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自立にむけて その11

藤田保健衛生大学病院
(痛みと折り合いをつける)

概要

 藤田保健衛生大学病院にはこれまでに、疼痛緩和とリハビリを目的に3回入院し、現在は週一回の通院を続けています。
 ここでは、リハビリテーション科を中心に、麻酔科・脳神経外科とも連携をとって治療にあたっていただいています。
 この病院に出会うまでは、疼痛に関してきちんとした対応がしてもらえず、肉体の痛みに加え不安や孤独感など精神的な苦痛とも闘わざるを得ない状況でした。
 ここでは、共感的に痛みに対して理解していただいた上で、様々なアプローチをしていただけていますので、精神的にもずいぶん支えになっています。
 そのお陰で、未だに痛みに対して劇的に効果のある治療にはめぐり会えていませんが、QOLは格段に向上しました。  このような医療機関が増えることと、こういった情報が正しく患者さんに届く仕組みが出来ることを望んでいます。



藤田保健衛生大学病院






痛み発生と憎悪

 平成15年2月ころまでKリハビリテーション病院でのリハビリは順調に進み、簡単な家事くらいは出来そうな状態になり、退院を心待ちにするようになってきました。しかし、退院間際になって、下肢のガスバーナーで焼かれるような灼熱痛や腰のジンジンする 痺れを伴った痛みなどが現れ始めました。医師にそのことを訴えたのですが、関心が無いようで、真剣に対応してもらえず、しだいにそれは強くなっていきました。頸髄損傷からの自立に向けて、そのほかの対応については的確なKリハビリテーション病院で、本当に感謝しています。ただこの「痛み」への対応は残念ながらまったく無力でした。今後は、リハビリプログラムの中に疼痛管理が含まれるようになることを望みます。
 3月5日 Kリハビリテーション病院退院。
 3月30日 家の改装工事が完了し、自宅での療養生活開始。 家がバリアフリーになっても、一人での生活はまだ不可能でした。平日の午前中は、お手伝いの方にきていただき、午後からは、訪問看護や訪問リハビリの制度を利用し、看護師さんやセラピストさんにお願いするという生活が始まりました。
 痛みのため、せっかく取り戻した歩行も苦痛になり、外出も拷問のように感じる日々が続き、引きこもりがちな生活になりました。

病室から見た景色




痛みが理解されないことへの苛立ち

 痛みが発生してから1年あまり。当事お世話になっていた訪問リハビリのセラピストに痛みの実情が伝わらず、だんだん関係が悪くなってきました。セラピストからしても、励ましてもがんばろうとしない患者に苛立ちを感じていたことでしょう。
 こちらとしては、がんばろうとしても痛くて不可能なことを伝えようと言葉を尽くすのですが、大げさととらえたり、我慢が足りないとか怠けと決め付けられたりで、これではうまくリハビリが進むはずがありません。
 このころには、こちらも患者なりにこの痛みについて調べ、脊髄損傷者の中には激しい痛みを持つ人が一部いること、それはとてつもなく大きな痛みで、鎮痛剤は無効であることが知識としてわかってきました。そのため、なぜここまで言っているのにセラピストはそのような情報を得ようとしないのか、そうすればこの痛みの深刻さが理解できるはずと、不信感も持つようになりました。
 そしてついには、「痛い痛いと言って、やる気の無い患者のリハビリは続けられない」と、訪問を打ち切られてしまいました。

奇跡的な出会い

 リハビリを断られた私たちは途方にくれていました。リハビリをしなければ、これ以上の回復は望めないのはもちろんのこと、関節の可動域が狭まっていくなど、いままでせっかく獲得した動作も出来なくなることは明らかだからです。

 藤田保健衛生大学病院について知ったのは、ちょうどそのころでした。Kリハビリ病院で知り合った友人と偶然連絡がとれ、この時の状況を伝えたところ、藤田保健衛生大学の教授である、才藤栄一先生を紹介していただくことができました。
 才藤先生は、痛みの治療やリハビリで「やるべきこと、試すべきことがいっぱいある」と言ってくださいました。更に、「訓練は厳しくしても、日常生活においては、安全に楽に作業が出来るように環境などを整えることが大切」とアドバイスもいただきました。痛みについて、治療方針をもち親身に対応してくださる医師に出会ったのはこれが初めてで、その言葉に救われました。


トレッドミルによる歩行の練習 平成20年11月




指の関節を伸ばす




リハビリが進む

 平成16年8月。通院にて、テグレトールなどの投薬を試しました。(テグレトールは、ねむけ、白血球減少などの副作用が現れて使用中止)
9月から10月にかけて20日程入院。色々な薬を試したり、痛みを考慮したリハビリに取り組んだりしました。お陰で、排泄の自立を獲得。車椅子で外出もできるようになりました。
 平成17年9月には、キッチンを改装。一人で炊事ができるようになりました。
 平成18年1月 20日程2度目の入院。車椅子を使い一人で電車に乗ることもできるようになりました。3月からは、週1度、藤田保健衛生大学病院へ、私鉄、JR、バスを乗り継ぎ2時間半かけて一人での通院を開始し現在も続けています。

3度目の入院

 平成20年10月。手の外側、小指から肘までの物が触れただけで痛みと感じる症状が 悪化。車の運転、炊事、車椅子を漕ぐなどの動作が苦痛になってきたため、藤田保健衛生大学病院に3度目の入院。それまで服用していた、リオレサール、セルシン、ノイロトロピンに加え、リボトリール、トレドミンの服用、ノイロトロピンの静脈注射を試しました。
 ノイロトロピンの静脈注射は、腰の痛みが僅かですが和らぐように感じました。
 リボトリールは、足に力が入らなくなり転びやすくなる副作用が出て中止。
 現在は、痛みの緩和のためリオレサール、セルシン、ノイロトロピン、トレドミンを服用しています。

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作成日2009年5月17日(日曜日)
最終更新日2009年5月26日

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