「関東うっちゃり会」活動月報No.002前編
(りんね天翔座談会)

◆登場人物◆
司会 多分、一番まともな人物
しんご(shingofgg) りんね天翔のサウンド担当&エグゼクティブプロデューサー(?)
たけし(TakeTake) りんね天翔のプログラム&グラフィック&企画と、その他の色々な作業担当

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司会 ええっと、お二人とも集まっていただいたところで、ええ、「関東うっちゃり会」第二期総決起集会を開催したいと思います。よろしいですか?
しんご なんかおまえ、ぎこちないな。
たけし 司会なんだからさ、もっとハキハキしてくれないとこっちもしゃべりづらいよね。
司会 すいません。久しぶりなもので、ちょっと緊張してます。
しんご まえにやったのっていつだっけ。
たけし 覚えてない。
司会 このホームページを立ちあげてまもない頃でしたから、2000年の夏とかそのあたりのはずです。
しんご うわ、三年ぶりなのか。そりゃ久しぶりだわ。
たけし 急に緊張してきた。
司会 そもそも、前回の対談がサイト上から削除されてますから、「関東うっちゃり会」といってもなんのことだか誰もわからないと思います。
たけし 実は自分も知らないんだよね。言い出しっぺのしんごに聞きたい。いったいなんなの、「関東うっちゃり会」ってのは。
しんご おれに聞くな。そんなもん知らんよ。適当につけただけだろ。
たけし まあ、このホームページ立ちあげた頃はとにかくコンテンツを増やそうと考えていたから、手っ取り早くできそうなものってことで対談を思いついたんだろうね。
しんご そうそう、思い出した。あのときは一ヶ月に一度、対談をやって更新しようと画策していたんだ。
司会 三年たってやっと二度目なんですが。
しんご やかましい。誰も読まんようなもんに時間は割けんのだ。
たけし ま、予定は未定ってことで。で、前回はなにについて対談してたの?
司会 「ゲームについて語ろう」というテーマで、お二人のゲーム体験歴についてしゃべってます。といっても、いつものように脱線しまくって、最後はときメモ声優で締めくくられていますが。
しんご ぜんぜん記憶にない。
たけし あれだ。それをアップしたあと、なぜかときメモ系のリンクサイトに登録されていたんだ。
しんご ふーん。そんな大層なことしゃべってたのか。
たけし いやぜんぜん。どっちかというとときメモに対して否定的っていうか、小馬鹿にして楽しむ感じの内容だった。
しんご へー。天下のコナミ相手にずいぶんと危ない橋を渡っていたんだな、おれたちは。
(ときメモ自体は大変良くできたゲームだと思っています。(TakeTake註))
たけし きみの場合は歪んだ愛情表現なんじゃないの。このあいだもやってたじゃない。
しんご そうそう、久しぶりにやったら、もうコツ忘れてて如月でエンディング迎えちゃった。
たけし そろそろ2やったら。
司会 今回は、他でもない亀電製作同人ゲーム第二弾『りんね天翔』の完成を記念して対談を企画いたしました。お二人には製作にまつわる思い出なんかを語っていただきたいと思います。
しんご ずいぶん強引だな、おまえ。いきなり司会らしく振る舞いやがって。
たけし 思い出といわれてもなあ。ついこのあいだまで作ってたわけだし、思い起こすようなことはないなあ。
司会 そういう今回の趣向を無視するような発言は慎んでくださいよ。どうせ誰も読まないんだから、適当なこと言ってあとは脱線話でいいんじゃないっすか。
しんご なんだその態度は。司会なら司会らしく場を進行させろ。
司会 どっちなんですか、いったい。ええと、それじゃあ、今回のこの『りんね天翔』を作るにいたったそもそものいきさつなどから伺いたいと思います。
たけし それはちゃんとあるよ。「バトンでGO!」っていうイベントに出るために作った。
司会 はあ。
しんご で?
たけし それだけだけど。
しんご いや、そうじゃないだろう。他にあるだろう、もっとこう、なんかさ。先鋭化する同人シューティング界に一石投じるとか、つまんねえアーケード業界に物申すとか、敬愛する作品に捧げるオマージュとか。
たけし ないよそんなもん。そんなことしたら2ちゃんで晒されちゃうよ。シューターって怖いんだよ。なに言われっかわかんないよ。
しんご いや、それにしたってさ、いきなり『くるくるりんね』だぜ? 前作のコメットさんとバトンつながりってのはわかるけど、いくらなんでも二作目にしてマイナーに走りすぎだろう。アニメ化もされてねえし、「小学一年生」だし。だいたいにしてあのバトンって『コメットさん』で売れ残ったもんの使いまわしだろ。
たけし それは『くるくるりんね』が好きだからに決まってるじゃないか。好きじゃなきゃ作んないよ。同人とはいえ、ゲーム一本作るのにどれだけの労力がかかると思ってるの。好きじゃなきゃ気力が保たないって。
しんご ……ゲームプログラマってのは、みんなこんな感じなのか?
司会 一日中パソコンと向きあってますからね。多少融通の利かない面はあると思います。
しんご とにかく、もともと『くるくるりんね』のファンだったところに、ちょうど「バトンでGO!」っていうイベントがあることを知り、参加するためにシューティングゲームの製作を思い立ったと。そういうことだな。
たけし そうだよ。当然じゃん。あと、プライベートでも時間があったし、サークル活動としてもそろそろ二作目をと考えていたしね。なにより、シューティングが作りたかったんだよ。まあ、いろいろな条件がぴったりと重なったんだろうね。
しんご なんだよ、ちゃんと理由があんじゃねえか。はじめからそういうふうに答えればいいんだよ。
たけし だって、製作の直接の動機っていったら、まずはじめにイベントありきだもの。質問が漠然としすぎてるよ。
しんご おまえね。
司会 まあまあ。相手はゲームプログラマですから。融通利きませんから。押さえて押さえて。どうどう。
しんご もういい。
司会 いま『くるくるりんね』のファンだったとおっしゃいましたが、前作のコメットさんとのつながりなども考慮して題材に選ばれたんですか。
たけし いや、それはない。バトンが素材として挙がったのは、本当にただの偶然。だから今後「小学一年生」でバトン漫画がはじまったとしても、ゲーム化はしないね。
しんご 萌えちゃっても?
たけし 言い直すよ(笑)。萌えない限りゲーム化はしない。
司会 やはり、ゲーム製作に踏み切る前提条件として萌えがあるんですか。
たけし そんなことはないよ。本当にたまたまだって。さっきもいったように、今回、製作した直接の動機ははじめにイベントありきだったからね。「バトンでGO!」っていうイベントに参加するには、『くるくるりんね』でシューティング作るのが一番手っ取り早かった。
しんご でも、なんで「バトンでGO!」なんだ。イベントなら他にも色々あったろうに。
たけし りんね関連でネット見てたら目についたんだよ。
しんご で、とびついたと。やっぱ根幹には萌えがあるんじゃねえか。
たけし どうしても萌えと結びつけたいんだな(笑)。でもまあ、重要な要素ではあると思うよ。実際キャラを前面に押し出す必要がなきゃ、横シューにはしなかったもの。
司会 縦スクロール・シューティングの可能性もあったんですか。
たけし そりゃね。弾幕ゲーはやっぱ縦でしょう。『エスプレイド』や『式神の城』みたく、自キャラを人型にしたシューティングもあるけど、あれじゃ、頭と背中しか見えないじゃん。どっから見ても『くるくるりんね』ってわからせるためには、横シューにするしかなかった。
しんご 面クリアのときに『くるくるりんね』の絵をでかでかと描けば、縦でもじゅうぶんアピールできたんじゃねえのかな。
たけし そんな画力ないよ。
しんご ああ、なるほど……。そりゃ切実だわ。
たけし それに、ゲーム中に会話とかデモシーンが入るのって好きじゃないんだよね。テンション乱されるからさ。メインはあくまでもシューティングでしょ。デモシーン用に一枚絵描く時間があったら、その時間使って敵の配置考えたり、弾幕を追加する方を選ぶよ。今回もやりたいことはいっぱいあったけど、いかんせん時間がなかった。
司会 製作期間はどれくらいだったんですか。
たけし 一ヶ月半。
司会 一ヶ月半!? ものすごいハイペースですね。
たけし うん。前作の約半分だね。『りんね天翔』を作るだいぶまえから、またゲーム作りたいねっていう話はしんごとしてて、実作業の方もぼちぼちやってはいたんだけど、いまいちノリが悪くて煮詰まってたんだよね。その分、明確な目標が決まってからは早かった。
しんご 半年くらい、ずっとドット絵が終わらないって言ってたよな。
たけし そうそう。自キャラと敵をいくつか描いたまま、どうしようって。それに、あの頃はまだDirectX7で製作してたし。
しんご あ、そうなの。
たけし そうだよ。そもそもきみが言いだしたんじゃない。DirectX8で作れって。
しんご そうだっけ。おれ、別に7と8の違いなんてわかんないんだけどな。
たけし ぜんぜん違うんだよ。グラフィックの表示の仕方からして違うんだから。今回はそういう基本的な部分を勉強しながら作らなきゃいけなかったから、そりゃ大変だった。
司会 ごくろうさまでした。Directx8のメリットなどはあったんですか。
たけし とくに8に限定する必要はないんだけど、今回、画面サイズを640*480にしたことでドットが贅沢に打てたのは嬉しかったね。前回は320*240で苦労したから。
司会 320*240というと、ずいぶん小さいですね。
たけし 最近のパソコンゲームに慣れてるとそう思うんだけど、アーケードの2Dゲームは320*240、もしくはそれに近い解像度で開発しているものが多いんだよ。『バトル ガレッガ』もそうだし、往年のアイレムのゲームもそう。幼稚園の頃からアーケードゲームファンだった自分としてはこだわりたいところだったんだよね。ただ、ちょっとこだわりすぎたかなって。ま、いずれは8に移行しようと思ってたから、今回はいい機会だったけどね。そもそも、しんごのパソコンだとDirectX8がスペック的に動作しないっていうのも7で製作してた理由のひとつだし。
司会 聞くところによると、しんごさんは『りんね天翔』のためにパソコンを新調したそうで。
しんご 『りんね天翔』のためっていわれると、いかにも自分が期待していたみたいでいやなんだけどな。大きな要因となったことに違いない。どうせ買うならってんでハイスペックなやつにしたら、今度は毎月のローンがきつくてさ。目下、売り上げに期待してる。
たけし あの定価じゃ、そんな儲けはでないよ(笑)。それに、売り上げは次回作の製作費にあてさせていただきます。
しんご えっ、じゃあなに、おれただ働き?
たけし さんざん食わせてやったじゃない(笑)。
司会 今回の『りんね天翔』は、前作『コメットさん☆輝いてティンクルスター』にくらべて非常にオーソドックスな作りとなっているところが特徴ですが、製作にあたって、なにか基本姿勢のようなものはあったんでしょうか。
たけし 基本姿勢ねえ。急にいわれても思いつかないなあ。
しんご 原点回帰。それに尽きる。
たけし 原点回帰ね。なるほど、ものは言い様だ。
司会 なにか裏があるようですが(笑)。
たけし シューティングを作るって決めたとき、一応しんごに聞いたんだよ。どんな感じにしたらいいかって。そしたら、撃って避けて死なずに敵を倒すだけのシンプルな作りにしてくれって。
司会 それが鶴のひと声になったわけですか。
たけし そう。ただその理由がね。聞いてごらん。
司会 どういった理由でシンプルなものをという要望を出されたんですか。
しんご 最近のシューティングゲームはいたずらにシステムの複雑なものが多いような気がしたんだよな。攻撃方法だけで四通りも五通りもあったり、点数稼ぐためにわざと弾幕のあいだをかいくぐっていくとか、極端なこと言うと、なにかのアイテムを取るなり、メーターを溜めるなりしないとまともな攻撃もできないみたいな。とくに同人製のシューティングゲームにそう感じたんだよ。もちろん、一般性を省みることなく先鋭的なアイディアを試みることができ、なおかつそれを好きなときに公開できるっていうのが同人ゲーム製作のメリットのひとつであるのはわかるんだけど、ちょっと全体的に特異になりすぎてるんじゃねえのかっていうのが印象としてまずあったわけ。ストイックな愉しみ方はあっていいと思うし、シューティングっていうゲーム分野の場合、ハイスコアが重要なサブジャンルとしてあるわけだからそれを求めている人間もいるんだろうけど、本来それはひとつの作品のなかに内包されるべきものであって、それだけを突出させて、攻撃方法なり得点なりのシステムを完全に把握したうえでなおかつストイックにしか遊べない、愉しめないっていうのはどうかと思うわけよ。シューティングゲームが活況を呈していて、市場には必ず五作六作あった時代ならば、そういうマニアックなゲームがあっても共存していけるんだけど、いまは決してそういう状況じゃないだろ。弾を撃って弾を避けて、まえにいる敵を撃破しつつ先に進む。それだけのシンプルさが、おれは欲しかったわけ。あくまでもおれの意見だけどな。おれみたいな、たいしてうまくもない下手の横好きシューティングファンからすると、最近のゲームはどうも気持ちよく遊べないんだよ。だからもう、とにかくボタン押してるだけで熱くさせてくれと。なにも考えずに弾撃たせてくれと。そういうこと。
たけし こうやって聞いてると、一理あるでしょ。
司会 はい。ユーザーの意見として無視できないものがあると思います。
しんご 無視されちゃ困るよ。
たけし 自分としてもいまの聞いて納得してね、それまで考えてたバトンを使った攻撃システムなんかを全部捨てて徹頭徹尾シンプルなものを目指したの。まあ、それはそれで方向性としては間違ってなかったと思うんだけど、実はいま彼が言ったことは建前でね。その背後にはしょうもない理由があるんだよ。
司会 はあ。
たけし 実はね、彼、前作のコメットさんを一回もプレイしたことないんだよ。
司会 え。
たけし 自分のサークルの作品だよ。しかも、一曲とはいえ、サウンドも担当してるんだよ。信じられる? 『りんね天翔』がある程度かたちになったとき、イメージをつかんでもらおうと思って一度プレイさせてみたんだよ。そしたら彼の感想が、よかった、今度はおれにもできそうだって言うの。前作はどうだったって訊いたら、やったことないって。愕然としちゃったよ。
司会 本当に一度もプレイしたことないんですか。
しんご うん。一回もない。ハードディスクに入ってすらいない。だって、なんかこむずかしそうだったんだもん。弾吸い取って攻撃とかさ、わけわからんよ。たけしがプレイしてるの横で見てて、こりゃダメだと思って以来、一回も手つけてない。
たけし 冗談じゃないよ。ひとが苦労して作ったっていうのに。
司会 衝撃の事実発覚ですね。
しんご すいません。でも、りんねのシンプルさが一部で好感をもって迎えられたことを考えれば、怪我の功名と言えるんじゃない。
たけし その通りかもしれないけど、なんか反省のあとがみられないな。
司会 まあまあ(笑)。そのシンプルさについてですが、ボムすらもないっていうのが、あちこちで取り沙汰されていますね。
たけし ボムはね、最初から入れるつもりなかった。頼れるものがなにもないっていう緊張感が欲しかったからね。
しんご 製作も後半にさしかかったとき、ボム入れてよって要望出したんだけど、いまから入れるとバグでるからボムやだって却下された。
たけし ばらさないでよ(笑)。でも、ボムは本当になくてもクリアできる作りになってるよ。パターンさえしっかり組めば、ボムは必要ない。ここには自信がある。
司会 それと相関関係で話題になっているのが、難易度の高さですね。
たけし うーん、それもねえ。パターンゲームを意図してる以上、難易度は高く設定するっていうのははじめから決めてたんだけど、いまとなってはちょっとやりすぎたかなっていう気持ちがないでもないんだよねえ。
しんご やっぱあれかな、ずっと『怒首領蜂 大往生』のムービー見てたのが影響してるのかな。
たけし うーん。否定できない。
司会 見てたんですか?
たけし 見てた。あれ見慣れちゃうとね、難易度に対する感覚が麻痺してきちゃって。三面作り終わったとき、さすがにこれはやべーんじゃねえかと思ったんだけど、もうあとにはひけないし。とにかくノンストップで作らないと、イベントに間にあわなかったから。
しんご こんなところにも大往生の功罪が。
たけし 忍び寄るエレメントドールの罠。
しんご 振り向けばレイニャン。
たけし それいいな。萌え。
司会 はいはい、横道にそれないでくださいよ、そこ。肝心なところなんですから。
しんご 怒られちったよ。
たけし 製作者の個人的な思惑から言わせてもらうとね、『りんね天翔』はクリアしたときに自分が狂喜乱舞するっていうレベルで作りこんだ。
司会 つまり、難易度の基準は製作者本人といって差し支えないのですか。
たけし あくまで『りんね天翔』に関してはね。だから、見方を変えれば、あれがいまの自分のシューティングゲームのレベルともいえる。ちなみに言っておくと、自分は『斑鳩』は三面までしかいったことないし、1面でやっとランクA。『怒首領蜂 大往生』ではコンボを念頭に置かずに四面。そんなシューターですよ。
司会 ……すいません。ちょっと絶句しました。
たけし でしょ。でもちゃんと『りんね天翔』はワンコインクリアできるよ。
司会 それだけパターンを作りこんだ自信があると。
たけし 言いかえれば、ガチガチのパターンゲーになったってことだよね。もちろん、最初からそういう意図があったからそうなるのは必然なんだけど、それだけに発表したとき、どれだけのお客さんに受け入れてもらえるかが不安だったね。
司会 そうなんですか。それはちょっと意外な発言です。内容に関しては自信を持っているのかと思っていましたので。
たけし 持ってますよ、当然。自分がやって面白くもないものを作るはずないもの。特に今回、シンプルさを追求したってことは、それだけひとつの要素にこだわれたってことだからね。かなりノって作ってた。サユリン先生のパターン組んでるときなんか、心のなかで「バトンの世界は厳しいのよ、ホーホホホ」とか叫んでたもんね。
しんご それって、ただ単にテンパってただけなんじゃねえのか。
たけし そうなんだよ。突き抜けちゃってたんだろうね。製作期間が短かったっていうのもいい方向に働いて、最後までそのテンションを維持できたから、完成したときは頭が爆発しそうなほどだった。で、ひと眠りして冷静になって、改めてプレイしたときに青くなった。
司会 それはまた、どうして?
たけし あんまりにも自分の趣味が出すぎていたから。つまり、ひょっとしたら自分にしか楽しめないものを作ってしまったんじゃないかと思ったんだよ。それが、お客さんに受け入れてもらえるか不安だったっていう意味。実際、完成直後にデバッグの意味も含めてしんごにプレイしてもらったんだけど、みるみるうちに顔が強張っていってね。プレイ後の第一声が、「けんか売ってんのか」だった(笑)。
司会 短気ですもんね(笑)。
たけし 予想していたとはいえ、さすがに落ちこんだよ。
しんご いや、あれについてはさ、自分でも悪かったかなとちょっと反省はしているんだよ(笑)。でもさ、それまでおれがやってたのって当たり判定がついてなくて、しかもステージの断片だったじゃない。かなり難しいんだろうなって思ってはいたんだけど、はじめて通しでやってみたら尋常じゃなかったんだよね。序盤からして弾は見えないし、なにがどうなってんだかぜんぜんわかんないみたいな状況でさ。それでも我慢して最後までやったんだけど、それが悪かったんだろうな、ラスボスが終わった頃にはもう視界が赤く染まってた。
たけし 目が据わってたからね(笑)。身の危険を感じたよ。
司会 無事だったんですか、そのときは。
しんご おまえ、ずいぶんと無礼な言いようだな。ちょっと傷ついたぞ(笑)。本当のおれはそんな乱暴な人間じゃないんですよ。
たけし 雰囲気が怖いんだよね、きみは(笑)。
しんご うーん。否定できない(笑)。
たけし あのときね、プレイし終わったあと感想を聞いたんだけど、しんごが理路整然とゲームの批判をするんだよ。それがまたひとつひとつ的を射た意見でね。よりいっそうヘコんだ記憶がある。
しんご なんか、おれどんどん嫌な奴になっていくな(笑)。あのときは、おれとたけしのあいだでかなり意見の相違があったんだけれども、それは突き詰めていくと、お互いが持っているシューティングゲームへの嗜好がまったく違っていたからなんだよな。
司会 具体的に言いますと?
しんご シューティングゲームに求めるものが、お互いで正反対だったんだよ。おれはとにかく爽快感オンリーってタイプだけれど、たけしの場合は耐えに耐えたあとに訪れる達成感なのね。まあ、気持ちよさっていう点では最終的に変わりないんだけれど、ようは手っ取り早くほしいか、辛抱を積み重ねたうえで手に入れたいかっていう過程の違いだな。おれは暑かったらすぐにクーラーを入れちゃうけど、たけしはさらにサウナにこもって自分を痛めつけたあとで、水風呂に入った瞬間の快感がほしいんだよ。
たけし 最後のたとえはよくわからないけど、つまりはそういうことなんだろうね。達成感っていうのは自分のなかでも大きなキーワードだった。
しんご 何度もやりこんだいまならば今回のりんねは達成感のシューティングゲームだとわかるんだけど、あのときにおれが重要視していたのは爽快感だったからな。どう転んだって否定的な見解しか出てくるはずがない。
たけし そう。あのときしんごは敵が硬すぎる、初見じゃ避けられないっていうのを何度も口にしていたけど、自分としてはそれじゃゲームが面白くなるはずがないって思ってたからね。ひくわけにはいかなかった。
司会 ということは、たけしさんにとって『りんね天翔』はシューティングゲームへの自分なりの解答となるわけですか。
たけし んー、そんなだいそれたものではないなあ。わりとよくできたとは思うけど、そもそもそんな高いものを目指しているわけじゃないし。『りんね天翔』だってまだまだ改善の余地はあるしね。何度もいってるように、シンプルに作ったぶん、持ってるものがむきだしになっただけだと思う。いわば偶然がうまい方向に進んだだけだよ。
しんご 時期的な運の良さもあっただろうって話は、おれとたけしのあいだでよくするよな。
たけし そうそう。同人に限らず、一般商業作品を含めても横の弾幕ゲーはパカッと空いてたからね。そこにうまいことはまったんで、ちょうどよく目立ってくれたかなって気はする。
しんご おれはあんま詳しくないんだけど、やっぱプロギア以降、ああいうのってなかったの?
たけし あったかもしれないけど、話題になるような作品はなかったよね。自分もあまり詳しくは知らないんだけど。
司会 あ、やっぱり『プロギアの嵐』は意識してらしたんですか。
たけし うん。意識というか、はじめから念頭に置いていたよ。好きな作品だからね。
司会 そういうものなんですか。実は『プロギアの嵐』に関する話題は、あまり触れられたくないのかとかってに想像していたもので。
たけし あからさまにパクってるから? そんなこといったらゲームを作る動機そのものを奪われちゃうよ(笑)。
しんご オマージュ、パロディ、エピゴーネン。問題はどうやって消化するかなんじゃねえのか。
たけし 消化もなにも、本当にそのまんまっていうところもあるんだけどね(笑)。プロギアに限らず、ケイブに対する思い入れっていうのは多分に込めたつもりだよ。2面ボスの最終パターンは画面中を弾が埋め尽くすとか、3面になると雑魚が3ウェイを撃ってくるとか。
しんご 奥様ウットリ極太レーザーとか。
たけし あったねえ、昔の「ゲーメスト」にそんな呼び名が。でも、あれってケイブ関連で出てきた名称だったっけ。あっ、当時はまだ東亜プランか。
しんご 『トライゴン』じゃなかったっけ。
たけし そうだっけ。もう忘れちゃったな。
しんご そもそも奥様ウットリ極太レーザーって言葉自体、ものすごいマイナーだ。「ゲーメスト」でも一、二回しか使ってないんじゃねえか。
たけし 当時は毎月購読してたからね。欲しい基盤が入荷してないかどうか、毎月基盤屋の広告チェックしたり。
しんご 中学の頃だっけ、それって。
たけし そう。
司会 中学生で基盤に手を出していたんですか。
たけし うん。お年玉をすべてつぎこんでたね。
しんご 夏休みに遊びに行ったら、ずーと『イメージファイト』やってて相手にしてもらえなかった記憶があるな。
たけし はまったなあ、『イメージファイト』は。あの頃のゲームってまだ手連射が主流でね、やりすぎて手が腱鞘炎みたくなっちゃったんだけど、それでも湿布貼りながらパターン作ってたなあ。二周目に入ると敵の配置が殺人的になってね、二周目四面が限界だったな。二周目のバースがむちゃくちゃ弾速くて、一度死ぬと復活が絶望的だった。
しんご それから補習ステージ。
たけし そうそう、補習ステージ。
しんご アイテムなしなんだよな。
たけし そのくせ敵の攻撃が半端じゃなくてね。いま思えば、あの補習ステージが『イメージファイト』の真骨頂だったかもしれない。
しんご 『イメージファイト』ってなんかROMをとっかえてやるやつだったよな。
たけし そう。あれはM72基盤っていうマザーボードがあって、それにおのおのゲームのROMを載っけてるんだよ。他のアイレムものだと『レジェンド・オブ・ヒーロー・トンマ』のROMと『R-TYPEII』の基盤を持ってたんだけど、一番やりこんだのはやっぱり『イメージファイト』だったね。当時、まだアーケード用のモニターを持ってなくてね、コントロールボックスのビデオ出力でテレビ縦置きにしてやってたんだよ。多分、テレビが縦置きになってる時間の方が長かったんじゃないかな。
司会 テレビって縦置きにしてもちゃんと写るんですか?
たけし 写ってたね、あのときは。でも、ふつうにテレビ見ようと思って横に戻したら写んなくなってた。なんか画面の上半分が紫色に濁っちゃって。
しんご 危ねえなあ(笑)。
たけし 結局ね、自分にとってシューティングっていったら、あの当時のアイレムなんだよ。「りんね天翔」も見た目こそプロギアっぽくしたし、ネットなんかじゃ横大往生なんていってもらったりしてるけど、作った自分自身がプレイしてみるとやっぱりアイレムなんだよね。
司会 それは意図しなくてもそうなってしまうということですか?
たけし うん。そうなっちゃう。
しんご アイレム魂だ。
たけし そういってくれると自分としちゃうれしいね(笑)。
後編に続く(?)

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