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グアム旅行(2009年1月)その3

初めて車椅子で海外旅行を計画している皆さんの参考になれば・・・

 妻は、交通事故による頸髄損傷に伴う重い障害を持っています。今回のグアム旅行は、車椅子で行く初めての海外ということで、我家にとっては冒険でありました。
 車椅子はどうなるの? 薬は劇薬指定のものもあるけど持っていけるの? 手荷物検査で医療器具の使用目的を聞かれたらどうしよう? ・・・などなど不安もありましたが無事行って帰ってきました。
 このページでは、障害を持ちながら、これから海外旅行を計画している皆さんの参考になるようなことを書いてみたいと思います。
ホテルのベランダから見たタモン湾と虹


マンダラスパにて

 妻の身体の状態
 上から数えて5と6番目の頸骨を脱臼骨折したため中を通る神経(脊髄)の大半が切れ、以下の感覚、運動、排泄、自立神経の機能が不完全に麻痺しています。末梢神経は再生しますが、中枢神経である脊髄は現段階の医学では再生させることができません。ですからこの麻痺を回復させるためには、再生医療などの進歩を待つしかありません。
 受傷当初は、自立は難しいとされていましたが、現在ではかなり自立した生活をしています。
 排泄は、薬剤・医療器具に加え自己管理などの技術を身に付け、かなり自立できています。一人での外出は、電動アシスト付きの車椅子を利用したり、改造した自動車を運転したりすることで可能になりました。家事についても、家の改装により炊事、洗濯、掃除もほぼ一人でこなしています。
 杖なしの歩行については、充分に安全が確保された状態なら20メートルほど可能ですが実用にはなりません。杖があれば50メートル程度なら歩くことができます。ですから、車椅子がなくともコンビニに車で乗り付け、簡単な買い物をすますことは可能です。
   現在の一番の悩みは、求心路遮断痛・神経因性疼痛などと呼ばれる現代の医学では治すことのできない激しい痛みです。この痛みといかに折り合いを付け、自立した質の高い生活を維持していくかが最も重要な課題です。
 計画
 今回の旅行は、身体障害者向けのものでなく、ふつうのパック旅行で計画しました。10月にいつもお世話になっている旅行代理店に出向きパンフレットを見て決めました。
 この旅行代理店には、妻の身体障害者手帳のコピーも預けてあり、今まで何度もお世話になっています。ですから、妻の身体の状態も理解してもらっているので余分な打ち合わせは省略できます。
 車椅子については、手動か電動か、重さ、バッテリーの種類(ドライかウェットか)が尋ねられ航空会社に手配してもらいました。
 空港とホテル間の移動については、リフト付きバスを、ホテルはハンディキャップルームを、搭乗機の席はトイレに行きやすい席を取ってもらえるように手配していただくことができました。これらについて別途料金が発生するということは一切ありません。

 セントレア空港で
 セントレアでは搭乗手続きの際、自分の車椅子は預け、空港専用車椅子に乗り換えます。自分の車椅子は、大型手荷物受付に持っていき検査を受けます。うっかりパンク修理剤を車椅子のポケットに入れたままにしていたので破棄することになりました。バッテリーは、取り外し機内持ち込みとするよう指示がありました。
 その後、飛行機に乗るまで係の方が付ききりで案内していただけました。
 手荷物検査で、薬や医療器具について質問されるのではないかと勝手に心配していましたが、問題ありませんでした。薬と医療器具は生命に関わるものであり、外国での入手は困難なので、ハンドバックに一式と予備をトランクに入れてもっていきました。
  

 搭乗機からグアム空港で
 搭乗機の席はエコノミークラスでしたが、ビジネスクラスのすぐ後ろで、トイレはビジネスクラス専用を借りられる配慮がされていました。
 グアム到着後、搭乗機から出るとすぐ脇に車椅子が置いてありました。車椅子に乗り自分で入国手続きゲートへ。手続きは並ぶことなく優先的にしていただけました。
 荷物を受け取り、税関検査を受け、出口を出ると現地の係員の方が出迎え、バスに案内してもらえました。バスは車椅子用リフトを装備したものでした。
   

 ホテル
 ホテルは、ニッコーグアム。部屋はハンディキャップルーム仕様の6階の644号室が準備されていました。窓からの眺めも素晴らしく、床はお風呂を含め全面フラット。通路は車椅子でも動きやすいよう十分な広さがあります。またエレベーターに一番近い場所にある部屋というのも有難かったです。

 車椅子バッテリーの充電
 グアムの電源は日本のコンセントが使える形状で、120V50Hzです。持って行った車椅子ヤマハJWUの充電器は、変圧器内蔵の世界対応仕様ですので、グアムでもそのまま使えました。

 タモンの街へ
 ホテルから、タモンの街へはバスやタクシーを使って行きました。タクシー、バスともに運転手さんは、車椅子に乗った人への対応に慣れている感じがしました。たいへん自然に手際よく必要な手助けをしてくれます。
 DFSギャラリア、ザ・プラザ、タモン・サンズ・プラザ、ハードロックカフェなどに行きました。お店にはすべてスロープやエレベーターが有り、車椅子で入る配慮がありました。



タクシーの窓からみた見たタモンの街

 痛みの管理
 身体の不自由さとの付き合い以上に難しいのが疼痛の管理です。
 体調が悪かったり精神的に不安定になると痛みは憎悪するので、体調や心のコントロールが大切です。一端、精神的に不安定になるとその所為で痛みが強くなり、更に精神的に落ち込み、ますます痛みが増すという負のスパイラルに陥ることのないよう気をつけることが必要です。
 この痛みを抑える決定的な薬はまだありません。しかし、僅かながらの効果であっても効く可能性のある薬はありますので根気よく試していく姿勢も大事だと思います。妻が現在、疼痛管理のために使っている薬は、リオレサール・ノイロトロピン・セルシン、それに最近トレドミンが加わりました。旅行中もこれらの服用は欠かせません。

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作成日2009年1月11日(日曜日)
最終更新日2009年3月31日

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