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僧院の華 ウシャ(帽子)


ごろうちゃん曰わく:「黒帽子を取りに行く

 カルマパはこう言い残して、今年一月インドに亡命しました。この亡命の理由となった黒帽子が何なのか、当初はずい分とり沙汰されたもんですが、この一事が示すように、チベット仏教において帽子がもつ象徴的な意味はなかなか奧が深いのです。

 帽子はそもそも、人体においてもっとも高尚な活動を行っている頭にかぶせられるものですからね。

 チベットの僧院では帽子を見るだけで、僧の地位とかもわかっちゃうので、なかなか興味深いです。最近の高僧の写真をみてみても、帽子の伝統はきちんとまもられているようで、いずれは実写もアップしていくつもりです。今回は、このチベットの僧院をいろどる帽子について考えみましょーう。(*イラストならびに説明はWaddelの Buddism ofTibetから)


地位情況によって使い分けられるさまざまな帽子

a.この型の帽子は、チベット仏教の最大宗派であるゲルク派の衆僧がかぶるもので、チベットでもっともよく目にするタイプである。衆僧は、朝夕に行われる本堂での勤行に、この帽子にダガム(zla gam)と呼ばれる半円形のマントをはおって出向く。前方に下がった尾の部分は経典の覆いを象っており、これが長いことは仏の教えが栄えて長くこの地上に留まることを、内側が白いのは僧が清浄なる心を保つべきことを示している。帽子の鶏冠部分は装着者の学位があがるごとに高くなる。

b.c.c.はb.を横からみたもの。この帽子を長い尾のついた状態でかぶれるのは、ダライラマ、パンチェンラマ、ガンデン寺座主、僧王、摂政僧などの最高位の僧である。

d.ダライラマ付きのナムゲル寺の長と四リン御前がかぶるもの。

e.f.この帽子はパンチェンラマ一世(信仰の上では四世)がエンサ寺のたつ山をかたどって作ったもので、タシルンポ寺の主宰者であるパンチェンラマとタシルンポ寺の四大学堂長がかぶるもの。

f. e.帽を横からみたもの。

g.ダライラマ、パンチェンラマ、僧王、摂政僧、化身僧、最高の学位を獲得した僧院長が、夏に馬上でかぶるもの。

h.ゲルク派以外の宗派で、密教儀礼の主宰者である阿闍梨がかぶるもの。

i.ダライラマに随行するツェドゥンと呼ばれる僧官が、冬に馬上でかぶるもの。

j.パンチェンラマの赤帽子。b.c.の赤色版。

k.タクポ=カギュ派の宗祖タクポラジェの考案になる帽子である。カギュ派の僧が灌頂や説法の際にかぶる。

l.ダライラマをはじめとする最高位の僧が冬に馬上でかぶるもの。

m.ツェドゥン僧官が夏にかぶるもの。


n.
チベット仏教中興の祖、ジョー=アティシャの考案になる型で、現在はゲルク派の隠者がかぶる。

o.ツェドゥン僧官が夏の乗馬でかぶるもの。

p.文殊菩薩によって考案されたといわれる型で、サキャ派の僧が本堂での勤行の際にかぶるもの。装着者に洞察の力を授けると言われている。

q.ジョナン派の帽子で、サキャ派の少年僧がかぶる。

r.モンゴルのフビライ=ハンがサキャ派のパクパに授与した帽子。この帽子をかぶることが許されるのは、サキャ派の座主をつとめるクン氏一族だけである。

s.?

t.カルマ=カギュ派の主宰者がかぶる黒帽。百万人のダキニがそれぞれ髪の毛を一本ずつ提供してできたもので、装着者はダキニの力により空を飛ぶことができるという(ホンマか? )。

u.カルマ派の密教帽。

v. カラスの頭をかたどっており、宿帽と呼ばれる。ディグン=カギュ派、カルマ=カギュ派で、怨敵退散の儀礼を主宰するものがかぶる。


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