Hiraiバカ一代
LAST UPDATE 2003.8.23

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■月光魔術團カットマンコンテスト予告発表(Moonlight Campus!発)
 月光魔術團カットマンコンテストは、いかに発想の翼を拡げるかがポイントでしょう。『月光魔術團』(第一期)を一本の映画にするとしたら、あなたならどう構成するか。こうしたセンスを問われているわけで、こんなオモシロイ企画に参加しない手はないと思います。日頃、タコな監督やタコな脚本家の映像化作品にウンザリな我々原作ファンの、熱い思い入れの凄味を見せてあげるいい機会です。
 ダイジェストをこさえる素材をどうするか、といった具体的な問題は、とりあえず応募要項が明らかになってから考えればよろしいでしょう。クオリティや技術的な問題も、この際度外視していいんじゃないでしょうか。手を入れずに商品化できるレベルなんて、主催者だって、まさか期待してないでしょう。細かいところは、プロの先生方に直していただくぐらいの気分で、お祭り感覚で参加すればいいんじゃないかなと思います。欽チャンの仮装大賞的ノリで。
 要はアイデア勝負なんだと思います。なにしろ、全十二巻ですから、淡々とダイジェストにしたのでは訳がわからないし、第一つまらない。だいたい、『月光魔術團』が映画化されるなんて聞いた日には、まずそこのところの無謀さに首を傾げますよね。そんな無茶な試みを我々ファンにやってくれという(笑)。だから、オモシロイんですけどね。そこにオリジナリティを生かすポイントがあるわけで、たとえば『地球樹の女神』に対するコミック『クリスタル・チャイルド』というのはオーバーにしても、そのぐらい大胆な料理をしたっていいと思いますね。
 ひとつ具体例をあげると、博徳高校新聞部というのを設定して、『月光魔術團』全十二巻の一連の動きを学園新聞の体裁でスキャンダラスに報じていく、というのをちょっと考えたりしました。一人称である「私」が語り部となって、博徳高校新聞部員として、メイや人美をパパラッチする。もちろん、これには重大な矛盾があって、なぜ予期せぬ登場人物達の行動を逐一把握しているのかとか、なぜ新聞にして報じているのに生徒達はなにも知らずにいるのかとか疑問を提示したところで、メタフィクショナルなオチへと結ぶ。
 ……イマイチですね。当然、ワタシだって、とっておきのアイデアをここで言ったりはしません(笑)。応募するかしないかは別にしても、こういうコトを考えるだけでも、面白いと思いませんか。
 こういう企画をホントは、ファンボードが主体となって盛り上がっていけば面白いんですけどね。「りんたろうにギャフンと言わせる映画『幻魔大戦』シナリオコンテスト」なんて、誰かやりません?

■梁慶一画『死霊狩り』Vol.1発売(アスペクトコミックス)
 アスキー蜜月時代の置き土産、コミックビーム連載、梁慶一画『死霊狩り』が遂に単行本化。帯に御大のコメントがあるので、購入の際は帯の有無に留意されたい。原作者は梁氏の画を絶賛しているが、ワタシも同感だ。韓国の凄腕の絵師、梁慶一(ヤン・ギョンイル)を日本コミック界に知らしめた功績は大であろう。
 本作は構成面で大胆なアレンジが施されている。なによりも、本作ではゾンビーは人外の化け物として描かれている(血も出ていたな)。ゾンビー島での選抜試験の展開は、かなり原作に忠実だが、こののち原作の軌道を大きく外れることが予想される。
 ワタシは原作至上主義には否定的なので、それ自体は別に構わない。ゾンビー島の基地がなぜかガウディだったり、指揮官達が妙に時代錯誤な憲兵服に身を固めているのは、ヴィジュアルとしては成功してると思う。梁氏の絵はバイオレントなシーンで、その本領を発揮する。ニューヨークが廃都と化した世界を舞台に、ゾンビーハンター田村俊夫の悲壮な暴れっぷりで魅了してくれることだろう。平井和正『死霊狩り』のエッセンスを生かした、存在感ある漫画に成長することを祈っている。

 あと、読んでいて気付いたのだが、けっこう「ビーム」掲載のものから、手直しが施されている。近いうちに、リストアップしてみようと思う。

■月光魔術團、電撃文庫(メディアワークス)より刊行。第二期は新雑誌「電撃hp」で掲載開始(Moonlight Campus!発)
 作家・平井和正の際立った“個性”は、パートナーたる出版社選びにもよく現れていると思う。相変わらず、意表を突いて我々読者を驚かせてくださる。今度はメディアワークス・電撃文庫である。21世紀にはデビュー40周年を迎える大作家なら、フツウは選ばないレーベルである。(註1) 「文壇」という言葉が、これほど似合わない大作家は珍しいし、氏自身もそのことを誇りとしているのだろう。
 早川書房に始まった平井和正出版社遍歴を振り返れば、その付き合いはどれも決して長いとはいえない。筒井康隆×新潮社のような長期のパートナーシップが望み薄であるだけに、常に一抹の不安感がつきまとう。今度はいつまで保つのかな、と(笑)。(註2) あるいはそれは、澱まぬ冒険者、平井和正を愛する者の宿命なのかもしれぬ。平井和正と出版社の関係そのままに、平井和正と私の関係もまた不安定そのものだ。いつまで、マイ・フェイバリットであり続けられるのだろう。そうした不安がいつもつきまとっている。(註3)

 雑誌掲載の報を見たときはビックリした。いまどき、400枚級の単行本まるごと一冊分掲載可能(註4)な雑誌など払底しているし、もはや雑誌掲載はありえないと思っていたからだ。初出がオンライン出版というのも悪くないが、どうしても既存のファン向きに自閉してしまう傾向がある。他の作家目当ての読者にもその存在をアピールできる雑誌媒体に掲載することは、とても喜ばしいことだ。ワタシ自身にも、ワタシの知らなかったりノーチェックだった面白い作品に、出逢う機会が増えることでもある。
「電撃hp」は季刊らしい。かつてアスキーからオンラインリリースされた「第二期月光魔術團WolfGuyDNA」Vol.1〜4の先が載るのは、さらに1年後ということになる。今年中に作者は「月光」を脱稿される決意らしいが、我々がそのエンディングを拝めるのは、いつになるのだろうか。

(註1)「レーベル」はレコード・CDに用いるブランド名で書物には使われないが、ほかにいい言葉が見あたらなかった。
(註2)無論、切れたら切れたで、別の舞台は必ず現れると確信しているので、その点は楽観しているが、シリーズなかばでそうしたことがあると、そのタイムラグにやきもきせずにはいられないのである。
(註3)もっとも、本当に心が離れてしまったら、何の痛痒も覚えないものかもしれません。
(註4)「野性時代」「SFアドベンチャー」……。なにもかもみな懐かしい。

■梁慶一画『死霊狩り』第9話 最終試験IIコミックビーム04月号)
 廃墟を模した空間で6人のコマンダー相手に、たった6発の弾丸で最終試験に挑む俊夫の死闘を描く。残弾1発、残る敵は4人。そのとき俊夫が仕掛けた奇策とは……。シビレるぜい。
 いささかプツ切り的にページ数少なくして終えた今回、特筆すべきは、アシスタントの兵役による次号休載の予告であろう。韓国は徴兵制があり男子は兵役に服さねばならない。記事によると、梁氏はすでに兵役を終えているらしい(ホッ)。よその国ならではの事情、というか、日本っていい国だなー、とつくづく思う。
 単行本には決して表れないであろう事実として、ここに留めておきたい。

■「第二期月光魔術團WolfGuyDNA」次号よりスタート(電撃hp Volume 2)
 A5版の小説誌である「電撃hp」(\900)はしかし、いわゆる文芸誌のコーナーでは発見できない。チェックを入れるべきはアニメ・ゲームの類であろう。「Cobalt」や「Sneaker」と同類項ですな。
 4ページにわたるカラーの紹介記事は、マニアならずとも見ておいて損はない。特に泉谷あゆみサンの談話はフリーク必見。「平井和正ビジュアルワールド」では、これまでいかにイラスト・コミック界のビッグネームと組んで仕事をしてきたかがわかるゾ。オフィシャルサイト「Moonlight Campus!」も紹介されていて、「月光魔術團もいち早く読むこともできるはず!」だそうだ。ウハウハ。第3号は6月18日発売だ。心して待ちたい。

■電撃文庫 月光魔術團1「春の魔法使い」5月10日発売(Media Works WWW site発)
 ニュースは早さが命だ。何処よりも誰よりも早く報じられるのは快感である。
 http://www.mediaworks.co.jp/dengeki_c/new.html←ココを見れ。そして実感するあるよろし。
 でも、此処を読んでる人はいるのか?(笑)

■今度のデジタルノベルはTTZ(東京国際ブックフェア
 もともと関心はあったワケ。「行ってみようカナ」程度の関心を「行くべし!」に変えたのは、平井和正デジタルノベルが緊急出展の報であることは、言うまでもない。
 行ってきました。ボイジャーのブース。見てきました、新しいデジタルノベル『月光魔術團1 春の魔法使い』。PDFに替わる新しいフォーマットはTTZ。これは専用ブラウザ「T-Time」で閲覧する。これがいいんだ。ボイジャーの謳い文句通り、まさに「伸縮する本」。百聞は一見にしかず。実際に使ってみて、その機能を体感してみてください。
 PDFはレイアウトが固定のため、表示させるハードを自ずと限定させていた。たが、フォントサイズ、行間、段組、自由自在のTTZには、そうした限度がない。仮にカシオペア並みに小型のWindowsマシンが登場すれば、ワタシのサイフは大いに緩むと思うぞ。作ってはくれまいか?>メーカーさん

■梁慶一画『死霊狩り』第10話 最終試験IIIコミックビーム06月号)
 修羅だ。
 片腕を奪われ、キレた田村に戦慄する。単行本化を待っているひとも、今回だけは雑誌サイズで観ておいて損はないだろう。もっとも、あまりの凄惨さに、血の気が引く方もおられるかもしれないが。
 梁ゾンビーは、バイオレンスで原作を超えた。

■デジタルノベル販売再開!(LUNATECHデジタルブックストア
 10日の予定が3日延びて、奇しくも御大生誕の日にデジタルノベルの再出発となった。ファイル形式とビューアについては、4/25付「ブックフェアに行ってきたよ」でもご紹介した通り。デジタルブックストアで頒布されるT-Timeは、ボイジャーのサイトでも入手できない、正式アップデート前のスペシャルバージョン。以前、『クリスタル・チャイルド』が日本初のPDF小説になったときも、ビューアである日本語版アクロバットリーダは、まだβ版だったことを思い出す。デジタルノベルの革新は、平井和正とともにある(笑)、と言ってもいいかもしれない。
 T-Timeについては既に触っていたが、こうしてイラスト付きの平井和正の小説を表示させてみると、その美麗さに溜息が出る。繰り返しになるが、T-Timeの眼目はレイアウトが読み手の自由に変更できることだ。フォント、段組、背景……これらを自由に調節することができる。アクロバットが作り手のこだわり、利便性に即したツールだとすれば、T-Timeは読み手のこだわり、利便性に即したツールだと言えるだろう。
 今回のバージョンアップで、T-Time(TTZ)がデジタルノベルに相応しい、高度な表現力を有していることがはっきりした。以前のバージョンでは、縦組み時に不安を残した半角2文字の《!?》や《“”》の問題(註1)も、見事にクリアしている。もしかすると、デジタルノベルに懐疑的な読書家も、T-Timeを見れば、認識を改めるかもしれない。本、というものの概念を根底から覆す可能性を秘めているのではないか。
 今後、TTZを採用するデジタル作家は増えるだろう。テキストには難色を示す作家も、別段、フォントやページレイアウトにまで、強いこだわりを持つわけではないだろうからだ。知人が言っていたが、あるいは、T-Timeの開発は、エキスパンドブックがPDFにシェアを奪われつつあるボイジャーの、起死回生の巻き返し、という邪推もできなくはない。TTZには、エキスパンドブックに課せられた、商業販売のロイヤリティは存在しない。
 機能上、なくなると思っていた「著者コメント」(註2)も、リンクを使って実現しているのもウレシイ。今回、待ちに待った『クリスタル・チャイルド』とともに、第一期『月光魔術團』全12巻が一挙リリースされた。今後、怒濤のラッシュが展開されていくだろう。忙しいぞぅ。これから初めて読み始めようって読者は。ちょっと羨ましいけどね。

(註1)ワープロソフトで、縦書きにした時に起こるアレ、ですな。
(註2)PDF版では、ノートという機能を使って、注釈を入れていた。

ビットキャッシュ無料体験キャンペーン開始(LUNATECHデジタルブックストア
BitCashキャンペーンシート ビットキャッシュの無料体験キャンペーン、LUNATECHデジタルブックストアも参加してますね。サンクス・ミニストップに足を運べる方(&アコシス会員)は、「月光魔術團1 春の魔法使い」(註1)を無料でゲットできるゾ。もう買っちゃいました? 実をゆーと、ワタシもそうだ(笑)。
 デジタルブックストアのバナーを辿れば、MMS設置店の一覧も参照できますので、店舗の所在も一目瞭然。要チェックです。ワタシの場合、幸い通勤沿線にありましたので、さっそく、サンクスに参りまして、300円分のキャンペーンシート(←)、頂戴いたしました。すっげえ得した気分、って得してるんですが。(註2) MMSの操作はいたってカンタン、タッチパネルをタッチするだけ。カード情報の書かれた紙が、うにゅにゅにゅにゅ〜っとアウトプットされます。
 該当店舗では、BitCashシートを販売しているワケで、この入手チャネルを開拓できたのも収穫でした。これもキャンペーンの目的なんでしょうが。しかし、BitCashシートの購入をクレジットカードでしか受け付けないのは不満だ。(註3) せっかくの少額決済プリペイド、現金で買えなくてどーする。それに、サンクス・ミニストップのMMS設置店は少なく、インフラとしてはいかにも弱い。ローソンに展開してくんないかしら。こちらのMMSはローソンカードが使えるし。

(註1)デジタルブックストアの無料キャンペーン商品は「月光魔術團1 春の魔法使い」のみ
(註2)「月光魔術團1」は購入済みだから、アイドルステーションにでも行ってみようかい。
(註3)ハード的に現金投入口がないのでしょうがないのだが。でも、なぜ現金を扱わない?

■梁慶一画『死霊狩り』第11話 前夜(コミックビーム07月号)
 巻頭カラーの第11話。ハイテク義手と義眼を与えられた俊夫は、地下核炉への侵入を図る。生存テスト以来、原作に忠実な軌跡をたどってきた本作。いよいよ、“ゾンビー”の核心が明かされる時が近づいている。原作の骨子を揺るがす、冒頭のモンスター“ゾンビー”へと、どのように結びつくのか、つかないのか。ビームから眼が離せない。
 今夏、韓国の人気漫画誌「YOUNG CHAMP」での連載が決定。おそらく、平井和正作品初の韓国進出(侵略じゃないよな?(笑))であろう。

1999.06.29 加筆

■「月光魔術團II ウルフガイDNA」掲載(電撃hp Volume 3)
 平井和正の小説が「雑誌」に載ったのは、7年ぶりになる。92年の「SFアドベンチャー」最終号(註1)を最後に、平井和正は雑誌媒体から遠ざかっていた。『犬神 明』の初出はムック「犬神」(註2)だったし、『ボヘミアンガラス・ストリート』は商用ネットでのオンライン出版、『月光魔術團』は書き下ろし(註3)だった。
 ムックにしろ、ネット販売にしろ、既存のファンとの間で自閉してしまう点が最大の弊害だろう。とはいうものの、徳間には既にSFAはなく、アスキーにはもとより小説誌はなかった。(註4)
『月光魔術團』の書籍刊行がメディアワークスに移って、雑誌掲載されたのは喜ばしいことだと思っている。電撃誌の読者層に平井和正がどう迎えられるのか、大変興味深い。

 掲載されたのは、PDF版『仮面騎士團』の前半約半分。続きは7月18日発売の新書版で、ということで、どうやら連載ではないらしい。まあ、季刊誌で連載されても困ってしまうが。次号の掲載は不明だが、「ウルフガイDNA」が月イチで刊行される以上、今回の「電撃hp」掲載は、第二期月光魔術團刊行開始の特大打ち上げ花火と考えるのが妥当だろう。『月光魔術團』の掲載が今回限りだったとしても、いずれ月刊化して、平井和正の新作、400枚一挙掲載、なんてやってもらいたいものだ。
 他に特筆すべきは、なんといっても泉谷あゆみ×七月鏡一の人形対談。「月光」誕生秘話なんかも明かされていて、小説は本の刊行を待ってもいいけど、これだけは見逃すなっ、って感じだ。第一期月光が文庫で二巻までしか出ていない時点で、月光魔術團IIが掲載されることに対して、七月センセイがちゃんとフォローしてくれているのが嬉しい。
「でもマンガもそうですけど、途中から読み始めても面白いものは面白い。ストーリーはわからないけど、キャラクターを楽しむことはできる。その上で、もっと知りたくなったら第一期に戻って内容を把握すればいいんです」
 そうなのだ。物語を楽しむのに、一から順に読まなければならないなんて決まりはない。優れた物語は途中から読んでも面白いし、途中から読んで面白くない物語は、一から順に読んだって面白くないのだ。

(註1)『地球樹の女神』はその号をもって完結した。まるで「地球樹」の終幕を待っていたかのようだ。ところで、正確言うと最終号ではない。数ヶ月の休刊の後、カルチャー雑誌のような中身でリニューアル、再出発した。が、数号で終了。
(註2)2号しか出なかったが。
(註3)Vol.11以降はインターネットでPDF版が先行発売されました。
(註4)そういえば、「LOGOUT」っちゅうのがありましたね。

■「月光魔術團II ウルフガイDNA」デジタル版 発売開始(LUNATECHデジタルブックストア
dna1s.jpg (9379 バイト) 苦節1年、ようやくこの日が参りました。
 今後は毎月18日にリリース。書籍のほうも新書で、1ヶ月遅れで同じ日に発売されます。平井和正の最新作を月イチで読めるという、ゼイタクを当分のあいだ満喫できそうです。
 さて、今回特筆すべきは、泉谷あゆみサンのイラストでしょう。左にバスタオルを巻いた万田センセイのイラスト、右にそのバスタオルをつまむ人美のイラストが配されています。いままでにも、左右ペアのイラストというのはありましたが、こうした地続き(?)のそれは初めてではないでしょうか。
 こういうのを見ると、せっかくだから(?)ひとつに合体させてみたいですよね。できるんです。T-Timeのウィンドウを左右の幅をグリグリグリッと縮めてみよう。縦横のサイズを5:3ぐらいにして微調整すれば、左右イラストの合体ができあがり。TTZならではの愉しみ、と申せましょう。

■梁慶一画『死霊狩り』第12話 孤軍(コミックビーム08月号)
 地下核炉をジャックした俊夫は、司令官“S”と対面する。そこで恐るべき“ゾンビー”の実態を知ることになるのだが……。
 マンガ的なアレンジを加えながらも、原作に忠実な軌跡をたどっている本作。そろそろ、冒頭のシーンは忘れるべきなのかもしれない(笑)。

■「決定版 幻魔大戦」集英社文庫より刊行開始(集英社
『幻魔大戦』の続編、『ハルマゲドン』が上梓された1987年、「幻魔大戦20周年」と言われていたのは記憶に新しい。あれから干支が一回りして、今度は1979年に始まった、小説版『幻魔大戦』(&『真幻魔大戦』)が20周年を迎えたことになる。
「G20」(ジー・ツー・オー)は、ガンダム20周年を機にアスキーから刊行されているムックだが、あのガンダムと同い歳(笑)というのは、歴史の重み、というと大袈裟だが、なんかオレもオヤジになっちゃってるワケよねえ、とシミジミ感じることしきりだ。付け加えると、『グイン・サーガ』も20周年だそうだ。奇しくもいずれも頭文字はG。G20の揃い踏みである。
 ひとつは生みの親・富野監督自らが指揮する新作が放映され、ひとつは開始当時から今なお単独の作家の小説としては最長の記録を更新しつつ継続的に書き綴られ、ひとつは装いも新たに伝説の名作がリバイバルされた。2巻合本のうえ、2冊同時リリース。なんと本年度中に全巻刊行しちまおうという、スピード配本! こんな快挙は、ラルク・アン・シエルだってやっていない(ちょっと違う?)。A社の轍は踏むまいという、並々ならぬ決意を感じるのは、ちと穿ちすぎか。

 某新宗教に関与して以来の“神憑り”が喧伝される平井和正だが、もはや20年以上も昔の話だ。いまだに“「と」に走った平井和正”なんて言われ方をすることがあって、ア然としてしまう。もういい加減、認識を改めてもいいのではないか? おおかた青春期で、そいつらの時間は止まっているのだろう。「幻魔」の時代にファンになったヤツも、ファンをやめたヤツも、みんなもういいオヤジであることに変わりはない。ロックを語るオヤジと同じ。引っ込めオヤジぃ、ってカンジだ。(オマエが言うな)
 そんなオヤジの感慨をよそに、爽やか表紙の『幻魔大戦』は、当世少年少女のハートを掴むに違いない。『月光魔術團』から読み始めた読者だっていることだろう。
 生頼、寺田、両画伯とは趣を異にする勝連氏のイラストは、青春小説としての『幻魔大戦』の、もうひとつの側面をよく象徴してると思う。ベガやソニーには、いささかの不満を覚えないでもないが、むしろ、勝連氏が本領を発揮するのはこれからだろう。久保陽子の扉絵を見てそう確信した。そもそも、「幻魔宇宙」〜「超戦士」〜「最初の闘争」って、《幻魔大戦・エピソード1》(笑)として、別枠にしてもいいぐらいだと思っている。
 これを機に、幻魔の新作、書いてくんないかなあ。

■「月光魔術團II ウルフガイDNA」新書版で刊行開始(メディアワークス
「あの娘もこっそり読んでいた!」
 この帯の文句にニヤリとしてしまったワタシは、よほどのマニアかオールドファンなのでしょうか。祥伝社NON NOVELアダルトウルフガイシリーズに巻かれた帯コピー、「あいつもこっそり読んでいた!」をご存知の読者は、果たしてどのくらいいるのでしょうか。
 んー、『月光魔術團』を読んでいる「あの娘」に、是非ともお目にかかりたいものです。でも、やっぱり、「こっそり」読んでるんだろーなー。

電撃文庫TCやのまん
 トレーディングカードの眼目は、やはり射倖性にあるのだろう。望みのカードを得られるかどうか、封を開けてみるまで判らない、そのハラハラ感こそ快楽の源泉と言えよう。関係ないが、プロレス界には、山本×小川戦、健介×高田戦のような、マッチメイクができていないのに可能性だけが喧伝されて、チケットが捌かれることがままある。こうした対戦(カード)をワタシは、トレーディングカードと呼びたい。それはともかく。
 リスクもしくは多額の金銭と引き替えに手中にするからこそ、なんの変哲もないカードに価値(プレミアム)が付与される。これが一枚いくらでムキ出しで販売されていたら、さして面白くもなければ値打もないであろう。コレクターズ・アイテムと言われる所以である。
 電撃文庫トレーディングカードも、そんなコレクターズ・アイテムのひとつだ。カードの絵柄自体にさして値打はない。いや、値打がないのではなく、そのほとんどは既に本の表紙や挿し絵として発表されたものであって、“絵”にしか興味のない向きには用がないということだ。そういうモノが販売されていれば、とにかく手に入れずには気が済まない、そんなコレクターな性を持つ者にのみ、このうえない訴求力を発揮する。
 電撃文庫トレカ117種のうち、『月光魔術團』のカードは5種類らしい。あまり分のいい賭けではない。まして、絵柄は泉谷あゆみ特別描き下ろしというわけではない。正直、この商品に乗るかどうか、ワタシは迷った。全種類入手したところで、「だからどうした」なシロモノでしかないではないか。いや、しかし――。だからこそ、これを持っているというのは、スゲー値打があるんじゃねーのか。いらぬ考えが脳裏をよぎる。
 結局、買ったんですけどね。ええ、買いましたよ。15パック入りボックス、5,700円(笑)。バラで売ってなかったんよ、新宿まんがの森。ま、ソープでババアに当たったと思や、安いもんよ。でも、袋を破って取り出すときの、ドキドキワクワク感は愉しかったね。見事、「月光」に当たったときは、ウォッシャアァァァ! って気になりますもんね。なんの変哲もない、使い回しのイラストのカードなんだけどね。その高揚感への代金と思えば、決して高くはなかったかな。
 しかし、計120枚も購入して、入手できた「月光」カードは下記の4種類。残る「メイ&るみな」の求めて、更なる出費を重ねそうな自分が怖い。こんな博徒な亭主を持つと、嫁さんは苦労するだろう。

「やめてッ、あんたッ、このお金は子どもの幼稚園の月謝……」
「やかましわッ、オレは『メイ&るみな』のトレカをゲットせなあかんのじゃッッッ」
「あんたァァァァァッ」


 そんな悲惨な未来からカナメを救いたいと思う皆さん、どうか余分の「メイ&るみな」カードを譲ってあげてください。当方、「人美&メイ」カードを余分に所持しております。

筆者の現在の所有
-「るみな&秋菜」(13 of 117)
-「人美&メイ」(14 of 117)×3
-「メイ&珠子」(15 of 117)
-「表紙」(85 of 117)


■週刊ゴング9/16号
hibaku_S.jpg (15183 バイト) リングの下でそのマスクを取ったムタと、リング上のニタの視線がぶつかり合う。しばしのにらみ合い。凄い絵だ。幻夢というか…まさに幻魔大戦である
(記事より抜粋)

 …そうだったのか(笑)。8月28日、神宮球場で行われたグレート・ムタ×グレート・ニタ戦。この戦いは幻魔大戦だったのだ。(≧∇≦)

■大都社『バチガミ』刊行
 ファン待望の平成の奇書が黄泉返った。
 神道系オカルティズムという『地球樹の女神』のエッセンスをより濃縮、深化させた超激ヤバの問題作である。それはまさに言霊使いという現代の依代に宿り綴られた、今様「霊界物語」と言えるだろう。
 ところがこの作品、畏まったところが全くない。第一話でいきなり主人公が死んでしまうムチャクチャさ。ドラえもんに対するのび太に相当するヒロイン・堅磐レノは、およそ地球を守る戦士のガラではない守銭奴の女子高生。さらにレノにつきまとい、彼女を尋常ならざる騒乱の渦中に追い込む《作者》“ひらりん”は「おもしろいことには命も賭けるが 真面目なことは一切せん!」と豪語する、面白がり屋のトリックスター。こんなフザけた終末ストーリィが、いままであっただろうか。
 その躁病的雰囲気から『月光魔術團』との共通項を見出す読者も多い。確かに物語を覆うムードはそうだ。“ひらりん”とは、平井和正の無意識の顕現〔=言霊〕であって、最新作『月光魔術團』に至る、現在のステージの先触れであったのだろう。だが、作者にして狂言回しの“ひらりん”が語る真実(?)は、あまりにも深刻かつ重大だ。レノと“ひらりん”の関係をルナ王女とフロイのそれに当てはめてみることも可能だが、交わされるメッセージには、大幅な懸隔が存在する。
「いいかっ この神様はだなっ 世界を全部終わりにして 振りだしに戻してしまう神様で 世界中を何もかも「ぐれんっ」と引っ繰り返してしまう モノスゴク強烈無比な神様なんだぞっ!」

「それどころじゃないぞ…… 世界を終わりにするのが艮の金神様の仕事だからな」

「人を救う神は同時に人を殺す神だ!!!」
 幻魔フリークが見たら卒倒しそうな言霊の数々。世界の破滅は《神》によってもたらされる!? 人類の自助努力による救済は無為なのか!? こんな問題作が、こともあろうに平井和正自身の手によってかかれているのだぞ! こんな無節操な転向を遂げる平井和正という作家は、小林よしのりのごとく糾弾されていいはずだ。なにをしている?>幻魔フリーク! サボるな>幻魔フリーク!(笑) ……しかし、平井和正の認識、ないしインナースペースが、かくのごとく変容しているとするなら、「幻魔大戦」を再開できないのも、むべなるかなと言わねばなるまい。
 そして、本作もまた、レノが罰神化を遂げ(そのバチガミ・フォースは、さっそくアタリを死(2度目)に至らしめている)新展開へ……、というところで強制終了している。その理由は本書あとがきで触れられているが、そんな事情にもまして、読者の視点であるレノが罰神化したことで、その後の構想があったにしろなかったにしろ、物語の継続は困難だったように思う。感情移入できない彼岸のキャラクターばかりで、物語は成立しないからだ。少なくとも、平井和正の創作スタイルではそうだ。
“ひらりん”は人魂UFOアタリとのただ一度の例外を除き、レノの前にしか姿を現していない。レノが彼岸に去り、さらに“ひらりん”との掛け合いによる罰神レクチャーという軸を喪失した本作には、もはや“風呂敷ひろげっぱなしジャーマン”の道しか残されていなかったようにも思える。可能性として、ひとつあげるとすれば、モーレツ巫女アカシアに成敗されたアタリが、真人間に成り下がり、レノと役どころを交替する、というのが考えられるが……。極度に作品世界に入り込んだ見方をすれば、レノのバチガミ・フォースが、物語そのものを終わらせてしまったとも言えるだろう。

 蛇足だが、本書大都社版では、「ワレメちゃん あ それっ ワ・レ・メ」が復活している。BACHI.1の「ほうっ!! お前の名前はワレメちゃんというのか!!」の次のコマで、“ひらりん”がクックロビン音頭(?)を舞いながらこう囃しているのだが、徳間版コミックスでは、お品がよろしくなかったせいか、雑誌には掲載されたこの科白がカットされていたのである。

■梁慶一画『死霊狩り』第15話 臨界(コミックビーム11月号)
 中国特務のアジトで、恋人ジャンジーラを見つけ、俊夫は安堵する。だが、彼女は《怪物》と化していた……。
 というあらすじはさておき、なんなんでしょう、今回のサブタイトル。タイムリー過ぎ。

■梁慶一画『死霊狩り』第16話 覚醒(コミックビーム12月号)
 ジャンジーラ、バケモノになっちゃいましたねー。まあ、マンガのヴィジュアルとしては、こっちで正解カモ。「見てくれ」の怖さが小説では伝わりにくいように、外見はマトモな人間が化け物じみた怪力を発揮する恐怖感は、マンガでは伝えにくい。媒体によって魅せ方が異なるのは当然ですからね。
 ついでに触れておくと、本作冒頭の「廃都ニューヨーク」のシーン。原作にない場面ですが、あれも絶対に必要なものですね。なぜかというと、長期連載で『死霊狩り』を原作通りに進めちゃうと、延々と訓練のシーンばかり続いて、「一体なんの物語なのか?」ということが、わかんなくなっちゃうからなのですね。コミックスでは1巻が終わった時点で、まだ最終試験の前ですし。だから、しょっぱなにボーンと“ゾンビー・ハンター”田村俊夫とゾンビーとの戦いを描写して、「こういうお話なんだよ」と物語の骨子を説明するワケです。わりと導入部が長い連続ものには、よく使われる手法ですね。
 そんなわけで、とりあえず原作のことは忘れて、成り行きを見守りましょう。

■『狼男だよ』刊行!(ハルキ文庫
 かどたひろしによる独自のアレンジが加わった漫画『Wolf Guy』を別にすれば、角川文庫版刊行より、実に実に十六年ぶりの慶事である。
 イラストは、トクマノベルズのウルフガイシリーズのタッチに近い。やはり、『月光魔術團』のイラストは「変わった」のではなく「替えて」いたのだと判る。泉谷おゆみ、やはりタダモノではない。
 超常現象研究家にして元SFマガジン編集長・南山宏氏の解説も、旧友としての心温まるものだ。気になる平井和正執筆状況最新ステータスにも触れられていて、とっくの昔に読んじゃったオールドファンも要チェックだ。
いつだったかこの話を別のSF仲間に打ち明けたら、その作家にこうからかわれたものだ。「あの頃の平井和正は書くのに苦労していたからなあ。それをもっけの幸いとやめる口実にしたんじゃないのかな」。
 南山宏の言う「別のSF仲間」とは、高橋克彦。この一幕は対談集『超古代文明論』(徳間書店)に収録されている。
 解説では、もちろんあの“リアル犬神明”の一件にも触れられている。南山宏は“リアル犬神明”の重要な証人だ。作者と登場人物の鼎談、というメタフィクショナルなインタヴューは、南山宏が介在することによって、平井和正の創作・自作自演という疑惑を払拭している。そもそも、リアル犬神明氏を平井和正に紹介したのは、南山氏なのだ。第一期『月光魔術團』では、リアル氏とのファーストコンタクトの模様が紹介されたが、せっかくアダルトウルフガイの刊行が始まったことだし、こちらでも掲載してもらえないものか。なんといっても、リアル犬神明氏は、アダルトウルフガイの“リアル”なのだから。
 ところで、****が角川文庫第五版以前に戻ってますね。ダイジョーブっスかあ? センセイ(笑)。

■梁慶一画『死霊狩り』第17話 死霊狩人(コミックビーム01月号)
beam01.gif (63695 バイト) 2000年の表紙を飾った1月号、遂に俊夫は“ゾンビー・ハンター”に。最初の任務は、ニューヨーク……おおッ、冒頭の「廃都 ニューヨーク」につながったぞ!(笑)
 あとで述べるが、確かに此処にこのシーンをもって来なきゃ、しょうがないだろう。しかし、するってえと、俊夫が“ゾンビー・ハンター”になったばかりのこの時点で、“ゾンビー”によってニューヨークが廃墟と化し、一般の兵士までが“ゾンビー・ハンター”の存在を知っているという、物凄いカタストロフな状況に世界は置かれていることになるワケで、いささか唐突感は否めないですな。日本だって大騒ぎのはずで、レーシングチームもドライバーと契約なんかしてる場合じゃありませんでしょう(笑)。
 冒頭のシーンの必要性については、以前述べました。それはもう正解なんだけれども、だったら、「都会の片隅で人知れず“ゾンビー”を屠る田村俊夫」で良かったんじゃないの? という気はしますね。やっぱり、「…あいつは ゾンビーハンター…」というセリフを第三者に言わせたかったのかなー。演出としては、わかるんですけどね。
 原作の第1巻に相当する内容がここで終わり、いよいよ第2巻以降へと突入する。原作通りに進むなら、このあと、“ゾンビー”の「意味」は、「不気味な侵略者」から大きく変容することになる。純粋な「敵」として、“ゾンビー”をブチ殺すこのシーンは、だから後ろにずらすわけにはいかないハズなのだ。
 あるいは、こうした状況設定に合わせて、今後の展開もアレンジされるのかもしれない。まあ、大枠では原作に沿って進んでいくであろうとは思いますが。いずれにしろ、細かいツジツマなんて実はどうでもいいんで、漫画としてより魅力的に描いてくれればそれでいい。ここまでの展開、ワタシは好きですね。「おれはゾンビー・ハンター 死霊を狩る者だ!!」という俊夫の独白で結ぶ最後のコマ、決まってるもんねー。コミックとしては、こうこなくっちゃあでしょう。

■梁慶一画『死霊狩り』第18話 明洞(コミックビーム02月号)
 田村俊夫の次なる派遣先はソウル市、明洞(ミョンドン)。ターゲットは兵役帰りの気弱な青年、金智陽。これは韓国人にして兵役経験有り、絵師・梁氏のアイデアなのでしょうか。
 どう見ても“ゾンビー”な、この青年を巡るエピソードが、原作第2巻、加賀良子にまつわる物語のアレンジとは考えにくい。これは原作の流れに挿入されたオリジナル小篇に過ぎないのか、それとも原作を離脱する第一歩なのか。今後を見守ることにしよう。

■「ウルフガイDNA(7) 夜の仮面騎士團」(メディアワークス
 去年のネタなのだが、本が出てしまったので、こちらの話にします。
 遂に、旧ウルフガイ不死鳥結社影の首魁、“ドードー”が現れました。正確には、会話にその名が出てきただけですが。
「“ドードー”は『犬神 明』で死んだのではなかったか?」と思った読者は、素直すぎます。『犬神 明』のその場面をもう一度よーく読み直してみてください。
 蒸気釜が爆発したような激しさで、大音響とともに空間が真っ白になった。積雪が一瞬にして超高熱のため気化したのだ。夥しい蒸気が噴き上がって空間を埋め尽くした。
 そう。衛星兵器キング・ザ・グレートの殺人光線が“ドードー”の現身を灼いたという描写は、どこにもないのです。生きるのに飽きたと言わんばかりの科白を吐いておいて、犬神明どころか、読者にも一杯喰わせやがったのであります。このじーさんは。

■梁慶一 ART WORK(DESSERT COMPANY
ここに武田裕明という男がいる。この男、売れないDJ兼、売れないライター兼、売れない漫画原作者という絵に描いたようなロクデナシである。んで、我々の同志でもあるこの男の知り合いが、そのお店のスタッフにタマタマいた。んで、頼み込んで無理矢理「ビーム」置かせもらった。……ちゅうだけの話なんだが、そんな話はどーでもいい。 (中略) さらに凄いことに、その店で「死霊狩り」と「BAMBi」のイラストが飾られる事になっちまった。
コミックビーム02月号)

 ビームは購読しているのだが、知人に指摘されるまで、この告知には気付かなかった。で、別の知人を誘って行ってきました。原画展。原宿表参道は和風デザートが評判の喫茶に、ムッサい男三人組で。
 まー、なにしろ喫茶店ですので、原画展とゆーよりは、さりげないアートととして額縁入りの『死霊狩り』の原画が飾られている、っちゅうカンジでしたね。
 我々以外はほとんど女性客だったのですが、カウンターで「ビーム」を読んでるアンちゃんがいましたね。ひょっとして、漫画『死霊狩り』の実質的原作者、「構成」武田裕明氏だったのか?

■梁慶一画『死霊狩り』第19話 弱い心(コミックビーム03月号)
韓国が舞台になると、逆に気を使いますね。
 とは、巻末目次の梁氏の弁。ソウルは明洞におけるオリジナルの挿話は、田村がゾンビー化した金智陽を屠って幕を閉じたとだけ報告しておこう。もう少し、引っ張ってもよかったと思う。てゆーか、遠慮せず思いっ切りやってくれいってカンジだ。

■『人狼地獄』(ハルキ文庫
 いつだったか、なんかの格闘技番組で、どこぞのアホギャルタレントが、グレイシー柔術を「グレイシー呪術」と言ってしまい、いつからグレイシーはマクンベーロになったのかと、ワタシを大ウケさせてくれたことを覚えている。
 マクンバ(呪術)、マクンベーロ(呪術師)という素敵な南米タームをワタシに教えてくれたのが、“アダルトウルフ in ブラジル”であったのは言うまでもない。
 その“アダルトウルフ in ブラジル”が、ハルキ文庫から復刊。リオの顔役の用心棒のカポエラ使いを満月間近のウルフ兄貴はノシてしまうのだが、いま描くならブラジリアン柔術家になるのだろうか。まあ、ブラジリアン柔術をシメる犬神明の図ってのも見てみたくなくもないのだが、好調時のウルフ兄貴に胴タックルをしても倒れそうにないし、それって絵的にはけっこうショボいかもしれない。
 旧友・本間俊太郎氏の解説も要チェックな本書だが、タイトルについては、ちょっとイヤな予感がしている。ワタシ個人はNONノベル版の『魔境の狼男』のほうがシックリするのだが、『人狼地獄』は赦せる。問題は、今後『ウルフガイ凶霊の罠』だの『ウルフガイ魔界天使』だの、ダッセぇ角川文庫時代のタコタイトルをそのまま出しやがりやしねえかと、ワタシは少々というより、かなり心配している。
「ウルフガイなんとやら」などというチョ〜恥ずかしいタイトルが、平井和正御自ら考案したものでないのは明らかで、呪わしきは角川時代のご乱心編集者であろう。角川書店は後に『地球樹の女神』を刊行するも、改竄が発覚して徳間に移籍されるという失態を犯している。こういうのって、やっぱり体質なのかしらね〜。(ちなみに、角川書店と、角川春樹事務所は、企業としては全く別の会社です。更にちなみに、『月光魔術團』のメディアワークスは、春樹元社長の弟・角川歴彦が角川書店を飛び出して創った会社なのですが、アニキが白い粉でとっ捕まったため、角川書店に復帰、社長に就任し、結果的に角川書店傘下に入ったという、ややこしい経緯があります)
 とまれ、問題はハルキ文庫のアダルトウルフガイが、角川文庫を「底本」にしているという事実だ。つまり、ことさらに悪意やら、悪質なセンスやらによらずとも、底本が「そういうタイトル」であれば、作者にお伺いを立てる必要さえ感じず、そのままタイトルとして採用される可能性は大である。
 せっかく、泉谷あゆみ画伯がエレガントなイラストを飾ってるっちゅーに(挿し絵のエリカのふるいつきたくなりそーな色っぽさといったら!)、タイトルで興を殺いでもらいたくないもんですな。とは言え、NONノベル版『狼は泣かず』『人狼白書』とは構成が異なる(詳しくは、ヒライスト・ライブラリーの「ウルフチャート」をみるあるよろし)、角川文庫版『ウルフガイ不死の血脈』『ウルフガイ凶霊の罠』のタイトルをどうするかは、思案のしどころだ。

◆◆追記.
 新事実が明らかになった。てゆーか、ワタシがいままで知らなかっただけなんですが。
 トーハンの2月度文庫新刊案内を見たところ、そこにはもちろん、15日、ハルキ文庫よりアダルト・ウルフガイ3の予定が記載されていたのだが、タイトルは「未定」と記されていた。無論、他の本はちゃんと、タイトルまで書かれている。とゆーことは。
 タイトルについては、ちゃんと考慮してくれていたのだ。「人狼地獄」のタイトルは、作者の判断を仰いだか、検討の結果か、いずれにしろ、無条件に角川文庫のタイトルをそのまま採ったわけではないようだ。
 ちょっとホッとした。流石は名作の数々をハイペースで復刊しているハルキ文庫。邪推して、すみません。

Hiraist Magical Garden フィナーレ
 いや〜、よくチェックしたもんですよ。
 いつの頃からか、トップページが"Under Construction"になって以来、完全に巡回コースからは外れていましたから。深夜のきまぐれがなければ、せっかくのフィナーレを見逃すところでした。で、このことを知らずにいる人も大勢いるはずなので、ココを見ている方にも、お知らせしておきましょう。
 サイトオーナーのカンチャンとは、ニフティ時代からの同志でして、平井和正ホームページ起ち上げるってときには、なんだかみんなで大騒ぎしてましたな。あれは確か96年のこと。『月光魔術團』の第一巻がアスペクトから出版されたのとほぼ同時期。とにかく、HTMLとやらをいじくって、ホームページを作ること自体、特殊技能であったあの状況下のなかで、「平井和正ホームページ」の第一号が誕生したことは、記録に留めておかねばならないでしょう。
 回顧録はまたの機会に譲るとして、この記念碑的なファンサイトの閉幕を惜しみつつ、インターネットの黎明期にあって、平井和正ファンサイトのスタンダードとして、我々後発のサイトにお手本を示してくれた、オーナーのカンチャンにあらためて、感謝の意を表したいと思います。Hiraist Magical Gardenとともにインターネットライフを始めた方も、このサイトをご存じなかった方も、アクセスできるのはいまのうちです。この最後の機会をどうぞ、お見逃しなきよう。

■『ウルフガイ不死の血脈』(ハルキ文庫
 やれやれ。結局、こ〜なっちまったかよ。
 日販の文庫情報じゃ「アダルト・ウルフガイシリーズ(6)(仮)」になってたんで、一縷の望みを繋いでいたのだが。「人狼白書」(上・下)でいいジャン、どうよ?
 この次は「ウルフガイ凶霊の罠」か。まーしゃーねーか。ノン・ノベル版とは編集が異なるわけだし。ただ、お願いですから、中身がまるっきり同じの『人狼天使』(全3巻)は「人狼天使」にしてください根。「魔界天使」なんて、安物の香港映画みたいなタイトルつけないでください根。
 平井師匠も、タイトルの改竄には、しっかり目を光らせてくださいよ。それともあれかなー。このタイトル、意外とお気に入りだったりするのかなー。あんまり考えたくないですが。
 この謎は、いずれアダルトウルフガイシリーズのデジタル版がリリースされた暁には、解明されるだろう。……と思ったが、eブックって一巻ごとの長さを合わせる必要がないから、『虎よ! 虎よ!』も『狼は泣かず』も、単体でリリースされそーな気がするぞ。
 ワタシ個人は、版を特定する場合を除き、今後ともノン・ノベル版のタイトルを用いることにするので夜露死苦。

■ルナテック存立の危機?(ウルフガイ・ドットコム 「近況」2000/08/31)
 このページに筆を入れるのも久しぶりだ。
 公式サイトの掲示板が大盛り上がりで、ここで平井和正絡みの時事的トピックスを取り上げる必要がなくなった……というより、そこで発言することにより、ワタシ自身が満ち足りてしまったというのが主な理由だ。
 ところが、その公式サイトの運営母体であるルナテックの、雲行きがどうも怪しいらしい。「近況」8月31日の平井和正の発言によれば、経営状況思わしくなく、本城社長の転職を余儀なくされる可能性が増大したそうである。
 そのことでいま、掲示板はちょっとした騒ぎなっているのだが、そもそも6月16日付のプレスリリースを見れば、ルナテックの窮状のほどは、察しがついたはずなのだ。これを見て、そのことに思い至らなかった者は、己れの不明を恥じるべきだ。ワタシも改めてプレスリリースを見直し、ひとり赤面している。
 1999年5月から翌年6月まで(1年弱)の売上額、約650万。いかに原価が安いeブックビジネスとは言え、これはお寒い数字と言わねばなるまい。当然社員(=社長)の給料は、この売上のほんの一部なのであるから、専業でやっていける業績ではとてもない。嗚呼、なぜ初見で悟れなかったかよ、元営業マン。ひと月に700万売り上げて、ようやくお前の給料分が稼げるのだと、さんざん聞かされたというのに。(もちろん、業種により、この額は異なります)
 これでも、eブックの売り上げでは、平井和正が日本一(たぶん)なのだから、いかに「まだまだ難しい」商売であるかということだ。おそらく、出版各社が参入している同種の事業は、現状赤字であろう。先行投資的意味合いが強いと思う。まあ、新しいビジネスとは、そんなものである。何年もかけて、儲かる事業に育て上げていくのだ。
 しかし、妻子もある脱サラ個人起業家には、そんな悠長なことは言ってられないわけだ。平井和正が紙媒体への広告に「最後の商機に懸けるやり方も」あると言っていたのは、成る程もっともだと思う。寄付? キャラクターグッズ? ――とてもとても。いまルナテックe文庫を知る愛読者が、いかに財布の中身を吐き出そうと、そんなものは焼け石に水、雀の涙でしかない。愛人ひとり囲うぐらいの覚悟と財力で、金銭的支援をしてくれるタニマチが現れてくれるなら話は別だが。
 ルナテックの認知度を上げる。それによって、パイそのものを大きくする。その発想は正しいし、事実、期間当たりの売上・部数も、アスキー時代から比べると大きくダウンしている。パソコンの普及率を考えると、この差は数字以上に大きい(プレスリリース参照)。認知度とは、ことほどさように重要なファクターである。
 だが、ではいかにして――というところで、ワタシの思考は止まる。広告には半端でなく金がかかる。そして、効果があるという保証はない。あまりにも危険な賭だ。

 最悪、ルナテックが操業をやめたとしても、平井和正の作品の供給がなくなるわけではない。紙の本は今後も変わらず刊行されるであろうし、eブックにしても、販売サイトは急増しており、平井和正の決断ひとつでリリースは可能だ。その点、ワタシは一読者としては楽観視している。
 ルナテックの存続を願うのは、経営者である本城氏に対する知人としての情であり、読者としては、最も平井和正を理解するプロ編集者に、やたらと平井和正に詳しい一般人になってほしくないからでもある。「M16」が「MI6」の誤りであることにも気付かず、底本のままに過去の作品を刊行してしまう、そんな編集者に、平井和正の担当をしてほしくはないのだ。(そんな本でも、出ないよりはマシだが。ちなみに本例は『狼男だよ』)
 ルナテックの存続を願う者にできることは、助言・助力の要請があれば応えることと、とりあえず買いたい商品は早めに買うこと、それぐらいだろう。そこから先は、シビアな経済原理がルナテックの存続を決めるだろう。
 しかし、ままならぬものよのう。これをお読みの学生さん諸君。君たちの学校の校庭に、意味不明の巨石が建立されてはいないだろうか? そんなモノリス風の石があったら、ひとつお願いしてみてはくれまいか。平井和正読者を最新情報と様々な面白企画で愉しませてくれた、ルナテックの存続を。

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