彩りの美しい林を登って行くと、82番の標柱からおよそ20分でなだらかになり、1298mのピークに出る。
ここは広々としたササ原で、展望は無いがブナなどの紅葉が気持ちの良いところである。
雰囲気の良いササ原でしばらく憩っていたい気分にさせられるが先は長いので簡単な小休止で再びザックを背負う。


1298mのピーク。なだらかなササ原で小休止。

さて、かつてこの道を辿った浜田さんも当時はこの1298mのピークで引き返しているため、ここから先は全員初体験の道になる。
ピークからは一旦急降下し、5分ほどでコルになり、地際から手を一杯広げたようなブナたちのそばを通り、ヤセ尾根の岩場を進んで行く。
尾根を辿る道はササが茂っているものの終始踏み跡はしっかりしており、ところどころ立木に赤テープの目印もあって迷うことはない。
登山道の右手にはずっと石鎚山や筒上山が見えており、先を急ぐのは勿体ない思いにさせられる。


中央のピークが筒上山、手前左に椿山の稜線が覗く。

1298mのピークから10分ほどで、プラスチックの山界標柱や赤テープの賑やかな小さなコブに出る。
樹木に囲まれてはいるが岩場からは平家平方向の展望が望める。
やがてヒメシャラやツツジ類の茂る岩場などを過ぎると、ササ原の登りで左手(南方向)に大らかな展望が開ける。
吾川村や仁淀村のやまなみが広がり、南西には大平の集落が、その遙かには蟠蛇森などが見えている。


尾根道から南には吾川村のやまなみが広がる。

さて、1298mのピークから20分ほど歩いてくると、山界標石の立つ小さなコブを越えて左手になだらかな林の広がる一帯へとさしかかる。
適当な間隔を空けて立つ木々の元を一面にササの絨毯が覆う素晴らしい景観で、一角にはヒメシャラの林もある。そんな林に散策して遠回りしてもいいが、ここは尾根を忠実に辿る方が無難であろう。
5分もするとヒノキの植林に入り、南に下る掘れ込んだ道を横切る。
この掘れ込んだ植林の中の道は帰途に詳しく述べるが、南に下ると鳥居があり大規模林道に下り立つことができる。

さて、掘れ込んだ道を横断して植林の縁を辿り、ヤセ尾根にはだかる大岩を過ぎると、石鉄神社の祠に着く。ここまで1298mのピークから約35分。
山石を積んで作られた祠には妙見菩薩が祀られ、石鉄宮の文字もかろうじて読みとれる。
石鎚信仰の遙拝所であろう、背後の樹木越しには石鎚山が見える方角である。


尾根道の真ん中にある石造りの祠。

祠に手を合わせた後、祠の横を通り過ぎ、再び尾根を先に進むとすぐに下りになる。
ヤセ尾根で、左に植林を右に自然林を見ながら登り返せば、ほどなく「境第35番」の小ピークになり、3分後には「境第31番」の標石に出会う。
ともかく、尾根を忠実に辿れば祠から10分ほどで植林が終わり、雑誌山山頂に辿り着く。


雑誌山山頂。足元に3等三角点の標石がある。

辿り着いた雑誌山山頂は腰ぐらいまでのササに覆われた尾根の緩やかなピークで、辺りは樹木に囲まれ展望は皆無である。
足元には頭を真っ赤にペイントされた3等三角点の標石が半分ほど土に埋もれている。その標石に寄り添うように2、3の山名板が残されている。

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