今回のお話は直接的なバンコク便利情報とは言えません。
ですがエイズで悪名高いタイに遊びに来られる際に、多くの方が少なからずとも
関心を寄せるテーマでもあることから、
敢えて今回はエイズ問題を特集することにしました。
そもそもテーマとして採り上げるきっかけになったのは7月16日に無事その幕を
閉じた第15回エイズ国際会議がバンコクで開催されたことに起因します。
この大会は2年に一度大都市を中心に開催されているイベントで
有料参加の国際会議としては世界最大級です。前回のバルセロナに
続き今回の開催地に選ばれたのがバンコクというわけです。
世界160ヶ国から約20,000人が参加するこのイベントには多くの
プログラムや展示が含まれています。6つの大型会議場では
開催期間5日間に渡って100以上のシンポジウムが行われ、展示ホールには
様々なブースが立ち並びます。
また開会式典ではアナン国連事務総長、タイのタクシン首相の基調講演の他、
エイズ親善大使であるリチャード・ギアの出席などもあり、話題性作りとPR効果も
抜群な演出が施されています。
多くの人にエイズ問題に関心を寄せてもらおうと言う試みですので
素晴らしい演出だと思います。
また、本編会議内容も世界中に約3,000万人いると言われているエイズ感染者
を取り巻く差別環境改善や特別意識撤廃のあり方について様々な議論が交わされます。
そして展示大ホールでは大小様々ななブースからメッセージが発信されています。
しかし、よく会場を見回すと患者の手記を綴ったノートと活動内容紹介の
印刷物を置いている団体の小さな基礎コマだけのブース群に混じって
巨大なモーターショーばりの2階建ての建築物がいくつもあることに気付きます。
厚く敷き詰められた絨毯に52インチのプラズマディスプレイ7台と
コンパニオン20人以上を配置しているブースまであります。
それらは全て製薬会社のブースでした。
各国の厚生省が参加するこの会議では展示ブースは重要な商談スペースと化すのです。
よく、考えてみると妙なことはそれだけに留まりません。
何故、このイベントに参加するだけで1,000US$もする入館証を購入しなければ
ならないのか・・・・・・・・・・・? です。
通訳やイベンターなどの運営スタッフでさえ135US$の入館証を
購入しなければ場内作業を行うこともできないなんて高すぎないでしょうか?
シンポジウム会場の音響、映像に関する依頼はスイスの指定業者に予めオーダーしなければ
ならない仕組みで、例えばワイヤレスマイクの使用料が5本で2,000US$などと言う聞いたことも
ない設定になっていたり、ブースのコマ賃そのものも通常の10倍ぐらいします・・・・。
1000$の入館バッジを20,000人が購入して2千万ドル。
他運営関係者がざっと100万ドル。
コマ賃が目の子で、1,000万ドル。
シンポジウムの会場費と追加機材費がドンブリで150万ドル。
他展示スペースの賃料とスタバなどの飲食店からの上納金などなど・・・
恐らく主催者とそれを取り巻くハイエナ業者には40億円ほどのキャッシュが流れ込んで
いる計算になります。いくらアナンを呼んでリチャードギアに高額なギャラを払った
としても屁みたいなものでしょう。そもそもタイの会場費や警備料なんて安いんですから。
世界の感染者・発病者を救おうと言う名目の国連公認の国際会議に
これだけのキャッシュが流れ込んでいるのは正直異常です。
一方で2,000万円クラスのブースをゼネコンに建てさせている製薬会社や
ベンツのSLで会場前に乗り付けて来る自称NGO代表と名乗る外国人など
主催者だけではなく、明らかにエイズを食い物にしている輩が跳梁跋扈しているのです。
日本政府や各種NGO団体など真面目に活動内容を発表しているブースも
多く存在する中、それを食い物にしている連中がいるとは・・・うーん羨ましい!!
まさに土地やITのバブルが消え去った今でもエイズバブルは存在している
ということです。言い換えればエイズ問題を熱く議論しながらも本当に根絶されては
困る人たちが大勢いるということになります。恐らく感染者が増えたり減ったり
しながらいつまでも問題視され続けていくことが彼らにとって重要なのでしょう。
全くふざけた話です。でも羨ましい!!
ところで、現状タイのエイズ問題はどうなっているのかというと、
そもそも麻薬がベースとなって感染が広まり、売春で感染爆発した背景を
受け1981年から1982年に大規模な売春取り締まりを行ったのですが、これが
全く誰も言うことを聞かないっていうんで、政府は
「わかった、わかった。じゃあもう売るなとは言わないからせめてゴム付けようよ。」
という大規模キャンペーンに切り替えた経緯があります。
この政策はもの凄い効果をあげましたが、その背景として安全に売るなら認める
という撲滅型から管理型に変更したことと、一方で安全に売らない組織や女は
徹底して根絶してやる! という強い姿勢で望んだことで、客側にも生だのゴムだのという
選択肢を与えなくしたことが上げられます。
売春組織も売春婦もお達しを守ることで自分の収入を維持することに結び付いたのです。
この成果によりタイにおけるエイズ感染者は激減しました。
昔言われていた、エイズ患者だらけという印象はすでにバンコクにおいてはありません。
逆にゴム装着は政府の大キャンペーンを受け、当たり前になっているのです。
むしろ田舎出身のタイ人女性と恋人関係になって、そいつの昔の男がシャブ中だった
なんて話の方がマジで恐いようです。