでわかりません。
バレエ云々はともかく、『ロミオとジュリエット』って苦手な題材です。16歳と14歳が恋に落ちて結婚して死んだふりしたりしたあげく本当に死んでいく・・・というのはあまりにもバカバカしいと思ってしまいます。私見では残念ながら、そういった印象を越える舞台ではありませんでした。
華やかな舞台でしたが、あまり熱が感じられず冷めた目で見てしまったような。セットは立派だし、衣装も華やか。場面転換が多くて次はどんなセットかなーと楽しめはします。マンドリンダンサーの股間に財布の袋が付いてるのが時代的にそれらしくて可笑しい。マキューシオの黄色い衣装は滑稽。パリスの衣装は地味なベージュ。ティボルトのワインレッドの衣装はかっこよい。
冷めた目で見てしまった理由を考えると、
・Kバレエのファンではない
・音響が悪いので観客の拍手/ブラボーの声が響かない
・パリスが間抜けすぎて最後がお笑い種で雰囲気をぶち壊す
・単純に物語が嫌い
ということが考えられます。音響のせいなのか拍手が盛り上がってるように聞こえない、ブラボーの声がかすかに聞こえるような気のせいのようなという感じでしたが、実際には他の観客は満足されていたのでしょう。終わった後、スタンドしてる人も1階にはけっこういました。そのわりにカーテンコールが短かったような気もする。
熊川さんのロミオは舞台経験とテクニックに裏打ちされた余裕が、お坊ちゃんの呑気さを表現しているように思えました。最初はロザラインへの、後にジュリエットへの恋に浮かれた様子は体をくねらせてちょっと気持ち悪いかも。とはいえマキューシオ、ベンヴォーリオと一緒に踊る際は、誰よりも高速回転。何回ぐるぐる回ったか数えてられません。
英ロイヤル・バレエのプリンシパル、ロベルタ・マルケスのジュリエットは可憐。女性の性格付けのあるキャラクターが少ないので、結果的に女性ダンサーはマルケスくらいしか見るところがないです。乳母が町の人と踊るのは面白かったけど。Kバレエの主役級の女性ダンサーがほぼ出ていないので(群舞に佐々部さんの名前がありますが)、ちょっと物足りないです。女性ダンサーを見るなら他のキャストの日を見たほうが良いのでしょう。
一方男性はソロも多いし、主役級ダンサーも出てるので楽しめます。熊川哲也氏のバレエ団となるとやはり男性ダンサーの活躍を期待してしまうということはありますが、もうちょっとバランス良くても良いかなあ。伊阪マキューシオは臭い演技。髪も鬱陶しい。宮尾パリスは地味。ベージュの衣装に茶色い髪がまったく映えず、居るんだか居ないんだかわからない存在感。踊りものたくた。遅沢ティボルトは立ち姿だけでも剃刀の刃のよう。ダンスもキレがあって素敵でした。悪役ぶりもかっこよい。
カーテンコールはマルケスのサービス精神が楽しませてくれました。それに答える熊川氏はやはり余裕。

Kバレエの次回公演は『カルメン』の新制作。ローラン・プティの改訂版なのか、まったくの新しい振り付けなのか。それはともかく、『ロミオとジュリエット』に続いて私あんまり『カルメン』という物語が好みではなくて・・・。と言いつつ、今回の公演を見る前に既に『カルメン』浅川/遅沢ペアの日のチケットも買ってしまってるんですが。今回遅沢さんが良かったし、浅川さんは『ラ・バヤデール』のときガムザッティが良かったので、楽しみになってきました。


14/06/20

新国立劇場『十九歳のジェイコブ』(公演、演劇)

バレエ、オペラときたらいい加減演劇かなと思いまして。チケット買ったのもそんな理由なんですけど、宣伝映像が公開されたら、えーこの辛気臭いの見るのー、えー、と思ってしまって行くの嫌になっちゃったんですけど、行きました。結果としては行ってよかったです。思ったよりもぜんぜん良かったです。本日の席は2列目。チケットにB1列と記載されていて、Aが何列かあった後のB1列だと思っていたんですが、本当に2列目で非常に舞台が近くて驚いてしまった。なので俳優の顔も良く見えました。もうほんとに目の前で演技をしてるのが見える。あと、私の座っていた席がスピーカーにやたらと近かったらしくて、大きい音が鳴るたびにビクっとしてしまった。

主人公及び登場人物にまったく共感を持てず、最後もわけがわからない展開で、結局あれは主人公の見た幻だったのか、いや幻ではないらしいのだけど、なんだか釈然としない。そんなわけでお話は楽しむとか以前の問題だけど、簡素な板を組んだ台が、時にベンチになったり、時にベッドになったり、道になったりするのが不思議。形を変えるごとにセット変形担当の人が出てきてみたり、場合によっては出演者自身がセット組み換えをしていたり。喧嘩しながら(スローモーションな動きで)セットを動かしたりもしていた。水がこぼれた後はセット変形担当係の人が拭いてたり。冒頭、照明の間から水がぽたぽた落ちてくるのだけど、照明器具がショートしないものなのでしょうか。
主演は石田卓也。その他の人も含めて、よく台詞間違わないで言えるなー、とか動きもすべて決まったとおりなんだろうなーとか、関心してしまった。プロの俳優なんだから当たり前なんだけど、でもドラマとか映画とは生で見るのはやはり違う面白みがあるなと。脇役の人は一人2役とか3,4役とかあって、演劇ってそういうものなのですか?みんな揃っていっせいのーせはいっ、で動きをそろえて場面転換したりするところは機械みたい。俳優にしても、セットにしても機械的な演出だったのでしょう。
石田君は気のいい兄ちゃん風のイケメンですが、ほぼ無表情の役。たまに笑う場面があると素が出ているようでもあり、それが逆に狂気を強調するようでもあり。
幕も下りない、カーテンコールもない。終わったんだか何だかよくわからないので、拍手もできない。多少戸惑いつつ席を立った。係員が誘導してたからいいんだけど。

新国立劇場『十九歳のジェイコブ』公式


14/06/15

新国立劇場『パゴダの王子』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
『パゴダの王子』最終日です。

本日のキャスト
さくら姫:小野絢子
王子:福岡雄大
皇后エピーヌ:湯川麻美子
皇帝:山本孝之
北の王:八幡顕光
東の王:古川和則
西の王:マイレン・トレウバエフ
南の王:貝川鐵夫
道化:福田圭吾

初日と同じくファースト・キャスト。今回アーティストから抜擢された奥田さんの主役は残念ながら見てません。
ファースト・キャストを観るのも2度目なので3階C席での観賞。毎度S席では見れませーん。オーケストラの音はここが今回一番良かった。やはり1階前方席だと音の反射が良くないようです。
ダンサーの印象は12日と変わらないです。湯川エピーヌがさくら姫を打つときやはり音が鳴っていました。湯川さん良いですね。上から見たのでコールドのフォーメーションも楽しめました。個人的には被り物をしたタツノオトシゴダンサーズのコミカルなダンス、炎ダンサーズをしたがえさくら姫に迫りくるエピーヌのダンス、そして貴族の男達のダンスが好きです。終盤貴族の男達が1列ずつザンレールしていくとこが壮観です。さくら姫を囲んでバリの女たちが踊る場面も印象的で良いです。
ビントレー版『パゴダの王子』はオリジナルの設定から舞台を日本に移し、サラマンダーの王子と姫を兄妹に、そして実の姉だったエピーヌを継母に変えています。エピーヌによって幼少時代にサラマンダーに変身させられた王子が、望まぬ結婚を迫られている姫を連れ出しに来る・・・というようなお話。
兄と妹の家族愛なので盛り上がりに欠けるという意見もあるようで、まあそうかもしれませんが、王子が姫に幼い日の幻影を見せる場面に感動してしまって。3幕の王子が姫を追いかけるようなパ・ド・ドゥも爽やかで楽しいですし。なにより着物姿でバレエを踊ってるのがこんなに面白いものとは。すっかり引き込まれてしまいました。衣装・美術はレイ・スミス。そのデザインによる着ぐるみの妖怪4人が可愛い。その妖怪ズが描かれた幕がズサーッと降りてきたり演出的にも見ものでした。
ブリテンの音楽は素人耳にも厚みがないような部分もあるのですが、この演目の曲と思うと魅力的に思えるから不思議。おもわず贔屓してしまいます。バリの女たちの出てくるあたりのガムランの音色が良いですよ。
さて最終日のこの日はカーテンコールにビントレーが登場。妖怪さん達が携えた花束が小野さんから。この日出演のなかったダンサーも現れ、ビントレーに拍手。

もっと早くに新国立劇場でバレエを観るようになっていれば・・・と悔やんでしまいます。ビントレー退任に伴って新国立劇場の個性が削がれないと良いと思います。来季の演目を見ると個性も何もない感じなので。国立劇場所属のバレエ団なので、他のバレエ団にない魅力、個性、独自性が必要と思うのですけど、なんだかそれどころか民間に配慮した公演、配役がすでにちらほら・・・。次回、新製作『眠れる森の美女』に期待し待ちます。会員申し込みもしてしまったので。またビントレー作品の上演もして欲しいなあ。見てないのがいろいろあるから。

新国立劇場『パゴダの王子』特設サイト


14/06/14

新国立劇場『パゴダの王子』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
本日はマチネとソワレがありまして、私が見たのはソワレ。セカンド・キャストですが、贔屓のダンサーはこちらに多いです。今日はだいたい1階8列〜10列あたりの観賞。先日の席よりは音が少しは良く聞こえたような。その分ダンサーの顔は見えづらいけど、それほど気にはなりません。今後S席で見るなら3〜8列目を狙うことにします。

本日のキャスト
さくら姫:米沢唯
王子:菅野英男
皇后エピーヌ:本島美和
皇帝:マイレン・トレウバエフ
北の王:福田圭吾
東の王:輪島拓也
西の王:小口邦明
南の王:宝満直也
道化:高橋一輝

南の王の宝満さん、道化の高橋さんともにアーティストからの抜擢。高橋さんの道化は幕が開く前に現れた際に余興のひとつとしてピエロ風に唇に紅を縫ってました。観客を巻き込む力はまだまだこれからかなーと思いつつ、若手も育ってほしいですね。
私は米沢さん、本島さんのファンなのです。先日、湯川さんがあまりに強烈なエピーヌ像を作り上げたので、本島さんは分が悪いかもと思ってましたが結果は・・・。本日の主役は本島エピーヌでした!やはりエピーヌはキャラクターが強く出番も衣装替えも多いから、というのもあるんですが、1幕で本島さんが白い着物を脱いで薄い紫の襦袢風ドレスで踊りだした瞬間・・・シド・チャリシー登場!と思ってしまった。なんという美しい本島エピーヌ。シド・チャリシーと顔が似ているわけでもなく表情も豊かではあるのですが、2幕の火の衣装(赤)とか、3幕の紫の衣装とか黒髪に派手な原色が似合ってしまうのもシドを彷彿させます。3幕紫の衣装はそれまで和風な髪だったエピーヌがボブカットにしてるのですが、おお、『雨に唄えば』のシド・チャリシー(でも前髪はない、衣装も紫)。おお。美貌の悪女。タコ衣装も美しく夢のよう。シドを思わせるということは単純に美しいというだけでなく、華やかさと迫力、そしてエンターテイメント性があるということ。火の群舞を従えるダンスに迫力があって良かったです。脚で王達を翻弄するダンスも説得力が増します。そんな彼女に魅了される王たちがファースト・キャストに比べて演技固い感じで、いいのよもっと本島エピーヌにメロメロになって。
西の王、小口さんは二枚目すぎてコミカルさがあまりなく慇懃なアメリカ。でも目立つ。先日は貴族の群舞のなかにやたらと目立つ二枚目がいると思ったら小口さん。いずれは王子候補かと期待しています。二枚目の王子を見たいです。
今日は八幡さんが顔を出していないんです。八幡さんはタツノオトシゴの中の人なので、顔が見えず、たぶんあれがそうと見当をつけておきました。タツノオトシゴのダンスも見どころの一つですね。
さくら姫の米沢さんは天真爛漫な姫。タツノオトシゴのダンスに合わせて体を揺らし少し跳ねていました。美しきタコエピーヌを見る目がうっとり夢見心地。あなたの敵なんですけどいいのかと、心の中で突っ込んでしまいました。その場その場の状況を楽しむ米沢さくら姫にこちらも浮き浮きしてしまいます。
この日は王子役の子役の衣装が途中でほどけてしまって残念でした。

本島さんは次の子供のためのバレエ劇場『しらゆき姫』では王妃、新製作『眠れる森の美女』ではカラボスが決まっていて、悪役3連続!美貌の悪女本島。でも、やはり本島さんの主役を見たいです。来年2月の『こうもり』あたりは本島さん主役でお願いします新国立劇場さん。と、アンケートに書いておいた。

新国立劇場『パゴダの王子』特設サイト


14/06/12

新国立劇場『パゴダの王子』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
ついに待ちに待った『パゴダの王子』初日。ベンジャミン・ブリテンの音楽はそのままにデヴィッド・ビントレー芸術監督がお話も設定も再構築し、2011年に新国立劇場で世界初演された作品。もちろん私は観るのは初めてです。今日はだいたい1階1列〜5列目くらいでの観賞。この辺ってオーケストラの音があまり響かない席だったみたいですが、ダンサーの顔や表情が見えるのは良いです。
日本を舞台に着物で踊るバレエ。袴姿の男性群舞が跳んだり跳ねたりするのがかっこいい!王子の衣装は残念ながら袴ではなくて、中国風に見えてしまいました。
初日とあって多少バタバタした雰囲気がありました。幕が開いた瞬間人がかすめたような・・・。とはいえ、ファースト・キャストの華やかさ。うーん、今回本気でファースト・キャストに総力を挙げてきたんじゃないでしょうか。

本日のキャスト
さくら姫:小野絢子
王子:福岡雄大
皇后エピーヌ:湯川麻美子
皇帝:山本孝之
北の王:八幡顕光
東の王:古川和則
西の王:マイレン・トレウバエフ
南の王:貝川鐵夫
道化:福田圭吾

プリンシパル5人+山本さん。なんという華やかさ。八幡さんと福田さんが別の役で同じ舞台に立ってるし。今回八幡さんは道化役なしね。幕が開く前に、まだオーケストラが練習してる最中に、既に道化が幕の前に出てきて、余興を見せます。道化の福田さん、スマホかなにか取り出して写真撮ってました。ふりかもしんないけど。観客とコミュニケーションとったり。それがいつしか音楽と共に幕開けにつながっていく、面白い出だし。
主役はさくら姫と王子なのですが、しかし本日の主役は湯川エピーヌでした。皇帝の後妻で幼い王子をサラマンダーに変え追い出し、今は義理の娘さくら姫を他国の王と結婚させ富を得ようと企む悪女、という強烈なキャラクターなうえに着替えまくって踊りまくるので、印象が強くなるのは当然なのですが、さすがに湯川さんは強かった。長身で長い手足をつかったダイナミックなダンス。睨む視線の凄味。さくら姫をたたく際、音なってませんでしたか?ホントに叩いた?王子をサラマンダーに変えた後、荒い息をはいて客席を睨む。怖い!ダンサーの人って踊りまくっても息を荒げたりなんて見せないから、あれは演技ですよね。席が近かったので良く見えた、聞こえました。ひー、怖い、でもかっこいい。エピーヌは1幕のローズ・アダージオのパロディみたいな踊り、2幕の海の中のタコ衣装での踊り、火の衣装の踊り、3幕最初のモガ(フラッパー)っぽい踊りと見せ場が多いです。前回の公演写真及びPVを見ると今回はタコエピーヌをサポートするキャラがウニ?ダイオウゴソクムシ?カニ?みたいのに変わって、それに伴いタコ衣装も薄いブルーの衣装、おそらく照明も前回より明るいんじゃないですか。ここは元のほうが良かったのでは?
各国それぞれの王は、北(ロシア)、東(中国)、西(アメリカ)、南(アフリカ)のイメージ。ロシア人のマイレンがアメリカを演じるという・・・。全身タイツの西と南はインパクトが強いです。北はコサックっぽい踊りがあって面白い。皇帝の山本さんよぼよぼ老人の踊りが面白くて悲しくて素晴らしかった。福田道化とのコンビネーションも楽しい。
私は福岡さんのファンなのです。薄いブルーの衣装で幻影(?)として現れた踊りから清々しく、サラマンダー姿で姫と踊る体操的な踊りは柔軟に、そして姫に幼い日の兄と妹を見せる場面では演技も良かったです。小野さくら姫と福岡王子が子役と同じ動きをする場面。目頭が熱くなりました。そのセンチメンタルに微笑ましく暖かい瞬間をエピーヌが壊していく・・・。
小野さんの主役を生で見るのは初めてでした。さすがに現在の新国立劇場を背負って立つプリマのオーラ。清楚で芯は強く綺麗です。
公演後はビントレーのミニ・トークが開催。その後、特集映像が10分くらい。19時から始まって、結局終わったのが22時20分くらいかな。明日仕事あるのにー。

新国立劇場『パゴダの王子』特設サイト


14/05/29

PDA『Performance Collection Vol.4 ZERO=x(公演、バレエ)


14/05/25

新国立劇場『アラベッラ』(公演、オペラ)

オペラ初観劇です。バレエを見に行くようになったら、次はオペラかなと思いまして。
リヒャルト・シュトラウスの1933年初演のオペラ。ホフマンスタール小説『ルツィドール』(1910年)原作。R・シュトラウスは生誕150周年とのこと。
オペラ初心者の私には気軽に見れる感じの肩の凝らないお話のオペラではあった。今回の演出では時代設定を1860年代から1930年代に移していて、そのせいもあってか1930年代頃のドイツ・オーストリア艶笑喜劇映画のようでもあった。主役アラベッラの妹ズデンカは家計節約のため男として育てられていて、姉にぞっこんの士官マッテオに姉の筆跡をまねた手紙を渡しているうちにマッテオを愛してしまう。一方美しいアラベッラはカードで破産寸前の父伯爵のために言い寄る求婚者たちから一人選んで結婚しなければいけないが、彼女の写真を見て異国からやってきた大富豪のマンドリカと一目で運命を感じ結婚を承諾するが・・・というお話で、どうみたって妹ズデンカのほうが目立ってしまう。それもそのはず元々の原作小説ではズデンカが主役だったそうで、その辺の違和感の残るオペラではありました。ズデンカ役マルタ・エゲルトとかで映画化すれば良かったのに!
新国立劇場では2010年初演のフィリップ・アルロー演出の再演。舞台は大道具も衣装も2〜300種類の青で埋められて美しい。でもなんで青なのかは不明。衣装は森英恵でした。
2幕終盤で荒れたマンドリカがパーティ会場に札束をまいて退場し浮かれたパーティ客がクラッカーを弾ける場面がお祭り騒ぎで楽しく印象に残りました。
14時に始まって2度休憩があって、終わったのが17時45分くらい。長いです。大変です。4回サイド席から見たので、舞台の4分の1は見切れてしまい、前の席の人の頭で舞台中央が見えないストレスにも苛まれました。安い席なので仕方がないのですが。でもオペラは高いので次に見に行くことがあっても似たり寄ったりの席になると思います。楽しんでみましたけど、同じ演目を期間中にもう一回見たいとか、またの機会にもう一度見たいとか、そうでなくても次の演目を絶対に見に行くとか、これですっかりオペラファンになってしまったという感じではありません。感動は薄かったようです。オペラはバレエと違って動きが少ないのが私の心に響かなかったのかもしれません。
出演者ではズデンカ役のアニヤ=ニーナ・バーマンが愛らしい声でやはり目立ってました。ヴァルトナー伯爵の妻屋秀和さんとアデライデ役の竹本節子さんはさすがな感じ。堂々として貫禄がありコミカルな様子。ちょっとしか出番がないホテルの客室係の近藤圭さんがコミカルな演技で受けをとってましたが、実はけっこうな二枚目の人でした。唯一なぜか赤い服を着て登場するフィアッカミッリという謝肉祭のマスコットガール的なしかも実在のモデルがいるとかいう謎の役は先日バレエ『カルミナ・ブラーナ』で歌ってた安井陽子さんでした。
結局プログラムを見ても青い演出にしてもフィアッカミッリにしても謎のままです。
観客の年齢層はバレエよりさらに高め。30代の私でもほとんど同年代以下の人を見かけなかったような。

新国立劇場の次回オペラ上演は『パルジファル』。だいたい4時間半ぐらい?休憩入れて5時間半くらい?う〜ん、ちょっと大変すぎて観に行かないか、な?(と思ったら次の公演は『鹿鳴館』でした。興味ある・・・。)

新国立劇場アラベッラ公式


14/05/03

スターダンサーズ・バレエ団『バレエ名作選 白鳥の湖 くるみ割り人形』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
「川崎・しんゆり芸術祭2014」アルテリッカしんゆりと題されたゴールデンウィーク期間中の催し物。『白鳥の湖』と『くるみ割り人形』をそれぞれ45分くらいの一幕物に編集しての上演という力技公演です。
テアトロ・ジーリオ・ショウワという昭和音楽大学のコンサートホールはちょっと狭くて、手すり(柵)が高く、2階サイド席だと柵が舞台の3分の1までかかって邪魔(柵の間から見える)。しかも1列目のおっさんが身を乗り出しすぎて、その頭で舞台の真ん中が隠れる・・・。地方の芸術祭なので予想していたことですが、観賞マナーが悪い・・・というよりも普段バレエ公演にいかない人たちが見に来ている感じなので、仕方がないのかなと。むしろ拍手は暖かく、そこ拍手するとこ?という場面でも拍手があったのが微笑ましい。でもカーテンコールはあっという間だった。

『白鳥の湖』
解説というあらすじ付の公演。1幕はあっさり全部カット。2幕も良いシーン(王子とオデットの出会いとかオデットのアダージョとか)を大胆にカット。3幕は民族舞踊を花嫁候補たちが踊り、4幕は子供の観客が多いのにバッドエンド版。舞台上の人物が少なく(舞台が狭い?)、全体的に地味な印象。照明が明るすぎた。オデット/オディールは林ゆりえさん。ジークフリート王子は吉瀬智弘さん。林さんは身長も高そうで落ち着いたオデット/オディール。吉瀬さんは髪が茶色なのが残念なハンバーガーを食ってそうな王子だったけど足が長い。
昭和音楽大学卒業生のテアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラの演奏は音が歪んだり、ゆっくりが良い場面で早く、遅いほうが良い場面で早かったりしてました。

『くるみ割り人形』
あまり興味のない題材なのでDVDなどでもまだ観てない『くるみ割り人形』。主役がバージョンによってまちまち、王子も二人いたり一人だったりで、解説付きは初心者にはよいかもと思ったんですが、『白鳥の湖』はあらすじ解説だったけど、こちらはドロッセルマイヤーが喋る喋る。鬱陶しいですドロッセルマイヤー。紗幕と照明による舞台転換、人形から王子への変身などは面白かったです。民族舞踊を並べただけなのは飽きてきました。


14/04/27

新国立劇場『ファスター/カルミナ・ブラーナ』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
昨日に引き続き新国立劇場にて『ファスター/カルミナ・ブラーナ』千秋楽の観賞をしてきました。連日で同じ演目を観るのってどうなのと思ったっものの、始まってしまえば楽しんでしまいました。

『ファスター』
昨日いまいちだった「跳ぶ」を楽しみにしてました。昨日と同じ振り付けなのに、本日は決まっていて良かったです。段違いでした。素晴らしい。本日の「跳ぶ」は本島美和さん、菅野英男さん、奥村康祐さん。男性二人が主役で踊ることが多いので、サポート慣れしているのでしょうか。本島さんは美しく、宙でポーズをとって輝いていました。今日は安心して観れたので、振り付けも何を意味してるのか考える余裕があり、ハイジャンプ以外にも体操、新体操とか。女性がアラベスクのまま男性が引っ張っていく振り付けとかあって、面白かった。
「闘う」は小野絢子さんと福岡雄大さん。これも昨日より良い出来。でもこのダンス自体にはあまり面白みを感じませんでした。小野さんも印象に残らず。
本日の「ファスター」のスターは本島さんと福岡さんでした。福岡さんは主役らしくステージ全体を引っ張る力がありました。全体的に昨日より本日の「ファスター」のほうが良かったです。拍手も「闘う」から自然と湧いていました。
昨日と今日、競歩で受けをとっていたダンサーは誰だったのかな。

『カルミナ・ブラーナ』
昨日に比べて拍手が出てました・・・が、個人的には昨日の方が良かったです。『ファスター』で観客が温まっていたので拍手が出やすかったのではないかと推測。あくまでも個人の感じ方ですけど。
本日の神学生1菅野英男さん、神学生2八幡顕光さん、神学生3タイロン・ウィングルトン、恋する女さいとう美帆さん、ロースト・スワン長田佳世さん、そして運命の女神フォルトゥナ湯川麻美子さん。
湯川さんは2005年初演、2010年再演とすでにフォルトゥナを踊っているとのこと。手足が長くスレンダーで冷酷でした。冷酷一本調子という感じはしました。とはいえ本日の主役は迫力の湯川フォルトゥナでした。タイロン・シングルトンは職人的ダンサー?脱いだ制服も適当に丸めた感じ。フォルトゥナに向かって白ブリーフ姿で股間突き出してヘイヘイってアピールする男のバカっぽさとかマッチョ思考とかも薄い感じ。欧米人には似合いすぎて普通に見えたのかもしれません。あまり演技的な面白さはなかったような。ちょっと弱い感じでした。というよりも湯川さん強すぎ。いえ、運命の女神なのでそれでよいのです。例のバトルの際、神学生3の何度目かの負けのとき、全裸風衣装のマイレン・トレウバエフが股間についた性器の飾りをピロピロ振って「お前男だろ、これで勝負すんだよ」的なマイムをしていたのが可笑しかった。マイレンは昨日も今日も緑のスーツの不良などでもコミカルに目立ってました。

なんだか今日は咳払いの音の多い日だった・・・。物を落とす音も2度。しまいには話し声まで!あまり良い客層ではありませんでした。

『カルミナ・ブラーナ』はまだDVDが出てないので、発売してほしいです。じゃないと次はいつ上演することかわかんないし、なかなか見れないと思います。ビントレーも退任しちゃうしね。個人的には昨日の米沢・福岡組だと良いですけど・・・。湯川さんの当たり役ということであれば、以前の公演で。同時収録が『ファスター』ならば本島さんが「跳ぶ」の日で「闘う」が福岡さんで。

思うに今まで撮りためた公演の映像の数々(『ファスター/カルミナ・ブラーナ』もカメラが入っていたそうです)、新国立劇場の視聴室で公開してるんなら、新国立劇場まで行かなきゃ見れないのはもったいないので、オンデマンド方式で公開すればよいのでは。米ワーナーアーカイブスなどのように、ダウンロードでもよし、DVD−Rでもよしという方法で。地方のファンも気軽に新国立劇場に触れられるようになるし。バレエ団は国立じゃなくても劇場は国立なんだし、そのくらいできるのでは。
次、『パゴダの王子』を見に行くときにアンケートに書いてみよう。

新国立劇場『ファスター/カルミナ・ブラーナ』特設サイト


14/04/26

新国立劇場『ファスター/カルミナ・ブラーナ』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
新国立劇場にてバレエ観賞です。本日は新国立劇場芸術監督デヴィッド・ビントレー振り付けのコンテンポラリー2本立て。

『ファスター』
2012年のロンドン・オリンピックに触発されて作られたという作品。スニーカーを履いて走ったりするバレエです。バスケット、フェンシング、シンクロ、マラソンの他、ソリストは「跳ぶ」(ハイジャンプ)、「投げる」(?)、「闘う」(レスリング?)を踊ります。
テーマがストレートでわかりやすいので、とっつきやすくなかなか面白かったですけど終わるまで拍手がなかったような。私を含め観客がコンテンポラリー慣れしていない、かつ日本初上演作品ということもあって、どのタイミングで拍手していいのかわからなかったんだと思う。
ゲストの英国バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、タイロン・シングルトンは本日は「闘う」に出演。いかにもアスリートといった体格の良さで目立ってました。その相手が奥田花純さん。奥田さんは6月に上演される『パゴダの王子』でアーティストながら主役に抜擢された人。本日はあまり記憶に残りませんでした。
「跳ぶ」もまた決まれば「闘う」に匹敵する目玉になりそうなダンスのですが・・・。本日の「跳ぶ」は長田佳世さん、小口邦明さん、輪島拓也さん。それぞれお気に入りになりつつあるダンサーなのですが、本日の演目の中で最もハラハラしながら見てしまいました。長田さんを二人係でサポートするのですが、持ち上げられた長田さんがぐらぐら、というか男性二人がふらふらしていて、長田さんを落とすんじゃないかと心配してしまいました。輪島さんはその他マラソン群舞で登場したときはかっこよく目立ってました。
今回これを観てダンサーはアスリートであることを認識しました。体力も身体能力も素晴らしいなあ、と運動音痴の私は感嘆してました。

『カルミナ・ブラーナ』
こちらは一応物語のあるバレエ。でも物語らしい物語ではなく、3人の神学生がどういうわけか酒場だの娼館だのに繰り出して、運命の女神フォルトゥナに導かれ愛とセックスで堕落するという、抽象的なものではあります。かなり、というかすごくエロティックなバレエでしたが、一定の品位は保っているのが不思議。神学生3のダンスで現れる群舞の裸を模した衣装とか衝撃的な衣装なんですけど・・・。声楽家の合唱、独唱に合わせて踊るのが面白いです。
運命の女神フォルトゥナに扮した米沢唯さんが冷酷に踊ったあと、神学生の群舞。規律と戒律に縛られる苦悩を現しているっぽいかっこいいダンス。続いて神学生1奥村康祐さんが恋する女の小野絢子さんと出会ってたぶらかされて遊ばれるダンス。奥村君がとっぽくて、純粋そうで、遊ばれたことがわかるまでは唯一ほんわかした雰囲気の場面でした。ここまで拍手なし。神学生の群舞とか素敵だったんですけど、やっぱりコンテは拍手のタイミングが難しい。
でも神学生2福田圭吾さんが高速スピンをぐるぐるきめるソロを踊り終えると自然と湧き起こる拍手。かっこいい!そしてどことなく色気がある神学生。さて神学生2は居酒屋で醜悪な男たちに囲まれたロースト・スワンを見つけると男達と一緒に口で、そして性的な意味で食べて堕落します。ロースト・スワンは本日のお楽しみ本島美和さん。男たちが差し出す手のひらの上をぶれずに立って歩く様の安定感と優美。華麗で妖艶で。本島さんは華やかで存在感があるし、際だって美人だし、プリンシパルなのだから主役を踊ってるところも見たいです。
そしてついに神学生3福岡雄大さんが娼婦に扮したフォルトゥナに誘惑されます。フォルトゥナ米沢さんは赤いドレスにサングラスをかけて登場。ファムファタールです。娼館にもかかわらず、フランスリゾート地に現れたファムファタールのようです。神学生3が服を脱ぎかけてはためらい、脱ぎかけてはまた着るダンスが初心で、やっと脱いだらきちんと服をたたんで、それで体を隠すのがますます初心で可笑しい。わりとMっぽい内気な神学生だったくせに、セックスまでのプロセスとしてフォルトゥナとボクシングっぽい戦いを繰り広げると、おずおずと、そして徐々にすっかりそこらにいる若者になっちゃうのも可笑しい。バレエダンサーって白いパンツ一丁で踊らなくちゃいけない時もあるんだから大変ですね、ダンサー自身はあんまり気にしてないのでしょうけど。福岡雄大さんの肉体美しっかり観てきました。最後の挨拶で指揮者のポール・マーフィーが福岡さんの肩についた銀紙を取り払ってました。今日の主役は間違いなく福岡さんでした。ボクシングっぽいダンスは『ファスター』の「闘う」で感じた物足りなさをすっかり払ってくれました。あちらは完全にスポーツ精神、こちらは性的なバトルという違いはあるにせよ。神学生から精神がマッチョ化した福岡さんに、米沢さんがクールかつタフ、そして冷酷に対抗していて、見ごたえがありました。米沢さんのフォルトゥナにはドラマが見えました。

上演後はデヴィット・ビントレー芸術監督を振り返る映像を上映。6月の『パゴダの王子』が楽しみです。・・・と、言いながら明日もまた『ファスター/カルミナ・ブラーナ』を連日観賞するんですけど。

新国立劇場『ファスター/カルミナ・ブラーナ』特設サイト


14/04/19

新国立劇場『ジゼル』(13年収録、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
世界文化社から発売されている新国立劇場オフィシャルDVD BOOKSバレエ名作劇場vol.6『ジゼル』に収録されているDVDの観賞。
先日劇場で見た『白鳥の湖』の米沢唯さんの踊りを見たくて、DVDで見たわけですが…。
1幕で首飾りの感謝にジゼルがバチルド姫の手にキスすると、バチルドが手を冷たく跳ねるのが怖いです。他にもなんかバチルド冷たい女でした。2幕はここでもやはりコールド・ウィリのシンクロ率の高さが素晴らしいです。コールド・ウィリが片足を上げて横4列で前進し左右交差する場面は何度見ても良いです。ミルタの厚木三杏さんはなんとなく歌舞伎を思わせる風情。ハンス(ヒラリオン)はやはり可愛そうです。なんで殺されなくちゃなんないのと思ってしまう。そこが『ジゼル』というバレエのホラーなところではあるのですが・・・。ハンスの輪島拓也さん、かっこいいハンスです。日本人でこんなに舞台メイクが馴染んじゃう人って珍しいのでは。森で怪異に遭遇し十字を切って拝んでる姿が「なんまんだぶなんまんだぶ」と言っているような雰囲気なのがおかしくもあり微笑ましくもあり。跳躍もワイルドですし、もっと踊る場面があればいいのですが…まあそういう役なので。アルベルト(アルブレヒト)の厚地さんはスラリとしてスタイルよく。厚地さんは新国立劇場を退団して英国バーミンガム・ロイヤル・バレエに戻っています。
米沢唯さんのジゼルは・・・なんとも不思議なジゼル。期待の2幕をずいぶん無機的に踊るなと思っていたら、後からじわじわくるジゼル。見終わった後、他の人のジゼルをyoutubeで見たら彼女のジゼルは特殊なのですね。表情があまりなくて、これは既に人間ではないジゼルというか精霊というか死霊。アルブレヒトをからかうように木の上から花を落としたり(怖いよ)、人間としての感情は希薄なのかな。それならミルタやコールド・ウィリと一緒かというとそうではなくて、ミルタは呪いとか怨霊的な存在だし、コールド・ウィリはあんまり何にも考えてなさそうだし、米沢ジゼルはというと、愛の記憶とアルベルトを救う使命もしくは本能で動いてるようです。終盤倒れたアルベルトを抱きしめるのも大げさでなく、腕の中から崩れ落ちるアルベルトを見るまなざしもかすかに優しさが宿る程度。でもだから胸に染み入るのです。立ち上がって掴んだアルベルトの腕が力なく落ちてももう何もできないの。人間とそうでないものの演じ分けがすごかった・・・。寂しげであり悲しげでもあり、愛の記憶もあり。そういったものが顔の表情ではない演技と踊りで表現されていました。能的な・・・。

インタビューを見てわかったこと。練習は公演の一ヶ月前から、通し稽古は3日前から。えっ、そんなに短い期間なの・・・と驚いてしまった。さすがにプロは凄いですね。でもそうでないと海外ゲストとかありえないもんねえ。


14/04/13

新国立劇場『アラジン』(11年収録、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
世界文化社から発売されている新国立劇場オフィシャルDVD BOOKSバレエ名作劇場vol.5『アラジン』に収録されているDVDの観賞。
新国立劇場現芸術監督デヴィッド・ビントレーさんによる演出、振り付けのバレエ(2008年初演、収録は2011年の再演)です。誰でも知ってる馴染みのあるエキゾチックな冒険ファンタジーが、バレエになっていて楽しい作品でした。一つどうしても受け入れられないのはアラジンが中国人という設定。欧米人にはその設定にこそ馴染みがあるらしいのですが、まったく受け入れられません。
バレエとしての面白さより、舞台装置がころころとみている間に変わっていく面白さ、ランプの精がどこからどうやって飛び出してくるのかという不思議、魔法の表現に心踊ってしまうような。アラジンがマグリブ人の魔法で豪華に着飾ったり、またそれを脱がされたりする場面では黒子が登場。
アラジンは八幡顕光さん。どちらかといえばキャラクターものが似合う小柄な、技巧派のダンサーです。アラジンは王子でもないし、ロマンティックロールでもないし、キャラクターものの範疇な感じで良いと思います。が、小柄なためにリフトが不安定なのが、見ていてハラハラします。ダイヤモンドの精の川村真樹さんをリフトする際、高さがなくて見栄えがしません。なんだか配達業者が荷物を運搬しているような・・・。とはいえ飛んだり跳ねたりまわったりがきちっと決まる元気いっぱいで楽しいアラジンでした。
お姫様には小野絢子さん。現在、新国立劇場が一押しのプリンシパルとなった小野さんは可憐なお姫様でした。まさか現代の日本人女性に可憐などという日が来るとは思いませんでしたが、まあ彼女はバレリーナなので、そういう表現もありでしょう。全身から若々しい世間知らずのお姫様オーラが出ていました。脚も高く上がり、きれいなダンスをします。
この映像で気にいったのは長田佳代さん、厚地康雄さんのルビーの精の踊り。情熱的なダンスです。厚地さんは坊主のかつらが体型や雰囲気に似あってないくて苦笑いしてしまいます。新国立劇場の現プリンシパル長田さんの踊りにキレがあって、彼女の主役の舞台を見たいと思いました。
ランプの精は吉本泰久さん。アラジンに負けじ劣らず飛んだり跳ねたり回ったり。よりいっそうワイルドです。全身青く塗ってるのが少し気の毒なような。
ビントレーさんはこの6月で芸術監督を退きます。来季はビントレー作品の上演もなく、新国立劇場バレエファン初心者としても少々残念。なので、4月の『ファスター/カルミナ・ブラーナ』、6月の『パゴタの王子』は楽しみにしています。

『ファスター/カルミナ・ブラーナ』を2度見に行くべきか、1度で済ますべきか悩み中。


14/04/12

『Slattery's Hurricane』(49年、アンドレ・ド・トス監督)

かつての空軍パイロットが知らずに麻薬運搬業に従事していたことから始まる、名誉と人生の復活ドラマ。ハリケーンの中、飛行機を飛ばすというかハリケーンの位置確認の為、飛行機を飛ばすアクション系の作品。
私の興味は必然的に主演リチャード・ウィドマークを取り巻く二人の女、過去リンダ・ダーネル、現在ヴェロニカ・レイクになります。うーん、何という過去と現在。2大ファム・ファタール女優共演作にもかかわらず、割とこじんまりした作品なのですが。まあ、どちらの扱いもこじんまりしていると言わざるを得ません。過去の女リンダは既にウィドマークの元同僚と結婚しており、再会によってやけぼっくりに火が付きますが、深みにははまらず。これは不満の残るリンダ・ダーネルの扱い。
一方現在の女ヴェロニカは煮え切らないウィドマークを優しく見守りつつ、麻薬に体と心を蝕まれる・・・という薄幸ぶり。既に落ち目になっていたヴェロニカは髪もショートカットでかつての若さもなく、輝くオーラもなく地味で、地味で不幸な女を地味に演じているという感じが物寂しい。実生活ではアンドレ・ド・トスと結婚していたので、キャスティングされたのかな・・・というくらいもうスターオーラがありません。それでも好感は持てたし、彼女の悲壮感は胸に染み入る侘しさではありました。ヴェロニカのファンとしてはやはり寂しい。

米版DVD−Rで観賞。
20世紀フォックス


朗報。

『魔神英雄伝ワタル 2』 Blu-ray BOX
6月25日発売予定

1990年4月から1991年3月まで放送されたテレビアニメ『魔神英雄伝ワタル 2』が Blu-ray BOX化。実はすでに『魔神英雄伝ワタル』(1988年〜1989年)もBlu-ray BOX化されていますがお知らせすっかり忘れてました。

DVD化されなかった『超魔神英雄伝ワタル』(テレビシリーズとしては3作目。見てない)もBlu-ray化されるのでしょうか。


朗報!

『魔法の天使 クリィミーマミ』Blu-ray メモリアルボックス
5月28日発売予定。

1983年7月から1984年6月まで、日本全国を感動の渦に巻き込んだ傑作がついにBlu-ray化!一応、今年の6月までが30周年記念なのですよね。
我が最愛のテレビアニメ、やっと発売になって純粋にうれしい。


14/04/05

『The Opposite Sex』(56年、デヴィッド・ミラー監督)

ジョージ・キューカー監督のオール女性スター映画の傑作『The Women』(39年)のミュージカルリメイクです。いかにも面白そうですね。きっと女ばかりで華やか派手、けたたましいミュージカルになるでしょうね。シネマスコープ、メトロカラー、ジョー・パスターナク製作・・・なんだかだんだん不安になってきました。主演ジューン・アリソン、ジョーン・コリンズ、ドロレス・グレイ、アン・シェリダン、アン・ミラー、アグネス・ムーアヘッド、シャーロット・グリーンウッド、ジョーン・ブロンデル。いやあ姉御・女傑揃いで豪華絢爛ですね。また期待が盛り上がりますね。
結論から言えばひどいリメイクです。オリジナルと比べずとも面白くありません。ミュージカルとしても落第点。116分の間にミュージカルナンバーがたった5曲。そのうちジューン・アリソンが2曲歌い、ジョーン・コリンズが歌わず踊らずでセクシー衣装でいるだけの2曲。なんとドロレス・グレイもシャーロット・グリーンウッドもジョーン・ブロンデルもそして我等のアン・ミラー姐さんでさえ歌いません踊りません。なんのためのミュージカルリメイクだ。そしてなんのためのミュージカル名女優揃いだ。がっかりしました。
以下左オリジナル・・・・・右本作
ノーマ・シアラー・・・・・・・ジューン・アリソン
ジョーン・クロフォード・・・ジョーン・コリンズ
ロザリンド・ラッセル・・・・ドロレス・グレイ
ポーレット・ゴダード・・・・アン・ミラー
メアリー・ボーランド・・・・アグネス・ムーアヘッド
マージョリー・メイン・・・・シャーロット・グリーンウッド
女優陣の充実はさらにジョーン・コリンズの友人にキャロリン・ジョーンズ、噂好きのネイリストにアリス・ピアース(TV『奥さまは魔女』の1代目グラディス・クラヴィッツさん)、ジューン・アリソンの娘にサンディ・デスチャー(『放射能X』の叫ぶ子供)と、ここまでそろっても駄作なので、がっかり度はますますです。ちなみに男優が一切出ない『The Women』に対して本作では男優も出ます。旦那役はレスリー・ニールセン。
ジューン・アリソン以外のミュージカルナンバーはすべて男の歌ばっかでその内の2曲はお話に絡まない男性歌手で、誰もそんなの望んでいません。設定もショービス界にしているので、すべて舞台上での歌ばっか。
コメディ的に面白いところもなく、残念でした。こんなこと思っても仕方がないのだけど、ジョージ・キューカー自身のリメイクか、ヴィンセント・ミネリ監督、アーサー・フリード製作だったらさぞや・・と思わせられる題材ではありました。

米版DVD−Rで観賞。
ワーナー


14/03/22

Kバレエ カンパニー『ラ・バヤデール』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
熊川哲也氏が芸術監督を務めるKバレエ カンパニーの熊川哲也改訂版『ラ・バヤデール』をオーチャードホールに観てまいりました。Kバレエ カンパニー15周年とのこと。この日の公演は熊川さんは出ておりません。
今回は3階正面席からで斜め上から群舞のフォーメーションを楽しめたりもしたんですが・・・舞台が遠い!オペラグラスも持ってったんですが、かえってストレスになってしまって踊ってる最中のオペラグラスの使用はやめました。そんなわけであまり気乗りしなかったです。それは私のチケット選びのせいなのですが・・・。
古代(?)インドなのにチュチュを着てバレエを踊っちゃうあたり元々の『ラ・バヤデール』を作った欧米人のいい加減さを感じてしまう演目ではありました。『ラ・バヤデール』を観るのはこの熊川改訂版が初めてなので、他との違いは今になってネットで調べて知った程度です。
戦士ソロルと舞姫ニキヤの愛が最初にドドンと感じられないので、その後の展開が流れてしまうような。蛇に咬まれて毒に犯されたニキヤに解毒剤を与えようとするあたり大僧正も悪人というわけでもないのですよね。ソロルがラジャの娘ガムザッティの美貌にクラッときてガムザッティと結婚することにしちゃったり、蛇毒に犯されたニキヤを戸惑いながらも見捨てていくような、そんな主人公を受け入れられるかというと、まあ受け入れられます。ニキヤが思わずガムザッティを刺し殺そうとしたり、ガムザッティがニキヤを殺そうとしたり、ドロドロの第1幕は割と面白かったです。象と虎のでる第1幕第3場がハイライト。太鼓の踊りが素晴らしくテンションが上がりました。ここはもう一度観たいです。その他第3場はピンクの女性ダンサー組の失敗が散見され頼りなかったのは残念です。
問題は第2幕第2場で影の王国に入ると急に眠くなっちゃって。ソロルがアヘンを飲んでみる幻影のダンス。ニキヤの分身がぞろぞろと24人+3人。そのコールドの動きがバラバラでした。と、いうわけで分身がそれだけいるせいもあって、主人公としてのニキヤが目立たない。衣装もみんな一緒なんだもん。そうでなくても、1幕からして影の薄いヒロインだったし。
この日の公演はニキヤ/ファーストソリスト佐々部佳代さん、ソロル/プリンシパルソリスト宮尾俊太郎さん、ガムザッティ/プリンシパル浅川紫織さん。なんだか主役二人に見せ場があまりなかったような…そんなはずはないのですが、あんまり記憶にない。存在感のあまりない主役だったのかも。ガムザッティは華やかな踊りだし、プリンシパルの実力もあってか観ていてテンションあがりました。脚も良く上がります。浅川さんは別の日にニキヤを踊っています。宮尾さんは身長が高くて足が長い!ソロルの優柔不断な感じは出ていましたが、戦士っぽさはありませんでした。なんだかジゴロっぽいような。太宰治風というか。
脇役のダンスは楽しかったです。1幕2場の戦士たちがチェスっぽいゲームをしながら踊るのとか、3場でやはり兵士たちが女性と踊るのとか。そしてもう一度書きますと、太鼓の踊りが良かった・・・。『ラ・バヤデール』に太鼓の踊りを残しているバレエ団はあんまりないらしいですが(ロシア方面のバレエ団にはあるらしい)、クラシックバレエの価値観を変える衝撃がありますよ。バレエに興味はないけれど、アクション性の高い激しいダンスは好きという方は、是非。
Kバレエのダンサーは芸能人っぽくてよく言えば華やかな、そうでなければチャラい感じですね。宮尾さんはテレビにも出ているんでしょう。テレビは見ませんが情報として。立ち役の人たちはあまりおらず、その分舞台装置が立派でした。終盤の寺院崩壊場面が良くできてるなと感心しました。オーケストラも生で聞けるのはやはり魅力です。
全体的にして、それなりに楽しめました。6月の『ロミオとジュリエット』はバレエ云々でなくて題材的に好みではないので悩み中。熊川哲也氏が踊るのを観てみたいですが・・・もっととっつきやすい演目まで待っても良いかな。

Bunkamura『ラ・バヤーデル』特集ページ


14/03/15

映画本感想

『ロスト・フィルム 甦るハリウッド無声映画』(フランク・トンプソン著、川上利子訳)

珍しく映画本を読みましたので、その感想。27本の失われたサイレント映画に焦点を当て、そのあらすじと、当時の資料による作品内容、評価をもとにどんな作品だったのかを探るというものです。見ることのできないロスト・フィルム故にその内容にしても想像することしかできないというのが虚ししいのですが、映画的欲求をもたらしてくれる本と言えるでしょう。失われた宝に思いを馳せたい。見ることどころか聞いたこともないサイレント映画の数々を知るきっかけにもなります。『セイブド・フロム・ザ・タイタニック』(1912年)はタイタニック号に実際に乗っていた女優ドロシー・ギブソンが主演し、事故後1ヵ月で公開されたというタイタニックもの映画だとかで、なんという映画的図太さとスキャンダラスさ。こうした歴史的事件と言えそうな映画でさえもはや忘却の彼方なのです。
さて本書で紹介されている27本のうち私が見たいもの。

『神の娘』(1917年、ハーバート・ブレノン監督)
水着の女王エスター・ウィリアムズのはるか昔に存在した彼女の映画的祖先アネット・ケラーマン主演作品。エスター主演『百萬弗の人魚』(52年)はアネットの伝記ミュージカルです。
『神の娘』は当時としては大がかりな大作映画だったらしく、あらすじを読んでもサイレントにしては複雑な展開でちょっとやそっとでは描ききれなさそうな人魚ものファンタジー作品だったよう。監督は『ピーター・パン』(1924年)、『ボー・ジェスト』(1926年)のハーバート・ブレノン。
アネット・ケラーマンはヌードも披露したようですが、それにしても長編出演は2作目らしい彼女が超大作の主演者としての貫禄を持っていたのかどうか謎ですね。ファンタジー映画好きとしては見てみたいです。

『紳士は金髪がお好き』(1927年、マルコム・セント・クレア監督)
やはりこれは見たくなりますよね!53年ミュージカルリメイク版よりはるかに複雑なプロットだったよう。サイレント作品ゆえに台詞のウィットが出ていない(原作や舞台に比べて)という評価だったようですが、ローレライ・リーを演じたルース・テイラーの写真もボブカットを耳のあたりでくるくるまいた煌めくブロンドで愛らしいですし。

『ディヴァイン・ウーマン』(1928年、ヴィクトル・シェーストレム監督)
グレタ・ガルボ唯一のロスト・フィルムです(スェーデン時代のはどうなんだろ)。といっても全然残ってないわけではなくて、部分的に残っていまして、米版DVD”TCM Archives: The Garbo Silents Collection”に収録されています。本書ではガルボの映画はほとんど残っているので、他の26本に比べれば残念ではないようなことを言われていますが、でもでも、シェーストレム、ガルボ、相手役のラルス・ハンソンそろってスウェーデン出身の、ほんの少し前のスウェーデン映画界の立役者ばかりですよ。ラルス・ハンソンとガルボは『イェスタ・ベルリングの伝説』(1924年)でも共演してますよね。当時、人材がハリウッドに流出して落ち目になりつつあったスェーデン映画界のさらに洗練された光芒を見ることができないのは残念です。

『四人の悪魔』(1928年、F・W・ムルナウ監督)
出演者の一人メアリー・ダンカン(『河』『都会の女』)がプリントを海に投げ捨てたことで失われたという伝説がある映画。以前、ムルナウとボーゼージの米版DVD-BOXを購入した際に知ったのですが、本当だったらすごい伝説ですね。サーカスを舞台にしたメロドラマらしいです。主演は『サンライズ』のジャネット・ゲイナー。カメラはゲイナー主演の『第七天国』『街の天使』のアーネスト・パーマーですから見ごたえあったでしょう。

他にも『ボー・サブルウ』『空行かば』『暗黒街の女』等興味はあるのですが・・・。失われた宝石は何故こんなにも輝かしいのか。
本書の発売は2012年ですが、原著は1997年の物なので、状況は変わっている可能性もあるかもしれません。


14/03/08

11月にザハロアの主演するボリショイ来日公演『白鳥の湖』のチケット購入しました。わー。チケット高すぎと思って一番安いD席でいいやと思ったら、D席C席まであっというまに売り切れてしまった・・・。結局A席にしました。どうせならSにすればもっと前で見れたのになーと、今さら思っています。

追記:ボリショイの『白鳥の湖』はアンハッピーエンド版だそうです・・・。ちょっといまがっかりしています。私はハッピーエンドが好きだ。


14/03/02

『パリの恋人』(57年、スタンリー・ドーネン監督)

以前ビデオで見たときは酷いミュージカルだと思い、その後20年くらい見ることもなく過ぎ去り、スクリーンでの上映をせっかくだからと見てきたのですが、思った以上に面白くて楽しみました。やはりスクリーンで見ると違うのかな。あちこち笑い声も上がって気分も上がります。
オードリーの歌声は音割れするのですが、本屋での場面では語るように歌い、音割れ防止になっていてそれなりに聞けます。ケイ・トンプソンとスカーフ被って歌うとどうしても音割れが気になりました。ダンスは・・・うーん、ちゃんと踊ってはいるのですよ。地下のバーでのコンテンポラリー・バレエっぽいダンスはバレエを習っていただけあって、ピルエットしたりするし、脚も上がるので体は固くないはずなんだけど、なんだか固い。動きが固いのかな?他愛のないお話とオードリーのミュージカルナンバーを受け入れられるかどうかで評価が変わりそうです。地味な書店員の姿からすでに特別清楚で愛らしいオードリー、モデルになって華やかなオードリーを見られるのも魅力でしょう。
ファッション雑誌の編集長を演じたケイ・トンプソン姉御が映画をほぼ強引に引っ張り支えています。けばけばしい叔母さんなのですが、彼女が"Think Pink!"を歌いだすと、始まった!という気分になります。このけばけばしさを受け入れられるかどうかでも作品の評価は変わりそうですが、しかしアステアと歌い踊る"Clap Yo' Hands"もアステア顔負けの活躍で、『絹の靴下』(57年)のジャニス・ペイジばりの迫力です。調べてみると映画出演はたったの4作ですが、小説、作詞、作曲など色々活躍している方のようです。
アステアとオードリーの年齢差を受け入れられるかどうかもまた評価を左右すると思うのですが、私はアステア慣れしているせいなのか、全く違和感を感じず、そもそも見ている間は年齢差なんて考えもしなかったです。アステアをスクリーンで見られる機会は少ないので、見に行って良かったです。闘牛っぽいナンバーが見せ場でした。
"Think Pink!"のモデルにスージー・パーカーが出ているのも確認できたし、ミシェル・オークレールの軽薄な教授も良かったし、満足。

スクリーンで観賞
川崎市アートセンター


12/03/02

ミラノ・スカラ座『ジゼル』(05年収録、バレエ)
振り付け/ジャン・コラーリ/ジュール・ペロー

ミラノ・スカラ座の『ジゼル』のDVD観賞です。
バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。

心臓の弱い村娘ジゼルが貴族の青年アルブレヒトとの恋に破れ狂い死にし、ウィリという精霊たちの仲間になってしまうけれど、アルブレヒトを踊り殺そうとするウィリたちからアルブレヒトを助けるという、幽玄、ファンタジーなバレエです。お話だけでもファンタジー好きとしてはトキメキますが、美しいです。単におとぎ話ではなく、ウィリたちが死霊であること、そして男を踊り殺す存在であるという、美しくて怖い存在なのが魅力になっています。殺されちゃう森番のヒラリオンがかわいそー。ウィリのコールドたちが一斉に後ろ足を上げるポーズが畏怖を感じさせて良いですよね。
ジゼルはスヴェトラーナ・ザハロワ。これがまた脚は上がるは飛ぶはで素晴らしいです。儚げで清純派な風情も出ていましたし、狂乱場面では愛に狂うファムファタール的な魅力も出ていました。イタリア人女性ダンサーの逞しさに対してこの方はスラリと細く美しい。
アルブレヒトはロベルト・ボッレ。うーん跳躍高くて優雅。素晴らしいです。演技も可愛いお坊ちゃんから後悔する青年まで自然に演じていました。なんだかすっかりファンになってしまった。
もともとそういう振り付けなのかもしれませんが、二幕はウィリの女王ミルタが舞台を横切っては消え、また現れてという描写がホラーぽくてよいです。ウィリになったジゼル登場場面もふいっと現れてはスッと消えていく。

ロベルト・ボッレが2月末から3月頭まで日本公演に来てたんですよね。気が付いたのが遅かったので、仕事の都合とチケットの都合で見に行けなかった。わりとよく日本公演はあるようなので次こそ見に行きたいです。
そしてザハロアも11月に日本公演ありますね。ホールバーグと『白鳥の湖』他。見に行きたいです。チケットとれるかなー。ザハロアもわりとよく日本公演に来てるみたいですが、タイミングというのも重要ですし。


14/02/22

新国立劇場『白鳥の湖』(公演、バレエ)

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
ついにバレエを見に行って来ました、新国立劇場へ。この日の公演はオデット/米沢唯さん、ジークフリート王子/菅野英男さん、ロートバルト/貝川鐵夫さん。映画もあまり見に行かないけど観劇ってほとんどしたことないのですが、良いものですね。今回は初めてということもあり良い席をとったのですが、安い席でも楽しめそうに思ったのでマメに行きたいなと。
誰でも聞いたことのあるあまりにも有名な『白鳥の湖』。とはいえ実際はあまり知らない『白鳥の湖』です。新国立劇場ではオデットがロートバルトによって白鳥にされるプロローグがついて、王子成人の宴の一幕、王子とオデットの出会う二幕、オデットのふりをする悪魔の娘オディールに王子が誘惑される三幕、そして王子、オデットとロートバルトの湖での戦いの四幕となっています。ファンタジー好きとしては全編に漂うもの悲しさと幻想性はやはり好みです。割と余計な感じのあるプロローグもオデットの変身にグッとくるので良い感じ。見どころは二幕、三幕と思いました。一幕は華やかなんだけど王子に見どころがあまりないような。四幕はあっさり終わってしまってちょっと物足りなかったかも。王子とオデットの愛でロートバルトが敗北するというだけのダンスでは納得がいかないような。一幕で王妃から成人祝いにもらった弓矢でも使えばいいのに。なぜかロッドバルトではなくロートバルトの衣装は暗い色で、照明も暗いので目立ちにくいのが残念です。
見どころの二幕はオデット米沢さんの佇まいが良いです。王子との出会いの怯えが野生動物(白鳥)でありお姫様であり。手の動きが、まあそういう振り付けとはいえ、時に羽であり、時に首であり、見事に白鳥、そして優雅なお姫様になっていました。三幕のオディールに扮した米沢さんは打って変わって悪女。王子をたぶらかし流し目を送ってみたかと思うと、近づく王子から顔を背けたり。菅野さんの王子はあんまり王子オーラ感じなかったんですが優しげな雰囲気で、オディールにつれなくされると、しょぼんとする様子が良かったです。こうして王子は見事に騙されてしまうんですけど清純派の権化だった女性が男を翻弄するあばずれになってても別人だと気が付かないもんなのだろうか。それを踊りながら演じ分ける米沢さんお見事でした。オディールのグラン・フェッテも決まっていました。
メインキャスト以外では何と言っても素晴らしいのはコールドの白鳥さん達!コツコツと足音を立てながら白鳥達が舞台に入ってきたときに、あんまり列が長くて驚いて何人いるのか数えたら二十四人、プラス4羽の白鳥×2でオディールを抜いて32人。その群舞が息ぴったりにシンクロする様が素晴らしいです。下で見たDVDのコールドはあまり息があってないので残念だったのですが、舞台で生で見るコールドの息が合ってるのは嬉しい!
オーケストラも良かったし、見に行って良かった公演でした。もう来年の6月の公演情報が出ているので、見に行くつもり満々です。6月の『パゴタの王子』も見に行くつもりです。

新国立劇場『白鳥の湖』特設サイト


14/02/14

『眠れる森の美女』(11年収録、バレエ、ボリショイ劇場)
振り付け/ユーリー・グリゴローヴィチ

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
新生ボリショイ劇場のこけら落とし公演の映像です。ゴージャス!
このバレエの『眠れる森の美女』というのは聞きかじりだとどんな話なのかよくわからず謎でした。なんで『眠れる〜』に青い鳥がでるんだろと思ってしまうじゃないですか。そしたら必然性も何もなくて、お姫様と王子の結婚式に長靴をはいた猫と青い鳥と赤ずきんとシンデレラがお祝いにやってくるというものなんですね。うーん、よけいなような・・・。
それはともかく豪華絢爛たる舞台装置、煌びやかな衣装が眩しい限りです。ボリショイの底力を感じてしまいます。
オーロラ王女にスヴェトラーナ・ザハロワ。特別プリマ登場にふさわしい演出がされていたわけでもないのですが、出てきた瞬間彼女がプリマだとわかるそのオーラ、スタイル、美しさ、そしてテクニック。プリマドンナはこうでなくっちゃ。足が長くて細くて誰よりも上がって柔らかく年齢不詳で若々しく美しいです。
デジレ王子にボリショイ初のアメリカ人プリンシパルというデヴィッド・ホールバーグ。ロシア人よりロシア人らしい王子像でよいです。2幕1場の薄いブルーの衣装もすらりとして美しく、それでいて広い劇場を飛んでいくのはダイナミック。
王女の呪いを眠りに緩和するリラの精はマリヤ・アラシュ。リラの精には従者の群舞もあって、衣装が同じなので目立たず損をしているような。2幕1場で王子に王女の幻影を見せ、王子が幻影の王女に近寄ろうとすると、まだダメよと押しとどめる姿が冷静な雰囲気です。
悪役のカラボスの倒し方にもうちょっと何とかしてほしい感じがしましたが、とにかく華やかなので、楽しめました。
そして問題の2幕3場。おとぎ話の登場人物が踊るのですが、うーん、やはり余計な感じがしてしまう。中でもとりわけ異色なのは、赤ずきんとオオカミでしょう。なんで悪役のオオカミが結婚式に招かれてバレエを披露するんだよという突っ込みもありますが、彼らの背景のために書き割りの木を持ったダンサーが現れるのが、場違いです。赤ずきんも大人が踊っているので、ロリータっぽくて異様です。
とにかく豪華絢爛、華やかな舞台の収録でした。

ときに、今年のローザンヌは日本人が1,2,6位でしたね、おめでとうございます!


14/02/10

シャーリー・テンプル死去


14/02/01

『シルヴィア』(05年収録、バレエ、英国ロイヤル・バレエ団)
振り付け/フレデリック・アシュトン

英国ロイヤル・バレエ団の『シルヴィア』のDVD観賞です。たぶんBBC放送の番組をDVD化したのだと思われます。

去年のことですが、山岸涼子の漫画『テレプシコーラ』にはまりまして、それ以来『テレプシコーラ』熱が未だに半年ほど続いております。『テレプシコーラ』はバレエを題材にした漫画で、ならばいっそバレエ公演を見に行こうかという勢いなのですが、漫画は漫画、舞台は舞台であってバレエそのものが好きかどうかは別物。というわけで、まずはDVDでバレエ観賞から。

バレエのテクニック等わからない素人感想です注意。
この『シルヴィア』という物語が、まず簡素過ぎで面白くありません。ダンスさえよければお話は関係ないのでしょう。音楽だったり振り付けだったり演出だったりダンサーの演技やテクニックが良ければバレエはいいんじゃないの、と思いつつでも一つのお話として破綻してるレベルなんですけど・・・。月の女神ダイアナに使える妖精シルヴィアに思いを抱く羊飼いのアミンタ。純潔を誓うシルヴィアはアミンタを嘲り愛の神エロースの像に矢を放つがかばったアミンタの胸に刺さって絶命。その瞬間エロース像はシルヴィアの胸に愛の矢を放ち、シルヴィアはアミンタを愛するようになる。狩人オリオンがやってきてシルヴィアをさらい、通りすがりの村人と変な人(呪いし?シャーマン?後で正体判明)に命を助けられたアミンタは変な人の助言でシルヴィアを追いかけるが・・・。結局シルヴィアの下にはたどり着けず、シルヴィアはエロースの助けで逃げ出してしまうのであった。って、えー、なにそれ。アミンタって結局なんにもしてないじゃん。出てくるだけじゃんお話に絡んでないじゃん。だから原作は『アミンタ』だったのに『シルヴィア』なわけね・・・と言ってもね。
というわけで、純粋にバレエを楽しむしかないのです。アミンタ役のロベルト・ボッレはDVDジャケット写真でみると気持ち悪いですが、動くと普通に美男。両腕上げて片足曲げてジャンプが高くて優雅、美しいです。それに比べるとシルヴィア役のダシール・バセットは情緒不足かな。スターオーラにも欠けるような。出てきてすぐプリマだとわからなかったもの。バレエテクニックに疎い私にはむしろ、エロース像の人が立ちっぱなしで大変そうだなとか、2幕でエロースが現れる際のたいまつがキランキランで良いなとか、ダイアナの人がシルビア・ロペス(映画『ヘラクレスの復讐』のオンファーレ)みたいで怖いとか楽しみました。


14/01/25

『マイヤーリング』(57年、アナトール・リトヴァク監督、テレビ映画)

オードリー・ヘプバーン主演のテレビ映画が劇場公開。生放送のテレビ画面を当時の技術で撮影したものをリマスターしたとかで、私の変な物好き魂が興味を持ってしまいます。結果はというと、スクリーンにブラウン管の網目状がうっすら映っていたり、生放送(それも当時の)だからスタジオ内の雑音が聞こえたり、カメラの影が映っていたり(劇場用映画でもたまにあるけど)、幕と幕の間に生放送のコマーシャルが入ったのだろうと思うと興味深かった。そしてやはり生放送ならではの、一回こっきりでミスは許されない中、セットからセットへ走るであろう出演者たちの生の演技の息づかい、スタジオ内の緊迫感を楽しみました。テレビ映画なので豪華ではないし、セットの関係上スケールもなく、簡素な印象は受けました。元々はカラーだった作品がモノクロになっているので、陰影にも欠けます。題材は『うたかたの恋』なので、アナトール・リトヴァクとしては二度目の題材なのですが、あちらは映画、こちらはテレビ映画なうえに生放送とあっては、単純にリメイクとは言えないと思います。もともとお話自体が面白くない題材ですが、本作ではやたらとダンスシーンを挿入することで楽しさ、緩急を出していたようです。『うたかたの恋』は15年くらい前にビデオで見たきりで、もうほとんど覚えなかったのですが、本作を見ているうちになんとなくおぼろげに思い出したようです。
クレジットトップのオードリー・ヘプバーンは動きの少ない出番も少ない役で、彼女を見る目的だと物足りないのではなかろうか。テレビ画面を録画した素材な故でしょう、画像ボケボケですし、前述のとうりカラーがモノクロになっており陰影が足りないところもあって、大人しくスターオーラが幾分抜けてる感じはあります。生放送なのでベストの状態を選ぶわけにもいきませんし。それでも場面によってはオードリーの個性的な顔がパッと輝いて、スターって唯一無二の存在なのだなと感じさせます。
むしろ主役は皇太子を演じた当時の夫メル・ファラーで、ほとんど一人芝居状態ですが、演技不足だったような。あまりスクリーンで見たい俳優でもなく。
皇后エリザベートを演じたダイアナ・ウィンヤードが出番は少ないものの印象的。

シネマカリテ

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