遺伝子の突然変異は人食いの証拠かもしれない

                        By Randorolph E. Schmid

                                                       The Associated Press         April 15  ’03  Daily Yomiuri

    ワシントン発 

   ある種の脳を破壊する病気から人々を護る遺伝子の突然変異は、古代における人食いの証拠であるかもしれない。

   汚染された人肉を食べることによって広がるクールー病やクロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こす原因が人食いにあるかもしれない、と英国の研究者チームがサイエンス・ジャーナル紙の最新版に発表した。

   自然淘汰は突然変異により人類を復活させ、再生させる。

   これら二つの病気と狂牛病は、プリオン(ある種の異常なたんぱく質で、たんぱく質を脳の中で凝集させる)によって引き起こされると考えられる。

   多形成と呼ばれる保護遺伝子は、プリオンたんぱく質の突然変異的なものであり、自然淘汰を通じてかなり広がったことを示している、とロンドンのユニバーシティ・カリッジ(University College)のジョン・コリンジ(John Collinge)の研究チームが報告した。

   「私達がここに示唆したいことは、人類が地球上の隅々に広がる前に、これら多形成の淘汰はかなり広がっていた、あるいは近代人類の進化の初期に起こっていた。」とコリンジは述べている。「これらのどちらがそうなのか、断じることは出来ない、が、プリオンによる病気が自然淘汰をもたらしたことは確かだ。」とも。保護遺伝子をつくる圧力を増しながら、人食いが病気を広めたに違いない。パプア・ニュー・ギニアのフォア(Fore)族が1920年から1950年の間、クールー病の伝染によって壊滅的な打撃を受けたという研究がそれを示している。

   人食いが禁止される1950年代まで死んだ近親者を食する風習がモガリ(死体安置所)であった。

   コリンジはこの儀礼に参加して今も生きている30人女の人たちを調べて、そのうち23人にクールーを病から護る遺伝子の変異を認めた。

   それはクロイツフェルト・ヤコブ病から護る同じ遺伝子の変種であることを記述している。人に現れる狂牛病は、新しい変形クロイツフェルト・ヤコブ病として知られている。

   「人食いはニュー・ギニアに特別に起きたことではないという広汎な人類学的な証拠がある。」と、コリンジは言う。歴史以前に人食いがみられる他の証拠は、ネアンデルタール人の骨の瑕や燃え方、さらに化石化した人類の排泄物の生化学的分析結果に認められる。

   Giuseppe Legname (カリフォルニア大学サンフランシスコ校のプリオン病の研究者)は、興味をそそるものであるが、もっとサンプル数の多いデータ−を見たいものだという。

   「ある種の多形成は、プリオンの病気から人々を護ろうとする。しかし、何らかの結論を導き出す前にもっと学ぶ必要がある。」と。

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