旧平田漁網商店(平田紡績株式会社)

所在地:富田一色町31-3
最寄駅:近鉄四日市駅バス桑名駅前行き松原下車

 海運橋を越えて富田一色の町に入ると昔風の町並みに出会します。国道1号線や23号線が近くを走っているにもかかわらず、静かな町です。この町の中に、現在愛知県に次いで生産額の多い三重の漁網工業の礎が築かれました。
 富田・富洲原には江戸時代から網勘商店、大野商店などの漁網問屋がありましたが、慶応4(1868)年に富洲原港を拠点にしていた回漕問屋の平田佐次郎が自宅に工場を造り平田漁網商店をおこしました。現在の平田紡績株式会社の前身です。
 最初は麻糸を原料とした手工業による手すき網でしたが、明治27、8(1894、5)年頃綿糸を原料とするようになり、明治33(1900)年からは機械生産になり大量生産が可能となりました。伊勢湾のイワシ漁の時期(8月)には注文が殺到し需要に応じきれないほど売れたそうです。

 左の写真の建物は、5、6、7号倉庫に使っていた3棟の蔵です。漁網の原料である麻糸を保管するのに利用したそうです。右の写真の建物は営業事務所などに使っていた建物で、現在は平田氏の御自宅になっています。ともに明治中期のものです。